非商業的、潜在的用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 22:44 UTC 版)
サマリウムをドープしたフッ化カルシウムは初期の固体レーザーの一つにおいて能動媒質として用いられ、それは1960年代初期にIBM研究所で色素レーザーの共同開発者であるピーター・ソローキンおよびミレク・スティーヴンソンによって設計、製造された。このサマリウムレーザーは波長708.5 nmの赤色光を放った。それは液体ヘリウムによって冷却する必要があったため、実用的な用途が見つけられなかった。 もう一つのサマリウムを用いたレーザーは10 nmよりも短い波長で動作する、初めての飽和X線レーザー(英語版)となった。それは波長7.3 nmおよび6.8 nmでパルス幅50ピコ秒のレーザーを発し、ホログラフィー、生物試料の高分解能顕微鏡法、デフレクトメトリ、干渉法および、閉じ込め核融合や天文物理学に関連した高密度プラズマのX線撮影などの用途に適している。飽和動作は取り得る最大のエネルギーがレーザー媒体から取り出されることを意味しており、その結果3 mJの高ピークエネルギーを示す。能動媒質はサマリウム被覆ガラスにNd:YAGレーザー(波長1.05 μm以上)を照射することで生成するサマリウム・プラズマである。 硫化サマリウム (SmS) やセレン化サマリウム (SmSe) などのサマリウムのモノカルコゲナイドは圧力変化に伴って電気抵抗が変化する性質を有しているため、圧力センサーやメモリデバイスに用いることが可能であり、そのようなデバイスは商業的に開発されている。硫化サマリウムはまた、およそ150 °Cの穏やかな加熱に伴って電圧を生じるため、熱電変換素子として利用することもできる。 サマリウムとネオジムの同位体元素147Sm、144Ndおよび143Ndのそれぞれの相対濃度比の分析によって、岩石や隕石の年代を測定することができる(サマリウム-ネオジム法(英語版))。サマリウムとネオジムは共にランタノイドであり類似した理化学的特性を有している。そのため、これら年代決定の目印となる元素が地質学的なプロセスに影響を受けて分離されるようなことがないか、分離されたとしても十分な知見があり関連元素のイオン半径からモデル化することが可能である。
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