Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

SecureDropとは? わかりやすく解説

SecureDrop

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/14 16:40 UTC 版)

SecureDrop
SecureDrop SourceのUIのスクリーンショット
作者
開発元 報道の自由財団
初版 2013年10月15日 (11年前) (2013-10-15)
最新版
2.5.0 / 2022年10月18日 (2年前) (2022-10-18)[1]
リポジトリ
プログラミング
言語
Python
対応OS Linux
対応言語 英語
種別 セキュア通信
ライセンス GNU Affero General Public License、バージョン3
公式サイト securedrop.org
テンプレートを表示

SecureDrop(セキュアドロップ)は、ジャーナリスト情報提供者の間で安全な通信を行うための自由ソフトウェアプラットフォーム[2]。当初は「DeadDrop」の名称でアーロン・スワーツケビン・ポールセンによって設計・開発された[3][4]。ジェームズ・ドーランもSecureDropの開発に携わった[5]

歴史

アーロン・スワーツの死後、2013年5月15日に最初のSecureDropのインスタンスが「Strongbox」の名称でザ・ニューヨーカーの従業員によって設置された[6]報道の自由財団は「SecureDrop」の名称でDeadDropの開発を引き継ぎ、プロパブリカガーディアンジ・インターセプトワシントン・ポストを含む複数の報道機関でSecureDropの導入を支援した[7][8][9]

セキュリティ

SecureDropは匿名化ネットワークであるTorを使って内部告発者やジャーナリストと報道機関との間に通信を確立する。このため、SecureDropのサイトはTorネットワークのOnion Serviceとしてのみアクセス可能である。利用者がSecureDropのサイトを訪問すると、ランダムに生成されたコードネームが与えられる[6]。このコードネームは情報を特定の編集者にアップロードして送るのに使う。調査報道を行うジャーナリストは、SecureDropのメッセージング機能を使って内部告発者と連絡することができる。したがって、内部告発者は自分のランダムなコードネームをメモしておく必要がある[3]

SecureDropは、報道機関が所有する専用の隔離されたサーバを利用する。ジャーナリストは2本のUSBメモリと2台のパーソナルコンピュータを使ってSecureDropのデータにアクセスする[3][6]。1台目のコンピュータはTorネットワーク経由でSecureDropにアクセスするのに使い、ジャーナリストは1本目のUSBメモリにSecureDropサーバから暗号化されたデータをダウンロードする。2台目のコンピュータはインターネットに接続せず、再起動のたびに初期化される[3][6]。2本目のUSBメモリには復号用のコードが入っている。1本目と2本目のUSBメモリを2台目のコンピュータに接続すると、ジャーナリストが情報を閲覧できるようになる。コンピュータは使用後に毎回シャットダウンする[3]

報道の自由財団は、SecureDropのソースコードとセキュリティ環境を各メジャーバージョンのリリース時に独立した第三者機関に依頼して監査し、結果を公表するとしている[10]。1回目の監査はワシントン大学のセキュリティ研究者とブルース・シュナイアーによって実施された[11]。2回目の監査はドイツのセキュリティ企業であるCure53英語版によって実施された[10]

SecureDropは匿名性を維持するため、情報提供者にJavaScriptを無効化するよう呼びかけている[12]

関連項目

参考文献

  1. ^ Releases · freedomofpress/securedrop”. github.com. 2022年11月5日閲覧。
  2. ^ Ball, James (5 Jun 2014). “Guardian launches SecureDrop system for whistleblowers to share files”. The Guardian. https://www.theguardian.com/technology/2014/jun/05/guardian-launches-securedrop-whistleblowers-documents 
  3. ^ a b c d e Aaron Swartz legacy lives on with New Yorker's Strongbox: How it works”. TechRepublic (20 May 2013). 29 July 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。20 May 2013閲覧。
  4. ^ Poulsen, Kevin (2013年5月14日). “Strongbox and Aaron Swartz” (英語). The New Yorker. https://www.newyorker.com/news/news-desk/strongbox-and-aaron-swartz. 
  5. ^ Timm, Trevor (9 January 2018). “A tribute to James Dolan, co-creator of SecureDrop, who has tragically passed away at age 36”. Freedom of the Press Foundation. https://freedom.press/news/tribute-james-dolan-co-creator-securedrop-who-has-tragically-passed-away-age-36/ 
  6. ^ a b c d Davidson, Amy (15 May 2013). “Introducing Strongbox”. The New Yorker. http://www.newyorker.com/online/blogs/closeread/2013/05/introducing-strongbox-anonymous-document-sharing-tool.html 20 May 2013閲覧。. 
  7. ^ “Strongbox”. The New Yorker. オリジナルの13 April 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170413164430/https://projects.newyorker.com/strongbox/ 15 November 2013閲覧。. 
  8. ^ Biryukov, Alex; Pustogarov, Ivan; Thill, Fabrice; Weinmann, Ralf-Philipp (2013). "Content and popularity analysis of Tor hidden services". arXiv:1308.6768 [cs.CR]。
  9. ^ Davidson, Amy (15 May 2013). “Introducing Strongbox”. The New Yorker. http://www.newyorker.com/online/blogs/closeread/2013/05/introducing-strongbox-anonymous-document-sharing-tool.html 26 December 2013閲覧。. 
  10. ^ a b Timm, Trevor (20 January 2014). “SecureDrop Undergoes Second Security Audit”. Freedom of the Press Foundation. https://pressfreedomfoundation.org/blog/2014/01/securedrop-undergoes-second-security-audit 13 July 2014閲覧。 
  11. ^ DeadDrop/StrongBox Security Assessment”. University of Washington Department of Computer Science and Engineering. 13 July 2014閲覧。
  12. ^ Source Guide SecureDrop
  13. ^ Sullivan, John (25 March 2017). “SecureDrop and Alexandre Oliva are 2016 Free Software Awards winners” (英語) (Press Release). Free Software Foundation. https://www.fsf.org/news/securedrop-and-alexandre-oliva-are-2016-free-software-awards-winners 

外部リンク


SecureDrop (内部告発・情報提供サイト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 02:19 UTC 版)

Onionドメインの一覧」の記事における「SecureDrop (内部告発情報提供サイト)」の解説

SecureDropで構築され内部告発情報提供サイトの一覧。報道機関ジャーナリスト等へ匿名情報提供できる。 名称ドメイン備考出典ガーディアン http://xp44cagis447k3lpb4wwhcqukix6cgqokbuys24vmxmbzmaq2gjvc2yd.onion/ http://theguardian.securedrop.tor.onion/ イギリスの新聞社。 ザ・インターセプト http://xpxduj55x2j27l2qytu2tcetykyfxbjbafin3x4i3ywddzphkbrd3jyd.onion/ http://theintercept.securedrop.tor.onion/ 独立系ニュースメディアニューヨーク・タイムズ https://ej3kv4ebuugcmuwxctx5ic7zxh73rnxt42soi3tdneu2c2em55thufqd.onion/ https://nytimes.securedrop.tor.onion/ アメリカ新聞社ハフポスト http://ppw2pmtagxykinex6uubypsommtrcg6ytdh6bcr6agq2wxnrweao4cad.onion/ http://huffpost.securedrop.tor.onion/ リベラルオンラインメディアプロパブリカ http://lvtu6mh6dd6ynqcxtd2mseqfkm7g2iuxvjobbyzpgx2jt427zvd7n3ad.onion/ 独立系報道機関。 など 数十報道機関(.onion)。

※この「SecureDrop (内部告発・情報提供サイト)」の解説は、「Onionドメインの一覧」の解説の一部です。
「SecureDrop (内部告発・情報提供サイト)」を含む「Onionドメインの一覧」の記事については、「Onionドメインの一覧」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「SecureDrop」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「SecureDrop」の関連用語

SecureDropのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



SecureDropのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSecureDrop (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのOnionドメインの一覧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS