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sagaとは? わかりやすく解説

saga

別表記:サーガ

「saga」とは

「saga」は、英語の単語で、長大物語叙事詩を指す言葉である。特に、一族国家歴史描いた物語や、神話伝説を含む長篇物語を指すことが多い。また、一連の出来事や一連の作品全体を指すこともある。

「saga」の発音・読み方

「saga」の発音は、IPA表記では /ˈsɑːɡə/ となる。カタカナでのIPA読みは「サーガ」で、日本人発音する際のカタカナ英語読み方も「サーガ」である。

「saga」の定義を英語で解説

「saga」は、英語で"a long story of heroic achievement, especially a medieval prose narrative in Old Norse or Old Icelandic."と定義される。これは、「英雄的な業績長い物語、特に古ノルド語や古アイスランド語中世散文叙事詩」という意味である。

「saga」の類語

「saga」の類語としては、「epic」、「chronicle」、「tale」などがある。「epic」は、壮大なスケール物語英雄的な業績描いた物語指し、「chronicle」は、出来事時系列記録した物語歴史記録を指す。「tale」は、一般的な物語や話を指す。

「saga」に関連する用語・表現

「saga」に関連する用語としては、「myth」、「legend」、「folklore」などがある。「myth」は神話を、「legend」伝説を、「folklore」は民間伝承を指す。これらの用語は、しばしば「saga」が描く物語の内容関連している。

「saga」の例文

以下に、「saga」を用いた例文10個示す。 1. The saga of the royal family has fascinated people for centuries.(その王家サーガは、何世紀にもわたり人々魅了してきた。)
2. The movie is based on a Viking saga.(その映画ヴァイキングサーガ基づいている。)
3. The novel is a saga of a family through generations.(その小説世代通じた家族サーガである。)
4. The saga of her journey was filled with unexpected twists and turns.(彼女の旅のサーガ予想外の展開と転換満ちていた。)
5. The Star Wars saga has captivated audiences worldwide.(スターウォーズサーガ世界中観客魅了している。)
6. The saga of the ancient gods is a part of our cultural heritage.(古代の神々サーガは我々の文化遺産一部である。)
7. The saga of their struggle for freedom is inspiring.(彼らの自由への闘争サーガ感動的である。)
8. The saga of his life was turned into a best-selling book.(彼の人生のサーガベストセラー本になった。)
9. The saga of the city's development is a complex one.(その都市の発展サーガ複雑なのである。)
10. The saga of their love story was made into a movie.(彼らの恋愛物語のサーガ映画化された。)

サガ【Saga】

読み方:さが

サーガ


サーガ【Saga】


サガ 【Saga】

北欧歴史・伝説司るという女神。(北欧民族愛誦する歴史・伝説をもサガという)水晶館に住み側にさまざまの思想含んだ川が流れており、サガは毎日それを飲んで心に湧く話を詠ずるという。神々の王オーディン毎日この館を訪れ話を聞くのだという。

SaGa

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/01 14:41 UTC 版)

SaGa(サガ)は日本中国ヴィジュアル系ダンスロックユニット2005年にメジャーデビュー。 2008年5月11日に活動休止したが、2012年1月14日中国を拠点に日中混合ユニットとして活動を再開。 2003年、アメリカLos AngelesでRioを中心に結成。その後長い時間をかけてダンスとロックの融合という新しいジャンルを確立した。

ユニット名の由来

英語では英雄の冒険譚を表す「SaGa」。日本語でのサガは「人間の本性、宿命」の意味があり、また中国仏教でいう「因果」という意味も持ち併せている。 Rioが初のデモCDを各レコード会社に送る際、自分の今までの人生、これからの人生を考え、直感で命名した。

スペルを大文字、小文字で分けたのは、日本語のサガを感じてほしいという理由の他に、RioがコンピュータRPGの『魔界塔士Sa・Ga』が好きだったからという。

来歴

〜2004年 結成

2001年、高校卒業後、単身アメリカに音楽修業に渡ったRioは、2002年日本のインディーズバンドシーンで活躍していたTaichi(ドラマー)とハリウッドで出会う。 互いに運命的なものを感じた二人は、何かを一緒にやろうと話し合い、翌2003年、ヴォーカリストを探すため一時帰国し、Juno(リードヴォーカル)と出会う。 3人でSaGaの音楽を模索するための共同制作を開始した。2004年、ハリウッドでダンサーのメンバーを探しているさなか、Nagisa(リードダンサー)と出会い、初期の4人のSaGaが完成した。 時を同じくして日本でSaGaのデモテープを聴いたAVEX TRAXが社長自ら訪米。契約交渉の末、2005年度のデビューが決定する。 同時期にグラミー賞プロデューサーであるScott "Shavoni"Parkerと出会い、その実力を認められ、プロデュースが決定。デビューに向けての制作に突入した。

2005年 デビュー

当時をRioはこう語る。「インディーズ活動を全くすることなく楽曲の良さのみで突如巨大レーベルや世界的プロデューサーと契約し、世界的に放映されるアニメのタイアップが決まった。 本当に幸運な状況だったのですが、まったく状況に実力が伴っていなかったので、とにかく混乱の中、必死だった」 2005年、アメリカでベストゲームアワードに輝いたVIEWTIFUL JOEが日米でアニメ化されることとなり、そのオープニング&エンディング曲がSaGaのデビューとなる事に決定した。 3月、1st single「Brighter side / And you」でデビュー。北米、欧州を中心に放送され、同時にインターネットを通じて各国の子供達の間に浸透し、Youtubeに子供達が曲を歌う姿が次々とアップされていった。 続いて8月、翌クールの主題歌として2nd single「Spirit Awake」が発売され、初のライブの舞台として選ばれたのはAVEXが主催する日本最大規模のフェスティバルA-nationだった。 同年11月、再び世界的に有名なアニメ「頭文字D」のタイアップが決まり、3rd single「円-MADOKA-」が発売。プロモーションの為に来日し、数千人規模のイベントに出演。SaGaのデビュー初年度は 好スタートをきったかに見えた。

2006年 独立、帰国、メンバーチェンジ

しかしここでRioに試練が訪れる。あくまでアメリカを拠点とした活動を希望するSaGaと日本を活動の拠点におくべきというAVEXとの間で意見が対立。結果Rioは米国ビザの期限もあり、 日本に帰国し、日本での活動に一旦専念する決意をしたが、メンバーの半数はアメリカに残る意思が固く、結果SaGaはレーベル契約を解消し、インディーズ活動を選択した。 「自分にとって、もう一度本当に自分のイメージするSaGaを作り上げる必要があると感じた。音楽面も、ライブ面も、そしてビジネス面に関しても(Rio)」 活動の拠点を日本に移したRioは、脱退したTaichiとNagisaの後任として、まずライブ面での弱さを克服するために、日本の著名実力派男性ダンサーTOM(後にIPPEIにメンバーチェンジ) 女性ダンサーKAORIという二名の男女ダンサーを新メンバーに迎え、バンド色の強かったAVEX時代の音楽性から、本来の自分の音楽性を確立するために、エレクトリック、ダンス色の強い音楽を制作。 そしてメジャー時代はレーベルに任せきりだったビジネスサイドをも自分で行なうため、自らのレーベル「MADOKA」を設立。SaGaが出演するイベントの制作、CDの制作を開始した。 「この時は本当に底辺だった。アメリカ生活が長く、日本の事は右も左も分からない。ライブの出方も分からない。アメリカでいい家やスタジオがあって音楽をつくり、帰国すればお迎えがきて、 衣装やメイクがあってTVや雑誌に出てライブをするというメジャー時代は、本当に恵まれていたとしみじみ思った」

2007年 二度目のデビュー、渡米

ゼロから執念の活動再開で徐々に日本国内にファンを増やしていったSaGaはその主催するイベント「MATSURI」の動員を着実に増やして行き、ファン層を確立していく。 またその間もRioは作曲家、プロデューサーとして、メジャーアーティストや大規模なイベントやミュージカルに積極的に音楽制作に取り組み、国内で知名度を上げて行った。 そして自社出版による初のアルバム「Raison D'etre -存在理由-」をリリース。このアルバムをもってメンバー全員で再度アメリカに渡り、ラスベガスからロサンゼルスに渡るツアーを独自で敢行。 「この頃から音楽的にもライブの内容的にも、3年かけてようやく自分のやりたかったSaGaという新しい形態のユニットのイメージを現実にし始める事ができた(Rio)」という発言にも現れるように 大きな反響を呼び、ラスベガス1の高さを誇るカジノホテルStratsphereでの公演は観客総立ちの上、ショーの最中涙を流す現地人まで現れ、地元メディアの熱狂的な取材からも確かな感触を掴んで行った。

2008年 活動休止 〜 

ツアー最後の舞台となったロサンゼルスでは、ハリウッドでも有名な巨大クラブを借り切り、自らのイベント「MATSURI」のアメリカ版を開催。 これも満員の成功を収め、機は熟したと感じたRioは、音源発売の為アメリカのレーベルとの交渉でアルバムとツアーの内容をもってロサンゼルス中を周り、インディペンデント系のレーベルと契約を取り付け、 再びアメリカでのデビューを果たすかに思えた。しかしながらそのインディペンデント系レーベルを中心とした国際的な事件が勃発し、そこに巻き込まれたSaGaは、5月の日本公演を最後に 事実上の活動休止に追い込まれる事となった。 「この半年間の事は、本当に筆舌に尽くしがたいものがあります。サバイバルに長けた俺ですら命が危ないと思ったし、他のメンバーはもう完全にギブアップでした。 もうここまできたらさすがに活動は続けられない。一旦すべてを清算して、別の生きる道を探すしかないと思いました。人生二度目の完敗で、しかも独立からなんとか自力で這い上がってきて、やっと、 という所だったのでさらにショックが大きかった。もうSaGaは無理だろうと思いました。運命は過酷というか、なぜここまで命がけでやった結果がこの結末か、と。 しかし同時に自分に足りないものを見直すきっかけにもなった。世の中はやはり良い人ばかりではないし、隙があればやられる。自分のやりたい事を達成するには、 サバイバルを乗り切れるビジネスマンにならなくてはいけないと強く感じた(Rio)」

2008年 ~ 2011年 休止期間

これ以降3年間にわたり、Rioはステージから離れ、徹底的にビジネスに専念する。SaGaの活動でつちかった国際的な人脈と、音楽業界の知識を生かし、アメリカのベンチャー起業家達と 日本の音楽、ファッションを海外に発信するイベント、インターネット事業会社を起こした。この会社「INDIVISUAL」は自らが尊敬してやまないX-JAPANの復活ワールドツアー、東京、台湾公演において、 YOSHIKIのソロプロジェクトVIOLET UKのダンスxファッションショーのプロデュース、香港において、もう一つの伝説のバンドLUNA SEAの復活に関わるインターネット戦略、 ニューヨークにて「TOKYO FASHION FESTA」と銘打つファッションショーと音楽のライブを一体化させたイベントを主催し、セントラルパークで成功させるなど数々の国際的なプロジェクトに携わる事となる。


この当時の事をRioはこう語る。 「この会社の設立時、2008年SaGaを失った時の夏ですね。LAのヴェニスビーチで、俺の会社のもう一人の創業者であるアメリカ人の優秀な若手実業家と サーフィンしながら浜辺で一日中語らったときに聞かれたんです。 『なんでまだお前はステージに立つべき年なのに、歳をとってからでもできるビジネスを今からやるんだ?』と。 『俺は音楽だけをひたすらやって、ビジネスの戦いに破れたんだよ。音楽以外のビジネスを身につけないとこれから先の資本主義の世界でもっと大きな勝負をする事ができない』と答えると。 『分かった。それなら一緒にやろう。だけど覚えておくんだ。絶対もう一度Rioはステージに立つ日がくる。そのときには絶対全てをかけてそれに臨めよ。  俺達にはそれぞれ自分にしかできないミッションがあるんだ。それを絶対ビジネスの世界で見失っちゃいけない』 この意味が2年かけてようやく後から分かるんです(Rio)」

2011年 中国へ〜活動再開

2011年に入り、インドネシアや韓国を旅したRioは次なる活動の場はアジアだと確信する。 日本を旅立つ準備を進める中、東京ガールズコレクションの中国版であるTGC GIRLS COLLECTIONの プロデューサーの一員として迎えられた事と重なり、10年前から憧れていた中国に活動の拠点を移した。 そこで中国最大の格闘番組「武林風」とフジテレビが共同で2006年から行なっていた中国最大級の格闘イベント番組 「グローバルトップファイター」から、主題歌制作と、番組内の人気アイドル「武林ベイビー」のプロデュースの オファーを受けた。楽曲についての打ち合わせの際、Rioが過去の楽曲を参考の為にSaGaを聴かせると スタッフから「最高じゃないか、これをやってほしい(スタッフ)」「SaGaのような楽曲をつくればいいわけですね(Rio)」 「いや、そもそもこのグループをそのまま中国でもう一度できないのか(スタッフ)」という会話になり、 これを運命と感じたRioは快諾。中国人のヴォーカリストが必要だとするRioに、制作チームが紹介したのが、新ヴォーカリスト 芳芳-Fangfang-だった。天性の声を中国語をはじめ英語、日本語で歌いこなす彼女を見てRioは即決。 北京で二ヶ月に渡る楽曲制作と、イベント開催地である河南省での1ヶ月のリハーサルの末 2012年1月14日、3年半の月日を経てとうとうSaGaは復活し6000人の観客を熱狂させた。 またこの時にRioが、SaGaには必ずダンスが必要だとして日本から呼び寄せた往年のパートナーである振付、演出家、ダンサーMaryがゲストメンバーとして参加したが、 あまりに3人のコンビが現地メディアに好評であったため、準メインメンバーとし現在は3人のSaGaとして紹介されている。 2012年は中国国内の大規模な多数のフェスへ出演を予定。


sAGA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/03/25 10:14 UTC 版)

SAGA
基本情報
出身地 日本
ジャンル オルタナティヴ・ロック
エレクトロニカ
ポップ・ロック
活動期間 2008年 -
レーベル unBORDE(2011年 - )
事務所 respire
公式サイト androp official website
メンバー
RAMY(ヴォーカル)KEVIN(ヴォーカル)
RIO(エレクトロ)

SAGA(サガ)は日本、韓国、中国のメンバーによるアジアンユニット


サガ

(saga から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/07 20:58 UTC 版)

サガアイスランド語: saga 複数形: sögur)は、おもに中世アイスランドで成立した古ノルド語(古北欧語、古アイスランド語とも)による散文作品群の総称。同時代に書かれたエッダ詩ゲルマン民族の神話や英雄伝説を題材にしているのに対し、サガはノルウェーやアイスランドで起きた出来事を題材にしたものが多いことに特徴があり、約200点が現代に伝わっている。

転じて、フィクションにおいて、一家一門の物語を壮大に描く長編の叙事小説[1]ファンタジー作品、叙事詩的映画などがサーガと呼ばれたり、そのようなタイトルを称することがある(『グイン・サーガ』、『ニュームーン/トワイライト・サーガ』、『ゼノサーガシリーズ』など)。

語源

サガは古アイスランド語のsegja(「言う」を意味する動詞で、英語のsay, ドイツ語のsagenに相当する)から派生した言葉であり、「語られたもの、語り物、物語」を意味する[2]

著者と執筆時期

ほとんどのサガは著者不明で、執筆期間はアイスランドで独自の民主制が置かれていた、いわゆるアイスランド共和国時代の後期である12世紀から13世紀とされる。それ以降に書かれた作品は大陸の騎士道ロマンスやおとぎ話の模倣(「騎士のサガ」、「嘘のサガ」)が多くなり、それらは通例サガに含まれない[3]

形式

多くのサガは散文のみで書かれているが、スカルド詩人などを主人公とするサガには、韻文のスカルド詩が挿入されているものもある。全体の長さは作品によって大きく異なり、『ニャールのサガ』のように現代の刊本で数百ページにおよぶものもあれば、『アイスランド人の書』のように数十ページで終わるものもある[注 1]。比較的短い作品にはサットル(þáttr)と呼ばれ、サガから区別されるものがある。サットルは日本では通例「話」と訳される(『棒打たれのソルステインの話』など)[4]

内容と分類

サガが扱う内容は、歴代のノルウェー王の伝記、アイスランドの植民とキリスト教化の歴史、島民の諍いと裁判、古代ゲルマン民族の伝説など多岐にわたる。

各種のサガは伝統的に、主題をもとに「王のサガ英語版」、「司教のサガ英語版」、「アイスランド人のサガ英語版」、「古代のサガ」の4つに分類される[3]。ただし、この分類のほかにも様々な分類方法がある[注 2]。また、これらの分類に収まらないサガや、複数の分野にまたがるサガも存在する。例えば「同時代のサガ英語版」や「騎士のサガ英語版[7]」、「聖人のサガ英語版」といった分類が存在する[8]

王のサガ (konungasögur)
スカンディナヴィア諸国の王侯の事績を扱う。最大のものはスノッリ・ストゥルルソンの作とされる『ヘイムスクリングラ』で、神話時代から初のノルウェー統一王であるハーラル美髪王を経て、スノッリの同時代のマグヌス・エルリングソン王に至るまでの歴代ノルウェー王の生涯を記した16のサガが収められている。ほかにバルト海沿岸のヨムスボルグを拠点に活躍したとされる伝説的なヴァイキング集団を扱った『ヨームのヴァイキングのサガ』などがある。
司教のサガ (biskupasögur)
アイスランドにおけるキリスト教化の歴史と同地で活躍した聖職者の生涯を扱う。ほかのサガよりも史実性が高いとされる。『キリスト教徒のサガ』、『司教パールのサガ』、『聖ソルラークのサガ』などがある。
アイスランド人のサガ (Íslendingasögur)
家族のサガ、氏族のサガとも。植民から内乱の末ノルウェー王に服属するまでの期間のアイスランド人の活動を扱うサガで、その洗練された文体と完成された叙述により文学的観点から最重要の作品群とされる。内容は「血の復讐」と呼ばれる一族同士の報復行為の応酬とアルシング(全島集会)での調停を扱ったものが多い。
アイスランド人のサガは大小30作ほどが知られているが、卓越した詩人にして戦士のエギル・スカラグリームソンとその一族を扱う『エギルのサガ』、偉大な戦士グンナルと賢人ニャールの友情と死を描く『ニャールのサガ』、サガでは珍しく女性を中心人物としている『ラックサー谷の人々のサガ』、数世代に渡る首長たちの抗争を主題とする『エイルの人々のサガ』、アイスランドを追放になり、放浪のすえ殺された不運な男の生涯を空想を交えて描く『グレティルのサガ』の5作は質、量ともに最大級のサガであり、日本では「五大サガ」と称される[9]。ほかに、ノルド人のアメリカ大陸探検の様子を描く『赤毛のエイリークのサガ』などがある[10]。共和国時代末期の内乱状態を描いたサガの集成『ストゥルルンガ・サガ』は、単体で「同時代のサガ」(Samtíðarsögur)という独自のジャンルに分類されることもある[11][12]
古代のサガ (fornaldarsögur)
伝説的サガとも[注 3]。アイスランド植民以前のノルド人の伝承や古来より伝わるゲルマン民族の伝説を扱うサガである。古代のサガが書かれたのはアイスランド人のサガよりも後の時代で、空想的な内容を多く含む点に特徴がある。ニーベルンゲン伝説を題材とする『ヴォルスンガ・サガ』、デンマークの首長ラグナルとその息子たちを扱った『皮ズボンのラグナルのサガ(ラグナル・ロズブロークのサガ)』などがある。
同時代のサガ (samtíðarsögur)
サガの作成者と同時代の出来事を題材としたもの[14]。『ストゥルルンガ・サガ英語版』など[14]
騎士のサガ (riddarasögur)
アーサー王伝説など、外国語の騎士文学がアイスランド語などに翻訳翻案されたもの[15]
聖人のサガ (heilagra manna sögur)
聖人伝を題材とするもの。

代表的なサガ

王のサガ

司教のサガ

  • 『キリスト教のサガ』 (Kristni saga)
  • 『聖ソルラークのサガ』 (Þorláks sögur helga)
  • 『司教パールのサガ』 (Páls saga byskups)

アイスランド人のサガ

古代のサガ

騎士のサガ

その他

  • ギュータサガ英語版』 (Gutasaga)
  • フェロー諸島の人々のサガ英語版』 (Færeyinga Saga)
  • オークニー諸島人のサガ英語版』 (Orkneyinga Saga)

日本語訳

  • 山室静 訳『赤毛のエリク記 古代北欧サガ集』冬樹社、1974年。 
  • 谷口幸男 訳『アイスランド・サガ』新版2024年(松本涼 監修)、新潮社、1979年。ISBN 978-4103137047 
    • 「エギルのサガ」、「グレティルのサガ」、「ラックサー谷の人びとのサガ」、「エイルの人びとのサガ」、「ヴォルスンガ・サガ」、「ニャールのサガ」を収録。第18回 藤村記念歴程賞、第16回 日本翻訳出版文化賞受賞(ともに1980年
  • 菅原邦城 訳『ゲルマン北欧の英雄伝説 ヴォルスンガ・サガ』東海大学出版会、1979年。 
  • 松谷健二 訳『エッダ グレティルのサガ 中世文学集3』ちくま文庫、1986年。 
  • 大塚光子 訳『スールの子ギースリのサガ』麻生出版、2011年。ISBN 978-4-905383-01-7 
    • 初版は三省堂より『スールの子ギースリの物語』として1987年に発行。
  • 日本アイスランド学会 訳『サガ選集』東海大学出版会、1991年。 
    • 「アイスランド人の書」、「めんどりのソーリルのサガ」、「蛇舌のグンラウグのサガ」、「グリーンランド人のサガ」、「棒打たれのソルステインの話」、「ヴェストフィヨルド人アウズンの話」、「ハーコン善王のサガ」、「勇士殺しのアースムンドのサガ」、「司教パールのサガ」を収録。巻末に用語集付き。
  • 菅原邦城 訳『アイスランドのサガ 中篇集』東海大学出版会、2001年。 
    • 「フレイル神ゴジ・フラヴンケルのサガ」、「ヴァープナフィヨルドのサガ」、「ドロプラウグの息子たちのサガ」、「バンダマンナ・サガ―欺かれた首領たちの物語」、「赤毛のエイリークルのサガ」を収録。
  • 森信嘉 訳『スカルド詩人のサガ』(初版)東海大学出版会、2005年9月5日。ISBN 978-4486016960 
    • 「コルマクのサガ」、「ハルフレズのサガ」を収録
  • 渡辺洋美 訳『ギスリのサガ(1000点世界文学大系 北欧篇2)』北欧文化通信社、2008年。 
  • 谷口幸男 訳『ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(1000点世界文学大系 北欧篇3)全4巻』北欧文化通信社、2008-2011。 
  • 林邦彦 訳『北欧のアーサー王物語 イーヴェンのサガ/エレクスのサガ』麻生出版、2013年。 
  • マッツ・G・ラーション『悲劇のヴァイキング遠征 東方探検家イングヴァールの足跡 1036‐1041』新宿書房、2004年。 
    • 『東方探検家イングヴァールのサガ』の抄訳を収録

脚注

注釈

  1. ^ 日本語訳では、『アイスランドの書』は上下二段組で20ページ(『サガ選集』)、一方『ニャールのサガ』は上下二段組で245ページある(『アイスランド・サガ』)
  2. ^ たとえば北欧文学者の谷口幸男は『日本大百科全書』の「サガ」の記事にて、ヤン・デ・フリースの『古代北欧文学史』を参考にしたとして、「宗教的学問的サガ」、「王のサガ」、「アイスランド人のサガ」、「伝説的サガ」の4つに分類している[5]。『アメリカ大百科事典』では「歴史的サガ」、「神話的サガ」、「ロマンスサガ」の3分類がとられている[6]
  3. ^ 谷口は『エッダとサガ』の解説において、「古代のサガ」という名称はデンマークの学者ラヴン (Carl Christian Rafnが1829-1830年に刊行した著作『北欧古代サガ』(Fornaldar sägur Nordrlanda) に由来し、たしかに古い時代を扱ってはいるが、成立時期はむしろ他のサガよりも後であること、また内容面でより空想的・伝説的な傾向がみられることから、「伝説的サガ」という名称が適切であるとしている[13]。英語資料でも legendary saga(伝説的サガ)のような表現がみられる場合がある。

出典

  1. ^ サガ【Saga】の意味 - 国語辞書 - goo辞書、2013年1月15日参照。
  2. ^ 『エッダとサガ』p91
  3. ^ a b 『サガ選集』p278
  4. ^ 『サガ選集』p137
  5. ^ サガ』 - コトバンク。他、『世界大百科事典』の「サガ」の記事でも同様の記述がある(『《ストゥルルンガ・サガ》』 - コトバンク)。
  6. ^ Encyclopedia Americana
  7. ^ 「騎士のサガ」の表記は林 (2019), p. 210 より。
  8. ^ 小澤 2007, pp. 152, 163.
  9. ^ 『エッダとサガ』p97など。なお、アメリカの百科事典The Encyclopedia Americanaではこれらから『グレティルのサガ』を除いた4作をFour Masterpiecesとしている。
  10. ^ 『赤毛のエイリークのサガ』は王のサガに分類されることもある。(『エッダとサガ』p136)
  11. ^ 『角川世界史辞典』
  12. ^ 小澤 (2007), p. 152では「同時代サガ」と表記されている。
  13. ^ 谷口 2017, pp. 235, 281.
  14. ^ a b 小澤 2007, p. 152.
  15. ^ a b c d e f g h 林 2019, p. 210.
  16. ^ 「イーヴェンのサガ」の表記は林 (2019), p. 210 より。
  17. ^ 「エレクスのサガ」の表記は林 (2019), p. 210 より。
  18. ^ 「パルセヴァルのサガ」の表記は林 (2019), p. 210 より。
  19. ^ 「ヴァルヴェンの話」の表記は林 (2019), pp. 211, 231 より。
  20. ^ 林 2019, p. 231.
  21. ^ 林 2019, pp. 211, 231.
  22. ^ 「ブリトン人のサガ」の表記は林 (2019), p. 209 より。
  23. ^ 林 2019, p. 209.
  24. ^ 「メルリーヌースの予言」の表記は林 (2019), p. 211 より。
  25. ^ a b 林 2019, p. 211.

参考文献

  • The Encyclopedia Americana, international edition, 1988
  • 『平凡社大百科事典』改訂新版、平凡社、2007年
  • 『角川世界史辞典』角川書店、2001年
  • 谷口幸男『エッダとサガ 北欧古典への案内』新潮社、1976年。 
  • 谷口幸男『エッダとサガ 北欧古典への案内』新潮社〈新潮選書〉、2017年7月。ISBN 9784106038136 谷口 (1976) の復刊版)
  • 谷口幸男『アイスランド・サガ』新潮社、1979年。 
  • 日本アイスランド学会 訳『サガ選集』東海大学出版会、1991年。 
  • 林邦彦 著「『ブリタニア列王史』のアイスランド語翻案『ブリトン人のサガ』の二ヴァージョン アーサー王をめぐる部分を中心に」、渡邉浩司 編『アーサー王伝説研究 中世から現代まで』中央大学出版部〈中央大学人文科学研究所研究叢書71〉、2019年12月15日、209-238頁。ISBN 978-4-8057-5355-2 
  • 小澤実中世アイスランド史学の新展開」『北欧史研究』第24号、バルト=スカンディナヴィア研究会、2007年8月、151-168頁、hdl:2237/13994 

関連文献

  • 谷口幸男『エッダとサガ 北欧古典への案内』新潮選書、初版1976年、新装版2017年。ISBN 978-4106038136 
    • 28篇のサガの概説が記載されている。
  • 山室静『北欧文学の世界』(初刊版)弘文堂、1959年。ISBN 978-4486007937 
    • 二十数篇のサガの概説が記載されており、また附録として「めんどりのトーレ記(めんどりのソーリルのサガ)」、「氷島改宗記(キリスト教のサガ)」、「西氷島のオードウンの話(ヴェストフィヨルド人アウズンの話)」の3篇が収録されている。
  • J. L. バイヨック 著、柴田忠作 訳『アイスランド・サガ 血讐の記号論』(初版)東海大学出版会、1997年6月。ISBN 978-4486014089 
  • ペーテル・ハルベリ『北欧の文学 古代・中世編』岡崎晋訳(初版)、鷹書房、1990年9月。ISBN 978-4803403732 
  • 熊野聰『サガから歴史へ 社会形成とその物語』(初版)東海大学出版会、1994年。 
  • 熊野聰『続・サガから歴史へ』(初版)麻生出版、2011年。ISBN 978-4-905383-02-4 

関連項目

外部リンク


Saga

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 10:21 UTC 版)

サガ (曖昧さ回避)」の記事における「Saga」の解説

SaGa - 日本中国のダンスロックユニット。 SAGA - 日本韓国中国メンバーによる3人組アジアン音楽グループ。 『SAGA 小室哲哉クラシック・セレクション』- 小室哲哉1992年発表したクラシック音楽コンピレーション・アルバム

※この「Saga」の解説は、「サガ (曖昧さ回避)」の解説の一部です。
「Saga」を含む「サガ (曖昧さ回避)」の記事については、「サガ (曖昧さ回避)」の概要を参照ください。

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