tomography
「tomography」の意味・「tomography」とは
「tomography」は、医療や科学の分野で用いられる専門用語である。具体的には、体内の断層像を得るための画像診断技術を指す。この技術は、X線や超音波などを用いて、体内の特定の部位の画像を層別に撮影し、それを一枚の画像として出力する。例えば、CTスキャン(Computed Tomography)は、この「tomography」の技術を利用したものである。「tomography」の発音・読み方
「tomography」の発音は、IPA表記では/təˈmɒɡrəfi/となる。IPAのカタカナ読みでは「トゥモグラフィ」となる。一方、日本人が発音する際のカタカナ英語の読み方は「トモグラフィー」である。「tomography」の定義を英語で解説
「Tomography」 is a technique used in medical and scientific fields to create a cross-sectional image of a specific part of the body. This technique uses X-rays, ultrasound, or other methods to capture images of different layers of the body, which are then combined into a single image. For example, Computed Tomography (CT) scans utilize this 'tomography' technique.「tomography」の類語
「Tomography」の類語としては、「imaging」や「scanning」がある。これらの単語もまた、体内の特定の部位の画像を得るための技術を指す。しかし、「imaging」は画像全般を指し、「scanning」は一部分を詳細に調べることを指すため、「tomography」よりも広範な意味を持つ。「tomography」に関連する用語・表現
「Tomography」に関連する用語としては、「CT scan」、「MRI」、「PET scan」などがある。これらはすべて、「tomography」の技術を利用した画像診断法である。それぞれ異なる原理や方法を用いて、体内の断層像を得る。「tomography」の例文
1. The doctor ordered a tomography to diagnose the patient's condition.(医師は患者の状態を診断するために断層撮影を指示した。)2. Tomography is a useful tool in medical diagnosis.(断層撮影は医療診断において有用なツールである。)
3. The tomography revealed a tumor in the patient's brain.(断層撮影により、患者の脳に腫瘍が見つかった。)
4. The hospital has advanced tomography equipment.(その病院は先進的な断層撮影装置を持っている。)
5. Tomography can provide detailed images of the body's internal structures.(断層撮影は体内構造の詳細な画像を提供することができる。)
6. The doctor used tomography to monitor the progress of the disease.(医師は病状の進行を監視するために断層撮影を用いた。)
7. The tomography showed no signs of abnormalities.(断層撮影では異常の兆候は見られなかった。)
8. Tomography is often used in conjunction with other diagnostic tools.(断層撮影は他の診断ツールと併用されることが多い。)
9. The tomography results will be available in a few days.(断層撮影の結果は数日後に出る。)
10. The patient underwent tomography as part of a routine check-up.(患者は定期検診の一環として断層撮影を受けた。)
トモグラフィー
試料を連続的に傾斜させて撮影した多数の投影像をコンピュータで画像処理し、3次元的内部構造を再構成する手法。医療分野などで用いられているX線CT、MRIなどによる断層撮影の原理を、TEM像に応用した手法である。たとえば分析用ポールピースを用いた場合は±60°まで1°おきに撮影した121枚の情報を用いて再構成する。試料を傾斜したときのそれぞれの画像の位置合わせの方法には各メーカーの工夫が凝らされている。±80°までの情報が撮れる試料ホルダ、さらには全方位から情報を取れるような試料ホルダも作られている。また、生体、高分子、有機物の観察用に液体ヘリウムで試料を冷却できる用のステージも開発されている。STEM法によるでは、TEM法の場合のような試料位置による焦点ずれがなく、HAADF法を用いれば結晶性試料の場合の回折コントラストも除去できるが、画像取得に時間がかかること、照射損傷や試料汚染が避けられないのが欠点である。
トモグラフィー
トモグラフィー(英: tomography)[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][注釈 1][注釈 2]は、物理探査、医療診断等で用いられる逆解析技術の一つ。日本語訳は、断層映像法または断層影像法である。コンピュータを用いて処理することで、画像を構成する技術はコンピュータ断層撮影と呼ばれる。
その多くは、対象領域を取り囲む形で、走査線(線源と検出器)を配置し、内部の物性(音速、比抵抗、音響インピーダンス、密度など)の分布を調べる技術である。評価したい対象物によって、X線CT、地震波トモグラフィー、海洋音響トモグラフィーなどと呼ばれている。
概要
本記事では、トモグラフ像の撮影と、復元について、原理と装置構成を説明する。トモグラフ像の撮影方法には、主に、平行ビーム光学系を用いる方法(図2参照)と、扇形ビーム(ファンビーム)光学系(図3参照)と円錐ビーム(コーンビーム)を用いる方法がある[注釈 4][注釈 5]。
画像再構成アルゴリズム
CT画像再構成法は解析的再構成法、代数的再構成法、統計的再構成法に大別され、逆投影法は解析的再構成法に分類され、逐次近似画像再構成法は代数的再構成法と統計的再構成法に分類される[1][13]。 これまでCT画像再構成法の主流はフィルタ補正逆投影法(filtered back projection:FBP法)であったが、近年では画像ノイズ低減効果やアーチファクト低減効果が期待される逐次近似画像再構成法(iterative reconstruction:IR法)が増えつつある[1][13]。
- 逆投影法(Back projection)
- 逆投影法では1回の計算で解(再構成像)が求まる[13]。
- 逐次近似画像再構成法(Iterative reconstruction)
- 逐次近似法は最初に初期画像を仮定してこの画像から計算で作成した投影(順投影)と実測投影との整合性を反復計算によって高めていく手法で、反復計算により計算時間を多く必要とするものの、コンピュータの高速化に伴って統計雑音の性質、装置の分解能、被写体の滑らかさなどの事前情報などを式中に組み込める柔軟性や近年発展の著しい圧縮センシング理論を取り入れることにより徐々に増えつつある[13][14]。
平行ビーム光学系を用いたトモグラフ像の撮影と復元
トモグラフィーの数学的な基礎はラドン変換と、ラドン逆変換である[1]。ラドン変換は、トモグラフィーの基本原理であるばかりでなく、例えば、ハフ変換等にも応用される[15][16][17]。応用範囲の広い数学的手法であるが、ここでは、トモグラフィーのモデル化という観点に重きをおいて説明する。
被写体と、透過光との角度を、
円錐形ビーム光学系によるトモグラフ像の測定と復元
円錐状のビームをフラットパネルディテクタのような2次元に配置された検出素子で検出する[1]。1998年にソニーがコーンビームCT の先駆けとなる大視野3次元X線CTの開発に成功した[18]。その後、コーンビームCTやマルチスライスCTで使用される。
トモグラフィーの種類
- ラジオグラフィー - 放射線を用いる手法。
- 地震波トモグラフィー - 地震波の伝播時間を用いて、地球内部の3次元速度構造を求める手法。
- 海洋音響トモグラフィー - 海洋中の音波の伝播時間を測定して、音波の伝わった海洋の内部の状態を調べる手法。
- 弾性波トモグラフィ - 弾性波を使用して地質構造を可視化する[24]。
- 比抵抗トモグラフィ - 地中の電気伝導度を元に地下構造を可視化する[24]。
- 音響トモグラフィ - 高周波数の音響波を用いて、地盤や構造物の内部構造、岩盤やコンクリート内部の亀裂、樹木内部の空洞を非破壊で可視化する[25]。
- 光コヒーレンストモグラフィ - 細胞レベルの高速・高分解能で深さ5mm未満の断層画像化に使用される[26]。
- 電磁誘導トモグラフィ - 電磁波の伝播経路の伝播特性から内部構造を可視化する[27]。
- 電気インピーダンストモグラフィ - 電気インピーダンスを元に内部構造を可視化する[28][29]。
- 電気容量トモグラフィ - 電気容量を元に内部構造を可視化する[29][30]。
- 磁気誘導トモグラフィ - 分析対象内に送信コイルによって誘導電流を生じさせてそれによって発生した磁場を検出することで対象の内部構造を可視化する[31]。
- 熱音響トモグラフィ - 熱音響トモグラフィは加熱によって生じた音響を検出して内部構造を可視化する[32]。
- テラヘルツ波トモグラフィ - テラヘルツ波(周波数100GHz~ 10THz、波長30um~3mm)を利用して内部構造を可視化する[33]。
- 量子トモグラフィ - 未知の量子的対象を完全に同定する手法の総称であり、量子情報処理実験において重要な役割を担っている[34]。
- 電離層トモグラフィ - 電離層内での電波の伝播を利用して構造を可視化する[35]。
- 水蒸気トモグラフィ - 多数のGPS観測点でグローバル・ポジショニング・システム(GPS)からの電波を受信する事で大気圏を伝播する電波の水蒸気による衛星視線方向の大気遅延量を利用して大気中の水蒸気の空間分布を算出する[36][37]。詳細はGPS気象学を参照。
脚注・参考文献
脚注
- ^ 図面の豊富なその他の特許として、例えば、次のようなものがある。 アメリカ合衆国特許第 6,879,657号、 アメリカ合衆国特許第 6,574,296号、 アメリカ合衆国特許第 6,775,346号、 アメリカ合衆国特許第 7,215,734号
- ^ A. M. Cormackの2論文は、AIPの重要論文とされている。[1][リンク切れ]
- ^ 図のような医療用CT撮影機器は、医療機器に該当するため薬事法の規制をうける。従って、それぞれの製品毎に必ず添付文書が必ず存在する(薬事法上の一般名称は、全身用X線CT診断装置)。添付文書は医薬品医療機器総合機構のデータベース [2] から検索できる。本記事では、東芝メディカルシステムズ Asteion TSX-021Bの添付文書 [3] と、日立メディコ製の全身用X線CT診断装置 SCENARIA [4] の添付文書 [5][リンク切れ]を参考にした。
- ^ プローブとするビームは、光(主にX線)、磁場に加え、電子線(平均自由行程が短いため、真空中に限る)変わり種としては、ミュオン(山の断層写真の撮影例がある)等がある。
- ^ 少なくとも医療機器の場合には、扇形ビームをベースとした方法がほとんどである。さらにメーカー独自の改良をが加わっている。最近の技術動向は、特許庁や特許事務所等が作成したパテントマップ等からある程度解読可能である。特許庁作成版としては平成15年版 [6] あるいは平成23年版 [7] のパテントマップが公開されている。本文では15年版を引用している(23年版は過去の動向や歴史、基盤技術に関する分析が簡潔するため)本シリーズの前シリーズには、「技術分野別特許マップ」[8] があり、基本特許の特定などの有益な情報が充実していたが、「技術分野別特許マップ」シリーズに比べ、15年版ですらそういった基礎的な情報は大幅にプアになっていて、産業統計に近い状況になっている。尚、「技術分野別特許マップ」シリーズでは、CT関連を直接扱ったものはない。
参考文献
- ^ a b c d e f g 戸田裕之. X線CT―産業・理工学でのトモグラフィー実践活用. 共立出版. ISBN 978-4-320-08222-9
- ^ Avinash Kak; Malcolm Slaney (1988). Principles of Computerized Tomographic Imaging. IEEE Press. ISBN 9780879421984 .
- ^ 篠原 広行、坂口 和也、橋本 雄幸「Excelによる画像再構成入門 (画像再構成シリーズ)」、医療科学社、1993年2月、ISBN 9784860033736。
- ^ 斎藤 恒雄「画像処理アルゴリズム (アルゴリズム・シリーズ)」、近代科学社、1993年2月、ISBN 9784764902053。
- ^ フーリエ解析(13): フーリエ変換の医療分野への応用例
- ^ 梅垣 寿春「情報数理の基礎―関数解析的展開 (Information & Computing)」、サイエンス社、1993年7月、ISBN 9784781907079。
- ^ 河田 聡、南 茂夫「科学計測のための画像データ処理―パソコン EWS活用による画像計測&処理技術」、CQ出版、1994年4月、ISBN 9784789830300。
- ^ Johann Radon, Uber die Bestimmung von Funktionen durch ihre Integralwerte l?ngs gewisser Mannigfaltigkeiten, Computed tomography (Cincinnati, Ohio, 1982) Proc. Sympos. Appl. Math., vol. 27, Amer. Math. Soc., Providence, R.I., 1982, pp. 71?86 (German). MR 692055 (84f:01040)
- ^ A. M. Cormack;"Representation of a function by its line integrals, with some radiological applications" J. Appl. Phys. 34, 2722-2727 (1963) doi:10.1063/1.1729798
- ^ Hounsfield GN; Computerised transverse axial scanning (tomography) I. Description of system. Br J Radiol 46: 1016-1022, 1973. doi:10.1259/0007-1285-46-552-1016
- ^ Godfrey Newbold Hounsfield US4,115,698 [9](Godfrey Newbold Hounsfieldによる特許)。 同特許のパテントファミリー等は、Espacenet等より参照可 [10]。
- ^ Steven W. Smith;"The Scientist and Engineer's Guide to Digital Signal Processing" [11]
- ^ a b c d (PDF) CT画像再構成法の現状を 理解しよう!
- ^ 工藤博幸、逐次近似法を用いたCT画像再構成法の考え方と驚異 Medical Imaging Technology. 2005年 23巻 1号 p.23-, doi:10.11409/mit.23.23
- ^ 国際電気通信基礎技術研究所による特開平05-012438 [12]
- ^ [13][リンク切れ] および、立命館大学講義ノート (新エネルギー・産業技術総合開発機構)即効型地域新生コンソーシアム研究開発 柔軟変形物ハンドリング用ビジョンチップの研究開発報告書[リンク切れ]
- ^ MATLAB解説記事より [14]
- ^ (PDF) 高速コーンビーム3次元X線CT
- ^ 中性子断層撮影法の基礎
- ^ 東大地震研:浅間山の 内部構造再現 素粒子使い立体的に, オリジナルの2012年5月27日時点におけるアーカイブ。 毎日新聞(2010年3月9日)
- ^ Muon scans confirm complete reactor meltdown at Fukushima
- ^ Muon scans confirm complete reactor meltdown at Fukushima Reactor #1
- ^ Our Next Two Steps for Fukushima Daiichi Muon Tomography
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- ^ 地中を”見える化”する音響トモグラフィ地盤調査[リンク切れ]
- ^ (PDF) 医療におけるフォトニクス技術の展開[リンク切れ]
- ^ 研究代表者 佐々木裕『電磁誘導トモグラフィの3次元解析ソフトウェアの開発』研究課題/領域番号:07555332、九州大学〈科学研究費補助金(基盤研究(B)(1))研究成果報告〉、1997年 。
- ^ Electrical Impedance Tomography:EITの紹介
- ^ a b (PDF) 磁気を併用した生体電気インピーダンス CT の開発研究
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- R.ゴードン、S.A.ジョンソン「医療用X線像の立体的再生」『サイエンス』、日本経済新聞社、1975年12月、54頁。
- Richard Gordon; Gabor T. Herman; Steven A. Johnson (1975年10月). “Image Reconstruction from Projections”. サイエンティフィック・アメリカン (Nature Publishing Group) 233 (4): 56-68.
関連項目
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