
【モンベル新作】 晴雨兼用傘「O.D.アンブレラ プラス」で考えた、山で使う傘の機能
四季ではなく、春、夏、猛暑、秋、冬の五季になったといわれる日本の気候。山も暑さは厳しくなってきていて、これまでとは異なる対策、対応が必要です。
そこで活用したいのが、晴雨兼用傘。これまでアウトドア用の晴雨兼用傘はシルバーコーティングで暑さを反射させるタイプが定番でしたが、モンベルからタン、ブルーグリーン、オレンジと“フツー”のカラーの晴雨兼用長傘が新発売されました。サイズも2タイプ用意され、どれを選ぶべきか実際に使用してみました!
2025/04/14 更新
目次
アイキャッチ画像:ポンチョ
山で傘は必要か?

山で傘なんて……レインウエアとレインカバーがあれば、不要。そう思っている人が多いかもしれません。それに、強風が吹く稜線で傘をさすのは危険ですし、ナンセンスだと思います。
でも、暑がりな私は、雨除けと涼しさを求めて傘を差すことが多くあります。
透湿性に長けたレインウエアであっても、気温の高い季節にはサウナスーツを着ているような体感です。雨ではなく、汗でシャツがグチャグチャになる経験をしてから、特に、蒸し暑い夏の低山、樹林帯での雨には、傘を差すようになりました。
そこまで暑くないときであっても、風の影響の少ない樹林帯の雨なら、枝葉が雨を受け止め、大抵は小雨。レインウエアよりも、軽量ウインドシェル+傘+レインカバーで対処する方が、実は快適なんです。

さらに、昨今の日本の暑さ、暑い季節の長さは、ご承知の通りです。街では紫外線防止、熱中症対策として、女性だけでなく、日傘を差す男性も増えつつあります。そんな日傘が機能するのは、街だけでなく、山でも同様です。
高所は気温が少し低くなりますが、しかし街よりも紫外線は強く、日差しが激しく、陽光を遮る樹々のない稜線や森林限界以上では、風が強くなければ男女ともに日傘を差すべき状況になってきています。
登り下りの最中ではなく、例えば休憩時にちょっと日傘を広げて日陰をつくるだけでも、かなり涼しさを実感でき、ホッとひと息つけるでしょう。キャンプシーンでいえば、タープの役割です。
米国ロングトレイルで使われている日傘

そもそもアウトドア、または山での傘の使用は、珍しいことではないんです。
片手がふさがってしまうので、急登、鎖場やハシゴ、ロープ場、岩場等、不向きなシーンがあることは間違いありません。ですが、軽く、強度に長けた折り畳み傘を山行で使用するハイカーは、実はかなり以前からいます。
例えばモンベルでは、1987年から折り畳み傘のトレッキングアンブレラをラインナップしています。2016年からはサンブロックアンブレラ 55(上画像)という日差しを反射するシルバーコーティングが施された晴雨兼用折り畳み傘も発売しています。
シルバーコーティングされた晴雨兼用傘は、主にロングトレイルハイカーが愛用してきたものです。ロングトレイルハイキングの本場米国のトレイルは、砂漠や緩やかな岩場歩きが多いセクションがあります。そこで晴雨兼用傘を差して歩き、日陰をつくって直射日光から自身を守り、体力の消耗を抑えるハイカーが多くいるんです。

厳しさが増す日本の山でも、晴雨兼用傘を、夏山登山の定番装備に入れてもいいと思うのです。
そうした需要を見込んだのか、日本のトレッキングアンブレラを牽引してきたモンベルは、2025年春から晴雨兼用長傘を新発売しました。
モンベルの既存の晴雨兼用折り畳み傘は、毎年シーズンインとともに売り切れになってしまって手に入れらない状況が続いていたので、私は発売間もなく、その新作を購入。テストをしてみました。
新作傘の名は、「O.D.アンブレラ プラス」

新作晴雨兼用長傘の概要は、次の通りです。
- 商品名
- O.D.アンブレラ プラス 50
- O.D.アンブレラ プラス 60
- 価格
- ¥6,400
- ¥7,000
- 重量
- 214g
- 271g
- 収納サイズ
- Φ5 x 61cm
- Φ5 x 71cm
- 使用時直径
- 86.5cm
- 101cm
上画像がカラーラインナップで、右からタン、ブルーグリーン、オレンジがあります。50と60の2サイズが用意されていて、右のタンが50、中のブルーグリーンが60です。
50と60の大きさ、重量の体感は想像以上

O.D.アンブレラ プラスの50と60の使用時の直径は、86.5cmと101cmとその差は14.5cmです。この差はかなりあって、バックパックを背負った際に、身体の前面とパックの両方を濡らさずに済みそうな大きさは、圧倒的に60の方です。
一方で、傘を差した際の軽さは214gと271gで、その差は57gです。実際に傘を差してみると、50の方が圧倒的に軽く感じます。
では、どちらを山に持っていくか?を考えると、傘としての機能性は60の方が高いですが、山では50が間違いないと思います。
その理由を、以降で紹介していきましょう!