2025-02-04

テレ朝HD株価上昇はフジテレビの影響か?

フジ・メディア・ホールディングスフジMHD)の株価が急騰している。ここ数カ月は1,700円前後で推移していたが、2024年12月25日発売の「週刊文春」が「中居正広9000万円SEXスキャンダルの全貌」を報じたことで下落し、年明けには一時1,500円台を記録した。

しかし、2025年1月20日以降は右肩上がりの上昇が続き、2月3日終値は2,506円に達した。直近6カ月で74.8%の急騰となっている。この背景には、CM撤退などによる一時的な業績悪化はあるものの、企業ガバナンス改善によって事業が大きく回復するとの期待があると見られる。

半年フジMHDは1.75倍、テレ朝HDも1.48倍に

フジMHDPBR株価資産倍率)はもともと0.5倍前後と低く、不動産を含む資産を多く抱えているにもかかわらず、株価は割安だった。このため、仮に他社がフジMHDを買収し、資産を売却すれば、株主利益がもたらされる計算となる。

この動きにあわせて注目されているのが、テレビ朝日ホールディングステレ朝HD)の株価だ。半年前には1,600円だった株価は、好決算を受けて2024年11月初旬から右肩上がりに推移。年末にはフジテレビへの「文春砲」の余波で下落したものの、2月3日終値は2,467円と急騰し、半年で48.3%の上昇となっている。

なぜフジMHDの上昇とともに、テレ朝HDも同様に買われているのか。昨年末に両社の株を購入したある個人投資家は、2つの仮説を立てている。

ひとつは、テレ朝HDPBRフジMHDと同様に0.5倍程度と低く、割安だったことです。良質な不動産を多く保有していますから。もうひとつは、フジMHD企業ガバナンス見直しの機運がテレビ業界全体に広がり、テレ朝HDでも経営体制刷新が期待されていることが影響していると考えられます

テレ朝HDには現在のところ大きな不祥事は見当たらないが、投資家氏は「フジの日枝氏に匹敵する大物が朝日にも鎮座している」と指摘する。

生え抜きとして初めてテレビ朝日社長になった早河洋氏です。今年の正月で81歳になりました。現在テレ朝HD代表取締役会長と、テレビ朝日代表取締役会長兼任しています。これだけ時代の変化が激しい中で、80歳を過ぎてそんな要職が務まるわけがない。彼が退任すれば社内の空気刷新され、新たな取り組みがスピードアップするに違いありません」

日枝批判はするが早河批判はできない玉川徹

テレビ朝日社長2019年亀山慶二氏が就任しかし、2022年に「経費の私的流用」などにより辞任し、テレビ朝日代表取締役会長CEOだった早河氏が社長COO兼任することとなった。

この件については、亀山氏に対して社内で批判があがる一方、「社内抗争で“テレ朝天皇”早河氏が実権を取り返したのでは」(テレビ朝日関係者)という声もささやかれていた。

一方、フジMHD不祥事では、関わりがないとされる“フジテレビ天皇取締役相談役日枝久氏(87歳)に対する批判の声がなぜか高まっている。コメンテーター玉川徹氏は、2025年1月28日の「羽鳥慎一モーニングショー」で、こう発言している。

フジテレビの会見は、もちろん追及される立場ではあるんですけど、いま地に落ちたイメージ回復する機会にもなる会見だったと思うんですね。しかし、そのチャンスをみすみす失ったな、と思いますひとつは、隠すことなく、正直に、分かってることを明らかにする、という姿勢大事だと思う。しかし、本丸である日枝さんを出さない。これは正直じゃない、隠していると、それだけで見られてしまう」

1月31日の同番組でも「なんで、日枝さんの話にならないんだろう」「まず日枝さんがどうするかがもっと大事で、最初に考えるべき議題」と、繰り返し日枝氏の名前を出している。

玉川氏が日枝氏を何の「本丸」と考えているのかは不明だが、前後発言から見て、日枝氏を記者会見に引っ張り出してクビを獲るべきだ、と言っているようである

しかし、院政を敷いている高齢の日枝氏が企業体質浄化の「本丸」という意味だとしたら、同じようなポジションにいる早河氏の功罪検証されてもおかしくない。これについて前述の投資家氏は、こうコメントする。

玉川氏はテレ朝の元社員であり、早河氏に可愛がられてきたようなので、批判はできないでしょう。しかし、そんな人が『日枝出てこい』とか言っても、あんまり説得力がないような気がします。いずれにしろ投資家テレ朝の自浄力に期待しています。早河氏が日枝氏より先に退任すれば、テレ朝HD株価さらに買われるでしょうね」

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