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2025-01-10

B'zダサい論争が一部で話題になっていたが、主に90年代サブカルとか渋谷系から視点で語られているようなので、90年代当時のハード・ロックヘヴィ・メタルHR/HM)好きから見た当時の状況を交えて今思うことを殴り書きしてみる。

殴り書きの趣旨

本題の前に殴り書きの趣旨を書いておくと、唐突だがみうらじゅんは昔からキーポン」、つまり「keep on」が重要だと主張している。そして「keep on」の次に何が来るかは重要ではないともいっていた(と記憶している)。「マイブーム」を一般名詞にまで浸透させ、一大産業に発展した「ゆるキャラ」の名付け親でありながら「ゆるキャラ」にとどまることな意味のない「マイブーム」を続けているみうらじゅんが主張していることだから説得力があるともいえるが、個人的にも今強くそう感じるようになっている。学生時代から主に音楽の面でサブカル界隈をそれとなくフォローしてきた身として、今現在そう感じている内容を整理してみたい。

隙あらば自分語り

兄が学生時代ハード・ロックコピーバンドをやっていてそのコピー曲を聴いていた流れで、『Burrn!』誌で酒井康の紙面アジテーションに感化されてヘヴィ・メタルにハマり込んでいた。酒井康がしきりに「世界で最も売れたアルバムビートルズでもなくディープ・パープルの「Machine Head」だ」と連呼するのを真に受けていたし、ディープ・パープルライバルであり洋楽ロックが専門の渋谷陽一が好きなレッド・ツェッペリンヘヴィ・メタルとは違う「軟弱」なハード・ロックに思えた(なお「Machine Head」は80年代当時最も売れていたかもしれませんが2020年代歴代アルバム売上ランキングではトップ100にも入っていないようですね)。

その一方で『Burrn!』誌創刊とほぼ同時期に刊行された伊藤政則ヘヴィ・メタルの逆襲』を繰り返し読みながら、(まあ当然の話ではあるが)ビートルズローリング・ストーンズなどの有名どころのほかに80年代には名前も聞いたことのないバンド60年代から70年代ブリティッシュロック興隆期に活躍していたことを知った。

残らないもの・残るもの

そうして大まかな流れをつかみながら実際に曲を聴いたりしてみると、80年代当時の音楽シーンから見るとメロディー、音質、演奏テクニックも古臭くて長く残るようなものじゃないなと納得することが多かった(これはもちろん80年代当時の感覚であって、80年代音楽はまた別の意味で古臭くて長く残るようなものはむしろ少なそうですけどね)。

その後90年代大学HR/HM寄りの軽音サークルに入り、幅広く音楽を聴いているサークル仲間に教えてもらって普段テレビラジオ流れる以外の音楽世界にも触れようになると、音楽性もさることながら長く音楽活動を続けることこそが一番の評価軸になるのではないかと思うようになった。もちろん、長く続けてればいいということではなく、当時の社会文化情勢で受容される音楽が変わる以上長く続けるかどうかは結果論たまたまかもしれないし、今聴いている音楽も後世に残るのはわずなのだろうなどとも思いながら、結局同じスタイルやコンセプトで続けることがその音楽性を唯一無二のものとしていくのだなと実感するようになったのである

その時期はまた、80年代HR/HMギタリストとして『Young Guitar』誌にも登場していた松本孝弘がB'zというよくわからないユニットを結成し、その曲がテレビ主題歌CMバンバン流れるようになっていて、軽音サークルでは総じて「松本孝弘が魂を売った」と批判的だった。一方で「イカ天からイロモノ的にデビューした人間椅子は地道にアルバムを出し続けていて、サークルの後輩がコピーバンドを組んだりしてライブでは大いに盛り上がっていた。

人間椅子ブレイク

長く音楽活動を続けることこそが一番の評価軸になるというのを身にしみて感じるようになったのはアラフィフになったここ数年である。そのきっかはいくつかあるが、音楽でいえば人間椅子2010年代SNS海外から評価されるようになり、オズフェストに出演したり海外ツアー実施したりするまでにブレイクしたことである。少しずつ変遷しつつもコンセプチュアルなルックス江戸川乱歩太宰治を強く意識した歌詞3ピースハードロックという音楽性は一貫しており、海外から高く評価されるようになっているのを知ったときはなんとなく嬉しい気持ちになった。個人的にそこまで熱心なファンではないが、「ヘヴィ・メタルの逆襲」といえば伊藤政則ではなく人間椅子というHR/HM好きも多いだろうし、青森ローカルテレビ番組で披露していたキング・クリムゾンの「21st Century Schizoid Man21世紀精神○常者)」や「Lark's Tongues In Aspic Part2(太陽と戦慄パート2)」の完コピには感動したものである

なお余談だが、人間椅子の曲がディープ・パープルではなくブラック・サバスに影響されたものであることも長く活動継続できた理由ひとつであろう。個人的感覚ではあるものの、ディープ・パープルは今となっては古いロック定番としてなら聴けるが70年代という時代しか通じない遺物に感じてしまう。奇しくも酒井康が80年代中ごろにディープ・パープルの影響を誇示していたように、同時代とそのフォロワーにのみ影響を与えたバンドだったのではないかと思われる(重要バンドではないということではなく時代によって評価が変わりやすいという趣旨です。為念)。

松本孝弘の目論見

そして人間椅子とは対照的だが、2024年紅白歌合戦サプライズゲストとして登場したB'zもまた、活動継続することで唯一無二のポジションを獲得している。2024年放送NHKSongs」で松本孝弘自身が語った話では、80年代から浜田麻里TM Networkなどのサポートギタリストとして活動しながら、その活動限界を感じて自分バンドを結成しようとメンバーを探していたところ、所属事務所ボイトレに通っていた稲葉浩志を紹介されて88年に結成したのがB'zだった(大意)とのこと。

松本孝弘が感じた「限界」がどのようなものかまでは深く語られなかったが、80年代中盤以降アメリカではLAメタルが全盛期でトップチャートを賑わせていて日本からラウドネス進出する一方、国内では聖飢魔Ⅱテレビ歌番組活躍していたり浜田麻里ソウルオリンピックNHKイメージソングを歌っていた時代であるあくま個人的記憶だが、もしかすると日本でもHR/HMからメジャーバンドが生まれるのではないかくらいの勢いはあったと思う。

しか松本孝弘は、NHKSongs」で子供のころに聴いていたテレビ主題歌歌謡曲が好きだったとも話しており、その勢いそのものに「限界」を感じていたのだろう。つまりガンズやメタリカのようにHR/HMをそれとして打ち出すのではなく、テレビ主題歌歌謡曲としてテレビ普通に流れるものに落とし込まなければメジャーになれないと考えていたのではないか。そしてその目論見は、現在まで長く活動を続けて唯一無二のポジションを獲得した松本孝弘にとって正しかったというほかない。

(というと「日本HR/HMモンスターバンドならX Japanがいるだろ!」との意見もあると思いますが、HR/HM好きからするとX Japanドラムベースは申し分ないものボーカルギターの要素が不足していて、ルックスからビジュアル系認識してしまうんですよね。)

歌謡曲路線

B'zのモンスターぶりは特に売上で際立つ。それはやはりB'zの所属事務所ビーイングによるところが大きいと思われる。ビーイングを創設した長戸大幸吉田拓郎に憧れて上京し、歌謡曲でヒットを連発していた阿久悠とも交友関係があったとのことで、その事務所方針松本孝弘の考えがあいまってB'zは着実に売上を伸ばしていった。

B'zはボーカルギターという最小限のユニットを活かしてデジタル音源を取り入れ、洋の東西を問わずその時々のヒットチャートや古いロックを取り込んだものとなっている。たとえばツェッペリンエアロスミスなどの洋楽ハードロックをモロパクリするところなどは、同じく洋楽を強く意識してパクリも辞さなかった(というより積極的にパクった)昭和歌謡曲の路線を忠実に踏襲していることが伺われる。当時からパクリではなくオマージュだ」という擁護はあったものの、現在では結局それも擁護というよりB'zのテクニック解釈への正当な評価認識されるようになっている。これもまた長く活動継続したことの成果である

パクリorオマージュ

ただし、人間椅子もいわばブラック・サバスパクリだし、アメリカイギリスを中心とした洋楽への憧れがあって独自解釈した結果が音楽性に反映しているという点はほぼすべての日本(というより非アメリカイギリス圏)のバンド共通しているだろう。B'zがほかのバンドより批判されやすいのは、良く言えば今風のフレーズ古今東西メロディーを織り交ぜる昭和歌謡路線踏襲しているから、悪く言えばほかのアーティストの有名フレーズのみならずあまり有名じゃない曲のメロディーまで一部ではなく全編に隠すことなく入れ込みながらも知っているとニヤリとするどころかなんでそこまでまるまる?と思うくらいパクり方に節操がないと感じられる(※個人の感想ですからという程度である

HR/HMギタリストだった松本孝弘を知っているHR/HM好き(自分もその一人)からは主に昭和歌謡曲的パクリについて反感を買っていたが、ミリオンセラーの前にはそんな一部のマニア批判など無力である。むしろそんな批判松本孝弘が聞いても「だからHR/HMでは限界なんだよ」という思いを強くしただけだろう。その意味では、人間椅子とB'zを比較すること自体HR/HM限界如実に表しているともいえる。人間椅子ブレイクしたといってもB'zのように単独アリーナツアーをすることはないし、和嶋慎治ギブソンからシグネーチャーモデルSGを送られることもおそらくない。売れるバンドになることが目的ならB'zの方向こそが目指すべきものであり、人間椅子の方向は長く困難で実入りの少ないいばらの道が続く。

さらに余談だが、ブリティッシュロック出自としながら時代に応じて曲調もルックスも変えて長く活動を続けているのがローリング・ストーンズであるストーンズもまたデビュー当時からパクリとの批判が大きかったが、次第にオリジナリティが認められていった。B'zはローリング・ストーンズ手法にも学んでいるのかもしれない。

諦念

もちろん、この文章には若干の皮肉を込めている。ただしそれはあくまで若干であり、残りの大部分は長く活動継続したことに対する私なりの敬服である

音楽マーケットあくまで「市場」であり、売上こそが正義であるパクリでもなんでも売れ続けることによって批判は称賛に変わり、その音楽性や演奏力といった音楽という表現方法内包する軸とは別に、売上という別個の軸が評価基準として自己実現する。B'z以前から日本歌謡曲洋楽パクリとして始まっており、これは日本のみならずアメリカイギリスの影響を受けた音楽マーケットを持つ国でも同様であろう。なんなら上記のとおりローリング・ストーンズに限らずアメリカイギリスでもパクリ盗作)をめぐっては訴訟だらけである。ここで「パクリ」の定義踏み込む余裕はないが、どのように定義するにせよパクリ否定することは売上によって成り立つ現在音楽マーケットのもの否定することになり、現実的ではない。

ここまで読んでいただければお分かりだと思うが、この文章人間椅子の方向に面白さを感じる人間が書いている。「keep on」の次に何が来るかは重要ではないかもしれないが、それによって得るもの時代人間関係などの環境や運によって大きく異なり、おそらくそれは本人が意図的に選ぶことはできない。その現実のどうしようもなさに対して諦念するほかないのである

長く続ける力

人間椅子とB'zは個人的に対比しやすいから取り上げただけであり、売上がギネス認定されたB'zを一方の頂点とすることはできるかもしれないが、人間椅子はその他のバンドの一つに過ぎない。売上ではB'zに及ばずとも単独アリーナツアーできるバンドミュージシャンはそれなりにいるし、人間椅子のような活動の積み重ねを前提として運よくブレイクしたバンドも探せばそれなりにいるだろう。明確な売れ筋狙いが功を奏した場合もあれば、愚直に一つのスタイルを貫くことが評価される場合もあるというだけの話である。いずれの場合にせよ長く続けて評価されるためには、その水準を満たす表現力や演奏力などの本人の能力はもちろん、各関係者との良好な協力関係などの制作体制、そして固定ファン層を安定して構築することこそが重要である

長く続けること自体が本人や関係者、ファン層のそれぞれの厳しい条件をクリアしてようやく成立するものであり、さらにそれが売上などで評価されるかは時代社会情勢によって変わってしまうという現実に対しては諦念するほかはないが、それを実現したB'zとその関係者、さらファン層にもやはり敬服するほかないというのがとりあえずの結論

参考

https://yamdas.hatenablog.com/entry/20250106/being-sibuya

https://storywriter.tokyo/2020/09/01/3673/

https://the-king.jp/nana_247.htm

2022-02-28

anond:20220228121932

ぜったいこいつらのコメントで誰か動いただろw

ネアンデルタール

3 か月前

捕まえて焼いて食ったら案外淡白な感じで美味しいのかもしれない

Lark Skywaker

3 か月前

うまいそうです。がっ

犬の鳴き声で断末魔悲鳴を上げるのでキモいのだそう。

田中優理菜

3 か月前

@Lark Skywaker いやいや、その断末魔が最っ高~

なんじゃないの(^o^) テッツォさんのキョン駆除動画観たらスンゴイ気分がエエで( *´艸`)

キーキーヒーヒー喚くのがクセになる❗

2021-01-15

anond:20210114234038

いわゆるシュア掛けと呼ばれる方式で装着する、IEM(インイヤーモニターアーティスト舞台上で装着しているイヤモニ形状)スタイルカナル型イヤホンであれば、耳介を塞ぐような形状とケーブルが耳の上を這う分だけ負荷が分散される為、長時間装着しやすい傾向がある。ついでにケーブルに触ってしまったときノイズも低減されるので良い。

スポッと耳穴に差し込むだけの一般的イヤホンに比べると装着にひと手間かかるが、慣れれば問題ない。ただIEMはシェル(本体の外殻)形状にもよるが、基本的に遮音性が高くなるので、話しかけられたりすると気づけない可能性がある。まあ在宅勤務ではさほどデメリットにならないだろう。

いかにIEMが装着性に優れるとは言っても、シェル形状や重さ、イヤーピースフィット感が自分に合っているかどうか次第で痛みが発生することはある。それを徹底して避けようと思えば、補聴器店などで耳型を採取してそれを元にシェルオーダーメイドしてもらう、カスタムIEMが最善になるだろう。プロステージアティストが使っているのはカスタムが多い。しかしそれは結構なお値段がするので、重度のオーディオマニアでないと手を出しづらい。カスタムではなく、おおよその人の耳に合うように作られたユニバーサルIEMというものがあり、そちらは比較安価に入手できる。中国オーディオブランドであれば、マニアから評価も良く数千円から入手できるIEMも出ているので、そういうのから試してみるといいのではないか。ただしAmazon適当無名ブランドを選んでしまうとピンキリ率が跳ね上がるので、一応推薦する機種を挙げておく。

KBEAR Lark 約3000円。入門用として今もっとも勧めやすい機種。シェルの大きさは標準的だがフィット感は悪くないはず。

選ぶポイントとしては、女性でもフィットやすい小型シェルのIEMを選ぶことで、痛む可能性を減らせるだろう。低価格帯でも性能重視で中身を盛り盛り詰め込んだ機種が中華イヤホンには多いのだが、大型化しやすいので基本的にはおすすめしない。出来るならヨドバシやeイヤホンのような店舗で試着するのがいいが、そういう店では低価格帯の中華イヤホンは扱っておらず、IEMは1万弱くらいからのラインナップになりがちだ。それで構わないのなら、冒頭に言ったシュア掛けの由来となっているSHUREという米国メーカーのSE215なども装着性に定評があるので良い。1万強。ただオーディオ愛好家向けの価格帯になるほどマイク付きイヤホンは減っていく。これも例に漏れず。

個人的にはTRI-i4という6000円くらいの中華ブランド機種を朝から晩までつけている。こちらは比較的小型で装着感が気に入っている(個人差はあるので参考程度に)。これも付属ケーブルマイクはないので、マイク付きのケーブルを別途購入するか、もしくは同じ金額を出すなら安価な卓上マイクを購入した方がマイク音質は向上するだろう。

i4は若干古い機種なので、オーディオマニア的には同価格帯では最近の人気機種HZSOUND Heart MirrorやFiiO JadeAudio EA3が推薦されるところだろうが、装着感という意味ではi4は優れていると思う。

ちなみにIEMの多くはケーブルが取り外せる方式になっていて、安価ケーブルなら1000円台くらいから(輸入ならそれ以下も)あるので、断線しても交換して使い続けることができる。

ここで触れなかったヘッドホンは、どうしても重量があるため長時間つけっぱなしならIEMに軍配が上がるだろうと思い考慮しなかった。ワイヤレス系も、業務で長時間使うなら充電が煩わしくなるかと思い考慮しなかった。

2019-11-28

still black

speak LARK吸っても

これに続く韻を考えなさい。

君たちには荷が重いか

2017-09-14

RAP山月記

Low-say の Rechow は hardcore sufferer、若くして名を Newcomer charts に連ね、major での活躍も期待されたが、性 keen high、meism pride 頗る厚く、newb に甘んずるを潔しとしなかった。いくばくもなく活動を縮小した後は、故山 Kark-lark に帰臥し、人と交りを絶って、ひたすら lyric に耽った。rapper としての名を死後百年に遺そうとしたのであるしかし、fame は容易に揚らず、生活は日を逐うて poor になる。この頃からその looking も sucking となり、曾て Newcomer charts に登場した頃の俤は何処に求めようもなかった。(中略)

Oh Oh Oh Oh

The moon rose higher, made me a tiger

Ill sick 相仍り俺と相乗り

Today my fangs and claws, beat all things

当時の bangs 俺ら共に bright things

つのまにやら俺だけ animal

お前は Mercedes 乗り回す official

Tonight the valley and the moon shine more

しかflow 成せずに但だ成せる roar

2013-05-07

煙草銘柄はどうやって決めた?

皆さまはどういう経緯で現在銘柄に至っているのでしょうか。

私は[先輩の影響]CABIN→[物珍しさから]JUST→[廃番になったので]→SEVEN STARS→[強すぎたので]LARK

どうなんでしょう

 
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