――菱田さんはサンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)入社2年目で『∀ガンダム』に参加し、演出助手や絵コンテを担当しています。当時、どのような気持ちでスタジオに入ったのでしょうか? 菱田 そもそもサンライズを志望したのは、小さい頃に見た『機動戦士ガンダム』に衝撃を受け、その後ものめり込んだのがきっかけです。学生時代にはアニメだけでなく、富野(由悠季)監督の小説もすべて読んでいましたね。当然、サンライズに入ったからには富野監督と仕事をしてみたいという思いがありました。 ――そのチャンスが意外と早く巡ってきたわけですね。 菱田 入社してすぐのタイミングで「次の『ガンダム』を作るらしい」という噂がありました。チャンスがあれば関わりたいと思い、自発的にコンテを描いていたら実際にチャンスが巡ってきて、演出助手というかたちで『∀ガンダム』の現場に入ることができたんです。 ――『∀ガンダム』は、