面倒だな、イヤだな、と思った分だけ、前頭葉の一般知能に関わる回路を鍛えることができるのである。 茂木健一郎 若杉憲司=撮影 Getty Images=写真 21世紀の世界を引っ張っていくのは、「知性」がお金を生み出し、経済構造を変えるという原理かもしれない。 グーグルは、2人の大学院生が書いた、あるサイトの重要性をグラフ構造で解析するという論文を基にして設立された。今話題の「クラウド」も、情報技術に関する「知性」の集積体である。 日本の劣化は、知性の劣化。日本が復活するには、日本人の総合的な「知性」を向上させることが不可欠であろう。 ところで、知性といっても、さまざまな側面がある。何かが得意でも、別の何かは不得意といった「個性」もある。人々の差異を超えた、いわば「地頭のよさ」は、果たしてあるのだろうか? 1904年に発表された論文の中で、イギリスの心理学者スピアマンは、人間のさまざまな能