強風と雪で転んだ。 コンクリートの地面でざらざらしている。 「あっ、これは手のひらに切れ込みが入るヤツだ」 と手のひらを見たら、白くこすれたような跡だけで血は出ていなかった。 血は出ないだけでじんじんと痺れる感じはあった。 何事も無かったように立ち上がって歩く。 歩いているうちに悲しくなった。 「自分の手のひらが思っていたより厚くなっている」ことが悲しく感じた。 子供のときは血が出るほど柔らかかったのに、今では厚い皮で覆われている。 私にとってごわごわとした手は老いの象徴なんだと、無意識に思っていたらしい。 私はもう若くないのか・・・。
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