「トレイシー」というのは 太平洋戦争で捕虜となった日本兵を尋問する目的でカリフォルニア州バイロン・ホット・スプリングスに設立された米軍施設「日本兵捕虜秘密尋問所」です。 1943年から45年までの間に太平洋各地で捕虜になった日本兵の内 日本軍の重要機密情報を持ち米軍に役立つと判断された2342の日本兵がこの場所に移され尋問を受けています。 写真上の中田整一著「トレイシー・日本兵捕虜秘密尋問所」(講談社)は ワシントンの国立公文書館で公開されている尋問内容の内部文書を調べると共に 現地や関係者の取材を重ねてトレイシーの実態を詳しく紹介しています。 (ジュネーブ協定に違反する)盗聴のための装置が仕込まれたこの場所にて2342人の日本兵捕虜を尋問した回数は10,387回で 米軍に役立つと判断された1718件の報告がワシントンに送られています。 尋問を通じて米軍が入手した情報は 暗号などの軍事機密