昭和の時代、定年を迎えるサラリーマンにとって、退職金は「悠々自適な老後」の象徴だった。しかし、平成の30年間でその存在は揺らいできた。額が大きく目減りし、制度のない会社も増えている。【毎日新聞経済プレミア・渡辺精一】 ◇5社に1社は「退職金なし」 退職金には大きく一時金と年金があり、受け取り方にも一時金のみ▽一時金+年金▽すべて年金――などのパターンがある。 厚生労働省「就労条件総合調査」は約5年ごとに退職金に関する調査を実施している。それによると、大卒者の定年退職者(勤続20年以上かつ45歳以上)の退職金の平均額は、1997年の2871万円をピークに下がり続け、2017年は1788万円と20年間で1083万円も下がった。 これはあくまで退職金を受けた人の平均額だが「退職金制度がない」という企業も増えた。退職金制度がない企業は93年には8.0%だったが、17年には19.5%に拡大している。