Ver. 1.40, 2008.09.30. islands (at) mbe.nifty.com
はじめに アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの『<帝国>』【注1】は,2000年の発売以来世界的に注目を集めつづけ,大学出版としては異例のセールスを記録しながら,アカデミーの垣根を越えて――とりわけインターネット上を重要な議論の空間としながら――さまざまな評価を呼んできている.それらの評価の中には,「<帝国>という分析枠組みが,ポストコロニアリズムにとって代わる新しい枠組みとなりつつある」といった内容のレヴューや書き込みも散見された. この小文は,今となってはどこでどの程度語られていたのかも確かめようのない,こうした評言を読んだときに私が感じていた違和感をめぐって書き起こされている.というのも,私のそのような違和感は,日本の大学や出版ジャーナリズムをとりまいてやはり同じように散見される,一種の「ポスコロ嫌い」の風潮への危機感と重なっており,そうした風潮がネグリ=ハートの『<帝国>』の読
エスニシティ 「エスニシティの定義は,研究者の数だけある」と言われるが,本稿は「エスニシティとは何か」を説明しようとするものではない。ただ「エスニシティ」が論じられる際の理論的な関心について,いくつかの注意を促すことだけが目的である。 エスニシティ研究とナショナリズム研究とは,多くの場合重なっていない。この研究上の分断は興味深い現象だが,これは両者の関心の方向がそもそもかなりの程度異なっていることを予想させる。ナショナリズム研究は「過去」をいかに相対化するかという点に理論的な関心を寄せるが,「エスニシティ」の研究は,おそらくより同時代的な関心に基づくものだ。まず,「民族」を論じるのは主に人類学の領域だろうが,「エスニシティ」はむしろ政治学の用語であることを押さえておきたい。さらに,「エスニシティ」は「民族性」(national character)ではない。むしろ古典的な「民族」論が通用し
タイトルからはじめよう.「母たち」とは,ゲーテの『ファウスト』の有名な一シーンで,恐れおののくファウストがメフィストフェレスに導かれてゆく,「そこには場所も時間もない」ような「母たちの国」からとられている.これは現在もっとも注目すべきイタリアの歴史家カルロ・ギンズブルグが,その問題作『夜の歴史』(竹山博英訳『闇の歴史』せりか書房,1992年)のエピグラフに掲げたものである.一方,上村忠男はギンズブルグとの批判的対話を試みた本書『歴史家と母たち』の冒頭でこの「母たちの国」に触れながら,場所と時間こそが歴史学が成立するための必要不可欠の条件であると述べている.「歴史家」と「母たちの国」.「と」で無雑作につながれたこの関係は,むろん穏やかなものではあるまい.上村が『夜の歴史』の批判的読解を試みた本書の第1論文「歴史家と母たち」をそのまま本書のタイトルに掲げるとき,それは本書の全体を貫く問題がどこ
社会問題としての売買春 社会問題としての売買春----社会科学の言語論的転回をふまえて---- 1 はじめに 近年の社会科学・社会理論の潮流を表すもっとも重要なキー・ワードの一つに、「言語論的転回(linguistic turn)」がある。雑駁な表現を省みずにいうなら、それは以下の認識論的特徴を備えている。第一に構造主義的な言語観。それは言語を、世界や現実を反映するものではなく、逆に、世界や現実を構成するものとして捉える。第二に社会唯名論。社会現象は、客観的実在ではなく、それが存在すると想い描かれることによってそれとして存在する「表象」と捉えられる。第三に反・還元主義。それは社会を構成する要素として言語の果たす役割を重視する。そして従来の社会科学(特にマルクス主義や客観主義的社会学)にみられる、「言語/言語外の現実」、「主観的表象(言説)/客観的構造」、「テクスト/コンテクスト」といった
You're too young to lose it. But You're too old to choose it. And the clock waits so patiently On your song. - David Bowie "ROCK'N'ROLL SUICIDE" 大学院生というのは世間から見ると不思議な存在であるらしく、どういうふうに生活しているのかと聞かれることが多い。そこで一ヶ月の生活(主に経済面)について、しばらく前に書いてみたものが以下の文章である。親がかり、社会人、苦学生など、いろいろな大学院生の生活があるので、一般論は難しいが、一つのサンプルになる…であろうか? 書いては見たものの、ちょっと公開するのをためらっていたところもあるのだが、最近研究問題メーリングリスト「NPO法人化プロジェクト」などで、院生の生活に関する部分が議論になることが多かったので、
文化人類学関連書籍のリストです。 解説などが未だ不完全なので、暫定公開です。 そのうちオススメ度なんかもつけてみようかなぁ、と思っていたりします。 この本が抜けている等の情報も是非お願いします。 教科書、入門書と辞典 古典 人類学の危機 ポスト植民地主義、ポスト・マルクス主義、抵抗論とサバルタン研究 政治人類学とポスト・モダニズム 経済人類学 認知 医療 隣接分野 社会学編 隣接分野 歴史編 人類学前史 グローバリゼーション 運動 [TOP] ▽教科書、入門書と辞典 エライ人類学者はそれぞれ教科書を書くことが(たぶん他の分野に比べて)多い。で、内容はバラバラ(社会学のギデンズや経済学のサミュエルソン(上)、(下)に相当するような定番がない)。いかに「人類学とは何か」という合意がないかが判る。幾つか読み比べてお気に入りを探すべし。 ・『文化人類学事典』 (縮刷版) 1994 石川栄吉 梅棹忠
六本木~GIROPPON~ 歌手 鼠先輩 作詞 松嶋重 作曲 松嶋重・古閑慎太郎 あなたにもらったきび団子 ホームでカラスがつついてる あなたを残して汽車ぽっぽ ぽっぽぽ...煙草の煙...ぽっぽ 私を忘れて...先輩 いいヒト見つけて...先輩 きっと 今でも愛してるのよ 気持ちゆらゆら鳩ぽっぽ ※六本木の夜に 慣れ始めた私 そこそこ あなた泪 泪 泪 バカみたい... 六本木の夜に 染まる私にバーボンが きび団子を忘れさせるわ トゥ・ナイト※ 心がないのよ...先輩 言葉が軽いの...先輩 好きよ 都会のネオンに浮かぶ 忘れた私の心 (※くり返し) 六本木の夜に 現れた昔の男 こっち見てる 見てる 見てる 細い目で... いろっぽい服着て お洒落気取ってバカみたい 帰りなさい 汽車ぽっぽでしょ ぽっぽ ぽっぽ
1.クレオールな国民 1962年にイギリス領から独立したトリニダード・トバゴ(1976年に共和国)は,その石油資源によって比較的豊かな経済水準を実現し,カリブの「モデル・ネイション」としての名誉ある地位を目指しつづけてきた。トリニダード・トバゴの観光客向けの自画像は,ふりそそぐ陽光,トロピカルなビーチ……といったカリブの島々の観光イメージとはいささか異なっている。そこは何よりもカーニヴァルの島であり,カリプソやスティール・バンドが生まれた島であり,また世界的な作家や多くの優れた才能を輩出しつづけてきた「文化」の国である。この「文化」を支えているのが,世界のあらゆる地域からやってきた多民族・多人種の平和的共存であるとされる。それは共和国の国是であり,国民の誇りでもある。 他者を排除しない国民的な誇りというものがありうるとしたら,トリニダードの公式ナショナリズムはそれを自覚的に追求してきた点で
史学会百回記念大会・第4セッション 要旨 修正主義をこえて 近藤 和彦 2005. 1.14更新 ここでいう修正主義(revisionism)とは、英米においてこの二十年あまり優勢な歴史研究の潮流のことであるが、これを広く学問のあり方として検討した。P・オブライエン氏が経済史・世界史の観点から、福井憲彦氏がおもに社会史の観点からコメントを加えてくださり、問題の構成はより明らかになったであろう。ただ、討論時間が十分になかったことは惜しまれる。 英語圏の歴史学の古典的な枠組といえば、ホウィグ史観、すなわち十九世紀イギリスに完成したとされる議会制民主主義ないし立憲王制、自由主義の足跡をたどる進歩的な目的史観であった。やや広げて、近代西欧文明の正しい歩みとその根拠を明らかにしようとする学問と考えるなら、ひろく近代人に共通する「天路歴程」の物語、「幸福の神義論」といえる。二十世紀半ば以降、歴史学の実
分量的に本書の大部分をなしているのは、特定の論者(ラカン、クリステヴァ、イリガライ、ボードリャール、ドゥルーズとガタリ等々)の特定の文章――科学用語を乱発した個所――について、それが物理学や数学の無理解に基づいた言葉の乱用だということの暴露である。 この側面に限定していえば、おそらく大半はソーカルらのいうことが正当なのだろうと思われる。読者たる私がよく分からない現代科学上の事柄に関して、「おそらく正当なのだろう」と思うのは、ただ単に、著者たちが専門の科学者(物理学者)で、批判される側が自然科学については素人だから、というだけの理由ではない。もしそれだけの理由でそう考えるなら、それは「専門家の権威」を無批判に鵜呑みすることになり、権威主義的メンタリティーのあらわれということになる(本書の読者の中には、そうした読み方をする人も結構いるだろうし、本書が少数の科学者だけでなく広い範囲の読者に読まれ
マイナスイオン(minus ion[1], negative air ion[1])は、大気中に存在する負の電荷を帯びた分子の集合体である[1]。主に空気中の過剰電子によりイオン化した大気分子の陰イオンを表す用語である。 大気電気学では、健康問題に関する際に負イオンをこのように呼ぶ[2]。家電メーカー13社はほぼ共通して、空気中の原子や分子が電子を得てマイナスに帯電したものとしている[3]。専門的には通常は空気マイナスイオンと呼ばれる。昭和初期の文献では空気陰イオンとするものもある[4]。大気電気学のイオンは化学とは定義が異なる[5]。 20世紀初頭から空気イオンに関する研究は連綿と続いてきた。日本でマイナスイオンという言葉は、20世紀の終わり頃からメディアに頻繁に登場するようになり、1999年から2003年頃が流行のピークであった。日本の流行語となった[6]。十分な裏付けが得られないまま
日本においては、西暦ではなく和暦で表記されることも多いため、生年月日を記載する際も、生まれた時の元号(もしくは、元号の頭文字のアルファベット[注釈 1])を選択して和暦で記載する場合があり、元号で生まれを区分されている。改元期の2019年に一部の省庁では公式文書を西暦表記で統一することも検討された[2]が、元号表記が減る流れにある一方で、2018年時点でのアンケートにおいて、生まれ年を元号で答える事が多いと回答した20代〜50代は約4割を占めており[3]、依然として元号で生年月日を答える人が多い。 また、元号による区分以外にも様々な世代名が存在するが、ここではウィキペディアに記事が存在する世代について紹介する。世代の定義も人によって異なるが、ここで示されている「生まれた年」はリンク先の定義をもとに表記している。なお、範囲についての出典のないものやリンク先に複数の出典が存在するものは、ここで
おまえは社会学ですっかりだめになってしまったのだ。 ――ロバート・J・ソウヤー『スタープレックス』 わたしたちは、社会学のばかが言う、機能不全家族なの。 ――ジョン・アーヴィング『未亡人の一年』 新刊の『コドモダマシ』ですが、とりあえず発売された――らしいです。まだ私も書店に足を運んで確認してませんけど、春秋社の担当者から書店で平積みになってると連絡がありました。 漫画家の藤波俊彦さんに描いていただいた濃ゆいイラストの表紙を目印に探してください。毎回いろんな漫画家のかたに私のイメージ画を描いてもらってますが、どなたともお会いしたことはありません。プロフィールだけをお渡しして、想像で描いてもらってます。それにしても、これが私のイメージなのか? ザビエルじゃないの? 初版部数はあまり多くないもので、大手書店にしか入荷してないかもしれません。ウチの近所の書店には置いてないぞ、という苦情は
先日、文章を書く際のテンプレートの話をしましたが。 以前卒業論文の書き方について後輩に尋ねられた時も同じようにテンプレートの存在の話をして、その際ある卒研生が言ったのが、「『近年、』って書き始めればいいんでしょ?」という一言。 確かに、「きんねん、」と言う音の響きもさることながら、その後に続けて研究の背景となる動機について、現在問題となっている/話題となっている事柄と絡めて書いていく際にこの「近年、」という一言はとても便利です。 「現在、」とかでもいいですが、普段は全然使いもしないのに論文の時だけ使う堅苦しさからしても「近年、」という響きは「なんとなくそれっぽく聞こえる」という良さがある気も。 自分も多用しますしね。 しかし「『近年、』って書き始めればいいんでしょ?」と言った卒研生が裏でそこまで考えていたかと言えばそうではなく、おそらくはその人が読んだ論文や過去のうちの大学の卒業論文の中に
2009年02月12日03:00 カテゴリ書評/画評/品評Taxpayer まさかここまでひどいとは - 書評 - 子どもの貧困 二児の父として、このことは知っているつもりだった。 子どもの貧困 阿部彩 関連entriesも少なくない。 site:http://blog.livedoor.jp/dankogai/ 子供 - Google 検索 404 Blog Not Found:貧乏な社会で子を産むな 404 Blog Not Found:書評 - 若者を食い物にし続ける社会 なのに、いかに知らなかったかを改めて思い知らされた。 かつて親だった人も、すでに親になった人も、これから親になる人も、必読。 難しい本ではないので、高校生以上の未成年も、読んでおくべき。 本書「子どもの貧困」は、日本の子どもの貧困がいかにひどいかを、情ではなく理で説いた渾身の一冊。 はじめに iv 「子どもの貧困」
なぜ海外では通じない○×△という記号が日本で普及しているのか、という疑問について、はてなID:goldheadさん情報。こちらのリンク先を90%くらい下のほうにスクロールしたところに「配当という本の後書きに、競馬新聞の◎○△▲×の起源が載っている」という話が。 簡単に言うと、最初にあったのは よい=○ と もう少し=△で、後から、結果が未知数なもの=× が誕生。その後 × が「ダメ」に降格した、という説。(あくまで競馬新聞で、ですが)。事実は小説より奇なり! 以下、ちょっと長くなるけど引用します。 2000(平成12)年4月からディック・フランシスを読み始めた。競馬シリーズを興奮、大穴、本命と、月に二冊のペースで読み続け、2001(平成13)年1月にやっと、20冊目の「配当」を読み終わった。そして、以前から疑問に感じながら見過ごしていた事が氷解したのである。 競馬新聞でおなじみの◎○△▲×
生存権訴訟 「旅行の回数減らした」「480円の刺身が買えない」「子供の散髪は年数回」 1 名前: すずめちゃん(東京都):2009/02/11(水) 00:41:09.46 ID:xR/6Hp28 ?PLT 生活保護の老齢・母子加算廃止取り消しを府内の男女4人が求めている生存権訴訟で、原告の本人尋問が9日、京都地裁(瀧華聡之裁判長)であった。地裁がいったん尋問申請を却下、原告側の抗議で実施に転じたもので、松島松太郎さん(83)=山科区=は「老齢加算廃止後、趣味の旅行の回数を減らし、食費も削った。ただ食べて寝るだけの生活では人格を認めていない」と窮状を訴えた。 松島さんは、これまで週1、2回スーパーで購入していた480円の刺し身を購入できなくなり、果物も100円のバナナしか買わなくなった加算廃止後の厳しい生活実態を吐露。友人に旅行に誘われても断っているといい、「惨めな気持ちになる」と述べた。
2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/23(金) 22:37:19.37 ID:XqnVNQXO0 可能性が低いってことは、ゼロじゃない 3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/23(金) 22:40:22.63 ID:nzftdvcT0 ハードルが高ければ高いほどくぐりやすい 4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/23(金) 22:40:47.99 ID:gaNXLQn20 諦めたら そこで試合終了だよ 6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/23(金) 22:41:58.11 ID:pLHP2jMx0 あなたが死にたいと願って生きた今日は 昨日死んだ人が死ぬほど生きたいと願った明日 7 以下、名無しにかわりましてVI
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