このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 この研究では、薬物療法を受けていないADHD成人26人と、健常者26人を対象に、30分間の有酸素運動を1回行い、その前後で大脳皮質の興奮性と認知機能を測定した。 研究で特に注目したのは、脳内の2つの重要な指標である。1つは皮質内促通(ICF)で、これは脳の興奮を高める働きを示す。もう1つは短潜時皮質内抑制 (SICI)で、これは脳の興奮を抑える働きを示している。 (関連記事:“有酸素運動”を何分すれば体重減少に効果があるのか? 6000人以上対象に英ICLなどが研究報告) 研究結果は、健常者とADHD患者で大きく異なることが判明した。健常者では、運動後
