長妻昭厚生労働相は10日、巨額の建設費などが強い批判を浴びた職業体験施設「私のしごと館」(京都府)について、10年3月で廃止する考えを明らかにした。前政権が10年8月までの廃止を閣議決定していたが、これを前倒しすることで、10年度予算で要求していた運営費約4億円を節約する。売却を含めた建物の活用法については、専門家でつくる厚労省の検討会が年内にも報告をまとめる。 また、「しごと館」を運営する独立行政法人「雇用・能力開発機構」についても、11年度に別の独立行政法人に移管する際に、業務を徹底してスリム化することで、年間予算を09年度の1074億円から543億円に半減させる方針。移管にあたっては、採用試験を実施するなどして職員数を今年度の3689人から2844人に削減する。役員も天下りを排除して完全公募制に切り替えるとしている。