2022年11月末に刊行した『現代メタルガイドブック』(自分が監修・執筆を担当)では、レビュー作品選定の時点でG.I.S.M.も挙がっていたのだが、諸般の事情から今回は掲載見送りということになった。しかし、同書の発刊と連動して開催されたDOMMUNEの実写版「現代メタルガイドブック」がご好評をいただき、2023年1月にBEAST ARTS公式から依頼される形でDOMMUNEのG.I.S.M.特集に登壇したことをふまえ、これはやはりレビューを書いておいた方がいいだろうという判断に至った。宇川直宏氏との打ち合わせの際に「是非!」と言っていただけたこともあり、今回こうして公開させていただくことになった次第である。 G.I.S.M.はハードコアやメタルの歴史において(日本に限らず世界全体を見ても)最も重要なバンドの一つであり、Lady Gagaが「Telephone ft. Beyoncé」のMV
連日レジェンド級のアーティストたちの訃報が続き、堪えるなと思っていたところへまたひとり……シーナ&ロケッツの、そして日本を代表するロックンロール・ギタリストの鮎川誠が1月29日午前5時47分(シーナ!)に亡くなった。享年74歳。日本中のロックンロール・ファンがいま、悲しみに暮れている。 昨年5月に膵臓がんで余命5ヶ月を宣告されてからも「一本でも多くライヴをしたい」とツアーを続け、近年ではもっともライヴの多い一年になったという。最後までロックとライヴにこだわった生涯だった。 11月にはシーナ&ロケッツ45周年ワンマンを新宿ロフトで行った。ライヴ中にウィルコ・ジョンソンの訃報が入り、「ウィルコの分までロックするぜぃ!」と叫ぶ姿がYouTubeに投稿されている。 そんなウィルコ・ジョンソンやイギー・ポップといった鮎川とも交流のあったアーティストたちと同様に、鮎川はパンク以前とパンク以後、メジャー
狂乱の60年代への郷愁 その音楽性に黒き秘儀を込めたBlack Sabbathのオリジナルボーカルことオジーオズボーンが1979年にバンドを去り、1980年には英国ではNew Wave Of British Heavy Metalなるパンクのドライブ感を包括した新たなスタイルのメタルが台頭していた。Rise Above Recordsオーナー/Cathedralの中心人物であったリードリアン曰く、1980年代のイギリスのヘヴィメタルバンドの多くはJudas Priestの影響下にあった。 リードリアンはかく語りき 元はNapalm Deathの2代目ボーカルであったリードリアンだが脱退少し後の1989年に結成した、狂乱の60年代を思わす“あの頃のロック”を英国に蘇らせたCathedralの誕生は何も偶然ではない。英国のみならず米国、また他の欧州の国々においても“あの頃のロック”への回帰運動
80年代後期から活動を続けるドイツのスラッシュ・メタル・バンドPARADOXの、前作『PANGEA』(2016)以来となる5年振りの最新作。かつ本作は彼らの代表作であり、ファンからも絶大な評価を受けている名作『HERESY』(1989)の続編となるコンセプト・アルバムである。 バンドは9月のアルバム発売に先駆けて、1stシングルPriestly Vows及び2ndシングルThe Visitorを公開。特にPriestly Vowsは約7分という長尺ながら、息もつかせぬスピーディでスリリングな展開の曲で、代表作の続編の名に恥じない、新作を期待させるに十分な完成度を誇示している。 デビュー以降、完成度の高いアルバムを発表し続けているPARADOXであるが、リーダーであるチャーリー・スタインハウアー以外はメンバーが流動的である事でも知られ、今回もチャーリー以外は全員ラインナップが変更されている。
本稿は、“Dissonant Death Metal”(不協和音デスメタル)という括りで近年広く認知されるようになってきた先鋭的なメタルの系譜およびその周辺(デスメタルに限らない)を俯瞰的にまとめたものである。こちらの記事でもふれたように、80年代末から90年代頭にかけて下地が築かれた“テクニカルスラッシュメタル”や“プログレッシヴデスメタル”などのシーンでは、定型化した以降のフュージョンなどが持て余していた高度な楽理や演奏技術に表現上の説得力を持たせた個性的な音楽が追求され、様々な形で素晴らしい成果が生み出されてきたのだが、それらを系統立てて語る言説は十分に確立されているとは言い難い。歴史的名盤であっても一般に知られていないものが殆どだし、この領域をそれなりに知る者でも、最初期のレジェンドの名前(DeathやCynic、Gorgutsなど)のみを挙げて新しいバンドの音楽性や影響関係を云々
「シティポップ」にまつわる言説はとても複雑だ。そもそも音楽的な定義が曖昧で、その反面なんとなくの風景やビジュアル、イメージを想起させてしまう言葉の魔力も理由としてあるだろう。だがもちろんそれだけではない。 たとえば、1970~1980年代のリアルタイム世代の感覚、1990~2000年代にクラブシーンで「和モノ」としてリバイバルされたときの感覚、2010年代初頭に「ネオシティポップ」としてリアルタイムではない世代による実践が盛んに行われていたときの感覚が、そのときどきの社会的状況やメディア環境を反映して微妙に異なっていることもひとつの背景にある(もちろん共通している部分も大いにあるのだが)。 そこに海外からの目線が加わると一層ややこしくなる。ちょうど「ネオシティポップ」という言葉が用いられはじめたころ、インターネット上ではヴェイパーウェイヴと呼ばれる新たなジャンルが勃興し、日本のシティポップ
茂木欣一に聞く、フィッシュマンズに影響を与えたアルバム 「佐藤くんが教えてくれる音楽がとにかく面白かった」 2021年7月5日 19:00 1432 85 × 1432 この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。 240 881 311 シェア デビュー30周年を迎え、フィッシュマンズ関連のさまざまなプロジェクトが進行している。関係者の証言からその足跡に迫るドキュメンタリー映画「映画:フィッシュマンズ」の公開、関連書籍の刊行、ライブ音源や初期作品のアナログ化など──ボーカリストである佐藤伸治が1999年に死去してもなお、フィッシュマンズのストーリーは彼らを愛する者たちによって語り継がれている。 今回はそんなフィッシュマンズの音楽的背景に迫るべく、バンドの屋台骨を支えてきた茂木欣一(Dr)にインタビュー。佐藤の生前の愛聴盤も含め、フィッシ
にせもの@えり天 @PerfectNISEMONO GO!GO!7188というバンドの存在や果たした役割がやんわりと歴史の中に埋もれていこうとしてるの、普通にもったいないんだよな。もっともっと伝説のバンドとして評価されていいと思うている。 2020-08-01 01:46:47 リンク Wikipedia GO!GO!7188 GO!GO!7188(ゴーゴーなないちはちはち)は、日本のスリーピース・ロックバンド。2012年解散。解散時の所属事務所はブレスト音楽出版・YAMAHA、所属レーベルはビクターエンタテインメントのFlyingStar Records。 高校の同級生であったユウ(中島優美:ナカシマユミ、 G&Vo、作曲担当)とアッコ(浜田亜紀子:ハマダアキコ、B&Vo、作詞担当)が鹿児島で結成したスリーピースバンド。のちにターキー(男性、Dr、掛け声担当)が参加、「音楽業界に異物混入
YouTubeに投稿された1本のHip-Hop動画がネット上で大きな関心を呼んでいます。30歳を超えて挑んだ新たな道で待ち受けていた、許されざる理不尽な結末とは……。 crystal-z Sai no Kawara 話題を呼んでいるのは、crystal-zさんが6月11日に投稿した「Sai no Kawara」という楽曲。「ネタバレを知らない状態で最後までぜひ聞いてほしいです」「これが音楽じゃないなら、何を音楽と思えばいいのか」とネット上で口コミが広がり、無名アーティストの初投稿としては異例の48万再生を記録しています(2020年6月28日時点)。 以下、楽曲に関するネタバレが含まれるため、動画を鑑賞後に読み進めていただくことを強くおすすめします。 crystal-z Sai no Kawara 楽曲ではまず、音楽仲間と共にセルフパッケージのシングルを自主制作し、シェアハウスで充実した日々
イントロだけが有名でサビとかぜんぜん知られてない曲とか無いのかな。カラオケで入れたらイントロではめっちゃ盛り上がるけど歌い始めたらみんな歌詞知らなくて盛り下がる曲とかあったらおもしろそう。
The strange revival of vinyl recordsThis year sales will overtake those of fast-fading CDs “THE LP WILL be around for a good long while,” Patricia Heimers, a spokeswoman for the Recording Industry Association of America (RIAA), told the Associated Press in 1989. Ms Heimers’ prediction may then have seemed tin-eared. Sales of cassettes and CDs already far outstripped those of 12-inch glossy black p
平成最後の10日間に362人が選んだベスト平成ソング、最後の50曲です。この記事を読んでいるあなたが「平成ソング」という言葉から想像するような曲はあまり入っていないと思います。まあわからないですけど。でもやっぱり入ってないと気が。なぜならこれは音楽オタク362人が選んだものだからです。呼びかけておいてなんですが、こんな結果になるとは思いませんでした。 この50曲をぜひ通しで聴いてみてください。いや最後の20曲、10曲でも良いので。コンセプトアルバムを通しで聴いた時のようななかなかの疲労感が得られると思います。濃いです。でもこれが平成という時代だったのでは?とも思います。一番下には不完全だけどプレイリストも用意してあります。それをコピーして手持ちの音源を追加して聴いてみてください。僕は毎日聴いてたけど楽しかったです。 来月は平成ベストアルバムもやるのでそちらでもよろしくお願いします。では最後
screengrab from chilledcow 2018年にSpotifyで急成長したジャンル2位となり、SNSではミームとしても機能し始めるなど、認知がピークに達しつつある"Lo-fi Hip Hop(ローファイ・ヒップホップ)”・"Lo-fi beats(ローファイ・ビーツ)"。一体どうやって拡大したか、特徴、始まり、主なアーティスト、アニメとの関わり、今後についてなどまとめてみました。 Lo-fi Hip Hopとは Lo-fi Hip Hopの始まり Lo-fi Hip Hopが拡大したきっかけ 誰がオリジナルか 主なチャンネル・レーベル Lofi Girl (旧 Chilled cow) Chillhop Music Ryan Celsius 代表的なビートメイカー Tomppabeats Jinsang BSD.U Elijah Who wun two Lo-fi Hip
20年前にカミングアウトしたジューダス・プリーストのロブ・ハルフォード(Vo)は、近年、LGBTQについて公に話されるようになったが、平等という面では成されるべきことがまだたくさんあると話した。また、異端と見られている点ではヘヴィ・メタルも同じだという。 ◆ジューダス・プリースト画像 ハルフォードは英国の音楽誌『Kerrang!』のインタビューでこう話した。「俺らの道程はまだ長い。LGBTQ―いま俺らは自分らのことをそう呼ぶ―は、平等って面では解決しなきゃならないことがたくさんあると思う。でも、メタルがロックンロールの厄介者って考えられているのと同じだよな。“おい、ヘヴィ・メタルなんて好きじゃないだろ? あれは音楽じゃない。クソだ”って言われる。ゲイ・コミュニティにもそれは当てはまる。似たようなこと体験する」 「いまは2018年だ。俺らまだ、性的指向や肌の色なんかについて話してる。“俺の宗
culture 80'sジャパニーズハードコア・パンクの黎明期を捉えたドキュメンタリー映画『ちょっとの雨ならがまん』が34年の時を経て公開決定 映像作家・安田潤司が80~90年代に制作し長きにわたり上映されることのなかった2作品、『ちょっとの雨ならがまん』と『ファー・イースト・ベイビーズ』が8/18(土)から新宿K's cinemaほか全国順次公開することが決定した。 『ちょっとの雨ならがまん』は、G.I.S.M.、GAUZE、THE COMES、THE EXECUTEと町田町蔵や石井聰亙(現・石井岳龍)など、音楽のみならず現在でも大きな影響を与える80年代の日本のハードコア・パンクシーンの黎明期を記録した作品。 当時21才だった安田潤司が監督したこの作品は、1984年の初公開後、劇場やライブハウスを中心に上映され、延べ50,000人もの観客を動員、そして1994年を最後に一切の上映をやめ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く