性的に欲情されないというのは不幸である。僕は父のお陰で比較的裕福な実家が都内にある。僕が、ある腎臓の病気の薬の副作用で醜い顔が更にひどかった時のことである。高校では人に合うたびに肌が汚すぎとか顔が腫れてるとかこちらが分かっていることを再確認させられる。自分の顔を見せるだけで人によっては嫌な顔をされる。精神的にも肉体的にも限界が来ていた。父はあまりにも僕のことがあまりにも不憫に見えたのかこう言った。「お前、モテるぞ。家が金持ちだからな」父はきっと酷い容姿で悲しんでいる僕を安心させたかったのだろう。希望を持たせたかったのだろう。しかし、その言葉は自分が性的に欲情されないことを意味していた。女は金に欲情するのだろう。とても悲しくなった。だが、容姿が醜いが金は今のところ比較的あることは幸いなことである。僕がロクでもない大学生になって関西に来て感じることとして、電車に乗ると、身なりが貧しく、容姿が醜