米国で「キリスト教ナショナリズム」への警戒感が高まっている。移民やLGBTに寛容さを欠くトランプ氏の政策は、米国はキリスト教国家であるといった主張を掲げる「キリスト教ナショナリズム」の影響を受けているとの指摘がある。そんなトランプ氏に対し、ワシントン大聖堂での礼拝でマリアン・バディ主教が慈悲深くあるべきだと説教し、世界中から注目を集めた。トランプ氏を勢いづかせるキリスト教ナショナリズムとはなにか。そして、トランプ氏が敵視するバディ主教と歌手テイラー・スウィフト氏に共通する危機感とは。 (楠 佳那子:フリー・テレビディレクター) 「神の名において。現在私たちの国で、恐れを抱いている人々に慈悲の心を」 一見、どこのキリスト教の日曜礼拝やミサでも聞かれそうな説教が今月21日、全米の話題をさらった。この言葉が、米大統領就任の恒例行事であるワシントン大聖堂での礼拝で、他ならぬトランプ大統領に向けて発