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オープンソースによる地理空間情報の祭典であるFOSS4G、先週の金曜日(ハンズオンセッション)、土曜日(コアデイ)に東京大学駒場リサーチキャンパスで開催された。 金曜日はハンズオンデイ FOSS4Gでのハンズオンは、実はそれほど宣伝できていないが、徐々に参加者が増大しつつある。定番のテーマだけで無く、ベクトルタイルやCesiumなどの、その年の旬なテーマのものも用意された。こういうことが素早く出来るのがOSGeoのコミュニティだ。 ハンズオンの様子 ハンズオンセッションは、3時間で一コマ、午前、午後それぞれ開催された。参加者の多くは、午前と午後のそれぞれからお気に入りのテーマを選ぶ。 土曜日はコアデイ コアデイはセッション主体で、コンベンションホールでの開催。 基調講演その1は国土地理院 「FOSS4Gと地理院地図」というタイトルで 、国土交通省 国土地理院 地理空間情報部の出口智恵様から
株式会社マピオンの実験サービスを公開するサイトとして、マピオンテックラボ(Mapion Tech Labs)がリリースされた。 その中でも、待望のベクトル地図タイル配信によるサイトが試せるようになっている。 公開されたサイトで3D地図を試す controlキーを押しながらカーソルを動かすと3Dになる。ぐるぐる感がたまらないし、建物が半透過して奥行きを感じるし、色合いも上品だ。気に入った。 なお、操作方法や動きからするとは、基本的にMapBoxのベクトルタイルを採用し、3DにもMapBox GLを採用しているように思われるが、発表が待たれる。 (明後日から開催されるFOSS4G 2016 NARA.KANSAIにてマピオンの発表セッションがあるが、この話になるのかは不明) ご存じない方も多いと思うが、マピオンはOSGeo財団日本支部の団体会員でもあり、もう何年にもわたって日本でのオープンソー
つい先日、このブログで「最近のGoogleマップは劣化が激しい」と書いた。ただ、そこは日本に登場して8年が経つだけあって、”腐っても鯛”なのであろう、と漠然と私は思っていた。 今日、たまたまiOSのGoogleマップアプリを開いていて、刮目した。首都高のジャンクションが表示されている中に、「スギ薬局江戸橋店」とある(正しくは「江戸橋JCT」)。どうして、店舗が表示されているのかな、と思って拡大縮小をしてみて、どうやら首都高ジャンクション名称として誤って”登録”されていると判断できた。 「スギ薬局江戸橋店」というJCT?! ベクトルのマップアプリは地図を一様の画像として表示しないので、ラスターベースのマップアプリのような目視チェックが難しい。結局、表示プログラムとデータ設定のの正確さに頼り切ることになる。iOS6マップアプリの問題点がリリース前にアップル社内で認識されなかったのも、それも一因
昨年の今頃、iOS6がリリースされ、その際はサンフランシスコに出張で来ていた。そして今年もiOS7のリリースでは、イギリスのノッティンガムに来ている。狙ってそうしたわけではないのだが・・・ 昨年のiOS6のマップアプリの品質に度肝を抜かされて、このブログに投稿した記事が、結果として広く様々の人に読んでいただけたのは、正直驚いたのだが、それだけマップアプリがスマホユーザーにとって欠かせないことを物語っていた。 あれから1年、iOS7がリリースされ、私はノッティンガムでアップグレードをした。果たしてマップアプリはどうか? ここノッティンガムで、空港からカンファレンス会場であるノッティンガム大学まで路線バスで移動した。その時はiOS6のマップアプリを使った。道路は描かれているが、ラベルはとても少なくて「スカスカ」だ。ただ日本と違って、イギリスの地図はもともとそんなに詳しくない。だから、まぁ何とか
私が代表を務める、株式会社オークニーは、このほど、米国セールスフォース・ドットコムと資本提携し、同時に、みずほ成長支援投資事業有限責任組合からも出資をいただくことになりましたことを、謹んで報告いたします。 2002年の創業以来、主としてFOSS4Gテクノロジーを駆使したアプリケーションの受託開発を行って参りました。同時に、OSGeo財団日本支部を通じて、FOSS4Gコミュニティへの支援を継続して参りました。私は、これまでのオークニーのこうした事業と活動について、大きな誇りを感じています。また、それをご支援いただいたお客様に心から感謝しています。 これまでオークニーは、私と志を共有するごく少数の関係者だけが株式を所有し、地域業務の課題を位置情報・地理情報技術を使って解決することをミッションに、どこの系列にも所属せず、まさにFreeでOpenな事業を営んで参りました。 しかし、受託開発主体の事
先月下旬にこのブログに投稿したiOS6地図の記事だが、実に多くの方々に反響を呼び、160万を超えるgooのブログでアクセス数が3位になるなど、思いもよらなかった状況を迎えた。その結果、いくつかの新聞社、雑誌、Webメディアの取材を受けるほどになってしまった。先日、日経電子版に掲載された記事は、私だけでなく、複数の識者への取材を行い、バランス良く今回の騒動の原因について説明されている。ぜひ、一読いただきたい。 さて、私のブログは、主として地理情報系の興味とバックグラウンドを持っている人が読者の大半を占めていて(と、勝手に思い込んでいる)、地図の話題は世の中のニッチだと思いがちだ。しかし、今回の事態が物語っているのは、「未だかつて、これほど地図に関した話題がホットトピックになった時代があっただろうか」ということだ。 iOS6の地図騒動は、アップルのCEOが謝罪までするという事態になったのだが、
iOS6の地図のお粗末さが大変大きな話題となっている。話題にしているのは地図関連の人たちだけではなく、実に広範な人たちである。それほど、スマートフォンにおいては、地図が「欠かせないもの」なのであることを改めて感じる。そして、日本のスマートフォンのおよそ3台に1台がiPhoneであることを考えると、地図をアプリに活用している多くのサービス事業者にも多大な影響が出そうだ。 私も先週のサンフランシスコ出張中にiPadをiOS6へとアップグレードして、その地図を確かめてみた。なるほど、これは品質が良いとか良くないとか言うレベルでは無くて、欠陥商品のレベルである。この状態でiOS6の標準地図として提供するのは、そもそも誤った企業方針である。 ちまたには、データソースがゼンリンではなくてインクリメントPであるからだとか、海外の地図やOpenStreetMapを採用しているからだとか、知ったかぶりのコメ
最近ESRIが発表した、「ArcGIS for Home Use」という個人の学習向けに用途が限定された、年間15,000円のプログラムが話題を呼んでいる。何でも、まともに業務用途で購入したら100万円では済まないArcGIS(とそのエクステンション)を自由に使えるからだ。 今まで、商用製品利用の難点の一つとして、”会社(や学校)で使っている環境を自宅のマシンで・・・”という使い方をしようとすると、自宅でもライセンスを購入しなければならないというハードルが指摘されてきた。商用GIS製品の価格体系は、アメリカ本国の2~3倍するという、いびつな価格政策が続けられていたこともあり、利用者側にとっては深刻な問題でもあった。 一方、FOSS4Gツールは、そうした制限もないので、会社、学校、自宅を問わず、好きなところで好きなマシンでGISを利用することができる。これがFOSS4Gツール(特にQGIS)
2011年の最終日に当たり、FOSS4Gのトレンドを振り返って思うのは、QGISやGRASSという、デスクトップツールの飛躍的な普及だ。ティッピングポイントを超えたというか、臨界点に達したというか、そんな思いだ。あの東日本大震災に際して、OSGeo財団日本支部のコミュニティは、航空写真の幾何補整をごく短時間で行ったのだが、それを成立させた前提条件として、こうしたツールが普及してきていたことが上げられる。 この、QGISとGRASS、FOSS4G分野のデスクトップツールとして代表的なものであり、いずれも実用に十分耐えうるスペックを兼ね備えている。それを日本でどうやって普及させることに成功したのか、少し振り返ってみる。 今から2年半前、2009年の7月、農環研の岩崎さん(@wata909)から、文科省の宇宙利用促進調整委託費の事業公募のニュースと、その提案骨子をメールでいただいた。岩崎さんのプ
(OSGeo財団日本支部のMLより転載します) FOSS4G Tokyo/Osakaの今年の開催日程が確定しました。 下記の通りになります。 ・東京 11/5(土) ハンズオン・ディ(東大 柏キャンパス) 11/6(日) コミュニティ・ディ(東大 駒場第二キャンパス) 11/7(月) コア・ディ(東大 駒場第二キャンパス) ・大阪 11月11日~12日(KOF;関西オープンフォーラムの一部として開催) なお、内容については、これから具体的に企画していきます。企画については、MLやwikiで皆さんとも可能な限り情報共有ができるように進めていきます。どうぞよろしくお願いします。
Where2.0の一日目はワークショップになっていて、別料金で参加する。例年私はここはパスしていたのだが、今年はMarketing Bootcampというタイトルで、丸一日ビジネス面での発表が聞けるとあったので、興味深く思って参加した。 会場入り口の看板、結構控えめに見える Marketing Bootcampは技術っぽい話は基本的にはなく、部通に営業やマーケティングをやっている人に理解できる内容。どういうサービスをやっていて、どのくらい利用者がいて、どういう効果があるのかという報告が多い。講演者も男性よりも女性の方が多いのが、今までに無かった傾向だ。そして、ビジネス面では昨年までの状況とはかなり様相が異なっていることがわかった。 日本では、facebookやfoursquareのチェックインサービスが知られてはいるが、基本は趣味的なものであり、周りの人がどんどん使い出すという状況ではない
ジオロケーションカンファレンスに(リモートで)参加した。 当初、六本木に出かける予定であったのだが、仕事の宿題を抱えている中、往復4時間弱の移動時間がどうにも取れないこと、花粉症がかなりひどく、とても外出する気持ちになれないこともあり、断念。その代わり、Ustの中継を見ることにした。幸い、映像も音声もパーフェクトに近く、PCで仕事をしながら遠隔参加が実現した。おまけに、家族とゆっくりと夕食を取ることもでき、Ustってありがたいな、と実感した。 今回のカンファレンスでは、「ジオロケーションの巨人」と銘打っていることが、個人的にはちょっと違和感がありなのだが、これから国内で巨人を目指すヤフーと、2005年以来、世界を制覇してきたGoogle、さらに、これからさらに存在感を増すであろうOpenStreetMapという、それぞれ同じ次元からの比較はし難い「3巨人」を集めた、ということだろう。 ヤフ
実は、10日も古い情報で恐縮だが、国土地理院が、「住居表示住所」の提供を開始している。 住居表示情報をわかりやすく言い換えると、「号レベル」の住所ポイントだ。例えば、私の会社は横浜市西区みなとみらい2-3-5が住所だが、このみなとみらい2-3-5部分が住居表示で、今回提供されているのは、末尾の「5」レベル(号レベル)の情報だ。現時点では、横浜市,川崎市,名古屋市,大阪市のみだが、いずれ全国を対象にするとされている。国交省の「位置参照情報」に組み合わせることで、住所と緯度経度の対応の精度が飛躍的に向上することになる。 このレベルの住所ポイントは、今まではゼンリンなどの大手の地図会社が独自に整備したものを購入する以外には入手の方法が無かったが、国土地理院の今回のデータは無償で提供される。用途によっては測量法にもとづくの承認を得る必要があるが、通常のアプリケーションでの利用ではおおかた許可される
先日、ヤフーが「日本最大級のジオサービス」としてYahoo!ロコを発表した。 まず、キャッチフレーズにある「ジオサービス」という呼称に、おやっ?と感じた。ジオ系業界的には確かにそうなんだけど、そもそもジオって言葉は一般的でないのでどうなんですかね、と苦笑。 サービス自体は、ヤフーでバラバラになっていたものを統合していて、利用者の利便性は高まる。そして、結果的に広告出稿者へのパスもシンプルになっていくはずなので、ヤフーとしては強力な商品を作ったことになる。そういう自信があるからだと思うが、まだ今年4月にならないと始まらないにもかかわらず、「日本最大(級)」という枕詞をつけたのだろう。 ともあれ、昔紙メディア全盛だった時代に、リクルートが席巻していた地域広告市場は、今はヤフー、グーグル、ぐるなびなどが競い、最近”おせち”事件でメジャー入りしたグルーポンが急追して、まさにこれから本番になろうとし
オープンかクローズか、という区別は、時としてトリッキーなものになる。それを思うのは、最近メディアでよく見かけるiPhone対Androidの論評だ。 iOSはクローズドソース、Androidはオープンソースで、これは事実だ。だが、ソフトウェアのソースコードがオープンであるか否かで、両者の優劣や、はたまた善悪の判断に持ち込もうとする論調を見かけたりするのには、どうかと思う。 ソフトウェアのソースコードが公開されていること、これはそのソフトウェアの発展のエコシステムを築く上で本当に重要な一歩である。しかし、それは一歩に過ぎず、そのソフトウェアのエコシステムを担っていく、よく統治されたコミュニティができあがらないと、そのソフトウェアは「オープンソースプロジェクト」にならず、単なる「ソースが公開されているソフトウェア」に留まってしまう。 Androidは、スマートフォン向けのOSとして、最も勢いの
2010年がもう終わろうとしているが、今年はGoogle Mapsが登場してから丸5年となった年でもあった。 多少なりとも地図や地理情報分野で飯を食っている人にとっては、黒船襲来という表現が当てはまるほどのインパクトを与えられたのだが、5年前のプレーヤー達の大半は、今もなお大半が事業継続をできている。もちろん、5年前までと同じ事業モデルを継続できている割合よりは、何らかの形でGoogle Mapsの影響を避けるか、あるいはその影響を利用することで、事業のチューニングを行っているプレーヤーの方が多い。 5年経って思うが、Google Mapsの登場は、総じてこの業界にはメリットをもたらしている。なんと言っても、Webサイトでの地図利用が爆発的に広がった。その結果、商談の機会は著しく増加した。もっとも、参入障壁が大幅に低くなったことで、価格面での競争が厳しくなってはいるが。次に、商談が「Goo
アップルの決算発表でのSteve Jobsの一連の発言がここやそこなどを賑わしていた。彼が主張していることは、商売として至極まっとうなことばかりで、ウンウンと頷きながら読めた。 で、やはり「これだ!」と思ったのは、「オープンとクローズ」を巡る発言。 『オープン』対『クローズド』の議論は、顧客にとって本当に最良なものは何かから目をそらすための煙幕だ、とわれわれは思っている オープンソースの会社を経営し、オープンソースの普及活動に力を注いでいる私の目から見ても、彼の指摘は重要なポイントで示唆に富んでいる。 この発言は、AndroidとiOSとの”対決”に関してのコメントの一部なのだが、私はAndroidは、今のような「好き勝手に端末を出してね」状態では、ユーザーは幸せになれないと思う。そして、Android組はいくつ作っても全然儲からなくなり、最後は不良在庫の山を前にして、歴史的な大敗を喫する
マピオンにGoogleマップ「ストリートビュー」機能が実装されたというニュースは、私がフォローしているツイートだけでも結構賑わっていた。 私は、最初のツイートを読み、すぐに「では、次は地図をGoogleマップにする番ですね」とコメントしようと思って、書いて実際に送信を仕掛かったところで、「待て待て、それでは品がないな」と思い直して取りやめた。 ツイートをちらちら見ていたら、結構驚いているというリアクションがあったのだが、正直なところ、私には殆どそういう感情はなく、「あ、これでマピオンがまた使いやすくなったな」と。 私は、マピオンがどのような事業モデルを意図しているのかについてはコメントする立場ではない。あくまでも一利用者としてのコメントである。 地図のパワーユーザーとしては、同じエリアでも複数の地図が存在していて、それを用途に応じて使い分けるというのが最も贅沢である。今は、地図と言った際に
FOSS4Gの報告を急ぎ足で行ってきたが、ここで少々考察を。 私は、広い意味でのFOSS4Gコミュニティが健全に成長するためには、開発者やユーザーコミュニティだけでなく、事業領域としても成立する(=企業がその分野でやっていける)必要があると常々思っている。地理空間情報の分野は、その顧客の多くは事業者であり、故に、その事業者にソリューションとしてFOSS4Gを活用できる企業の存在無くして、持続可能なコミュニティはあり得ないと思う。 今回のカンファレンスに参加して、商業的な成功という意味で、いくつかの問題を感じた。 このイベントを資金的に支えているのは、カンファレンスのスポンサーと参加者の登録料である。従って、スポンサー(展示出展を含む)がたくさん集まり、参加者も多数集まることが、資金的なカンファレンスの成功を意味する。しかし、私は、主催者の採算面での成功はしたと思うが、商業的な意味での成功に
国勢調査のデータは、近年「データ」として開示されるようになってきた。一方、自治体のHPで統計情報を見ようと思っても、表や地図にはなっていても、データ自体はダウンロードできないことが多い。最近はQGISのようなオープンソースGISソフトウェアが使えるで、自分の住んでいる付近ってどうなんだろう?と興味を持ってあれこれ分析したくなってくる。 これはこれで良いのだが、Webのサービスとしてインタラクティブな統計分析機能を提供するサイトが、私の地元の横浜市にできないものかな、と長らく思っていた。本日公開された横浜市統計GISは、その要望をかなえてくれる。しかも、結構多様な分析表示ができるので、知的好奇心を満たされる。 ところで、このサイトはバックエンドもWebクライアント側もFOSS4Gツールがフル活用されている。クライアント側でOpenLayersを使っているので、背景地図も横浜市独自の詳細地図・
位置情報連動広告サービス提供を行う(というよりもジオメディアサミットの主催会社と表記した方が知られている?)シリウステクノロジーズが、ヤフーに買収されたというニュースが流れて話題になっている。 位置情報に連動した広告サービスという概念は、私が2000年にMapInfoという米資本の企業に就職した際に、本社で行われたLBSについての説明にも掲載されていたので、アイデア自体は目新しくはない。また、2001年のアメリカのITバブル崩壊直前までは、LBSプラットフォーム分野の様々なベンチャー企業が、位置情報連動広告機能にも言及しており、実装技術という点でも、一通り枯れた分野である。ただ、当時は利用環境(デバイスとネットインフラ)が未成熟で、それが故に、ベンチャー企業は自らサービス提供者となるのをあきらめ、通信キャリアやインターネットポータルサイトに対して、自社の技術やプラットフォームを販売すること
昨夜開催されたジオメディアサミット名古屋に関連するツイートで、「GISとジオメディアとの断絶について」の意見交換がなされたのだが、私なりに論じてみたい。 ここでの問題提起は、GIS業界が既得権益を守るばかりで、ジオメディアの勃興の流れと断絶をしているのではないか、というもの。 私のような、コンテンツ(地図会社)、GISベンダー、GeoWeb系のSIと、それぞれ異なる立場から仕事をした経験からは、GISとジオメディアは、その依って成り立つところが根本的に異なっているので、両者は統合されることはないし、両者の断絶を憂うのは、そもそもどうなのかと。 GISとジオメディアの違いを、無線技術と放送に例えてみよう。 無線技術業界は、無線の仕組みを研究して実用化させ、その設備を開発して販売、メンテナンスをしている。GISは、この無線技術業界に相当する。放送は無線技術業界が販売する設備を導入して、それを使
私の持っているiPadはwifiモデルである。これにはGPSは装着されていないが、現在位置をかなり正確に出してくれる。AppleはCoreLocationという、位置情報を取り扱うインフラを提供していて、GPSによる現在位置情報だけでなく、wifi基地局の位置情報をもとに自己位置を算出する。どのくらいの誤差があるのかについては、私の自宅では40mくらい、会社付近では50mくらい、先日訪問した鹿児島でも同じ位で、おおむね数十メートル以内に収まっているので、GPS(正確にはNetwork assisted GPS)と大きな差がない。 では、ここで問題。Appleは、日本中のwifi基地局情報をどうやって取得しているのだろうか? 先日、iPhoneOSのアップデート時に「iPhoneソフトウェア使用許諾」に同意する必要があったのだが、その中に、「位置データ」という項目が書かれていた。以下、その使
4月になってからYahoo!の地図のデザインが一新された。 まず、小・中縮尺図に残っていたアルプス時代のベースマップが消滅し、ゼンリンのものに替えられた模様だ。その影響もあるのか、中縮尺図における道路網のメリハリが失われている。また、道路が混み合っているところでは潰れてしまっている。自社制作を止めることによるコスト削減を優先した結果だろう。 次に、アルプス時代からの特徴とも言えた、市区町村や町大字による色分け表現が無くなった。GoogleMapsのような一様な色調になり、視覚的な「ジオコーディング」ができなくなったのはとても痛い。検索窓に住所文字列を入力すれば正確な位置が出るから、もうそういう色分けは不要と判断したのかもしれない。 さらに、これもまたアルプス時代からの特徴であった道路幅、線号(ラインの太さ)の絶妙なバランスが低下し、建物色わけによるメリハリ感も低下した。おまけに施設注記の情
昨日は、第5回ジオメディアサミットが開催された。場所は260名収容の東大駒場リサーチキャンパスのコンベンションホール。立ち見とキャンセルを見込んで300名を定員としたところ、多数のキャンセル待ちを含む370名を超える参加申し込みがあった。 いったいこの勢いは何だ!? 昨年末に恵比寿で開催されたジオメディア忘年会は、一昨年の人出よりも少なく、”第一次ジオメディアブーム”は終焉を迎えたのだと判断していた。”ジオ”であることにアイデンティティを持つ人達は、「ジオメディア」という言葉の”ジオ”を重視するが”メディア”への理解はそれほどでもない。ただ、ジオ的な事業領域の拡大に興味と期待を持ち、何らかのマネタイズができないものかと集ってくる。しかし、実際には2000年頃からの歴史が物語っているように、ジオ関連領域で新たなジオなマネタイズを求めてみても、それを見いだすのはきわめて難しい。「期待して参加し
昨日の「Jeff McKennaと語る会@みなとみらい」は、急な告知にもかかわらず、いろいろな出会いのある大変楽しい集いとなった。 Jeffが日本に来るのはこれで3回目である。 実は、Jeffの来日は、FOSS4Gコミュニティそのものの成立に大きく関わっている。 2004年9月、大阪市大の招きでJeffが来日した際、私は成田空港から東京駅にやってくる、まだ会ったこともないカナダ人を同僚と迎えに行った。Jeffは日本の携帯電話を持っていないので、「夕方に成田エクスプレスを降りたホームで会おう」という約束はあったものの、到着時間も不明で、しばらくあちこち捜したあげく、ようやく”巨漢のバックパッカー”スタイルのJeffに巡り会ったのを思い出す。実はこの日が、MapServer開発メインストリームのメンバーが日本、いやアジアを最初に訪問した記念すべき瞬間だった。 ちょうどそのタイミングで、大阪市立
本日開催のGeoGrid成果報告会に出席した。 GeoGridは、地球観測グリッドを意味し、詳しくはこちらに記されている。このプロジェクトがスタートしてから5年になり、当初は本当にどういう形で実現するのだろうかと感じたものだった。さらに、早い段階からこのプロジェクトがオープンな仕様(OGC準拠)で、ベンダーロックインしない方向性を明快に打ち出していたのには、私は優れた先進性を賞賛したものの、それを実現するためのFOSS4Gツールは、当初は一部にまだ未熟さもあったりして、果たしてどこまで活用できるのかが不安でもあった。 今年の成果報告会に出席して、いよいよその成果が期待を上回って結実しつつあることを実感した。 GeoGridのアーキテクチャ GeoGridは、原則的にユーザーからはOGCのWebサービス群にしか見えない。OGCのWebサービスを実際に利用したことのある人ならおわかりのように、
年の瀬の街中で、よくこのおじさんに会う。 ナビタイムのおじさん 電車の中でも深緑色の広告の露出頻度は大手電機メーカーの広告出稿量並みだ。 ひとくくりに「ナビゲーション」と呼ばれるこの分野は、2005年くらいまでは技術ノウハウとコンテンツ調達力が第一で、携帯電話の課金サービスの恩恵をひたすら受け続ける構造だった。しかし、その後GoogleMapsに代表される地図サービスのオープン化が進み、携帯キャリアの課金モデルに依存しないサービスが増加したため、マーケティング力の勝負の時代になっている。わかりやすく書くと、お金がものを言う時代になっている。例えば、この分野に参入する障壁は今はそれほど無い。ルート検索ソフトもオープンソースもあるし、クローズドなものは無数と言っても良いほど転がっている。地図データも普通に買える。時刻表情報も買える。地図以外の生活利便情報も買える。サーバやデバイスの発展のおかげ
今月11日付のニュースで伝えられているように、パイオニアがナビタイムジャパンをカーナビに関する特許を侵害したとして提訴したのだが、実はそれと同じ日に、ガーミンも提訴していたことを本日気がついた。 国内ではガーミンはハンディGPS端末を知る人にしか知られていない存在なので、ニュースにすらならなかったのだろう。一方、ナビタイムジャパンへの提訴については、パイオニアの報道資料サイトには掲載されていない。ということは、パイオニアにとっては株主に報告するレベルには当たらないと判断をしたのかも。 ワールドワイドで見ると、ガーミンはPND(ポータブルカーナビ)のメガプレーヤーである。日本でパイオニアがナビではトップシェアと言われて久しいが、世界を見れば、様相は大きく異なる。特にアメリカ合衆国でのガーミンの存在は、パイオニアの当地での展開には大きな障害になるのだろう。 ところで、この手の特許紛争。メディア
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