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ベルギーの半導体研究開発機関であるimecは、自動車メーカーとアライアンスを設立し、車載用半導体にチップレットを追加することで自動車分野へのAI導入を拡大する計画を立てている。 ベルギーの半導体研究開発機関であるimecは、自動車メーカーとアライアンスを設立し、車載用半導体にチップレットを追加することで自動車分野へのAI導入を拡大する計画を立てている。 imecは、米国の自動車産業の中心地であるミシガン州デトロイトで2024年10月に開催された会合において、新しい基礎研究活動である「Automotive Chiplet Program」の初期メンバーとして、ArmとASE、BMW Group、Bosch、Cadence Design Systems、Siemens、SiliconAuto、Synopsys、Tenstorrent、Valeoが参加することを発表した。同アライアンスは、チップ
東京大学とJSRの研究グループは、半導体露光装置を用い可視光の平面レンズを低コストで大量生産できる手法を開発した。 8インチのガラス基板上に多数のFZP型平面レンズを作製 東京大学大学院理学系研究科の小西邦昭准教授や山田涼平特任研究員(当時)らと、JSRの岸田寛之氏らによる研究グループは2025年1月、可視光の平面レンズを半導体露光プロセスのみで大量生産できる手法を開発したと発表した。 光学レンズはこれまで、研磨技術を用いて作製するのが一般的であった。これに対し近年は、メタレンズなど新しい平面レンズを作製する技術が注目されている。それは、半導体露光装置などの微細加工技術を用い、集光特性に優れたフレネルゾーンプレート(FZP)型平面レンズを低コストで実現する方法である。ただ、サブミクロンの人工構造を作製するには、成膜装置や半導体露光装置、ドライエッチング装置など、複数の装置が必要で製造工程も
ラムリサーチのドライレジスト技術をimecが認定 28nmピッチBEOL向け:高NA EUVスキャナーへの適用も可能か ラムリサーチ(Lam Research)は、パターニング技術である「ドライフォトレジスト(ドライレジスト)」が、2nmあるいはそれ以下のロジック回路における配線工程(BEOL)の「28nmピッチダイレクトプリント」に適格であることを、imecが認定したと発表した。 EUVリソグラフィーで低欠陥率と高解像度のパターニングを実現 ラムリサーチ(Lam Research)は2025年1月、パターニング技術である「ドライフォトレジスト(ドライレジスト)」が、2nmあるいはそれ以下のロジック回路における配線工程(BEOL)の「28nmピッチダイレクトプリント」に適格であることを、imecが認定したと発表した。ドライレジスト技術を用いれば、極端紫外線(EUV)リソグラフィーにおいて、
東北大学と日本原子力研究開発機構、理化学研究所の共同研究グループは、表面弾性波(SAW)が、磁性材料を用いて作製した回折格子を通過する際に、「非相反回折」と呼ばれる現象が生じることを確認した。 SAWと磁性体における角運動量の相互作用が極めて重要 東北大学と日本原子力研究開発機構、理化学研究所の共同研究グループは2025年1月、表面弾性波(SAW)が、磁性材料を用いて作製した回折格子を通過する際に、「非相反回折」と呼ばれる現象が生じることを確認したと発表した。SAWを利用した高性能フィルターなどの開発が期待される。 SAWは物質の表面に沿って伝搬する音波で、表面の原子が回転運動をしながら伝わる性質がある。この性質を利用して、不要な周波数の電気信号を除去するSAWフィルターなどが開発されている。音波や光が回折光子を通過した後に波同士が干渉すると、通常は特定方向に同じ強度の波が現れるという。
カプセル内視鏡の課題と次世代品への展開:福田昭のデバイス通信(486) 2024年度版実装技術ロードマップ(6)(1/2 ページ) 今回は「2.2.1.1 低侵襲性医療:カプセル内視鏡の事例」の後半部分を説明する。カプセル内視鏡の課題や、適用範囲を広げるために必要な改良、次世代のカプセル内視鏡のイメージについて記載されている。 画像データの解析作業が大きな負担 電子情報技術産業協会(JEITA)が2年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2024年度版 実装技術ロードマップ」(PDF形式電子書籍)を2024年6月に発行した。既に同年6月11日には、ロードマップの完成報告会を東京で開催している(本コラムの第462回で既報)。 本コラムではこのほど、ロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、前回の2022年度版に続いて今回の2024年度版も概要を
米シンクタンクが、CHIPS法(CHIPS and Science Act)の効果を評価する報告書を発表した。これまでに助成が確定あるいは覚書を締結したプロジェクトが不可欠だったかどうかを、率直に評価している。 米シンクタンクのピーターソン国際経済研究所(Peterson Institute for International Economics)は、CHIPS法(CHIPS and Science Act)を通して米国の産業政策を評価する予備報告書「Industrial Policy Through the CHIPS and Science Act」(以下、ピーターソン報告書)を発表した。これまでに提供された補助金や融資、投資税額控除などが、米国の工場や組み立て/テスト/パッケージング工場への投資を確保する上で不可欠なものだったかどうかを調査している。 この報告書では、製造のオンショア
産業技術総合研究所(産総研)と物質・材料研究機構は、弾性波フィルターに用いられる窒化物圧電材料の性能を大きく向上させることに成功した。圧電定数を35.5pC/Nまで高めたことで、より高い周波数帯域に対応した弾性波フィルターを開発できるとみている。 ScAlN薄膜に下地層としてLu金属を導入しSc固溶量を向上 産業技術総合研究所(産総研)と物質・材料研究機構は2025年1月、弾性波フィルターに用いられる窒化物圧電材料の性能を大きく向上させることに成功したと発表した。圧電定数を35.5pC/Nまで高めたことで、より高い周波数帯域に対応した弾性波フィルターを開発できるとみている。 スマートフォンなどの無線通信機器に使われる周波数フィルターの一種である弾性波フィルターには、圧電材料が用いられる。より高い周波帯域に対応した弾性波フィルターを実現するには、圧電薄膜の性能向上が不可欠となる。現在、圧電材
32億8000万画素/秒という超高速で信号を読み出し キヤノンは2025年1月、35mmフルサイズで4.1億画素(2万4592×1万6704画素)を実現したCMOSイメージセンサーを開発したと発表した。解像度は24K相当で8Kの12倍、フルHDに比べ198倍となる。 超多画素のCMOSイメージセンサーは中判以上のイメージサイズが一般的であった。今回は、35mmフルサイズで世界最高となる画素数を実現した。これにより、フルサイズセンサー用のレンズを活用でき、カメラモジュールの小型化が可能となる。 開発したCMOSイメージセンサーは、裏面照射積層構造を採用し回路構成の見直しも行った。この結果、1秒間に32億8000万画素という超高速の信号読み出しを実現、毎秒8コマの動画撮影を可能にした。 また、隣り合う4画素を仮想的に1画素として扱う「4画素加算機能」を搭載した。これにより、感度を高め明るい画像
中国では現在、レガシーノードの半導体製造プロセスを用いて作られたチップ(成熟ノードチップ)が過剰に供給されているという。TSMCとSamsung Electronicsを除くと、2024年の世界成熟ノードチップの営業利益は前年比で23%減少する見込みだ。中国では、利益を出せずに倒産する半導体メーカーも出ている。 米国EE Timesが今回インタビューを行った3人のアナリストのうち2人が、「2018年頃に最先端プロセス技術をめぐる競争から撤退した半導体ファウンドリーは、現在新たな脅威に直面している。それは、成熟ノードチップをダンピングしている中国のライバル企業だ」と述べている。 米国政府当局は、何カ月にもわたって生産能力の急拡大に対する懸念を示してきたが、2024年12月23日(現地時間)に、バイデン政権が“不正な貿易慣行”と呼ぶ中国の行為に対して調査を行うと発表した。これは、同政権が中国の
本格離陸はまだ遠い? 光電融合技術の最新動向を解説:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(4/4 ページ) 関連記事 Intelに追い打ちをかける「Raptor Lake」クラッシュ問題 根本原因はいまだ不明 Intelが「Raptor Lake」のクラッシュ問題の対応に追われている。2024年春ごろに露呈し始めたこの問題、実はいまだに根本原因は解明されていない。業績悪化や人員削減など、最近はあまり明るい話題がないIntelだが、クラッシュ問題がそれに追い打ちをかけている。 事実上の「GAA第1世代」は2025年? トップ3社のロードマップを読み解く Intel、TSMC、Samsung Electronics(Samsung Foundry)というファウンドリートップ3社で、GAA(Gate-All-Around)を採用する半導体製造プロセスのロードマップが出そろった。今回は、各社のロー
今まで見えなかったSiCの不良を「見える化」! パワー半導体の開発を加速させる不純物解析:レーザーを“優しく速く”照射する新手法 次世代パワー半導体の研究・技術開発に欠かせないSiC/GaNウエハーの不良解析が大きく進展しようとしている。サーモフィッシャーサイエンティフィック製のICP-MSとガルバノ光学系搭載フェムト秒レーザーアブレーションシステムを組み合わせた新しい元素分析装置「ガルバノ光学系搭載フェムト秒LA-ICP-MS」は、ウエハーに含まれる微量の不純物元素を高精度かつ高感度で解析する装置だ。既存の分析手法では得られなかったデータを活用できるようになり、次世代パワー半導体の開発や製造に大きく貢献する可能性がある。 次世代パワー半導体開発の鍵を握る「ウエハーの不純物解析」 カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが進む中、SiC/GaNを用いる次世代パワー半導体の研究・技術開発が
5Gや電動化車両の普及拡大に対応、設備投資額は80億円 東レは2022年10月、MLCC(積層セラミックコンデンサー)離型用のポリエステルフィルム「ルミラー」について、生産能力を増強すると発表した。岐阜工場(岐阜県神戸町)の生産設備を改造し、生産能力を現在の1.6倍に増やす。2025年に稼働予定。 東レグループは、MLCC離型用フィルムの大手メーカー。今回、生産能力の増強を決めた岐阜工場の他、三島工場(静岡県三島市)とマレーシアおよび、韓国の3カ国4拠点で生産し、顧客に供給してきた。同社のルミラーは、極めて平滑であり、セラミック層を薄く凹凸なく仕上げることができるため、MLCCの小型、高容量化に貢献しているという。 MLCCは、5G(第5世代移動通信)の普及が本格化する通信分野や、電動化車両(xEV)の普及拡大などから、今後も年率10%以上の成長が見込まれている。そこで同社は、離型用フィル
本記事は「TechFactory」に掲載された会員限定コンテンツをEE Times Japan向けに再編集した転載記事となります。[全文を読む]には、ログインが必要になります。 インパクトが大きすぎたGelsinger氏の退任 結局2024年12月の話題はIntelが全てかっさらっていった感がある。まぁPat Gelsinger氏の解任は、それほどにインパクトがあったということだ。既に「苦境のIntel、一体誰がPat Gelsingerの代わりを務められるのか」とか「『Intelは私の人生そのものだった』Pat Gelsinger氏がCEO退任」など、多数の記事が上がっているからお読みになった読者も多いと思う。 ちなみに今回の辞任で一番批判にさらされたのは取締役会である。解任から4日後の12月5日、Intelの取締役会は元ASMLのプレジデント兼CEOだったEric Meurice氏、そ
ロームが2025年1月17日に開催した記者会見で、東氏は「現在のロームは赤字見通し、株価低迷と厳しい状況にある。経営の一翼を担ってきた自分も深く反省している」とし、「利益の出る会社に戻すには痛みを伴う改革も必要だ。不退転の覚悟を持ってやり切る」と力を込めた。具体的には工場再編を検討するほか、人員削減という選択肢も「排除せず考えている」(同氏)という。 東氏は、ロームの製品について「よく売れる製品はあるが、ロームにしかないオンリーワンの製品が少なくなってしまった」と分析し、今後は「顧客とのコンタクト回数を増やし、次に必要になるものを探す」「開発者が開発に専念できるよう、組織の変更も考える」とした。 なお、2024年3月に発表していた東芝との半導体事業の提携強化については、両社のトップが話し合いを継続しているという。 社長交代にあたって、新社長の東氏はローム・アポロの社長を退任予定。現社長の松
「データベースにない新物質」を合成、全固体フッ化物イオン電池開発加速:室温付近で超イオン伝導を示す 追手門学院大学(追大)の高見剛教授らによる研究チームは、九州大学の多田朋史教授と共同で、フッ化物イオンが室温付近で超イオン伝導を示す新たな物質の合成に成功した。全固体フッ化物イオン電池(FIB)の開発に弾みをつける。 Intrinsic F空孔を利用し、優れたフッ化物イオン伝導体を実現 追手門学院大学(追大)の高見剛教授らによる研究チームは2025年1月14日、九州大学の多田朋史教授と共同で、フッ化物イオンが室温付近で超イオン伝導を示す新たな物質の合成に成功したと発表した。全固体フッ化物イオン電池(FIB)の開発に弾みをつける。 高見教授らはこれまでFIBの研究を行ってきた。FIBはフッ化物イオン(F-)を介する多電子反応を用いる。このため、原理上はリチウムイオン電池を上回るエネルギー密度を
「半導体設計のサイロ化」どう解消? Siemens CEOに聞く:CES 2025(1/2 ページ) Siemensは「CES 2025」で、デジタルツインソリューション「PAVE360」の最新世代を披露した。サイロ化されがちな設計作業の間の障壁を下げるという。Siemens EDAのCEOを務めるMike Ellow氏に話を聞いた。 Siemensは、米国ネバダ州ラスベガスで2025年1月8~11日に開催された「CES 2025」において、デジタルツインソリューション「PAVE360」の最新世代を披露した。通常はサイロ化されがちな設計作業の間の障壁を下げるという。米国EE Timesは、Siemens EDAのCEOを務めるMike Ellow氏にインタビューを行い、特に、最近では設計調整のトリクルアップ/ダウン効果をダイナミックに評価する上で、あらゆるシステムレベルでのAIツールの活用
群馬大学とADEKAの研究グループは共同で、セル重量エネルギー密度が750Wh/kgを超える「次世代リチウム-硫黄二次電池(Li-SPAN電池)」の開発に成功した。これは「世界最軽量」(研究グループ)の二次電池だと主張する。 繊維創製技術とSPANファイバー技術を融合 群馬大学大学院理工学府分子科学部門の撹上将規准教授らによる研究グループは2025年1月、ADEKA環境材料本部電池材料開発研究所の撹上健二室長らによる研究グループと共同で、セル重量エネルギー密度が750Wh/kgを超える「次世代リチウム-硫黄二次電池(Li-SPAN電池)」の開発に成功したと発表した。これは「世界最軽量」(研究グループ)の二次電池だと主張する。 今回の共同研究では、群馬大学が開発してきた繊維創製技術と、ADEKAが次世代二次電池材料として開発した「硫黄変性ポリアクリロニトリル(SPAN)」ファイバー技術を融合
2024年の半導体市場はNVIDIAに大きな注目が集まった。人工知能(AI)ブームを巻き起こし、今後の半導体/ハイテク業界がAIによって大きく変化して成長することが予測されるのは「NVIDIAがその火付け役になったから」と言っても過言ではないだろう。NVIDIAが2024年の半導体売上高ランキングで初の首位に躍り出たことは間違いないが、OmdiaやGartnerといった調査会社からはまだ2024年のランキング発表がない。その代わりと言っては何だが、調査会社Semiconductor Intelligence社が2024年7~9月期の半導体売上高ランキングを発表している。こちらを参照しながら2024年の大手10社の実績を振り返ってみたい。なお、この10社の時価総額は、2025年1月13日時点の株価および、為替相場に基づいて算出したものである。 ダントツのNVIDIA 期待先行のBroadco
TOPPANホールディングスが、車載向けおよび産業機器向けの中小型液晶の製造を手掛ける台湾の製造子会社Giantplus Technologyを売却する。 TOPPANホールディングス(HD)は2025年1月16日、車載向けおよび産業機器向けの中小型液晶の製造を手掛ける台湾の子会社Giantplus Technologyの全保有株式を、同年8月下旬までに現地ファンドに売却すると発表した。 Giantplus Technologyは2017年にTOPPAN(当時、凸版印刷およびオルタステクノロジー)が台湾の液晶パネル大手Chunghwa Picture Tubesから買収した企業だ。今回、保有する全株式(3448万1757株、持ち株比率53.1%)を台湾の投資ファンドJu Yi Investmentに売却することを決定した。なお、株式譲渡は2025年1月20日と同年8月下旬の2回に分けて実施
Broadcomへの期待が顕著 時価総額比較 そしてもう1つの指標として、トップ10各社の時価総額を比較したグラフが下図である。NVIDIAの時価総額は今や3兆米ドルを超え、将来的には3.5兆米ドル、4兆米ドルをうかがおうかという勢いである。日本円に換算すると500兆円を超えており、東証プライム市場の時価総額の約半分に匹敵するレベルに達している。 そして最近、株式市場でも注目度を高めつつあるのがBroadcomである。2025年1月13日時点の時価総額は1兆米ドルを超えており、半導体メーカーとしてはNVIDIAに次ぐ評価を受けている。すでに述べたように、BroadcomはGAFAMを中心としたITベンダーのデータセンター向けにASIC、ASSPベンダーとして他社の追随を許さない実績を上げている。昨今の半導体市場は、PC、スマホあるいは車載向けの需要が伸び悩む中、データセンター向けの需要が活
「EE Times Japan」に掲載した主要な記事を、読みやすいPDF形式の電子ブックレットに再編集した「エンジニア電子ブックレット」。2018年のトランプ政権時に米国と中国の貿易摩擦が顕在化して以来、両国は半導体/エレクトロニクス領域でも関税引き上げや輸出規制を繰り返してきました。2024年11月の米国大統領選でトランプ氏の再選が確定した今、これまでの状況を振り返ります。 収録記事 ・中国への警戒を強める米国、半導体産業を保護する動き ・米国、中国半導体メーカーへの輸出を制限 ・AIと5Gで覇権を争う米中、業界は二分されるのか ・迷走する米中対立、“落とし所なし”の泥沼化 ・米国がHuaweiに対する禁輸措置を強化 ・中国の半導体自給率向上を阻む米中貿易摩擦 ・米国の新半導体規制が中国の“AI躍進”を減速させる ・Huaweiへの半導体全面禁輸で拡大する米中貿易戦争 ・脅威的な低価格で
米発明家レイ・カーツワイル氏の著書『ポスト・ヒューマン』(2007年/NHK出版、図1)を読んだ時、「指数関数的に能力を向上させる人工知能(AI)は、2045年に全人類の知能を超えて、シンギュラリティ(特異点)が到来する」という予測に筆者は大きな衝撃を受けた。軍事用コンピュータ「スカイネット」が人類を敵とみなして核戦争を起こすストーリーの(筆者が大好きな)SF映画『ターミネーター』のような世界がやって来るかもしれないと思ったからだ。 ただし、カーツワイルが前掲書を発表したのは2005年であり、日本語版が出版されたのは2007年であったため(筆者はこれを読んだ)、シンギュラリティがやって来るのははるか遠い未来であり、(『ターミネーター』のような)危機がひたひたと迫ってくる感覚を持つことは無かった。 ところが、2022年11月30日にOpenAIがChatGPTを公開したことによって事態が急変
群雄割拠のチップレット 「理にかなった」戦略をとっているのは?:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(88)(1/4 ページ) 2024年、「チップレット」というキーワードがメディアで何度も取り上げられた。ただ、当然だかチップレット化が全てではなく、ベストなソリューションというわけでもない。今回は、2024年に発売された製品/プロセッサを分解し、チップレットが理にかなった方法で適用されているかを考察してみたい。 半導体は、微細化と、より小さな体積に収納することで信号伝搬の遅延時間を最短化できるとともに、信号伝搬に必要な充放電や駆動能力も削減され低消費電力を実現できる。10年以上前からプロセッサとメモリを1つのパッケージに収納するMCP(Multi CHIP Package)やSIP(Silicon In Package)、POP(Package On Package)が民生分野
Intelのモデム事業買収から5年、Apple独自5Gモデムがついに……? AppleによるIntelのスマートフォン用モデム事業買収から5年あまり。ついにAppleの独自5G(第5世代移動通信)モデムを初搭載した「iPhone」シリーズが市場に登場しそうです。ただ、そのモデムの性能は、現行最新機種に搭載された製品と比べ、「ダウングレードされたもの」になるといううわさです。 関連記事 Intelが5Gモデム事業から撤退へ、収益性見いだせず Intelは2019年4月16日(米国時間)、5G(第5世代移動通信)対応モデム事業から撤退すると発表した。 「iPhone 16」を分解 Appleの細やかな半導体設計 2024年9月に発売されたApple「iPhone 16」「iPhone 16 Pro」を分解した。前世代の「iPhone 15」シリーズに比べて、内部構造なども大きく変化している。分
GPUの登場、チップレットの考案……半導体業界は2006年に動いた:現在に続く技術革新の始まり(1/3 ページ) 「ムーアの法則」の減速、GPUやチップレット技術の成長、クラウドコンピューティングの台頭など、現在の半導体業界の変化を推進する要素は、偶然ながら多くが2006年にそのきっかけを持つ。2006年に開発された技術や同年の出来事を振り返る。 半導体市場は数年前とは大きく様変わりした。クラウドサービスプロバイダーは、カスタムシリコンと、パートナーとの共同設計を求めている。長らく未来の技術として議論されてきたチップレットと3次元(3D)デバイスは、既に市場の成長分野となっている。「ムーアの法則」はどうだろうか。半導体の性能向上はまだ維持されてはいるが、それは単なる微細化とは異なる手段によるものだ。 全くの偶然ではあるが、こうした変化を推進する力の多くは、2006年という同じ年に生まれたも
Micronの四半期業績、売上高が過去最大を更新:福田昭のストレージ通信(272)(1/2 ページ) 四半期の売上高は過去最高も、営業利益は過去最高に届かず 半導体メモリの大手メーカーであるMicron Technology(以降はMicronと表記)は2024年12月18日(米国時間)に、2025会計年度第1四半期(2024年9月~11月期)の四半期業績を発表した。同社の会計年度は9月を期初、8月を期末としている。標準的な会計年度の四半期と比べて期末が1カ月早い。このため、半導体メモリ大手の業績を予測する先行指標としての意味合いを有する。 2025会計年度第1四半期(2024年9月~11月期)の売上高は前四半期比(前期比)12.4%増、前年同期比84.3%増の87億900万米ドルである。四半期ベースの売り上げとしては過去最高を更新した。前期までの過去最高は2022会計年度第3四半期(20
AIで重要性増す「カスタムHBM」、Marvellが製品群を強化:データセンター事業が好調(1/2 ページ) Marvell Technologyがデータセンター向け事業で快進撃を続けている。同社は2024年12月に開催されたアナリストデーで、データセンター事業の内容を紹介した他、カスタムHBMの必要性を強調した。 データセンターインフラ市場は、AI(人工知能)/ML(機械学習)のコンピュート需要を支援する必要性を受けて、急成長を遂げている。Marvell Technology(以下、Marvell)のCOO(最高執行責任者)であるChris Koopmans氏によれば、ハイパースケーラー各社の2024年の設備投資額は1000億米ドルを超え、その結果、同社の2025年度第3四半期(2024年11月2日を末日とする)におけるデータセンター市場向けインターコネクト/カスタムシリコンの売上高が前
米国は2024年12月に、新たな対中輸出規制を発表した。この一撃は両国間の技術戦争においてこれまでで最も強力なものだが、アナリストによれば、その効果には疑問があり、米国のイニシアチブは不十分かもしれないという。 バイデン政権が新たな対中輸出規制を発表 2024年12月2日(米国時間)、米国は半導体製造装置を中心とした新たな対中輸出規制を発表した。その数日後、中国は、同国が管理する主要な半導体材料の輸出を禁止するなどの報復措置を取るとともに、国内企業に対して米国製チップは「安全ではない」として使用しないよう呼びかけた。South China Morning Post紙は2024年12月9日、中国の市場監視当局が、NVIDIAに対する独占禁止法の調査を開始したと報じた。今のところ、双方とも事態が落ち着くのを待っている状態だ。 米商務省産業安全保障局(BIS)は12月2日に発表した声明の中で、「
この記事は、2025年1月9日に発行した「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたコラムの転載です。 ※この記事は、「モノづくり総合版 メールマガジン」をお申し込みになると無料で閲覧できます。 新年あけましておめでとうございます。ことしもEE Times Japan/EDN Japan/MONOistをよろしくお願いいたします。 この年末年始は、9連休という企業も多かったかと思います。私は地元である北海道に帰省していました。新千歳空港に着陸した際、すぐそばでRapidusが建設中の工場「IIM-1」が飛行機の中からも見えました。 半導体業界に通じていない人にとっても「大きな半導体工場ができる」というのは大ニュースで、北海道は盛り上がっています。新聞やテレビでも毎日のように経済効果や人口増への期待が取り上げられ、私の友人や親族には「TSMCは知らないがRapidusは知っている」という
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