きのう、寝床のなかで『蜜蜂と遠雷』を読んでいたら、「夜は、まだ若い」という一文が出てきた。未読だがミステリも書いている恩田陸のこと、出典は明らかに、"Phantom Lady" の有名な書き出し、The night was young, and so was he. であろう。
そこでひらめいた。このくだり、なんだか俳句に使えそうだな。まだ思案中だけど、ほかの句ならあっさり思いついた。ミステリも俳句も好き、というひとなら、とっくの昔に詠んでいそうな拙句ですが。
寒き世の闇に潜みしもぐらかな
John le Carré はさる12日に逝去されたとのこと。若いころは、ずいぶん読みふけったものだ。謹んでご冥福をお祈りします。
秋の夕まだ早すぎるギムレット
冬深しタフでなければ生きられぬ
花あれど優しさなくば生きめやも
春雨や車を飛ばす深夜まで
弾撃てば生死を分かつ夏のキス