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付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ナイツ&マジック 2」 天酒之瓢

2014-11-27 | 異世界転生
「趣味でございます」
 これまでの常識を片っ端から覆し、あいつはなにを目指しているのか、何が目的かといわれれば、エルネスティ・エチェバルリアはすべて趣味にすぎないと言い切る。
 エルが幻晶騎士を開発するのは、権力を手に入れるためとか平和を守るためといった手段ではなく、ロボット兵器を作るのが趣味にすぎないからだ。それ以外に何もない。

 まだ学生の身でありながら、陸皇事変での大手柄の褒美として何が欲しいかと問われたエルは、門外不出のテクノロジー「魔力転換炉」の製造方法を教えて欲しいと訴える。
 完全に自分好みの幻晶騎士を開発することだけが、彼の目標のすべてだったのだ……。

 国王たちとの駆け引きに、プレゼン技術からして営業マンとしての前世が大活躍。帯に「新型機つくりました」とまるで「冷やし中華はじめました」みたいに書いてあるけれど、まさに冷やし中華並に「ジオン最新のメカニック」とばかりに新型機のロールアップが始まります。
 エルは小柄な美少年ですけれど、中身は「何のために戦う?」と問われて「わしの趣味じゃ!」と答えたSCEBAIの岸田博士と同じです。ヒューゴー・ガーンズバックの27世紀の発明王ラルフ124C41+以来の伝統とも言える、マッドサイエンティストものの正しい系譜につらなる作品といえるでしょう。マッドサイエンティストは単に発明するだけではなく、自ら行動しないといけないのです。

【ナイツ&マジック2】【天酒之瓢】【黒銀】【ヒーロー文庫】【ロボットファンタジー】【輪廻転生】【強奪イベント】【プレゼン】
コメント
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