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付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「六覇国伝1~セイガの歌姫」 人魚蛟司 (原案:南原順) 

2009-06-14 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「心のない歌が、おれの気合いに勝てるもんか」

 友人宅の書庫整理の一環で、「読もうと思って買うだけ買ったけれど手つかずのまま10年以上経ってしまい、今さら新古書店で売ろうと思っても拒否されるだけの本」をダンボール4箱分ほど引き受けました。まあ、うちなら息子やその友人に押しつけることもできるので、なんとかなるだろうという目算です。どれも美本で帯とか挟み込みの出版案内も新刊時のまま。
 その中に人魚蛟司の六覇国伝がひとそろいあったのでガッツポーズ。うちにもあるけれど、かなりよれていたので、ここらで美本と交換しておきたいところでした。
 六覇国伝の本の方には通し番号がついていないけれど、ここのタイトルには解りやすく刊行順に番号を入れておきます。

 魔術師が権勢を思うがままに振るった群雄割拠の時代から二百数十年。科学の力で魔術を退けた帝国も今は分裂し、今は六覇国と呼ばれる6つの諸国が覇を競っている。
 その六覇国の1つ、ティエントウ王国で、史上初の蒸気式映写活動画報(映画)『技術の勝利』の撮影が開始されようとしていた。監督・総指揮は映画の発明者でもある天下布技会の天才技術師リュミエン。主演女優は美しき歌姫ウケイ。その相手役にはティエントウ王国のロシュウ王子が抜擢されていた。そこに技人兵乗りのセイガが下働きで加わるが、撮影隊を蟲獣が襲ったどさくさに古代魔術の産物である魔人を目覚めさせてしまう……。

 アジアンタッチのスチームパンク・ファンタジー。
 いろいろ陰謀やら古代帝国の遺産やら恋の三角関係やらありながら徹頭徹尾「映画」制作話に帰結させているところがミソ。
 小緋と豪壮閣の魔人姉弟もなかなか良くて、もう少しキャラを掘り下げて欲しいところだけれど、ロシュウ王子がまた一癖も二癖もあるライバル役を務めていて二重の意味ではまり役。
 まだ荒削りでしたが、シリーズ開幕の第一作としては良い出だしですね。

【セイガの歌姫】【六覇国伝】【人魚蛟司】【南原順】【ログアウト冒険文庫】【もりき靖泰】【ご都合主義】【キョンシー】【ボーイ・ミーツ・ガール】

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