キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲(あかつきのメヌエット)とは、2003年にコナミから発売されたゲームボーイアドバンス用のゲームソフトである。
概要
『白夜の協奏曲』に続いてシリーズタイトルを「悪魔城ドラキュラ」から「キャッスルヴァニア」に改めた2作目。
『月下の夜想曲』のスタイルを受け継いだGBAシリーズの最終作。
21世紀のドラキュラ城を舞台に、ベルモンドとは異なる力を持つ来須蒼真が主人公。
前2作の内容を反映しながら、ストーリー、ビジュアル、そして従来のスタイルにとらわれないゲームシステムにより、シリーズの全く新しい方向性を打ち出した。
文句なく傑作。
新しいゲームシステム
本作の最大の特徴がタクティカルソウル。蒼真は倒したモンスターからソウルを手に入れ、その能力を使うことができる。
100種類以上いるモンスターのほぼ全てがこれを持っている、すなわち蒼真は100種類以上の能力を使いこなすことができる。
- バレットタイプソウル (赤色)
- 上+Bで発動。MPを消費してそのソウルの能力で攻撃する(スケルトンのソウルなら骨投げ、アックスアーマーなら斧を投げる)
前作までのサブウェポンと近いものを含むが、大量にMPを消費する大技や、特殊なダメージを与えるものもある。 - ガーディアンタイプソウル(青色)
- Rボタンを押すor押しっぱなしにすることで発動。使い魔を呼び出す、モンスターに変身する、空中に浮遊するなど効果は様々。
発動している間はMP消費し、切れない限りは効果を発揮し続ける。 - エンチャントタイプソウル(黄色)
- 装備するだけで効果を発揮し、MPは消費しない。能力値がアップする、取得経験値がアップするなどアクセサリー的な効果を発揮するものが多い。
- アビリティタイプソウル(銀色)
- 取得するだけで装備とは別に効果を発揮する。2段ジャンプ、スライディングなど、前作までの魔導器と近いものがこれに属し、行動範囲の拡大に影響する。
従来のサブウェポンをソウルが兼ねており、サブウェポン用のハートはなくなり、ハートを取るとMPが回復するように改められた。GBAのボタン数に対応した仕様ともいえるが、これ以降は蒼真以外もサブウェポンのハートとMPを統合することが多くなった。
また蒼真は前2作のようなヴァンパイアハンターではないため、装備品もアルカードのように自由に使える。武器種も豊富で、日本刀や巨大な両手剣、拳銃や陽電子砲のような近代兵器も一部使用可能。
ストーリー
西暦2035年、幼馴染の白馬弥那と皆既日食を見に来た来須蒼真。
突如気を失い、目を覚ますとドラキュラ城にいた。
そこに現れる謎の男、有角幻也。彼に言われるまま城内へと踏み込んでいく。
登場人物
- 来須蒼真 - CV:緑川光
- 本作の主人公。普通の日本の高校生だったがドラキュラ城に来たときから支配の力に目覚めている。
どう見ても日本人離れした外見で、威圧感があると説明書にも書いてあるのに反して言動は普通の高校生そのもの。ただ拳銃や大剣を平気で使いこなす姿はちょっと普通じゃない感じはある。
初期装備「ふだんぎ」。 - 白馬弥耶 - CV:高梁碧
- 本作のヒロイン。蒼真の幼馴染。このときは巫女服を着ているが次回作では私服を見せてくれる。
- 有角幻也 - CV:置鮎龍太郎
- 日本の諜報機関に所属する謎の男。無愛想だが、ゲーム進行のヒントをくれる。
正体はプレイヤーにはバレバレなのだだが、 蒼真はそんな人は知らないので作中ではあまり正体に迫ることなく過ぎていく。ヨーコが名前を言いかけるが一応内緒らしい。 - ヨーコ・ヴェルナンデス - CV:高梁碧
- 高名な魔法使い。教会の人間で、ドラキュラが復活するという予言を受け派遣された。
気さくなキャラで蒼真を導いてくれるお姉さんである。
ちなみに「キャッスルヴァニア」の攻略本によるとサイファの直系の子孫ではない、つまりベルモンドの血筋ではないらしい。 - ハマー - CV:稲田徹
- スキンヘッドのいかついオッサン。今回の件で派遣された軍人だが適当な性格で、仕事を放棄して蒼真相手に商売を始める。ヨーコさんが好み。
- J - CV:龍谷修武
- 蒼真が城内で遭遇する男。55歳。優れた退魔師だが記憶を失っている。
その正体は本作の発売後すっかり有名になったが、一応ゲーム後半まで明かされない。 - グラハム・ジョーンズ - CV:稲田徹
- 新興宗教の教祖。99年7月の生まれであり、恐怖の大王の再来を説いて信者を増やしているらしい。
ア-リエーン!
クリア後
ハードモード追加のほか、ユ……が主人公のモードが追加される。名前伏せなくていい?
レベルがないが、ボスを倒すとパラメータがアップする。初期値は高く、移動用の能力も最初から全て持っているが、これまでのサブキャラに比べ初期能力でのクリアは難しい。
『蒼月の十字架』との関係
DS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』はタイトルが「キャッスルヴァニア」ではなくなっているが、蒼真たちが続投する直接の続編。
これが本作の続編として文句のない完成度、ストーリーなのだが、本作のエンディングまでのネタバレ全てを序盤でぶちまけるので、注意してほしいと言えばそう。
大傑作の『暁月の円舞曲』だが、ひとつだけ難点があるとすればこの『蒼月の十字架』が直接進化した作品であり、蒼月のほうが更に面白い、というのがある。
でも可能なら暁月、蒼月の順でやってほしいのである。
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WiiUバーチャルコンソールでのみ復刻されていたが、のちに『Castlevania Advance Collection』として各ハードに移植された。
実ソフトは非常に高い。
初代DSかDS liteで蒼月の十字架とダブルスロットすると連動特典が少しあるが、まあ大したものではない。現状で実ソフトにこだわる必要はない。