塔(tower=タワー)とは、縦に長く造られた建造物である。
概要
設置面積が小さく、またそれに反して高度がとても高い建造物。
尚且つ、人が出入りする事を前提に造られる建物であるため、ただ単に「細長く聳え立つ建物」は塔には入らない。
(例:煙突など)
建造される目的についても様々で、主に以下の通りに分けられる。
- 宗教的目的
欧米を始めとする国々ではもともと、塔は地上と天上を繋ぐ建造物であるとされ、同時に神が地上にて住まう場所であり、尚且つ死者が天上へ帰る際に通る場所として認識されていた。なので、地上と天上を繋ぐ象徴・モニュメントとして塔が建てられる事も。 - 監視目的
軍事目的で塔が造られたケースも多い。具体的には、城壁の一部に塔を設けて遠方を監視するため、など。現代では空港の官制塔が該当するか。 - 情報伝達、及び搬送目的
キリスト教などの教会に付けられている鐘塔は、宗教的モニュメントの役割を果たすと同時に鐘を鳴らして祈祷などの時間を知らせるための役割も併せ持っていた。現代では時計塔や電波塔などがあり、いずれも広域に情報を知らせるために軒並み高い塔であるのはご存知の通り。
また、電線を送るための鉄塔や、生活水を供給するための貯水塔なども存在。 - モニュメント
先述の1~3の意味と合わせて該当するケースもちょくちょくあるが、恐らく現代ではこれが最も多いと思われる。宗教における象徴としての塔だったり、何かの記念としての塔であるなど。日本で有名な塔といえば日本人で恐らく知らない者はいないであろう塔「東京タワー」及び、現在建造中の「東京スカイツリー」、大阪府に建てられた「太陽の塔」が有名か。また山形県を始めとして日本各地に存在する「五重塔」なども。
タロットカード
タロットカードの、大アルカナの1枚に「塔」のカードがある。カード番号は「16」。
天上からの落雷によって崩れる塔の絵が描かれたカード。詳細は「タロット」を参照。
その他
- 仏教圏における塔とは、卒塔婆が由来とされており、即ち「何かを積み上げる」事を指すものとされた。
- 「五重塔」をよく「五重の塔」と表記される事があるが、前者の「五重塔」が正式な表記である。「三重塔」も同様。
- 工場やビルなどといった大きな建物では、設備の一つに「冷却塔(クーリングタワー)」がある。建物内の空調設備や工業設備・生産設備などに利用する冷却水を冷やすために備え付けられるもので、場所によっては冷却塔と同時に装飾用の噴水としても運用されている場合も。
- イタリアの「ピサの斜塔」は傾いて建っている事で知られるが、これはもともと地盤の弱い場所に建てられたのが直接の原因で、地盤沈下の事例としても世界的に有名となっている。なおこの塔の傾斜角は5.5度だが、2010年にアラブ首長国連邦にて傾斜角18度のビルが出現したらしい。 →アブダビに「世界一傾いたビル」、ピサの斜塔抜く
- 旧約聖書に登場する事で有名な「バベルの塔」だが、現実世界でもたびたび「実現不可能な夢物語」「それらの計画に挑む、驕り・思い上がりの甚だしい人間に罰が下るさま」などを指す比喩としても用いられる。ちなみに近年のiPhoneゲームでは、プレイヤーが神となって人間達のバベルの塔建造を阻止するゲームもある。
- また、「真ゲッターロボ 世界最後の日」ではバヴェルタワーという名の、塔を象ったような形状の戦艦が登場する。
(ゲームに出演する時は大体「タワー」と表記されるが) - 上記以外でも、アクションからRPGに限らず様々なゲームでも、登場人物の住み家から魔物・ボスキャラの潜むダンジョンとしてまで幅広く運用される。
- 塔と直接の関係は無いが、17世紀のヨーロッパには結婚式にて、結婚式の招待客達が持って来たものを高く積み上げていく風習があった。ちなみにこれは、積み上げた高度が高いほど二人は豊かな生活を送れる、という考えから。
塔の一覧
(下記以外にも、大百科記事の有り無しを問わず、お気軽にじゃんじゃん追加していって下さい)
実在する塔
あ行 |
か行 |
さ行 |
た行 |
な行 |
は行 |
ま行
|
や行 |
ら、わ行 |
架空の塔
あ行 |
か行
|
さ行 |
た行 |
な行 |
は行 |
ま行
|
や行 |
ら、わ行 |
漢字として
- 意味
- 仏骨を納めるための高い層状の建物、仏塔、高層の仏堂、卒塔婆、仏塔のような高い建物、物の落ちる音、という意味がある。〔説文解字・巻十三・新附〕には「西域の浮屠なり」とある。ストゥーパ(卒塔婆)の音訳のために作られた字。
- 字形
- 形声で声符は荅。
- 音訓
- 音読みは、トウ(漢音、呉音)。
- 規格・区分
- 常用用漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 語彙
- 塔頭・塔婆・塔輪