PlayStation Vita(略称 PS Vita)とは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)より2011年12月17日に日本国内先行発売された携帯型ゲーム機である。
同社の携帯型ゲーム機PSP(PlayStation Portable)の次世代後継機である。
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開発コードネームはNGP(Next Generation Portable)であった。
概要
2011年1月27日のPlayStation Meeting 2011にて発表された。
PlayStation Vitaの「Vita」はラテン語で「Life」と言う意味である。
大まかな外見はPSPと同じだが、多種多様な機能追加・性能向上が計られている。
主な特徴としては、『有機ELディスプレイ』、『携帯ゲーム機史上初の3G回線搭載』、『2本のアナログスティック』、『背面タッチパネル』、『UMDに代わる専用カード』、『PSPとの後方互換性』など。
メーカー希望小売価格は、Wi-Fiモデル:24,980円(税込)、3G/Wi-Fiモデル:29,980円(税込)だったが、2013年2月28日より、両モデル共に19,980円へ一律値下げされることが発表された。
2011年9月14日にSCEJ Press Conferenceにて、河野弘SCEJプレジデントより発売予定日2011年12月17日が発表された。海外発売は2012年以降と平井一夫Sony副社長が言及済みである。[1]
2013年10月10日には新型となるPCH-2000シリーズが発売された。
メーカー希望小売価格はWi-Fiモデル:18,980円(税別)であり3Gモデルは発売されない。
画面が有機EL→液晶モニタに変更されたが、薄さは3.6ミリカット、重さは41グラムカット、バッテリーも一時間程長く持つように改良された。なお、旧型であるPCH-1000シリーズも平行販売を続けていたが現在は生産終了。サポートページも削除された。
終焉
日本では販売開始以降、大ヒットを記録したPSPの後継機として順調に普及したものの、特に海外市場ではハイエンドゲーム機の台頭・そしてスマートフォンの普及などで携帯ゲーム機自体の市場が縮小し、苦戦。特にPlayStation4が大きな成功を収めたこともあり、ソニーのハード戦略の中でもPS Vitaは次第に居場所を失う形となった。
2018年のTGSで、PSVitaは国内で2019年中に生産終了すること(海外では2018年で生産終了)、そして後継機は予定されていないことが明言。これでPlaystationブランドの携帯ゲーム機はその歴史に幕を下ろすこととなった。
◆故障かなと思ったら(各項目を熟読しときましょう)
http://jp-playstation.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/12109
主な特徴
主な特徴を以下に挙げる。
- 有機ELディスプレイと背面タッチパネル
- 解像度がPSPに比べて縦横それぞれ2倍になった美麗な有機ELディスプレイを採用している。高性能なGPUの性能と相まって、高画質を実現。又一般的な液晶ディスプレイより省電力であり、バッテリーの消耗を減らす事が期待出来る。
また、このディスプレイと、本体背面は、それぞれタッチパネルになっており、多様な操作に対応している。 - 焼きつき防止で一部アプリケーション実行時以外は操作が無い状態で1分で輝度が落とされ、最長10分間でスリープモードとなる。
- なお、新型であるPCH-2000シリーズには有機ELでは無く、液晶モニタが採用されているので注意。もっとも液晶の品質も携帯ゲーム機としてはかなり高いほうである。
- 携帯電話回線(3G)搭載
- 携帯ゲーム機としては史上初めて携帯電話回線(3G)が搭載される(3G/Wi-Fiモデルのみ)。既存のWi-Fiのみモデルと違い、屋外やワイヤレス環境のない場所でもネットワークをシームレスに利用することが出来る。通話は出来ない。日本国内ではNTT docomoの通信網を利用。詳しい利用方法・契約などは後述。
- 新型のPCH-2000シリーズは3Gを搭載しておらず、3Gモデルがほしい場合はPCH-1000シリーズのみが対象となる。
- PSPとの後方互換性
- PSP専用DLCゲームソフトをソフトウェアエミュレーションでアップスケーリング(アップコンバート)をしての利用可能な後方互換機能を持つ。アップスケーリングはON/OFF可能。PSP専用UMDソフトにはPSP go同様に非対応であるが、go発売当時と違い「UMDPassport」というサービスがあり、タイトルによるがDL版を安価で買うことが出来る。また、セーブデータもPS3または専用ツールをインストールしたPC経由で移動することで共有可能。
- 残念ながら、一部のソフトはダウンロード販売されたものでも、互換対象外となっている。PSPソフトを安定して遊びたいのであれば、PSPを使うこと。
(ゲームアーカイブスにもPSP可能ながらVita不可のタイトルが確認されている) - デュアルアナログスティック
- PSPのアナログパッドと違い、PSシリーズのコントローラと同じく、方向キーとアクションキーの下にそれぞれ1つずつ倒れるタイプのアナログスティックを搭載した。
- 専用カード
- パッケージソフト配布メディア、「PlayStation®Vitaカード」は容量は2GBと4GBと8GBの三種類がある。コスト面から見て2GBと4GBをメーカーは主に採用している。詳しいスペックは不明だが、光学ディスクのUMDが廃止され、ニンテンドーDSシリーズの様なフラッシュメモリーのカードタイプのゲームメディアを採用した。ゲームのセーブデータや追加コンテンツなどを直接保存可能である。[2]
- 現行PSPのストレージであるメモリースティック Duo、メモリースティック Duo Proとの互換性はない。
- LiveArea(ライブエリア)
- 高い通信機能を活かし、ユーザー同士の活発なコミュニケーションを可能にする。また、ソニー・コンピュータエンタテインメントおよび各ゲームメーカーからの最新情報の配信なども行われるほか、スコアをユーザー同士で競うなど出来る。
- Near(ニア)
- 位置情報配信機能を利用して、どんなゲームをしているのかなどの情報を、近くのプレイヤーと共有できる。
- PlayStation3との連携機能[3]
発表されたスペック
本体
- 外形寸法
- PCH-1000:約182.0×18.6×83.5mm (横幅×厚さ×縦幅)。突起物除く。重量:約279g(3G版)、約260g(Wi-Fi版)
- PCH-2000:約183.6×15.0×85.1mm (横幅×厚さ×縦幅)。突起物除く。重量:約219g
- 形状
- 現行PSPとよく似ている。LRボタンの形状などの変更により、外周は丸みを持っている。
背面タッチパネルの両側に窪みがあり、手にフィットするようになっている。体験した小島秀夫氏のTwitter投稿曰く、「あまりにも気持ち良いホールド感と操作感」。[4]
CPUなど
- CPU
- 『ARM Cortex-A9 core』 (4コア)[5]
対称型(ホモジニアス)4コアCPU。ソニー・IBM・東芝が共同開発。 - (この3社はCell時代からの付き合いである。)
メインメモリ:512MB - GPU
- 『SGX543MP4+』(4コア)[6]
200MHz動作時で、
頂点性能:毎秒1億3,300万ポリゴン
ピクセル性能:毎秒40億ピクセル
VRAM:128MB
ディスプレイ
- スクリーン
- PCH-1000:有機ELディスプレイ。5インチ(16:9)、画素数:960×544、約1677万色フルカラー表示。 静電容量方式タッチパネル。サムスン製
- PCH-2000:液晶モニタディスプレイ。5インチ(16:9)、画素数:960×544、約1677万色フルカラー表示。 静電容量方式タッチパネル。
入力デバイス
- 背面タッチパネル
- 静電容量方式タッチパネル。本体背面に搭載。前面ディスプレイとほぼ同サイズ。
△○×□の模様がびっしりと描かれている。 - ボタン・スイッチ
- 方向キー、△○×□ボタン、左右アナログスティック、LRボタン、START・SELECTボタン、PSボタン、音量ボタン。
- ※PSPのアナログパッドとは異なり、据え置き機のコントローラ同様倒れるタイプのスティックである。
- センサー
- 6軸検出システム、3軸電子コンパス。
通信機能
- ロケーション
- GPS機能搭載。Wi-Fiロケーション対応。
- 通信
- 3G通信(PCH-1000シリーズのみ)、Wi-Fi、Bluetooth対応。
- Wi-Fiモデル、3G/Wi-Fiモデルの二種類がある。
- 3G機能利用には3G/Wi-Fiモデル本体を選択の上、更にNTT docomoとの3Gデータ通信(FOMAデータ通信)回線契約が必要である。
- 既存の定額データプラン
(2年縛りつき月5,460円)を新規契約して利用可能である。
- また、新たにドコモが用意する「プリペイドデータプラン 20h」980円(税込)と「プリペイドデータプラン 100h」4,980円(税込)、「定額データプラン128k」1,580円(税込)が利用できる他、ドコモのMVNO・So-netが提供する「So-net モバイル 3G」(2,770円、下り最大14Mbps)も利用出来る。
- フリーズ発生の原因がこの機能にあるのではということで、必要な時以外はSIMを外してのプレイを推奨する。
メモリーカード
専用メモリーカードはSDカードやメモリースティックデュオ等と異なる、独自規格のフラッシュメモリカードをメモリーカードスロットに挿入して利用する。ゲームのセーブデータなどは専用カードに保存できる場合もある(かなり稀である)が、メモリーカードが無ければプレイ出来ないゲームがほとんどで、購入の際はパッケージの表記に注意する必要がある、というかメモリーカードは必要と思って間違いない。
初期型のPCH-1000には内蔵の記憶容量は用意されていないので、音楽・ビデオなどのメディアやPlayStation Storeなどからのダウンロードゲームを遊ぶ際はこれらが必須となる。
なお新型モデルのPCH-2000には1GBのメモリーカードが内蔵されている。容量は心許ないが、「メモリーカード必須」と記載されたソフトもよほど巨大なセーブを要するタイトル以外は問題なく動くし、ダウンロードも可能。ただし後からメモリーカードを入れるとそちらにデータを全部移すようになっており、この1GBはメモリーカードが入っている限り休眠してしまう。予備のメモリーとして使うのは難しい。
最初からメモリーカードがセットで販売されているモデルも登場しているので、その場合1GBのことは忘れたほうがいい。
その他
- カメラ
- 前面・背面に搭載
- サウンド
- ステレオスピーカー・マイク内蔵。
- バッテリー
- 公式発表によれば、工場出荷時の初期状態でゲームプレイは3~5時間、動画再生は5時間、音楽再生は9時間(ネットワーク不使用時)。バッテリー容量は2200mAh。年明けには公式モバイルブースター等も発売予定。
- なお、パンドラバッテリーの氾濫による改造の横行や、背面タッチパネルとの兼ね合いにより、ユーザーによる交換は出来ないという。
- その他
- USB端子、イヤホンジャックは、それぞれ本体下部に搭載。
USB端子は現行PSPのミニAメスソケットから、Aメスソケットに変更されている。 - 逆に差さないよう注意しよう。
- 外部映像出力機能
- PSPと異なり、テレビや外部モニターに接続可能な映像出力端子は存在せず、PS Vitaの映像は外部出力が出来ない。ただし、非公式の方法(メーカー保証なし)でよければ、パソコンでのみ出力可能。詳しくは偽トロキャプチャーの記事へ。
[7]
関連動画
関連チャンネル
関連項目
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据置型ハード | PlayStation - PlayStation 2 - PlayStation 3 - PlayStation 4 - PlayStation 5 - PlayStation Vita TV |
携帯型ハード | PlayStation Portable - PlayStation Portable E-1000 - PlayStation Portable go - PlayStation Vita |
周辺機器 | デュアルショック - PlayStation Move - PlayStation VR(Project Morpheus) - PlayStation VR2 - ポケットステーション - PSX - torne - nasne - PlayStation Portal |
サービス | PlayStation Network - PlayStation Store - PlayStation Home - PlayStation Plus - PlayStation Now - ゲームアーカイブス - アドホック・パーティー |
関連企業・人物 | ソニー - ソニー・インタラクティブエンタテインメント - 久夛良木健 - 平井一夫 - マーク・サーニー |
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一覧 | 据置型ゲーム機一覧 - 携帯型ゲーム機一覧 - ゲームアーカイブス配信タイトル - 作品テンプレートの一覧 |
ver20240923 |
脚注
- *"年末に世界で順次発売するとしていた新型の携帯ゲーム機「プレイステーション・ヴィータ」は、国内では年末、欧米で年明けから、それぞれ発売する予定"
液晶テレビ事業の改革、「聖域」なくコスト見直しへ=ソニー副社長 | テクノロジーニュース | Reuters - *Sony Touts Console-Like Power of Upcoming NGP | GameLife | Wired.com
- *ソニー:PS VitaはPS3のコントローラーとして使用可能 | インサイド (ソニー、PSVのニュース)
- *Twitter / @小島秀夫: 控え室では「NGP」のあまりにも気持ちいいホールド感と操作感にクリエーターはみな歓喜していました。 http://twitpic.com/3tt2hu
http://twitter.com/#!/Kojima_Hideo/status/30556043570315264
控え室では「NGP」の on Twitpic - *ARM v7ファミリ:ARMアーキテクチャv7-A命令セット完全対応。
駆動周波数2GHz以上対応。
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