落語の起源は分かっているだけでも戦国時代まで遡る。戦国時代には、談話に優れた武将の側近を「御咄集(おはなししゅう)」などと呼んでいた。その御咄集たちは滑稽な話しもしていただろうと推測される。
明確に記録として現在にも残っているものに書物の「醒睡笑(せんすいしょう)」が存在する。この「醒睡笑」は1623年(元和9年)に発表され、「眠気も醒める笑い」のような意味を持つ。
この醒睡笑には、現在の落語でも演じられている「平林」「牛ほめ」「かぼちゃ屋」「子ほめ」「てれすこ」「寝床」などの原型と言える作品が書かれて、落語の成り立ちは大体このあたりからと推測できる。
1680年頃には「露の五郎兵衛」という人物が京都に現われ、面白い話しを専門的に語っていた。記録として残っているものでも「軽口露がはなし」「軽口あられ酒」という話し(噺し)などを行なっていてこの人が上方落語の祖と推測されている(尚、露の五郎兵衞一門は現在も続いており、戦後で初めて女流噺家を生んだりと、独自の発展を遂げている)。また、大坂では米沢彦六という男が様々な芸を取り込み、滑稽な話術や芸で人気を呼んだ。この二人が上方落語の祖といわれている。
同じ頃、江戸では「鹿野武左衛門」という人が記録として残っているだけでも「鹿野武左衛門口伝ばなし」「鹿の巻き筆」などという話しを行なっており、この人が「江戸落語の祖」とされている。尚、この鹿野は大坂の出身であるが、江戸の風潮に育まれていった。そして、上方とは一線を画し、芝居小屋の発展とともに、お座敷芸へと発達していった。
現在、落語家や講談、漫談など面白いことをする建物を「寄席」と呼ぶが、記録として残っているだけでもこの寄席は1798年には既に誕生している。「落話会刷絵帳(おとしばなしかいえりえちょう)」という本にその寄席に付いて書かれている事から推測できる。またその頃には「落語」は「落話(おとしばなし)」と呼ばれていたとも推測できる。その後寄席は江戸中に存在したと記録に残っている。
また、幕末から明治時代にかけて活躍した三遊亭圓朝という人が、落語中興の祖として特に有名である。圓朝の高座を話し言葉で書き記した速記本が、日本文学の言文一致体の成立に大きな影響を与えたといわれている。東京ではその後、昭和の3名人と謳われた六代目三遊亭圓生、五代目古今亭志ん生、八代目桂文楽に加え、林家彦六(八代目林家正蔵)(この4人で四天王と呼ぶこともある)によって人気を得ていき、更に噺家で初めて人間国宝となった五代目柳家小さん、若手四天王といわれた古今亭志ん朝、七代目立川談志、五代目三遊亭円楽、五代目春風亭柳朝などの人気噺家が牽引していった。
寄席の興行は毎月10日毎に講演内容が組まれ、大の月の31日は興行上、予定が浮いてしまう。この日に行う特別興行を余一会(よいちかい)という。この余一会のときに行っていた演目の一部が大喜利であり、謎かけであった。後にラジオの流行によって、落語はラジオの人気番組として一世を風靡した。
一方の大坂では、明治、大正の頃こそ初代桂文枝、後に女性に絶大な人気を誇った初代桂春團治の活躍により、何度か隆盛を迎えるも、花菱エンタツアチャコなどによる漫才人気に圧され、戦後、上方落語は滅亡寸前まで追い込まれ、漫才の引き立て役に甘んじるなど不遇な時代を迎えるが、後に桂米朝、六代目笑福亭松鶴、五代目桂文枝、三代目桂春團治という四天王といわれる噺家たちの躍進によって人気が復活、今日に至る。その後、桂枝雀、桂吉朝などの実力派と笑福亭仁鶴、桂三枝、桂文珍、桂南光、月亭八方などのタレントとしても人気を得た噺家が上方落語界の人気を支えている。
現代ではテレビ番組の「笑点」は落語家が登場する番組としては非常に人気が高い。また、関西では「バラエティー生活笑百科」でお馴染みであり、過去には「平成紅梅亭」「らくごのご」などの番組があった。
落語は非常に誤解されやすい芸である。
落語を聞いたこと無い人の多くは「落語は堅苦しい」などと思い聞いた事がない人が大勢いる。
これは非常に勿体無い。
そういう人が思い浮かぶのは大抵「古典落語」と呼ばれるものである。実はそれに対し「新作落語」というものが存在する。
新作落語の話しにはケータイ電話、飛行機、電車、エレベーターなど現代の物がばんばん登場する。
「え、落語にケータイ電話が登場するの!?」って思う人もいるかも知れない。もちろん話し言葉も現代語である。
実は落語というものは、その時代、その時代の面白い話しをしているだけであり、大げさに解説すると以下のようになる。
落語に登場するのは基本的にダメ人間ばかりである。無職でふらふらしている者や奥さんに尻に引かれている者やドジな人間が大勢登場する。
昔の落語では「吉原の遊女」と呼ばれていたものは現代の落語では「キャバクラ嬢」になり、ふらふらしている者は「ニート」になったりする。
まだ落語を聞いたこと無い人は、堅苦しい印象を捨てて気軽に新作落語からでも聞いてみてはいかがだろうか?
「落語ってこんなに気軽で面白い物だったんだ」とそれまでのイメージが変わること請け合いである。
生で落語を見てみたいと思ったら、一番手っ取り早いのは寄席に行くことである。特に東京都にある4か所の寄席(浅草演芸ホール、新宿末廣亭、鈴本演芸場、池袋演芸場)は「定席」と呼ばれ、ほぼ毎日何かしらの演目が楽しめる場所となっている。もちろん他にも首都圏や他地方にも大小様々な寄席が存在する。
寄席はまず入場料にあたる木戸銭を払い席に着く。指定席がある寄席を除き基本的には先着順なので満員の場合は立ち見となる場合もある。寄席は落語だけでなく、漫談や漫才、手品や曲芸などの芸も楽しむことができる。落語家以外の出演者はノボリ(寄席の表に書かれる出演者の一覧)に名前が赤色が書かれ、これが色物という言葉の語源になっているという。
寄席の中は食べ物飲み物の持ち込みは自由だし、全ての演目を見ずに途中入場・退席しても構わない。イベントやコンサートなどにおける常識的なマナーさえ守っていれば誰でも楽しめる場所である。
寄席の出演者は毎月10日ごとに入れ替わり、それぞれ「○月上席」「○月中席」「○月下席」と呼ばれる。先述の通り31日は興行上日程が余るため特別な演目が組まれる。これが「与一会」である。
また、一門や落語家による独演会が全国各地のホールなどで開催されたり、落語サークルに所属するアマチュア落語家による寄席も全国各地開催される。
話者が一人でないなど、厳密な意味で落語ではないが、「落語」タグとして認識されているもの。
掲示板
163 ななしのよっしん
2023/05/11(木) 04:40:24 ID: qZbm2vB4Ne
>>161
落語心中の会とか色々な落語を題材にした作品の会はあったけど、基本的に出演者目当てで来た客が満足してるだけだぞ
漫画のファンも知らなかった芸能への感動とか漫画の解像度が上がった事への喜びはあっても、趣味で落語聞くようなファンにはなってない
ジャンプラで商品として成功してるのは、読者層の大半である、これからもこの先も本質的な興味を抱かない人間をターゲットにしたからだろうに
別にこの漫画を腐す訳じゃないけど「落語界はこの漫画に掛かってる、千載一遇の大チャンス」とか言ってるのは完全に狂ったオタク君だぞ
164 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 23:34:59 ID: rm5CmcTWhh
アメリカでやる英語圏rakugo、若い世代に向けた融合型Z落語まで、元祖ともに研鑽している
165 ななしのよっしん
2024/05/16(木) 03:51:16 ID: Dk4iozAeG4
ドラえもんの原作なり道具の一部が落語からネタ引っ張ってきてるんだし元ネタ探索の一環でそういうの紹介する番組なり動画なり出すとか、そういうやろうと思えば出来なくもなさそうな事もっと広まってもいいのよ
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/05(水) 09:00
最終更新:2025/02/05(水) 09:00
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