コロナ禍、子どもがスパチャに手を出しやすくなった

オンラインゲームのアイテムの購入や、音楽のダウンロードやサブスクリプションサービス利用など、ネットではクレジットカード決済が必要になる場面が多い。またコロナ禍の影響もあり、日常の買い物もネットショッピングがぐっと増え、子どもも文房具や本などをネットで購入するのが「当たり前」になりつつある。

こんなとき、つい子どもに自分のクレカ番号や暗証・認証番号などを教えて「自分で買っといて」となってしまう親もいるようだ。もっと手軽なところでは、キャリア決済(登録したカードでスマホで決済すること)という手もある。

最初は親が認めたものだけを購入していた子どもも、だんだんルーズになってこっそりゲームに課金したり、通販で無駄遣いしたり、投げ銭にハマって大事になるケースが多いようだ。でも、これはいつか親バレしてしまう。

お小遣いをスパチャに使っている子どもも徐々に増えつつある。photo/iStock

そこで、親バレしないように、未成年でも使えるクレカ決済を使用する子もいる。基本的にクレジットカードを作れるのは「高校生を除く満18歳以上」なのだが、クレジット会社などが発行しているプリペイド方式のクレカなら、本人確認不要(審査・年齢制限なし)で誰でも作れるタイプのものもあることを、今回初めて知って驚いた。

これはあらかじめチャージした金額の範囲内で、クレジットカード決済ができるというものだが、ネットショッピング専用の「バーチャルカードアプリ」なら、お金をチャージすればすぐに利用できる。ここにお年玉やお小遣いをチャージして、ゲーム課金や投げ銭に使えば親は気づかない。

子どもの裁量で使える「小遣いの範囲内」とはいえ、今の子どもはお金持ちだ。毎月の小遣いに加え、親戚からのお年玉などで10万円以上持っている中高生もけっこういる。超高額ではないにしろ、これを投げ銭に使われたら、親としては笑って見過ごすわけにはいかないのではないか。

 

子どもの投げ銭になぜモヤってしまうのか?

ここで息子が投げかけた「ゲーム課金や音楽のサブスクはOKでも、投げ銭はNG?」について考えてみた。

もちろんどちらも絶対NGな保護者もいると思うが、ゲームへの課金は、ゲーム内イベントの参加料として必要だったり、強い武器やかわいい衣裳でプレイするために有料アイテムが欲しくなる感覚は、理解できる。そもそもネットゲームは、プレイするだけなら無料であることが多く、ゲームのハード本体やゲームソフトを購入して遊んでいた世代の私たちからすると「ま、そのくらいなら」という気持ちにもなりやすいのかもしれない。

音楽のサブスク・ダウンロードも同様で、レコードやCDをお小遣いで買ったりレンタルして、それをカセットやMDにダビングして聞いていた世代としては「音楽を楽しむ新たなツール」として、許容の範囲内なのだ。

しかし投げ銭はというと、自分が子どもの頃、経験したことがない行為なだけに、どうも抵抗がある。古くて申し訳ないが「投げ銭」という言葉を聞くと、昔テレビで見た大衆芸能の人気役者さんの着物に万札をねじ込んだり、お札で作った首飾りを役者さんの首にかけるファンの姿をイメージしてしまう。あとは水商売の人への高額なチップ的な……。どれもあくまで余裕のある大人が余興的にすることで、お小遣いをもらっている子どもがしていい行為にはどうしても思えない。