>特に国際的な取り決めがあるという訳ではないのですね。
特に取り決めはありません。マスコミ各社にはそれぞれの社が作成した読み方のマニュアルがありますし,新聞協会も読み方のガイドラインのようなものを作成していたとは思いますが。
考えてみれば,どこの人でも漢字の読み方は自分の言語風に読むのが楽なわけで,もし読み方がなく漢字だけ「江沢民」と書いてあったら,北京の人はチェン・ツォーミン,ソウルの人はカンテンミン,東京の人ならコウタクミンと発音するでしょう(中国語を勉強していない限り)。
実際,今は日韓でおたがい現地読みをしていますが,昔はおたがい自国式読みでした。
日本では韓国の人名・地名を金大中(キンダイチュウ),仁川(ジンセン),光州(コウシュウ)などと読み,一方韓国サイドも,豊臣秀吉(プンシンスギル),東京(トンギョン),大阪(テパン)と読むのが普通でした。
しかし,世の中がどんどん国際化してくるにつれて,「本人が昔から使い慣れている読み方をするのがよい」という考え方が広まっていったのでしょう。
しかも,漢字の他に日本にはカナ文字,韓国・北朝鮮にはハングルという,音を表す文字があったので,現地読みに移行することができたといえます。
草なぎ君が番組で「チョナン・カン」と呼ばれているのはわざとです。今日本人が韓国に旅行したら,日本式に呼ばれるのが普通です。
広末涼子のファンサイトは韓国にもたくさんありますが,ハングルで「ヒロスエ・リョーコ」と書いてあります。「クヮンマル・リャンジャ」とは書きません。
一方,中国の場合は,もともと「音は違っていても文字が同じならよい」という考え方が強かったので,現地読みがなかなか広まらないのだろうと思われます。
何しろ同じ中国国内でさえ,北京語と広東語と上海語と…では漢字の発音が激しく違いますので。
広末涼子サイトは韓国よりもさらにたくさんあります。漢字表記ですので読みは書かれていませんが,標準語なら「クヮンモ・リャンツ」です。香港の人なら広東語で「クォンムッ・レォンチ」でしょう。
(もっとも,ファンの人であれば日本語読みがHirosue Ryokoであることはたいてい知っていると思いますが,一般の読者は中国語読みをするでしょう。)
また,カナやハングルのような表音文字がないことも,普及を妨げる一員になっていると思われます。
もっとも,2002年のワールドカップの時,日本の選手名はかっこの中にローマ字を入れるという書き方をしている新聞を見たことがあります。
なお,最近では必ずしも「相互主義」にこだわらず,中国人の人名にも中国語の読みをつけている新聞が出てきました(朝日新聞,韓国の朝鮮日報など)。また,社会科の地図帳や地理の教科書は昔から現地の読みをつけています。
以上,ちょっと長くなりましたが補足しておきます。
お礼
詳細な解説ありがとうございます。 「きんだいちゅう」がいつのまにか「キムデジュン」になったりしてなぜだろう、と感じたのを記憶しています。 少し話がことなりますが、日本をジャパンと呼ばれるのも個人的に嫌な感じがしてますし、日本人が○○ジャパンって呼ぶのはもっと嫌な感じがしている今日この頃です。