登録日:2010/10/22 Fri 15:06:16
更新日:2025/01/20 Mon 18:25:27
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変身!
そしてアドベントせよ!
戦わなければ生き残れない!
画像出典: 仮面ライダー龍騎スペシャル 13 RIDERS
© 2002 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
『
仮面ライダー龍騎』とは、「
平成仮面ライダーシリーズ」の第3作目である。
昭和・平成を含め、歴代初の「
仮面ライダー対仮面ライダー」を物語の主軸とした、全50話の作品。
◆概要
そのコンセプトから、当時としては歴代で最も多くの仮面ライダーが登場する(ライダーの数としては
響鬼や
鎧武、
ギーツにて更新された)。
作風は基本が
殺し合いであり、従来のような「仲違い」や「
ショッカーライダー」とは違い
デスゲームまたは
蠱毒のような
ライダーバトルが展開される。
全体的に非常にシリアスかつ暗鬱な構成となっていて、単純な善対悪ではなく、善対善や悪対悪など複雑なぶつかり合いもある。
前作、
前々作と同様に、どう考えてもお子様には解りにくいストーリーである。
というか全体的に重めである平成1期の中でも特に重たいストーリーで、終盤の内容に衝撃を受けた視聴者も多いハズ。
もちろんシリアス一辺倒の展開ではなくコメディ要素も至る所に挿入され、ギャグシーンでは大いに笑わせてくれる。
29・30話は平成1期ライダー恒例である夏のギャグ回になっている。普通に人がミラーモンスターに襲われて死んでるけど。
本作の特徴として、当時流行していた
カードバトルを取り入れたカードデッキシステムがある。
変身ベルトの「Vバックル」はカードデッキであり、ここから使用するカードを引き出す。
剣や
槍などの大型武器を呼び出すソードベント、盾
やガイなどの防具を呼び出すガードベント、必殺技を発動するファイナルベントなど、様々な事にカードを用いた戦闘スタイルとなっている。
また、2号ライダーの
強化フォームの御披露目が主役ライダーの最終形態より早い稀有な作品でもある。
当時から「もし◯◯(ライダー名)のブランク体があのミラーモンスターと契約したら」といったような想像もファンの間でよくされていた。
小さい頃にオリジナルライダーを考えたことがある方も多いはず。
主題歌は
松本梨香の歌う『Alive A life』で、本作から主題歌発売会社がavexに変更されている。
◆あらすじ
2002年春、人々が突如として失踪する事件が多発するようになる。
真相を追うネットニュース配信社「OREジャーナル」に見習いとして働く城戸真司は取材中、奇妙なカードデッキを手に入れる。
それと同時に
鏡の中の世界「
ミラーワールド」を認識出来るようになり、人間を餌として捕食する「
ミラーモンスター」の存在を知る。
その後、突然ミラーワールドに吸い込まれた真司はミラーモンスター、そして仮面ライダーナイトと出会う。
お人好しな真司は、ミラーモンスターを倒して人々を守るためにドラグレッダーと契約、「仮面ライダー龍騎」へと変身し、戦う事を決意する。
◆主な登場人物
仮面ライダー
本作の主人公。お人好しで心優しい青年。
「祭りの取材に行っていつの間にか神輿かついじゃってるタイプ」と称されるほどの愛すべきバカ。
1話では
剣が折れた。
最終話前にてまさかの出来事が…。
一見クールに振る舞っているが、どこか情を捨てきれていないところがある。
海外でも
レンという名の戦士となっている。
逆転裁判の主人公であり常に右斜め45°傾いてるスーパー弁護士。
秘書の
由良吾郎を信頼している。
コインで人の運命を読む占い師。的中率はほぼ100%。
性悪な大学生。
実は大会社の社長のドラ息子。
そしてガードベント。
この後石ノ森繋がりでおみやさんやSD版RXが働く鴨川東警察署に転生した。
凶悪殺人犯。
初の犯罪者ライダーであり、とことんまで悪というべき狂戦士。
大学院生。“英雄になるため”に闘いに参加する。
精神的に倒錯したような言動が多く、かなり痛い子。
御曹司だが、勘当されていてフリーターをやっている。
楽な生活をするためにモンスターと契約し、大した覚悟もないまま過酷なライダーバトルに参加してしまった。
みんなの
トラウマ生産機。
TVスペシャルでのみ登場する高見沢グループ総帥。
ホールインワンが得意技で、別撮り必須のデッキ挿入もホールインワンをやらかした。
出番は少ないが、「人間はみんなライダーなんだよ!!」という名言を残した。
劇場版とTVスペシャル(そちらは声のみ)に登場。
姉を浅倉に殺されており、復讐のために付け狙う中、真司に好意を寄せるが…
因みに苗字は詐欺を行う為の偽名であり、本名は不明。
劇場版とTVスペシャルにて登場したライダー。
謎が多いが、龍騎の完全上位互換のようなハイスペックを誇る。
その正体は…
最後に残ったライダーを倒すために戦う、最強のライダー。
神崎士郎が変身しているかと思いきや違うようで、どの作品でもその正体は明かされない。
ライダーバトルの鍵となる、タイムベントを所持。
作中最強のライダーにして数多くのチート能力持ちだが、意外と不意討ちに弱く、よく油断して負ける。
にも関わらず、何のかんのと理由を付けて結局は復活したり、そういった意味でもチート。
疑似ライダー
妻子を持つ教授。
「瞬間記憶能力」を持ち、神崎士郎の研究資料を偶然見たことでミラーワールドを知る。
その脅威を止めるため、士郎の資料とタイガのカードデッキを元にオルタナティブを開発。
自身もオルタナティブ・ゼロに変身する。
大学院生であり、士郎の実験により仲間を失う。
復讐のためにオルタナティブに変身する。
関係者
本作の
メインヒロイン。主に蓮と行動を共にする。
後述する神崎士郎の妹で、叔母の神崎沙奈子と共に暮らしている。
兄が始めたライダーの戦いを知り、なんとか止めようとしている。
リアルではこの後GTOの原作者と結ばれ、そのリメイク版に出演した。
仮面ライダーというシステムを作り、ライダーの戦いを始めた張本人。
もはや普通の人間とは思えないほどの得体の知れない雰囲気を漂わせており、
神出鬼没にライダー達の前に現れては戦いを強要していく。
彼の目的は…
その他の人物
真司の所属するWEB雑誌・OREジャーナルの編集長。
普段がさつでいい加減だが、記者魂のある気骨ある人物。
真司の先輩記者。
熱血気質で若手ナンバーワンの記者。
北岡に言い寄られている。
OREジャーナルのIT担当。
編集長をいじって遊ぶムードメーカー。
北岡の秘書。
上司に忠誠を誓っている。
ボディガードから料理まで何でもござれのスーパー秘書。
北岡の元秘書で、OREジャーナルに新入社員として入社。
やたらとそそっかしい
ドジっ娘で、周囲に騒動をまき散らす。
神崎兄妹の伯母で、喫茶「花鶏」の店長。
優衣を実の娘のように可愛がり、真司たちを温かく見守る。
「あたしの勘に間違いはないわ」が口癖。
◆商品展開
目玉である各ライダーの「バイザー」がいくつか商品化された……が、当時発売されたDX玩具版は、音声ギミックが総じてショボい。
龍騎の「龍召機甲ドラグバイザー」はパンチカード方式で各アドベントカードを識別できたのだが、それ以外のバイザー…
- ナイトの「翼召剣ダークバイザー」
- ゾルダの「機召銃マグナバイザー」
- 王蛇の「牙召杖ベノバイザー」
- タイガの「白召斧デストバイザー」
- リュウガの「龍召機甲ブラックドラグバイザー」
これらのうち、龍騎のリペイントであるブラックドラグバイザー以外には、値段が高くなりすぎるのを避けてか、カードの個別認識ができない。
それどころか、大半のアイテムが『○○ベント』系の音声が一切鳴らないという悲しすぎる仕様になっていた。
アドベントカードのカードダスは、放送中のDX玩具に対応したバージョンと放送終盤の玩具非対応で劇中仕様にした『アドベントカード TVエディション』が存在する。
2012年には、10周年を記念してTVエディションを参考に質やサイズも完全再現した『アドベントカードアーカイブス』が
プレミアムバンダイにおいて受注受け付けされた。
ブックレットにはキャスト4人それぞれへのインタビューが掲載されている。
◆評価
従来のライダーファンの間では「どうしてライダー同士で戦わなくちゃいけないんだ!?」という、著名人も巻き込んでの
賛否両論が起こった。
一方で
クウガや
タイムレンジャーから続く
イケメン特撮ヒーロー人気の下地を活かし、母親人気を獲得しワイドショーなどでも取り上げられた。
子供より大人の方が龍騎に没頭している(実際、子供には難解な面もある)という家庭もあったとの話もある。
また、この作風が受けた為か、この作品以後はデザインや設定に「ライダーらしくない」ものが増え、今日に至っている。
特に「変身」が人工的なアイテムによってなされる「装着」になったことは、間違いなく龍騎の影響である。
かつてシリーズで異色作だった作品は、今日のシリーズのベースとして定着したのだ。
玩具売上は前作『アギト』を大きく上回る数値を記録。
これは平成1期では最高クラスの記録で、2009年に『
仮面ライダーディケイド』と『
仮面ライダーW』を合算した売り上げに抜かされるまでトップだった。
更にゴールデンタイムで先述のTVスペシャルも放送。
このスペシャルでは、終盤の真司の行動を電話で行うリアルタイムの視聴者投票で決定させるという新しい手法をとった。
バトルロイヤルやカードバトルといった要素が取り込まれた龍騎は、過去の色々な作品から影響を受けている作品と言える。
しかし、その龍騎自体が後の漫画・アニメ業界に少なからず影響を与えているのも事実である(「源流が同じ」という部分もあるが、「いったん龍騎を経由して」という意味である)。
平成ライダーシリーズのうち、
富山県で放映されたのはこの作品だけであり(TBS系のチューリップテレビで放映)、以降の作品は一切放映されていない。
◆海外展開
後に『
KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』という海外リメイク版が作られるも、残念ながら打ち切られ、続きはWebにて放送された。
しかしながら作品としての完成度は決して低くなく、日本では一定の人気を獲得することに成功。
後日談として『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT 2WORLD 1HEARTS』という小説作品も発行されている。
2023年2月にShout!Factoryより、『ゼロワン』『クウガ』に続いて北米向けにBlu-rayが発売されることが決定。
これまで正規で全話観れる手段がなく、違法アップロードに頼らざるを得なかった現地の特撮ファンを歓喜させた。
◆余談
この戦いに参加した者達は、必ず死亡もしくは消滅している。
これは「たとえどんな願いであろうと、そのために暴力を使ってしまった者には、相応の罰を受けなればならない」というテーマがあるからとのこと。
最終的に神崎兄妹は自身の運命を受け入れ、ライダーだった者たちもライダーのいない世界で平和に生活している。
企画当初は、通常怪人枠も人間がカードデッキで変身した仮面ライダーというものだったが、流石にそんなハイペースで人が死ぬのは刺激が強すぎるという理由で、現在の形に落ち着いた。
通常怪人も(元)人間というのは次回作『
555』で実現し、倒されても死なないことが多いが通常怪人も仮面ライダー(と同じ原理で変身した人間)というのは
第二期平成ライダーシリーズで実現している。
平成以降のライダー作品で唯一濁点が入らなかったりする。
以上がこの物語の真相であり、仮面ライダーと名乗る人間達の戦いの真実である。
この戦いに正義は、ない。
そこにあるのは純粋な願いだけである。
その是非を問えるモノは――
追記・修正しなければ生き残れない!
最終更新:2025年01月20日 18:25