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トレーディングカードゲーム(TCG)

登録日:2012/06/08 Fri 22:32:12
更新日:2025/02/28 Fri 23:35:29
所要時間:約 32 分で読めます




トレーディングカードゲーム(TCG)とは、カードゲームの区分の1つ。
集めて楽しむ収集要素、デッキを構築して勝敗を競う対戦要素の2つが備わっているものを指す。




概要

野球選手カードやウルトラマン怪獣カード等々、一枚一枚が美術品や名品の様に市場流通(トレード)されうる「トレーディングカード」というものは昔から存在していたが、TCGはそれに加えて対戦型カードゲームとしても遊べるようにしたものである。
1993年にアメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト(ウィザーズ)が発売したマジック:ザ・ギャザリング(MtG)を直接の開祖としている。

その隆盛具合から単に「カードゲーム」「トレーディングカード(トレカ)」と呼称・表記される事も多いが、それは適切な表現ではない。
そもそもカードゲームとは「カードを使用するゲームの総称」であり、TCGに限ったものではない。なので単に「カードゲーム」と呼ぶとトランプUNOニムト限定ジャンケン等々の別種ゲームも含まれてしまう。TCGはあくまで「カードゲームの下位分類」である。
トレーディングカードとは上述した様に基本的には収集物でこそあるものの、特にゲーム性の無いものも含まれている。やはりTCGは「遊べるトレーディングカード」としてその下位分類に置かれる。

なので、TCGを話題に挙げたりする場合は他のカードゲームやトレーディングカードとの混同・誤解を避けるため、『TCG(又はトレーディングカードゲーム)』や後述の『コレクティブル(又はカスタマイザブル)カードゲーム(CCG)』といった表記・呼称を使うのが望ましい。
なお、そのTCGの中でもアーケードゲームでもあるものは「TCAG(トレーディングカードアーケードゲーム)*1」と呼ばれる。

その形態ゆえか公式にかはともかく「ソリティア」や「エラッタ」等、一部の用語がその他カードゲームやTRPGといった他のテーブルゲームから流用されている。

なお、TCGなど交換要素を重視した名称は日中韓(≒東アジア圏)や日本産TCGの国外名*2以外にはほとんど用いられておらず、代わりに収集性やデッキ構築要素を重視した『CCG』(上述)やそれを直訳した名称で呼ばれる事が多い。
その理由は一説によると、(杞憂に終わったが)ウィザーズによるTCGの商標化を危惧した後発のTCGメーカーが、TCGに代わる普通名称として提唱したものがそのまま定着したためとの事だが、後述するトラブルやそれへの対応を見ると、こちらの方がより実情に即した名称と言えるだろう。

元のトレーディングカードも、これまた東アジア圏外では英語でのコレクティブルカード(Collectible Card)やその直訳で呼称されているが、これ以上は省略する。


歴史

MtG登場

日本では子供の遊びというイメージの強いTCGだが、当初はカードの収集がそれなりの経済力を必要とすることもあって、決して子ども向きの遊びではなかった。
また、実質唯一のタイトルであったMtGのルールも、当時から単純でこそあるが膨大で子ども向けとは言い難かった。
少年誌であるコロコロコミック題材としたストーリーを連載したり、紹介記事も時折組まれたりもしたが、市場拡大にはあまり貢献できなかった。


1999〜2000年代 遊戯王登場

そんな中、1999年頃に登場したのが、今や日本でのTCGの代名詞となった『遊戯王』である。
原作は週刊少年ジャンプというビッグネームの雑誌で連載していた、テーブルゲーム全般が題材の漫画であった。
その中の話の1つとしてMtG(とウィザーズ)をモチーフとした架空のTCG『マジック&ウィザーズ(M&W)』を独自に設定・登場させた事から、元々それなりにあった人気が爆発し、そこから現在も続く路線を確立。
当時の日本で起きていたTCGブームを加速させ、そのM&W(といくつかのゲーム化作品)をベースにコナミが『遊戯王OCG』を製作・発売したのがこのブームの一つの頂点となる。

言ったもん勝ち混沌そのものとも言えたルールを手探りで失敗を繰り返しながら整え・拡げていき、現在のTCGの日本国内売り上げでトップに君臨する遊戯王OCGとなっていったのは、多くの決闘者の知るところ。
アニヲタにとってもアニメ・漫画・OCG・デュエルリンクス・ラッシュデュエルのその全てがホットな話題を絶えず提供してくれる、無くてはならない存在だろう。

その他、日本産初のTCG『ポケモンカードゲーム』や、『MtG』を低年齢層向けに簡略化・してマジックブランドを廃しオリジナル化した『デュエル・マスターズ』、といったビッグタイトルを始めとする多くのTCGが1990年代後半~2000年代前半に生み出された。
さらに2000年代前半には『甲虫王者ムシキング』や『三国志大戦』など、アーケードゲームと連動して遊ぶTCAGが台頭・確立していく。


2010年代前半 再ブーム

その後は一度ブームが沈静化するも、2010年頃に再度ブームが到来。
この頃に『バトルスピリッツ』、『カードファイト!!ヴァンガード』、『フューチャーカード バディファイト』等、(発売当初は)子供も対象としたTCGが誕生しており、販促アニメと合わさって人気を獲得していった。


DCG戦国時代

2014年頃からは『ハースストーン』を広め役として、そのフォロワーと言えるネイティブのデジタルカードゲーム(DCG)も多数誕生し、その概念を確立。
TCGとの相互参入も起きており、TCG側からはそれまでの主流だったゲーム機に留まらず、PCやスマホへ参入するものも。

しかしジャンルとしての歴史がまだ浅く、参入障壁の高さによって市場の拡張性が乏しい事もあってか、ルール不備やカードデザインのミスを抱えがち。
加えて利益を上げることと常に新規参入者を増やしたいシステム上、新弾ごとに「購入・課金」を狙う必要があることや、販売スパンが極めて短く設定されていることもあり、効果のインフレが極めて激しい。
それらが市場の共食いと合わさった結果、多くが衰退・サービス終了に至っている。

そのため結局のところ、『遊戯王デュエルリンクス』などのように元々のファン層の大きさを活かしたり、資金力を活かしたコラボで新規層を取り込み続けたりしないと、サービスを続けるのが難しいのが現状である。


新たなTCGブームと、長期TCGの子供向けからの転換

DCGの普及やコロナ禍における対人プレイの制限などでアナログTCGにかつてない逆風が吹く状況になる……かと思われたが、コレクターアイテムとしての地位を確立。
コレクター向けカードの極端な高騰や転売の激化といった課題はあるものの、コロナ禍でも一定の需要が保たれることとなった。
また、DCGでは再現しにくい多人数戦の人気も高まり、なかでもプレイ人口の多いMtGは多人数戦メインのゲームデザインや商品展開へシフトしつつある。
『遊戯王OCG』も、基本無料のDCG『遊戯王マスターデュエル』が大人気となり、OCGとは異なった文化が産まれている。

バンダイは2022年に『ワンピースカードゲーム』、2023年『ユニオンアリーナ』を開始。
特に『ワンピースカードゲーム』は原作映画人気やスタッフのバトスピコラボのノウハウを活かした手法などもあって、新規TCGとしては異例の大ヒット作となった。

これらポケモンカードやワンピースカードのヒットを受けてか、2024年には新たに『ドラゴンボールスーパーカードゲーム』が開始。
名探偵コナン』TCGも2024年5月より開始。
円谷プロも2024年夏より「ウルトラマン カードゲーム」、ブシロードも「五等分の花嫁カードゲーム」を展開していくことを発表している。

そして一方で、バトルスピリッツ(2017年)、遊戯王デュエルモンスターズ(2019年)に引き続き、デュエルマスターズも2024年にこれまで続いてきた子供向けTVアニメの終了を発表*3
少子化や、長期間続いてきたこととスタン落ちもないゆえにゲームが複雑化・カードパワーのインフレ*4して児童層・初心者層が対象から外れていっているのも理由と思われる。
同様の理由で新規ユーザーやカジュアル層の減少・獲得が大きな課題となっており、初心者・復帰者向け商品の発売、既存IPや人気クリエイター、配信者とのコラボレーションといった施策が行われているが、全盛期に比べると苦境に立たされている面は否定できない*5

コレクター需要の増加により、古いカードや貴重なカードの需要が増加したことも、この時期の特徴といえる。
これは、当時TCGで遊んでいたプレイヤーが成長して資金力を増した影響が考えられる。

貴重なカードになると数万円、特に世界に数枚しかないカードともなると1000万円を超えるような価格で取引されるようになり、
半ば株や仮想通貨のような投機の対象にまでなっている*6

こうした影響に加えて、SNSでの情報交換の活発化、オークション・フリマアプリの普及、コロナ禍で新たな食い扶持を探した転売屋の参入もあり、元々少なからず問題になっていた転売問題は激化
2020年頃には『遊戯王OCG』のレアカードが高騰の対象なったが、それが落ち着くと次に『ポケモンカード』や『ワンピースカード』などが転売問題に巻き込まれ、人気のシングルカードが高騰し、限定品ではないパックすら買えない状況が長らく続いていた(いずれも現在はある程度緩和)。
これらは「遊戯王バブル」「ポケカバブル」「ワンピースカードバブル」などと揶揄された。

更には、偽造品や再シュリンク品*7を売る詐欺行為も多発している*8

2024年時点、TCG界隈はある種の転換期にあると言えなくもない。


主なTCGタイトル

各TCGについて興味の出た人は、 TCGタグ の検索か、みんな大好きGoogle先生に聞いてみよう。

Magic the Gathering(1993年~)

TCGの開祖にして、今も新規カードを出し続ける伝説的TCG。アメリカ発祥だが(一般流通しているカードだけでも)英語日本語など11言語に展開している。

色とその拮抗」「種族」「ターンが進むにつれ回復しながら徐々に増える(増やせる)、カードを使用するためのリソース
カードの状態とそれのカードの向きでの提示」といった数々の要素はこのゲームで既に誕生・確立しており、他のTCGは多かれ少なかれこのゲームの影響を受けている。

イラストの絵柄が全体的にハリポタゼルダっぽい洋風テイストなことや、原語が(アメリカ)英語であること、パワー9を始めとする超高額カードの存在、競技性の高さ等から「難しそう」「マニア向けのTCG」と思われがち。
が、実際のルールは概ね単純な裁定の集合体であり、他より少々高めな予算の壁さえ超えられれば割合どうとでも取っつける。*9

山札に200枚以上のカードがある場合、ゲームに勝利できるカード*10「対戦相手にジュースを買いに行かせるカード」など、ヘンテコなカードにも定評がある。
当初はトレカ要素の延長としてなのか「アンティ*11」に関係するカードなんてのも存在したが、さすがに現在は悉く禁止カードと化している


ポケモンカードゲーム(1996年~)

任天堂の名作ゲームシリーズ「ポケットモンスター」と並行して登場した、日本産初のTCG
旧名称『ポケットモンスターカードゲーム』。

日本はもとより世界的な人気を誇るポケモンが題材なだけあり、ビデオゲーム、アニメ、カードがそれぞれ相互的にファンを呼び込み、発売当初から現在に至るまで安定した支持を受けている。
2020年頃より再びブームとなり、国産TCGのトップに返り咲いて「ホロライブカードゲーム」「ディヴァインクロス」などのポケカライクと呼ばれるフォロワーも登場している。
登場するキャラクターはもちろんすべてポケモンであるが、属性の区分などがゲーム版とは異なっている。

『ポケモンカード★VS』より前のカードは裏面が異なっており、「ファーストデザイン(通称:旧裏)」と呼ばれる。
現行のカードと混ぜて遊ぶことはできないが、こちらも未だ根強い人気がある。

また、公式でサポートされているルールとして、「BW」シリーズから最新のカードまでが使用できる「エクストラレギュレーション」、
比較的新しいカード(登場から数年ほど)が使用できる「スタンダードレギュレーション」がある。

そもそものビデオゲーム版の「ポケットモンスター」共々子供向けとあって、ルールもゲーム性も非常に簡素で分かりやすくなっているのが特徴
(単調という訳ではないので、そこは勘違い無きように)。
1ターン内でできる行動に制約が多く、漠然と手札の枚数が増やすだけでは優位をとりにくいことが特徴。
TCG関係者には「 手札アドが弱すぎる 」ことで有名。
そのため、「『いつ』カードを使うか」「制約に引っかからずにアドバンテージを稼ぐか」を判断する計画性が他のカードゲームよりも強く求められる。


大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONE(1997年~2002年)

天田印刷加工(現:エンスカイ)より発売されていたタイトル。略称は「MOZ」。
ゲーム作品である「大貝獣物語」の世界観をベースにしている。
今は亡きコミックボンボンにて特集されており、漫画も連載されていた。

召喚師カードの上と左右の3か所に召喚獣カードを出し、その3枚で役を作るという他に類を見ない独特なゲームシステムが特徴。

各プレイヤーは自分のターンに1枚だけ、召喚師カードの天、右、左のいずれかの場に対応する属性の召喚獣か、戦いをサポートするHelpカードを出すことができる。
4枚のカードを出し終えたら召喚獣の合計パワーを競い、数値が上回った方が勝ちとなり、そのラウンドの勝者となり勝利ポイントを得られる。
この時召喚獣の組み合わせ次第ではコンボと呼ばれる役を作ることができ、コンボを完成させたプレイヤーは一方的に勝利できる。
両者ともにコンボを完成させた場合はより強いコンボのプレイヤーが勝ちとなる。
そして、ラウンドが終了すると、召喚師を別のものと交代させ、場に出ていたカードはすべて捨て札にして新たなラウンドを開始する。

加えて、デッキのカードはすべて1枚までしか入れられないため、強力なカードをいつ使うかという駆け引きが非常に重要視される。

カードを使うためのコストはなく、基本的なゲームシステムは非常にシンプルだが、それゆえに非常に奥深いゲーム性を誇る。
既に終了して久しいが、現在でも有志による対戦会が開かれるなど、根強い支持があり、復活も望む声も聞かれていた。

2022年にはバンダイから新規カードを追加した復刻版カードセットが発売された。待望の再販となり、全国から喜びの声が上がった。

何年か展開されてからリニューアル版である「ミラクルVマスター」に引き継がれたが、そちらも長続きせず2003年に終了を迎えた。


遊戯王(BANDAI版)(1999年)

漫画「遊戯王」に登場したTCG「マジック&ウィザーズ」を基にしたTCG。
ルールの整備は未熟であり、ごっこ遊びのグッズといった側面が強い。

ごく短期間でBANDAIが撤退してしまったため、現在は流通していない。
そんな事情もあり、コレクターからは根強い人気がある。
一応カードサイズはほぼ同じだが後のKONAMI版との互換は無く、混ぜて遊ぶこともできない。


アクエリアンエイジ(1999年~2013年)

ブロッコリーが得意とする美少女コンテンツもカードゲームに殴り込み。
可憐な少女達が描かれた、当時の言葉で言う「萌え系カードゲーム」でありほとんどのカードが女の子(途中から男性やクリーチャーのカードも追加された)である。
対象年齢が高めのMTGと逆に低めのポケモンカードゲームの間に挟まる形で人気を博し、三国志大戦のフォロアー的なアーケードゲームも登場している。

GUNDAM WAR(1999年~2016年)

Magic the Gatheringを元にして作られた「機動戦士ガンダム」のTCG。
ガンダムシリーズに登場する機体がそのままカードになっており、ガンダムファンを中心に根強い人気を誇った。

マジックでいう土地カードにあたるGカードを出していくことでより強力なカードを使えるようになる。
攻撃対象は対戦相手の山札であり、山札破壊が基本的な勝利方法という珍しいタイトルである。

度重なるインフレの末にリニューアルによる心機一転を図ったが、ユーザー離れを引き起こしやがて終了に至った。


遊戯王オフィシャルカードゲーム(1999年~)

通称『遊戯王OCG』。
上述のBANDAI版遊戯王の撤退後、代わってKONAMIが再展開したもの*12
発売開始から現在に至るまで絶大な人気を博しており、今となっては国産TCGの代表格。

10000種類を超える膨大なカードプールを誇り、「スタン落ち」*13どころかフォーマット(レギュレーション)での住み分けを公式には一切行っておらず、デッキ構築の自由度は極めて高い
もっとも、近年はある程度共通するテーマ(カテゴリ)で組むデザイナーズデッキやメタビートが主流で、好きなテーマを選んでデッキを組むだけで実戦級のデッキともある程度渡り合える。
テーマ自体も悩むほどの選択肢があり、原作・アニメでも活躍したカード強力なドラゴン達武装した少女達エジプトの神々に仕える神官なんて真面目なテーマもあれば、
スター・ウォーズ(のパロディ)ゴジラでお馴染み怪獣映画、「スーパー戦隊」をモチーフにしたテーマといった変わり種、
さらにはなんと格ゲー花札ボードゲーム寿司コナミ製シューティングゲームを動作まで含めて忠実に再現したものもある。
また、原作漫画である「遊☆戯☆王」がエジプト神話を題材にしている関係で、エジプトの伝承や神話にまつわるカードが非常に多い。
一方、他のTCGではしばしば行われる「イラスト違いの同一カードの実装」「他社コンテンツとのコラボカード」といったものは一切行ってこなかった硬派なゲームでもあり、2020年代を越したところでようやくそれらが登場した。

他のTCGと比較した際の大きな特徴は2つ。
一つは「死者蘇生」をはじめ、役目を終えたカードを再利用する手段が異様に豊富なこと
モンスターを復活させる手段がとにかく多いので、一度倒したと思ってもそのモンスターが文字通り「蘇生」して舞い戻ってくるなんてのがザラに発生する。
逆に言えば、他のTCGは「カードは一度使い終わったらもう使わない」が基本なので、遊戯王からポケカ等別のTCGをプレイした人の中には墓地の扱いに戸惑う人もいる。
もっと再利用が難しい「除外」という概念もあるが、それすらも再利用できる(通称:帰還)カードが多数登場しており、「墓地は第二の手札」「除外ゾーンは第三の手札」とネタにされる*14

もう一つは、マナ(MtG、デュエマ)やエネルギー(ポケカ)のような形のカードを使用するためのコストが存在しないこと*15
そのためゲーム開始時から次から次へとカードを使用でき、各種カードが湯水のように召喚・発動されては捨てられていく極めてハイテンポなゲーム性がウリ。
コストがない、ということは、すなわち単純に手札の枚数が多いほど有利になりやすいが、
そのぶん追加ドローやハンデスなどハンド・アドバンテージに直結する挙動には他ゲー以上に強力とあって厳しいデメリットが付いている。
OCGからポケカ等別のTCGをプレイした人の中には(OCGでは強力すぎる)ドローソースの多さに驚く者も多い。

基本的なルールは比較的簡単であり、カジュアルに遊ぶのであれば気楽に楽しめる。
一方で、細かいルールが非常に難解なことで知られており、基本的なルールにもカードのテキストから読み取れないものが散見される(通称:コンマイ語)
更に1万種類以上もある膨大なカードプール*16、プレイヤー層の高年齢化による競技志向化もあり、初心者にとって敷居が高いとしばしば評される。

かつては上述のコンマイ語が問題視されていたが、流石にコナミもマズいと思ったのか2014年を境にテキストから処理を判別できるように改められ、バトルフェイズにおけるダメージステップのルールも簡略化が図られるなど、段階を踏みつつ改善されている
同時に公式データベースの設置やアプリの配信、ルールブックの発売、SNSや動画サイトを駆使した宣伝、強力な構築済みデッキの販売など、敷居を下げ新規層に参入してもらう為の工夫も行われている。
また、既存テーマの強化、過去のカードのリメイク、復刻版カードの販売、など、引退したプレイヤーに再び興味を持ってもらうための施策もある。


モンスターコレクション(2000年~)

富士見書房が展開するファンタジーカードゲーム。
移動の概念があり陣取りゲームのような戦いが繰り広げられるのが特徴。
いわゆる「富士見ファンタジア文庫」が得意とする90年代~00年代ファンタジーの色が濃いゲームであり、ユニットは多種多様なモンスターで構成されている。
更にフレーバーテキストとして「ホーリィの手記」というキャラクターの物語が書かれていたり、多数の関連ラノベを出版したりと世界観の広大さも魅力的と言える。
後に子供向けに「六門天外モンコレナイト」や「モンコレキッズ」と言ったメディアミックスや関連商品も出しており知名度は高く、この時期に登場したカードゲームにしては珍しく販売会社を変えながらであるが現在も継続している。


ガンガンヴァーサス(2000年~2002年)

『月刊少年ガンガン』作品が題材のTCG。
系列作品の『月刊ガンガンWING』や『月刊Gファンタジー』、『ステンシル』等も扱っている。
性能のインフレとルールの複雑化で一度リセットされ、後述のガンガンヴァーサスNEOへと移行した。
なお短命で終わったのは後にヴァルキリーアナトミアの公式4コマでネタにされた。 レナス「あったな…そんなカードゲーム…」


デュエル・マスターズ(2002年~)

ざっくり言えば『子供向けにアレンジしたMtG』なTCG。
「クリーチャー」「呪文」「マナ」「タップ/アンタップ」など、多くの用語がMtGから流用されている。

当初はMtGの雰囲気を強く受け継いだ、濃く硬派なタッチのカードが多かったが、低年齢層にも人気のあるドラゴンフェニックスを積極的にフィーチャーしたり、MtGには見られないようなコミカルなキャラクターを登場させたりと、段々と独自の路線を開拓していった。

多くのTCGで見られるライフ(LP)が存在せず、ゲーム開始時に山札から5枚のカードを裏向きに並べて「シールド」とし、クリーチャーの攻撃などでシールドが0枚となった相手に直接攻撃できたら勝ちというルールが特徴。
攻撃によってブレイクされたシールドは持ち主の手札となり、それがシールド・トリガーを持つカードならばコストなしで使用できる。
下手に攻撃するだけでは相手を有利にするというゲーム展開を生み出すことから、子供向けを謳いながらも非常に奥深い戦略性を有する。

コロコロコミックで連載されている同名の漫画が原作であり、主人公が変わりながらも今なお継続中の人気シリーズである。
2021年で20周年を迎え、それまでに数多くの花形カードや名シーンが生み出されてきた。国内TCG市場でもポケモンカードゲーム遊戯王OCGと並んで人気を誇るビッグタイトルである。

MtGにとっては新メカニズムの実験台弟分であり、デュエマの側もMtGを兄貴分と慕い、コラボしたこともある。

パロディネタのきわどさも有名であり、日本ならではの危ないネタを、それも普通のカードにぶち込むことも。


ガンガンヴァーサスNEO(2002年~2005年頃?)

ガンガンヴァーサスを仕切り直した新作。旧作との互換性はない。


ドラゴン☆オールスターズ(2003年~2006年)

富士見書房発売のライトノベルを主体としたTCGで、アニメ化してない作品のカード化も多かった。
キャラ同士による戦いが主ではなくすごろく形式でのレースゲームになっている。


牙-KIBA-(2006~2007年)

かつて遊戯王の海外での販売を依頼されていたUpperDeck社が日本に送り出したTCG。
ぶっちゃけタイアップアニメの方が知名度がある


レンジャーズストライク(2006年~2011年)

スーパー戦隊を題材としたTCG。
途中からメタルヒーローなども参戦し、東映特撮ヒーロー全般を扱ったタイトルに発展した。
バトルに参加させるユニットで特定の並び順を成立させると能力が発動する仕組みで、これによりヒーロー同士のコンビネーションや巨大ロボの換装合体を表現する。
コスト概念が2種類に分かれているのが特徴。


ウズマジン(2007~2008年)

コロコロコミック300号記念に、デュエマ同様WofCとのタッグ体制で開発されたTCG。
「クリアカードバトル」という副題通りカードそのものがクリア素材製・正方形というとんでもない代物。
カードを重ねていって強力な「マジン」を作り出し、相手のライフを削っていくゲーム性。

当時失速気味だったデュエマからの移行を狙った物と思われるが、高い商品の単価、漫画が当のデュエマと違い「ストーリーと同じキャラが出て来るファンタジーバトル漫画」と言ったTCGとしての魅力をほぼ発揮出来ない物、当のデュエマが同時期に盛り返してきたこともあり約一年で展開終了。
それでもシンプルながら奥深いゲーム性からファンは少なくなく、2022年には有志の手によってDCG版(非公式)が作られたりしている。


ライブバトルカード ライブオン(2008年~2010年)

かいけつゾロリ』などでお馴染みポプラ社が当時刊行していた少年「月刊コミックブンブン」が送り出したTCG*17
アニメの登場人物がモンスターに変身して戦うと言った要素や、ポケモンよろしくモンスターが実際に生息していてカードに封じ込めて入手するといった独特な世界観が特徴。

アニメの評判自体は悪くなかったのだが、ゲーム性がガンダムウォー同様デッキ破壊を主な勝ち筋とするスロースペースな物だったり、同時期に強力なライバルが台頭したのもありリニューアルされた「ライブオンXZ」第一弾が出たところで商品展開が終了してしまった。


バトルスピリッツ(2008年~)

BANDAIのTCG。ゲームデザインに元ウィザーズ社員のマイケル・エリオットが関与しており、コア(カウンター)を使った駆け引きが特徴。
後述のヴァイスとは別方向にコラボが豊富。カード名や系統(種族のようなもの)参照でとんでもない組み合わせが成立することも……


ヴァイスシュヴァルツ(2008年~)

ブシロード製TCGの代表格。
専用に書き下ろしたキャラクターをカードにするのが当たり前のTCG業界において、多数の版権タイトル(特にアニメ)のキャラクターをそのままカードとして登場させている異色のTCG。
アイドルVTuber魔法使い異世界転生者ガールズバンドが殴り合いをする突飛な絵面はこのカードならでは。
逆にヴァイスオリジナルのカードはほぼ存在せず、その点でも異色。
アニメ等ではCMもよく流れており、プレイはした事が無くてもCMを見たことはあるという人は多いのではなかろうか?

ゲーム性についてだが、使用するカード枚数が多いために運要素が強いのが特徴。
一方、「山札を引ききったら出ているカードを山札に再装填して引き直す」という特徴的なルールの存在から、「引き運がいい状況に持っていく」戦略*18も必要になる。
このため、ルール自体はシンプルだが、その単純なゲーム性に反して実際のプレイング難易度は高め。


Lycee(2005年~2015年)

様々な美少女ゲームを題材としたTCG。「リセ」と読む。


PROJECT REVOLUION(2007年~2011年)

角川グループとブロッコリーの版権ものを題材としたTCG。


クルセイドシステムカードゲーム(2007年~2017年)

バンダイによるアニメ作品中心のTCG。
基本ルールはガンダムウォーを基準に作られているが、差異も多い。


Precious Memories(2010年~2022年)

アニメ題材のTCGの一つ。
いわゆる萌え系の女性キャラ主体作品が多く、きらら系の作品はPMで扱われやすい。
初期はアニメ等でCMもよく流れていたが他のTCGの勢いに押されCMも流れなくなり縮小化
……したのだが、10年を超過して続く長寿TCGとなった。
2021年を最後にブースターパックの新作が発売されなくなり、2022年もスリーブとカードがセットになった商品を4つ出したのを最後に新カードは発売されなくなった。


カードファイト!!ヴァンガード(2011年~2018年)

ブシロード発売のTCG。当初からアニメと平行展開していた。


ガンダムウォーネグザ(2011年~2017年)

GUNDAM WARの後継作品。ルールにクルセイドを元にした大幅な改変が行われている。
初期は旧ガンダムウォーとの混在も可能だったが、しばらく後に互換性は切り捨てられた。


Z/X -Zillions of enemy X-(2012年~)

「フリーカード配布」を初めて行った無料TCGのパイオニア。
公式ルールで「フリーカードと有料カードを混ぜて構築可能」と謳っているのはこのゲーム位なものだったり。


CODE OF JOKER(2013年~2019年)

SEGAによるTCAD。
アーケードゲームでありながら物理的なカードが存在せず、デジタルカードのみで構成されているのが特徴。


WIXOSS(2014年~)

タカラトミー、ホビージャパンの共同開発によるオリジナルTCG。ホビージャパンからはMTGの有名プレイヤーである八十岡翔太氏がゲームデザイナーとして参加している。
「美少女でガチなTCG」という宣伝文のとおり、キャラクターはほぼ全て美少女で統一されたハイティーン向けのTCG。
ハイティーン向けらしく、アニメによるメディアミックスもオタク向けの深夜アニメ…どころか、
少女たちが過酷な戦いに巻き込まれるドロドロの鬱アニメだったことが話題を呼んだ。
カードゲームのアニメが時に過酷な物語であることは実は珍しくないが、作風からして最初からダークな深夜アニメとして作られているのは流石に珍しかった。
「逆販促アニメ」とまで言わるものの、話題性は抜群だったようで、想定をはるかに上回る売り上げを記録した。
一方でコラボ企画や公式イベントはやたらとぶっ飛んだものが多い。


Lycee Overture (2017年~)

展開が終了していたLycee(旧リセ)のシステムを流用したリメイク。
カード面で旧リセとの互換性は無くなっており、公認大会で混ぜて遊ぶことはできない。


フューチャーカード バディファイト(2014年~2020年)

当時「カードキングダム」の経営者だった池田芳正(通称・池っち)を原作者に迎え、ブシロードが販売していたTCG。
アニポケなどで知られる株式会社オー・エル・エムが手掛けるTVアニメ、コロコロコミックでの漫画化(作・田村光久)など、非常に気合の入ったメディアミックスを行っていた。

「若いプレイヤーを増やしたい」というコンセプトの基、小学生をメインターゲットにしていた。
男児層の心情に配慮し、初期の頃は萌え系イラストを意図的に遠ざけていた。

ルール面では、先行でも攻撃可能なルール、プレイヤーにも装備できる装備カード、相手に止めを刺す必殺技など、攻撃的で豪快なルールがウリ。
これは、子供たちが短い休み時間の間にも遊べるようにという配慮でもある。
一方で多様なワールドによって様々なコンセプトのデッキを組むことができた。

余りに豪快なルール故か圧倒的なインフレの速さ、原作者変更による作風の変化からか発売4年ほどで主人公が交代、そこから1年でアニメが終了してしまう。
その後はブシロード系TCGお馴染みのコラボ路線に入るも、止まらないインフレとターゲット層にマッチしておらず、そもそも乱発気味なコラボ作品のチョイスもあり、更に一年して完全に商品展開が終了してしまった。

それでも根強い人気はあり、2024年には商品展開終了後にもかかわらず10周年記念商品が出た。


ファイアーエムブレム0(2015年~2020年)

ファイアーエムブレムシリーズを原作とする、カジュアル志向のTCG。
ちなみに、商品展開終了まで禁止カード・制限カードが一切制定されなかった。


デジモンカードゲーム(2020年~)

かつてカードダスで展開、現在は主にプレミアムバンダイで販売されている「デジタルモンスターカードゲーム」とはカードサイズも含めて別物。
オマージュしたカードは多い。
リソースを使い切るごとにターンが移行する独特なシステムが売り。


カードファイト!!ヴァンガード(Vシリーズ)(2018年~2021年)

「シンプル」「スピーディ」「キャラクター」をコンセプトに、初代ヴァンガードからルールを一新。
しかし前シリーズ以上の凄まじいインフレに…


カードファイト!!ヴァンガード(Dシリーズ)(2021年~)

更なるジステム変更と共に、メインキャラクター・世界観をも完全一新した次世代のヴァンガード。


遊戯王ラッシュデュエル(2020年~)

遊戯王OCG及び同デュエルリンクスと並行して展開しているタイトル。
立ち位置はMtGから見たデュエマ(要は弟分)のようなものであり、全くの別物として住み分けがなされている。*19

本家である遊戯王OCGと比較すると複雑なテキストのカードはほとんど見られず、相手ターン中に取れる行動もかなり限定されているのが特徴。
その代わりに通常召喚の回数に制限がなく、各プレイヤーはターンの開始時に手札が5枚になるまでドローするという非常に豪快なシステムとなっている。
何もせずともに手札が何枚も補充され、それらを次々に繰り出してタイトル通りのラッシュを決められるという訳である。

直感的に理解しやすいカードやルールを売りにしており、遊戯王世代ではない低年齢層が主なターゲット。*20
分かりやすくも奥深いゲーム性を有しており、カードプールが膨大化し、競技志向の強い現OCGはハードルが高いというプレイヤーからも好評を得ている。


ゲートルーラー(2020~)

フューチャーカード バディファイト』で原作者を務めた池田氏が原作および開発を行うTCG。
様々な特殊ルールを持つルーラーによって、まるで別TCGで対戦しているかのようなプレイフィールをウリにしている。


マジカパーティ(2021~2022)

タカラトミーが鳴り物入りで発売したTCG。
カード自体に特殊な加工が施されており、スクラッチの如く専用ペンで削る事でイラスト・能力が変化するといった代物。


ビルディバイド(2021年〜)

アニプレックス初となるトレーディングカードゲームとオリジナルアニメーションの連動プロジェクトとしてスタート。


ONE PIECEカードゲーム(2022年〜)

バンダイよりスタート。バトルスピリッツ・新デジモンカードにも関わったスタッフがプロデューサーを務めており、ゲームシステムにバトルスピリッツと似通った面が見受けられ、雑誌『カードゲーマースペシャルVol.2』にてバトスピのコアがドン!カードの元ネタと語られている。
キャラクター物ながら優れたゲーム性を持ち、実際に遊んだプレイヤーからは高い評価を受けている。
原作人気の過熱を受けてか人気が集中し、入手困難な状況が続いている。


Shadowverse EVOLVE(2022年4月〜)

DCG『Shadowverse』をカードでプレイしやすいように調整したもの。


デジタルカードゲーム(DCG)

コンピュータやスマートデバイスの中でカードを用いてプレイするカードゲーム。
詳しい説明、および一覧は同項目に譲るので、そちらを参照されたし。


関連用語




コミュニケーション

TCGの想定された楽しみ方としては、コレクションゲームプレイの二つ。どちらも対人コミュニケーションが最大の肝である。

コレクションにおいては、自分が持つ市場の情報とカードプールを照らし合わせ、いかに経済的に効率良く目的のカードを手に入れられるか、相手を説得・納得させられる交渉能力が重要となる。
ただし、明らかに価値の釣り合わない不当なトレード(シャークトレード)はモラルに反する行為であり、場合によってはれっきとした犯罪(詐欺罪)になることもあるので絶対にやってはいけない。
また、高額カードを狙った恐喝や窃盗、そしてカード資産の格差によるいじめといった問題も少なからずあり、不用意にコレクションを不特定多数の人物に見せびらかしたり、持ち歩くことにも危険が伴う。

このようなトラブル防止の為、そしてシングルカード取扱店舗の増加もあり「TCGのトレード行為禁止((ショップ内及び周辺でカードの交換や個人間取引を禁じるという対応が多い。
友人同士(同一グループ)内でのトレードであれば黙認される事もあるが、なるべく来店前に済ませた方が無難。))」という対応を取る店舗・イベントが激増、今やそれが一般化している。おい、トレードさせろよ
「trading」という語に「貿易」、「取引」の意味もあるので、店舗を経由して不特定多数とトレードしていると見ればまだTCGと名乗れそうではあるが……。
TCGの意義を軽視した不合理な対応にも捉えられるが、実際にトラブルや事件が多数起きているのもまた事実である為、このような対応も一概に不合理とは呼べなくなってしまっている。
同じ厚さの1万円札より高価なデッキを持ち寄って、警備員が配備された中で対戦するイベントもあるのだから尚更である。
概要で述べたCCGという呼称を実状にそぐうと評したのは、上述したトラブルから交換要素の強調が難しいためである。
長年TCGを嗜んでいるがトレードをした事がない人も多いのではないだろうか?

こうした事情もあり、TCGの入手方法はパックや構築済みデッキなどから入手するか、カードショップやフリマアプリを使ったシングル販売を頼るかの2種が一般的となっている。
インターネットの普及が進んで、カードの相場が概ね決まるようになった結果、現金で取引してしまった方が手っ取り早いという面もあるのだろう。
フリマアプリなどでは値下げ交渉が出来るものの、「交渉能力を活かして相場より安く……」といった事は事実上不可能。*21
トレードが気兼ねなく行えるのは、気心の知れた家族や友人同士に限られるだろう。

デッキ構築要素に重きを置いてブースターパックなどを用いない(≒固定封入でのみ販売する)タイトルも登場しつつあり、ファンタジーフライトゲームズのリビングカードゲーム(LCG)に分類されるカードゲームはその代表格と言える。
改めて、TCGは長い転換期の只中に置かれていると言えるのである。

昨今のTCG全体の競技性の高まり*22やトレードの禁止、シングルカード市場の広がり等により、『大会での活躍・再録・再販中止等の理由により相場が乱高下する事があるシングルカード市場に一喜一憂する』というプレイヤーやコレクターも多く、カードを株券、カードの売買を株取引に例えられる事もある。

また、子供の頃にTCGを嗜んだプレイヤーが社会人となって、経済力を付けてきた影響もあり、プロモカードや古いレアカードの高騰っぷりが年々と激しさを増している。
古いレアカードを持ってる人は大切にしてほしい。

対戦においても人とのコミュニケーション、特に他者に対する理解力が問われる場合が多い。
対戦が強い人とはすなわち、プレイングもデッキ構築も上手い人である。
プレイングが上手い人というのは単純に自分のデッキを回せるだけでなく、戦局に合った動きができる人である。
当然の事ながら戦局というのは自分(や味方)と対戦相手の二者(以上)によって生み出される。
すなわち、いかに相手の考えを読めるか→理解できるか。そう言い換える事もできる。
デッキ構築においても同様で、環境に対するメタゲームは結局の所、いかに他者が使うであろう=使いたいと思うデッキを予測し、それへの対抗策を適切に講じられるか、と言える。

その性質上、一方的な展開になりやすいソリティア系列のデッキはTCGの根幹を否定するものとして賛否両論あり、またそのようなデッキのキーカードは規制対象にされやすい。


最後に

TCGは対人コミュニケーションの要素が強い為か、トラブルも起こりやすい。
人と人の関わりなので、トラブルが起こらない方がおかしいのかもしれない。
しかし、楽しむためのゲームで不快感を覚えるようでは本末転倒も甚だしい。

特にトラブルの原因となりやすいのが、価値観の相違である。
多様かつ広大なカードプールを持つべきと推奨されているTCGでは、特にそれが表れやすい。
誇りとする点も、妥協する点も、人それぞれ異なる。
大事な事はそれらを頭ごなしに否定したりも、逆に盲信したりもせず、お互いを尊重し合うことである。


――たかがTCG、されどTCG。
TCGで一つの事に囚われ周りが見えなくなった時や、逆に何かを発見し勉強になった時には是非、この言葉を思い出してもらいたい。






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最終更新:2025年02月28日 23:35

*1 TACG(トレーディングアーケードカードゲーム)と呼称・表記する事もある。

*2 『Yu-Gi-Oh! Trading Card Game』、『Pokémon Trading Card Game』、等々。

*3 関連作品や大人向け作品のアニメは制作されている。

*4 ここでの「インフレ」とは、昔に比べてカードパワーが強くなりすぎたことを指す。

*5 ただし、単純な売上で言えば今現在も充分な売上を保っているのだが。

*6 ただし、TCGは劣化しやすく素人では管理が難しい上に美品でなければ価値が激減すること、作品の人気や需要次第で価値が大幅に上下することから、投機の対象にするには不向きとも言える。実際に2020年から2022年頃に高騰したカードの多くが、最高値から下落している。

*7 開封して中身を入れ替えた(レアカードを抜いた)物に再び封をして未開封品に見せかける行為。

*8 当然ながら、これらは詐欺罪や商標権または著作権侵害に問われる犯罪行為であり、摘発・逮捕される者も度々報道されている。また、メーカー・ショップ側も対策を講じている。

*9 もっともスタンダードであれば他のTCGのデッキを1から組むのと大差はない。

*10 MtGは一部フォーマットを除いてデッキの枚数に上限が無く、これでもジョークカードではない。

*11 カードを賭け品にするもの

*12 同名カードもあるが、BANDAI版遊戯王との互換性は無い。

*13 発売から一定期間内に再録されなかったカードが公式大会で使用できなくなるルール。

*14 勿論、全てのデッキが「蘇生」「帰還」に長けているという訳ではないが、それでも汎用性の高いカードが多数存在する。

*15 とはいえコストそのものは召喚・発動の権利自体が厳しかったり、他ゲーでいう追加コストの付いたカードが多いなど、他の形ではむしろ大量に存在する。

*16 さすがに全てのカードがトーナメントで使用される訳ではないが、それでも数百種類のカード・それに伴うコンボを把握する必要はある。

*17 漫画版の連載は2007年と1年前からスタートしており、遊戯王のような原作に出て来るカードをそのまま商品化した物と言えるかもしれない

*18 たとえば、引いたカードのうち欲しいものだけを再装填するなど

*19 カードサイズこそ同じであるが、ゲームの互換性は一切無い。OCGに存在するカードであってもOCGと混ぜて遊ぶ事はできない(逆も不可能)。

*20 OCGプレイヤーの年齢層は1980~2000年代生まれが多いと言われている。

*21 そもそも値下げ交渉を抜きにしても、カードショップのシングル販売より安い。ただし、カードの状態管理や梱包の質にバラつきが激しく、コミュニケーション上のトラブルもあり得る事から、一概にカードショップの上位互換とは言い切れない。

*22 大規模な公認大会のサポートや「チャンピオンシップ(CS)}」と呼ばれる、有志による金品等の報酬を伴う中~大規模大会が頻繁に開催されており、DCGからはeスポーツタイトルへ躍り出ているものもある。