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ギャラクトロンMK2

登録日:2018/03/17 Sat 23:07:35
更新日:2024/09/12 Thu 19:48:04
所要時間:約 5 分で読めます








この項目には映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』のネタバレが含まれています。
























そいつの名はギャラクトロン

さっきお前らが戦ったのはその新型…


『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』 https://m-78.jp/geed/movie/kaiju/


ギャラクトロンMK2だ。


ギャラクトロンMK2(マークツー)とは、『ウルトラマンジード』の劇場映画作品『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』で初登場したロボット怪獣。
かつて登場したギャラクトロンを強化改造した新型ギャラクトロンである。
肩書は引き続き『シビルジャッジメンター』
なお、名前の「マークツー」は項目名の通り「MK2」と表記するのが正しく、「Mk.2」や「MKⅡ」は誤り。

デザイナー:野中剛



概要

身長:61m
体重:6万7千t
最大飛行速度:マッハ5
最大走力:マッハ1
最大ジャンプ力1200m
水中潜航速度:マッハ2.8
地中進行速度:マッハ2.8
腕力:20万t
握力:13万8千t


ギルバリスによって強化改造された新型ギャラクトロン。
見た目の差異としては全身に金色ののようなアーマー装備を纏っている。
通常のギャラクトロンで装備されていたギャラクトロンシャフトやギャラクトロンブレードなどの代わりに人間の様な手足を持っており、これにより近接戦における戦闘効率が向上。
タイマンでは万全の状態のストロングコロナゼロすら小細工抜きで真っ向から圧倒し、
ウルトラマンジード アクロスマッシャーウルトラマンオーブ ハリケーンスラッシュ、ルナミラクルゼロの超高速連続攻撃にある程度対応できる程度*1には素早いなど反応速度も上々。

後頭部にはギャラクトロンシャフトに代わり新たに大斧「ギャラクトロンベイル」を装備。
これは自在に取り外しが可能であり、手持ち武器として扱う事も、トマホークブーメランのように投げ飛ばして離れた相手にも攻撃可能。

その他、ギャラクトロン同様に武装は多く、デジタル魔方陣による空間転移を標準装備。
  • 手先はビームマシンガン「ギャラクトロンゲベール」
  • 手の甲はビームキャノン「ギャラクトロンシュトラール」及び近接格闘用ブレード「ギャラクトロンクリンガー」
  • 拘束光線「ギャラクトロンファング」
などの追加武装を持つ。

肩にある装置からバリアを発生させることも可能であり、スペリオン光線には破られたもののゼットシウム光線レッキングバーストを真っ向から防ぎきった*2

そして胸部からはウルトラマンすら一撃でデータに変換する特殊光線まで発射する。
このデータ化光線はかなり凶悪で、劇中ではほぼ溜め無しで撃っておきながらジード ロイヤルメガマスターを一撃で変身解除に追い込み、そのままジードをデータに変換、一瞬で現実世界から消滅させてしまった。
もしオーブトリニティがサイバー空間に干渉出来るウルトラマンエックスの力を使用出来なかった場合、ジードはそのままデータにされて敗北していた。

一方で格闘戦及び対ウルトラマン戦に特化した影響なのか、『ウルトラマンオーブ』本編のギャラクトロンのように広範囲を焼き払うような遠距離武装は少なくなった。


主な活躍

『つなぐぜ!願い!!』

突如としてジード/朝倉リクのいるサイドスペースの地球「サイドアース」にデジタル魔法陣から出現。
ジードがプリミティブに変身して応戦するが、ジードを軽くあしらった後に姿を消す。

その後、同時期に現れていたジャグラス ジャグラーから事情を聴いたリク達が沖縄で「赤き鋼」を見つけた際に再び出現。
この時は愛琉が召喚したクグルシーサーの奮闘により、再びその場を離脱することになる。

ちなみにこの時はあくまで本拠地サイバー惑星クシアに野暮用で潜入していたジャグラーを追って偵察目的で来ており、
この際に偶然にもギルバリスの探し求めている「赤き鋼=ギガファイナライザー」を発見することとなった。


と、元々前評判としてギャラクトロンシャフトやギャラクトロンブレードがなくなっていた事から、全体的に外見のボリュームが薄くなっていたこともあり、「普通のギャラクトロンより弱そう」などと言われ、
ここまでの活躍的にもやがて予告編で明かされていたようにジード、オーブゼロの3人のウルトラマンによってすぐに倒される中ボスポジション
……と思われていたのだが、







このギャラクトロンMK2……












中ボスなのにマジで強い。







冗談抜きでメッチャ強い。







続く3戦目にて、なんとジード、オーブ、ゼロという3大ウルトラマンの攻撃をことごとく耐えて互角以上の戦いを展開。むしろ3大ウルトラマンを圧倒すらしている。
今回の映画は3大ウルトラマンが全タイプチェンジを披露するのだが、そのほとんどがMK2相手の登場となっている。

技名ジンクスが発動したためかつて通常のギャラクトロンを破壊したゼットシウム光線とレッキングバーストの同時攻撃の直撃に耐えるだけでなく、
これら3大ウルトラマン達の連続タイプチェンジによる怒涛の攻撃にも耐えきるという、かつてのビクトルギエルエタルガーを思わせるほど高い防御性能を見せた*3
お前本当に中ボスか!?


遂にはリクが冷静さを失っていたとはいえ一切攻撃させずにロイヤルメガマスターを変身解除させてしまったり
(焦ったジードをかばった事もあったとはいえ)退却のためシャイニングウルトラマンゼロのシャイニングスタードライヴまでも使わせて、ゼロが再び伊賀栗レイトと一体化しなければならない状況に追い込んだ。

最終的に今までのダメージの蓄積もあり、怒りに燃え目を赤く染めたジードの零距離レッキングバーストによってようやく倒された。
しかし、それでも相打ちに持ち込んでおり、「赤き鋼」を発見した事からジードが20時間のインターバルを過ぎる前にギャラクトロン軍団が来る事態に繋がってしまった。
ただし、同時にMK2の行動がジードに新たな力を与える切っ掛けとなる事に……

ちなみに上記のタイプチェンジラッシュのシーンは予告編第2弾で披露されていたが、
主題歌をバックに3大ウルトラマンが暴れ回るシーンの後にウルティメイトファイナルへの変身が入るため「あ、無双シーンだ」とほとんどの観客が思い込んでいた。

現実はコレである。

一応、予告編にもレッキングバーストで倒したような描写こそあるが、上述したように明らかにジードがやばい状況での一撃な上、
その後のタイプチェンジ組によるMK2への攻撃も、ロボット怪獣という事で量産されていた、またインペライザーのように再生or修理される、
と解釈できたため、まさか1体のギャラクトロンMK2がここまで強いとはほとんどの観客が想像していなかったのである。

なお、上述したタイプチェンジラッシュによる攻撃は演出・描写によってはサンドバッグと揶揄されて賛否両論になることもあるが、
今回のMK2は防御性能だけでなく、きちんとした反撃まで行っていたため、より強さが際立つこととなった。


ウルトラマンタイガ

第3話「星の復讐者」に登場。
九条レントという地球人がウルトラマントレギアから与えられた力で変身する。その為本来のギャラクトロンMK2とは似て非なる存在の可能性がある。

レントは宇宙飛行士であったが、本話冒頭、滞在していた宇宙ステーションにコズモテクニカという企業が打ち上げたロケットが衝突する事故が発生。
この事故で同じく宇宙飛行士である妻のナナと共にレントも死亡するが、実はこのロケットは上記の企業の社長・今里が自分の誕生日祝いという個人的な理由で打ち上げさせたもので、
人の命を顧みない自己顕示欲で自分だけでなく妻まで死なせた今里を憎んで死んでいった事に目を付けたトレギアに、仮の命とギャラクトロンの力を与えられて蘇生。
事故の元凶である今里に名前を出して殺害予告を出し、復讐しようとした。

当初は今里を魔方陣で宇宙に放逐しようとするものの、工藤ヒロユキと宗谷ホマレに妨害され失敗。
ヒロユキの説得で揺らぎかけるが、霧崎=トレギアの言葉で暴走、ギャラクトロンMK2に変身し、人工衛星をハッキングして地上に落とそうとする。
それを阻止すべくヒロユキが変身したウルトラマンタイガとの戦いでは、ヒロユキがレントを傷付ける事をためらった事もあり圧倒するも、
ウルトラマンタイタスに導かれたナナの魂によってレントの魂がギャラクトロンから分離し、彼女との語らいで憎しみから解放されたレントが彼女と共に昇天。
抜け殻となりながらも残った憎しみの力だけでギャラクトロンは破壊活動を続けるが、タイガからバトンタッチしたタイタスにギャラクトロンベイルをパンチ一発で砕かれた挙句、そのまま吹っ飛ばされ
なおも立ち向かうもタックルでまたしても吹っ飛ばされ、止めに「レッキングバスター」を喰らい爆散。
落ちてきた人工衛星も旭川ピリカによって大半が大気圏で燃え尽きるルートに軌道が変更され、アクセス不能になった1機もタイタスに破壊され、事なきを得た。

なお、今里はこんな事態となっても反省する様子すらなく、「九条夫妻の慰霊碑をロケットで送る」という無神経極まりない*4企画を出そうとしたが、
あまりにも身勝手かつ無責任な言動に遂に堪忍袋の緒が切れたホマレにぶん殴られた他*5、依頼完遂で渡した小切手も彼を軽蔑した佐々木カナの手で破り捨てられている。
なお、今里の下の名前は何の皮肉か「光」である(読み方は礼堂ヒカルと同じ。さすが名前被りに定評のある円谷プロダクションである)。
そういった意味では今里はトレギアの言う「光が正義だと…誰が決めた!?」という言葉を体現した男と言える。


その後、第24話「私はピリカ」にて霧崎がギャラクトロンリングを実体化させる形で召喚。タイガとウーラーをおびき寄せるための餌として放つ。

タイガが早速応戦するも終始優勢を保ち、新必殺技の「タイガエメリウムブラスター」を受けても殆ど無傷だったが、技を受けて怯んだところをアリジゴクのように地中へと引きずり込まれ、ウーラーに捕食される形で倒された。
この時ギャラクトロンMK2は咄嗟にデジタル魔法陣での脱出を試みたものの、ウーラーを振りほどく事ができず、機能停止に追いやられてそのまま餌にされてしまった。


ウルトラマンZ

第16話「獅子の声」にてギャラクトロンMK2の怪獣メダルが登場。
ベリアルメダルを失った寄生生物セレブロが狂ったように手持ちの素材を片っ端からぶち込んでガチャを回したメダルを製造した時に入手。
同じ過程で手に入れた「ギルバリスメダル」 と共にホロボロスに投与されてメツボロスへと変貌させた。

なお、劇中ではこのエピソードまでにギャラクトロンMK2は登場していなかった為、セレブロがどこでギャラクトロンMK2の素材を入手したのかは不明。
元々セレブロが持っていたのか、それともギルバリスとの間に共通するパーツがあってそれをたまたまセレブロが回収していたのか……


ウルトラマンデッカー


これって、基地の周りに落ちていた残骸!?

スフィアが自分の器にするために集めてたのか……!?

第19話「月面の戦士たち」にて登場。肩書もスフィアジャッジメンターに変更されている。

スフィアソルジャーが月面にそのまま放置されていたギャラクトロンMK2と融合、ギャラクトロンシュトラールでウルトラマントリガーとウルトラマンデッカーのいるTPU月面基地を攻撃する。

崩壊寸前で巨大化し脱出した2人はギャラクトロンMK2に立ち向かうが、相変わらずの装甲強度の前に苦戦。ギャラクトロンシュトラールで滅多打ちにされる。
トリガー スカイタイプの回ればなんとかなる戦法で翻弄させ、デッカー ミラクルタイプの「デッカーサイキック」で無数の岩石を落下させて動きを封じるものの、今度はギャラクトロンクリンガーからの衝撃波を受けてしまう。
デッカーはストロングタイプにチェンジしてトリガーと共に接近戦に持ち込むが、あっさり斬り払われ、胸部からの拡散光線により致命傷を負ってしまう。
とうとう明滅するカラータイマー。それでもトリガー=マナカ ケンゴは世界中の笑顔を守るために、デッカー=アスミ カナタは未来の子孫であるデッカー・アスミとの約束のため……
否、スフィアを呼び寄せた張本人でありながらも彼の親友でもあるアガムスを救い、守りたいものを守るために立ち上がる。

そして両者はグリッタートリガーエタニティとデッカーダイナミックタイプにチェンジ。
デッカーはウルトラデュアルソードで、トリガーはグリッターブレードで光の剣戟を幾度も浴びせてギャラクトロンMK2を追い詰めていく。
間合いを取った後でデッカーはウルトラデュアルソードをトリガーに渡し、デッカーシールドカリバーを手に更に攻撃。
止めにグリッタートリガーエタニティのウルトラディメンションカードをウルトラデュアルソードにリードしての必殺技と、デッカーシールドカリバーの同時攻撃でギャラクトロンMK2を撃破するのだった。


余談

  • 上述したようにギャラクトロンシャフトやギャラクトロンブレードがなくなっているのだが、それにより非常に素早い動きに繋がっており、近接特化の改造としては大成功と言える。
    というか今回もそうなのだが、上述した装備は斬られたり引っこ抜かれたりされるのが常だったので、そうされるくらいなら最初からなくして取り外し可能武器に変えるという改造は理にかなっていると言える。
    実際、ギャラクトロンMK2はゼロのエメリウムスラッシュでバリア発生装置を破壊されたくらいで部位破壊はほとんどされていなかった。

  • デザイナーの野中氏曰く「僕の脳内設定としては『対ウルトラマン用にカスタムされた個体』なので頭にも刃物がついている」とのこと。
    坂本浩一監督も「全宇宙のギャラクトロンから収集したデータで強化されている」という旨の発言をしているため、上述したカスタマイズもサンダーブレスターなどとの戦闘データを元にしているのだと思われる。

  • 上述した活躍から「最終決戦時のギルバリスよりも強く感じた」という感想も少なくなかった。
    ギルバリスはギルバリスで強さを見せているが、やはりMK2の活躍自体に驚いた観客が多かったようだ。

  • スペックをよく見ると飛行速度と走力以外のスペックは主たるギルバリスの戦闘形態を上回っている。
    もちろん、ギルバリスとギャラクトロンMK2は戦闘方法・運用自体が異なるため単純なスペック比較はできないが。

  • ギャラクトロンMK2の着ぐるみはツルギデマーガのようにギャラクトロンのパーツ差し替え式となっている(撮影時間の有効活用のためでもある)。

  • その後の再登場時は『つなぐぜ! 願い!!』の時ほどウルトラマンを苦しめてはいなかったが、万全の状態から1対1の真っ向勝負で劣勢に陥った事はなく、弱体化したところを狙うことで倒す、ウルトラマン2人が最強形態にチェンジして押し切るなど、シリーズ屈指の強敵であることには変わりない。

  • フィギュアとしては、映画公開当時にウルトラ怪獣シリーズでソフビ人形化されており、ギャラクトロンベイルを手にした状態で造形されているが全体的にディティールが甘く、あまり良い出来ではなかった*6
    一方で、中国限定で発売されている組み立て式玩具『超甲英雄』シリーズでまさかの可動フィギュア化を果たしており、こちらはギャラクトロンベイルの脱着ギミックがあったり、一部塗装の省略や多少のディティール省略があるとはいえ、中々良い出来となっている。


追記・修正は目を紅く光らせながらお願いします。


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最終更新:2024年09月12日 19:48

*1 CG合成の都合もあるかもしれないが、一部攻撃にはギャラクトロンベイルで対応している。

*2 ちなみにスペリオン光線はすぐにバリアを破ったのに対して、後者2つにはそれより長く耐えている。不遇気味だったスペリオン光線の久々の活躍である。

*3 より厳密に言えば硬い・タフネスだった両者と比べるとボディで防御可能な攻撃はそのまま受け止め、それ以外の攻撃はバリア・ギャラクトロンベイルで的確に防御しているというべきか。

*4 九条夫妻は今里の個人的な理由で打ち上げたロケットが原因で命を落としたのであり、彼らを慰霊するというお為ごかしでロケットを打ち上げるなど、控えめに言っても死者への侮辱でしかない。

*5 当初は今里の敬語に対して疑念を抱いたヒロユキを「依頼人の人間性は関係ない」と窘めたが、前述の通り今里に鉄拳制裁した後は「これじゃまるで、あの熱血バカじゃねえか」と苦笑していた。

*6 翌年同シリーズで発売された通常ギャラクトロンと比べると、尚更出来の悪さが目立ってしまう。