登録日:2009/05/26 Tue 19:43:12
更新日:2024/11/10 Sun 19:38:14
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チルノとは
東方Projectに登場する妖精である。
東方紅魔郷2面を皮切りに、東方妖々夢1面、東方文花帖Level2、東方輝針城1面と多くの作品にボスや中ボスとして登場した。
(2024年9月の時点でなんと全14作品!)
また東方花映塚、東方非想天則、妖精大戦争、東方天空璋では自機として登場している。つまりあたいったら最強ね!モードのチルノを拝めることも(プレイヤーの実力次第なのは内緒)
【概要】
種族 |
妖精 |
登場作品 |
『紅魔郷』2面ボス |
『妖々夢』1面中ボス |
『花映塚』自機 |
『文花帖』書籍/LV2 |
『三月精』準レギュラー |
『求聞史紀』解説 |
『非想天則』自機 |
『妖精大戦争』自機(主人公) |
『求聞口授』記事 |
『輝針城』1面中ボス |
『弾アマ』1日目 |
『天空璋』自機 |
『茨歌仙』45話 |
『グリウサ』参加者 |
二つ名 |
湖上の氷精(紅) |
氷の妖怪(妖) |
氷の小さな妖精(花・三) |
不自然な冷気(文) |
氷の妖精(求・非) |
湖の氷精(輝) |
溶けない炎天下の氷精(天) |
能力 |
冷気を操る程度の能力 |
氷を操る程度の能力(輝) |
危険度 |
低 |
人間友好度 |
普通 |
遭遇頻度 |
激高 |
主な活動場所 |
霧の湖 |
主な遭遇場所 |
どこでも |
主な遭遇時間 |
いつでも |
テーマ曲 |
おてんば恋娘(紅魔郷) |
おてんば恋娘の冒険(花映塚) |
氷の妖精で紅魔館近くの湖に住んでいる。家は氷で作ったかまくら(エスキモーハウス)。
よく蛙を氷漬けにして遊んでいて、家の中にも転がっている。
しかしあまりにも調子に乗りすぎて、沼の大ガマに丸呑みにされたことがある。
妖精は力が弱い存在だがチルノはその中でも強い力を持つほう。(幻想郷全体から見たらチルノも弱い方だが)
その為行動範囲が他の妖精よりも広く、様々な人にイタズラをしている模様。
因みに、東方紅魔郷のみ、
ZUN帽を被っていた。(
リボンと言う説もあるが判別は不可能)
髪の先端はウェーブ気味だが二次ではよく無視される。
というか、三月精でもウェーブではなくシャギーだったり。
東方紺珠伝に登場した
クラウンピースは妖精でありながら同作の5面ボスを務め、その強さでプレイヤーに
トラウマを植え付けたことから、
チルノの妖精最強の称号は実質的に返上していると言われることも多い。
しかし、紺珠伝における
クラウンピースの異常な強さは、純狐の純化能力で強化されていた為であり、
実力主義者のヘカーティアに一目置かれているので強いのは確かであるが、素の実力がどの程度であるのかは未知数である。
それに加えて、地獄の妖精である
クラウンピースは暑さに強い耐性を持つが、寒さはすこぶる苦手であり、敵として見るならばチルノは中々に相性の悪い相手である。
チルノと
クラウンピースは光の三妖精を通じてすでに面識があり、仲は良好である。
クラウンピース曰く、チルノは生命力の象徴である妖精でありながら、本来生命が忌避する冷気という要素を独占しているので、特別な力を持っているらしい。
それが後述するやばい奴だったりすることの伏線だったり…?
名前の由来は恐らくチルドからと思われる。
また、チルノはイタリア語読み(本当は男性名なのは内緒)なので、それを考えると、活発な性格だからcircolare(🇯🇵🗣︎:チルコラレ▶︎{動詞の原形}動き回る)に由来しているかもしれない。
※原形と書いたけど、イタリア語は動詞の活用が100通り近くと非常に多く、誰が主語か・時制・事実を述べるか想像してることを述べるかなどで、動詞が活用しまくったりします。
これがイタリア語の難関ポイントで挫折する学習者も多かったりします。慣れるまではとりあえず頑張って活用表見て歌いながら動詞の活用を覚えていきましょう。
【何故チルノはバカと呼ばれているのか】
バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ
元々は彼女がバカだというのは、紅魔郷で彼女のスペルであるアイシクルフォールeasyで彼女の真正面に安地が存在したことや、
紅魔郷のおまけ.txt等から生まれた二次設定だった。
しかしその後…花映塚のマニュアルとキャラ設定.txtにおいて神主(
ZUN)からバカと紹介されたり、
求聞史紀においてどんな謎々にも答えられないと紹介されたことから公式設定になったものである。
実際にはチルノに限らず妖精全般、頭が弱いはずなのだが何故かチルノばかりバカ呼ばわりされている。
東方三月精でもバカに描かれており、神社でのかくれんぼで魔法の森まで隠れに来るという荒業で仲間の妖精達を困らせていた。
そして同時に、鯉が苦しまないよう鯉の周りだけを凍らせるという高等技術"カープボール"を披露している。
おそらくカエルに対してもそうしているのだろう。
強くて優しい女の子、それがチルノである。
でもそれだと酸素が無くなって余計に苦し(ry
非想天則ではストーリー付きで自機として使用可能。対戦台詞では意外と鋭いことを言ってのけたりする。
でもゆかりんにそれを言ってはいけない……。
負けると当たり前の様に馬鹿にされる台詞が多い。
バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ⑨バカ
【二次設定】
基本的にバカ成分強め。
よくリグル、ミスティア、
ルーミア等と一緒にバカルテットと呼ばれる。
また大妖精やレティとも仲が良い(公式設定においては仲が良いわけではない)。
ただし大妖精やレティ、バカルテットの組み合わせで仲良くしている場面は書籍や格ゲータイトルの背景などで何度か描かれていることもあり、明言は無いが公式で取り入れている可能性は高い。
ケロちゃんこと諏訪子の登場でカエルネタが再燃した模様。蛙の氷づけ遊びを怒られることも。
彼女が自称最強と呼ばれるのは、本編で彼女が発した
「あたいったらさいきょーね!」という台詞から来ている。
また、彼女が⑨(まるきゅー)と呼ばれるようになったのは、
前述の花映塚でのマニュアルの画面写真でチルノに9番という数字が振られ、その9番目の説明に「バカ」と書いてあった事から付けられた愛称である。
非想天則のマニュアルの画面説明でも体力ゲージ等の説明に混じって⑨-バカと書いてある。
妖精大戦争の弾幕を凍らせ無効にしたり、とあるメインキャラに善戦したことから、最強の妖精扱いの流れが大きくなっている。
紺珠伝以降は
クラウンピースが登場したこともあってか、最強扱いされることは少なくなったようだ。
また「体が氷でできていて暑くなると溶ける」という設定も多く、二次設定とすら思われていないほど定着していたが、
本編でも本来は暑さに弱いと思われる発言はあるものの『東方非想天則』では騙されて温泉のボイラーに侵入しても「暑い!」と叫んで飛び出すだけで済んでいたり『東方天空璋』では日焼けした。
現在はそうでもないが、チルノの名前を検索すると本当に実在するチルノさんの名前が引っかかることもしばしばあった。
ちなみに彼女のテーマであるおてんば恋娘はかなりの頻度でアレンジされていて…電波な曲が多い中、ガチ曲も多い。
【⑨と「あたいったらさいきょーね!」の秘密】
※ここからの話はメインディッシュ以外はめちゃくちゃ難しい話が含まれているので、どうしても分からない方は無視しても構いません。
…とまぁ、チルノについて色々と述べてきたが、⑨と「あたいったらさいきょーね!」にはとんでもない秘密があると考えられる。(皮肉でも何でもなく本当の意味で)
それがうかがえるのがズバリ「神曲」。イタリアの詩人ダンテ・アリギエリが著した超有名な長編詩であり、以前はキリスト教の死後の世界は「新約聖書」ですら明確には述べられてなかったものを、死後の世界はこうであるよっていう考え(特にイタリア人の死生観はまさにそれ)が明確に描写された。あらすじとしては、主人公ダンテが地獄→煉獄→天国で遍歴したものをまとめている。イタリアでは「神曲」が一般常識であり、学校ではそれを読みながら、道徳について見識を深めていくのが一般的である。
ここでの地獄や煉獄はみんながイメージしているものでだいたいあってる。責め苦はないが恵みもないリンボも地獄の1つに入るけど。
天国は非常にスケールが大きく、それはなんと月から宇宙の果てまでまである。その宇宙の果ての終着点にはエンピレオというキリスト教の唯一神ヤハウェがこの世をコントロールする天界がある(クリスチャンに怒られるのを覚悟で書きました。すみません)。天国に憧れを持つイタリア人は多く、あの天文学者のガリレオ・ガリレイも「神曲」を読みふけったという。そのおかげで、イタリアは天文学に非常に強かったりする。
「神曲」の世界観は概ねこんな感じだが、詩ということで3の倍数に関わる技法にも非常にこだわっているのも大きな特徴。
詩の全体構成は聖なる数字の3の倍数にとにかくこだわり、部は「天国篇」・「煉獄篇」・「地獄篇」の3部になされたり、歌もそれぞれの篇に33歌が割り当てられたり(総序だけは1歌分あるけど。これは後述する三位一体を意味している)、その歌も3行分でひとまとまりになったりしている(歌が3+1行になっているところもあるがそれも三位一体を意味している)。このように三位一体の3ということで聖なる数字としては3が選ばれた。
※三位一体は、キリスト教の世界では一般常識で、唯一神ヤハウェが父(神=ヤハウェ)・子(イエス)・聖霊に姿を変えて現れたものとする教理。三位一体の理解はめちゃくちゃ難しいし、一部から怒られるかもしれないが、東方オリキャラたちがA(ネット上での自分), B, Cとして、その中の人をDとすると、Dがヤハウェで、Aは父、Bは子、Cは聖霊といったポジションって言った方が少しは分かりやすいか。
さて、メインディッシュとなる話だが、この3の倍数は「神曲」の地獄の最下層、つまり第9層の地獄はコキトス/コキュトス/コチトという名の氷の世界と呼ぶべき地獄である。そこでは最上級の罪である裏切りを行った者が、首まで一瞬で氷に漬かり、筆舌に尽くし難い寒さに永遠に苦しむという。神に背き腰まで氷漬けの状態でコキトスに閉じ込められた魔王サタンが登場するのがヨーロッパで非常に有名。裏切り者を襲っている状態で上半身以外はカチンコチンにされて身動きが取れない状態であった。地獄の長であるはずのサタンでさえ氷に閉じ込められるコキトスは一体…!?それを足台にして煉獄へ向かっていくところで第1部の「地獄篇」は終了。
※コキトスは現代ギリシア語読み(🇬🇷: Κωκυτός)、コキュトスは古代ギリシア語読み(🏛🇬🇷: Κωκυτός)、コチトはイタリア語読み(🇮🇹: Cocito)である。誤解されやすいが、ギリシアではコキトスは冥界の川というイメージであり、イタリアのような氷の世界というイメージはあまりない(ギリシアは「神曲」があまり広まらなかったため)。とりあえずコキトスもイタリアの話として考えよう。
ここまで読めば、チルノというイタリア語読み・⑨・「あたいったらさいきょーね!」と、ダンテの「神曲」を照らし合わせると、チルノの元ネタはコキトスであると考えられる。そして、チルノの見る目が変わるのではないだろうか。
そう、チルノは「神曲」のコキトスを元ネタとして考えると、以下のような恐るべき秘密が秘められていることが分かるはず。
- 第9層という最上級の地獄コキトス
- 超極寒すぎる氷の世界
- あの地獄の長である魔王サタンでさえ氷漬けにする世界
- 「地獄篇」での大トリとなるコキトス
したがって、それを考えると、チルノが「あたいったらさいきょーね!」をネタで言っているとはとても思えない。
あの幻想郷最強とされているへカーティアからも一目置かれているチルノの実力は、下手すると最上級の地獄であるコキトス並にすごいかもしれない。1部の作品で自機に選ばれ、プレイア次第だが最強の妖精と呼んでもおかしくないレベルで無双しまくるチルノが見れるのは、コキトスのおかげなのかもしれない。
●参考文献
Anonimo, La Divina Commedia di Dante Alighieri, 1830.
Antonino Pagliaro, Ulisse. Ricerche semantiche sulla Divina Commedia, 1967.
Bruno Nardi, Saggi e note di critica dantesca, 2013.
Carlo Ossola, Introduzione alla Divina Commedia, 2012.
D'Arco Silvio Avalle, Modelli semiologici nella Commedia di Dante, 1975.
Ernesto Giacomo Parodi, Poesia e storia nella "Divina Commedia", 1965.
Stefano Carrai, Dante e l'antico. L'emulazione dei classici nella «Commedia», 2012.
ついき・しゅうせいなんていらないよ!さいきょーだし!
- チビ -- 名無しさん (2013-07-28 16:23:45)
- 同じ氷属性のグローザムも(自称)不死身 -- 名無しさん (2013-09-07 11:13:01)
- 炎の妖精と化したのをキムチルノ、雷の妖精と化したのをパチチルノと呼ぶとか -- 名無しさん (2014-01-13 19:34:18)
- ↑アチチルノじゃないのか -- 名無しさん (2014-01-13 19:37:03)
- ナインボール・チルノとか俺得だったww -- 名無しさん (2014-01-13 20:18:15)
- 仮面ライダーレンゲルも氷使いで自称最強だよな -- 名無しさん (2014-05-25 09:06:29)
- ⑨ -- 名無しさん (2014-07-03 12:51:45)
- ↑修正が必要だ…。 -- 名無しさん (2014-09-11 21:47:56)
- 二次創作になるけど歴史ゲームだととてつもない活躍をする事でも有名だよな -- 名無しさん (2014-09-11 23:00:43)
- 俺の嫁。異論は認めるが譲らない -- 名無しさん (2014-09-19 21:02:36)
- YC1(やっぱりチルノちゃんが一番可愛いです) -- 名無しさん (2014-11-20 14:00:16)
- 輝針城では仁王立チルノ -- 名無しさん (2014-12-21 22:53:13)
- 妖精としては強い力を持っているチルノは、『妖精』の枠からはみ出し、『妖怪』の域に片足を突っ込んでいる……らしい。 -- 名無しさん (2015-01-01 19:21:51)
- ↑氷属性のドラゴンの血をこいつにぶっかけたらどうなるかなぁ… -- 名無しさん (2015-01-11 21:52:22)
- 油断すると結構ピチュる -- 名無しさん (2015-01-11 22:36:15)
- 荒廃した自然を、妖精達を再生する。それがあたいの使命 -- 名無しさん (2015-01-31 02:03:17)
- まさかの・・・ -- 名無しさん (2017-04-20 22:42:40)
- ・・・日焼け -- 名無しさん (2017-04-21 00:16:53)
- 日焼けしたチルノかぁ。昔のカプコンやSNK格ゲーの裏キャラを思い出したわ -- 名無しさん (2017-04-21 00:32:15)
- 日焼けという普通の単語なのにこのインパクト -- 名無しさん (2017-05-17 19:27:04)
- 蓬莱人と逆の変化を辿っているような。 -- 名無しさん (2017-10-19 14:01:18)
- 天空璋のチルノヤバいな。磨耗し暴走寸前で記憶が混濁してもなお悲壮感を感じさせずエンジョイしてる。エミヤを鏡に写したようだ -- 名無しさん (2018-08-28 04:34:41)
- 氷の妖精だから自然と「暑くなると溶ける」という設定を、日焼けしたチルノが出るまで二次設定だと気づきもせずに受け入れていた -- 名無しさん (2019-07-08 21:42:05)
- チルノTシャツっていくらぐらいだっけ? 霜降りの粗品がこのTシャツ着てたので。 -- 名無しさん (2019-08-15 12:14:49)
- ねんどろいどの土台もまる9 -- 名無しさん (2022-08-10 12:26:13)
- 他の妖精は皆英単語2つの組み合わせなのにチルノだけはその法則から外れている -- 名無しさん (2024-08-09 15:34:51)
- 愛すべきバカというか、iceべきバカかな -- 名無しさん (2024-11-10 19:38:14)
最終更新:2024年11月10日 19:38