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- 2019/01/25 掲載
【CES2019現地レポ】IDCが予言、スマートウォッチはあの業界がヤバい
これからのスマートウォッチは“スマホとは関係ない”
今年のCES期間中に開催されたIDCのアナリストによるサミットで、各専門分野のスペシャリストがニューテクノロジーに関する分析を報告した。ウェアラブルについての見通しを語ったのはIDCのモバイルデバイス・ARVR部門のリサーチディレクター、ラモン・リャマス氏だ。スマートウォッチは第一世代では単なるスマホの拡張であり、単純なお知らせや歩数計のようなフィットネスのトラッキングなどに利用されていた。しかしそれから世代を重ね、現在のスマートウォッチはコミュニケーション、身体の状況のより精査な分析など、より複雑で利用価値のある機能を備えるようになった。最も重要なのはスマートウォッチが他者やシステムとのインフォメーションを共有し、利用者にとって最も重要な情報のソースとなりつつあるという点だ。
リャマス氏によるとスマートウォッチはまだWi-FiやBluetoothによるスマホなどとの連携が主流ではあるが、今年中にスマートウォッチの46%は携帯データ回線を内蔵するようになるという。また現在利用されているスマートウォッチアプリで最も人気があるのは天気予報(78%)、ヘルス関連(77%)、タスク・マネジメント(71%)となっている。
理想的な3つのビジネス活用法
リャマス氏は友人のスマートウォッチの利用例を説明しながら、ビジネス目的に応じてカスタマイズされたデバイスの利点を説明した。
まずはホテルマネージャーである友人。ホテルスタッフとのコミュニケーション、タスク・マネジメントのアプリを入れることで、仕事の効率化に役立てている。たとえばある客室から依頼があるとする。依頼はデバイスを通してすべての従業員に通達され、それに対し誰がどのように対応するのか、という返答もデバイス上に残される。マネージャーとしては従業員が客からのリクエストにいかに迅速かつ最適な対応を行ったのかをその場で、デバイス上で確認することができる。これによりマネジメントの効率を上げることに成功した。
次に医師である友人。患者との問診をデバイスが録音し、それをPCに転送し、AIアシスタントを利用することで自動的にカルテが作成できる。これにより医師の事務作業が劇的に減り、仕事の効率化につながった。さらに患者がスマートリストバンドを装着することで患者の脈拍、血圧などを集中管理し、容態の急変が起こった時に迅速に対応することも可能だ。
営業マンの場合、スマートウォッチとスマートアシスタントを組み合わせることで、アポイント確認と告知、スケジュール管理、必要なレストラン、ホテル、航空機の予約などもボイスコマンドのみで行える。このようにビジネス目的に応じたアプリを備えることで、スマートウォッチは便利で効率的なビジネスツールとなる。
【次ページ】今後スマートウォッチ活用が進む分野はどこ?
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