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ラインナップは全18タイプ! 「マツダCX-80」のベストバイを検証する

2024.10.16 デイリーコラム 工藤 貴宏
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組み合わせは全18種類

3つのパワーユニットがあって、2つのドライブトレインが用意され、装備グレードは合計8つ。さらには2列目シートのつくりも3タイプあり、それらの組み合わせで合計18ものバリエーションを展開するのが話題の「マツダCX-80」。そのなかでベストバイを探せ! というのが今回のコラムの主題だ。

とはいえ、ベストなグレードなんて同じクルマにおいても予算や使い方によって全然違う。そこで今回は、まずは個人的主観で選びつつ、「こういう人はこれがいいんじゃない?」的な補足をつけて進めていこうと思う。

まずはパワーユニット。CX-80にはモーターなしディーゼルの「XD」とモーター付きマイルドハイブリッドディーゼルの「XDハイブリッド」、そしてガソリンエンジン+強力モーターのプラグインハイブリッドの「PHEV」の3タイプがあるけれど、イチオシはモーターなしディーゼルのXD。言い方を変えれば、オススメは最もベーシックなパワートレインだ。

理由は2つ。ひとつは「素の(モーターなしの)ディーゼル」でも性能は十分だから。もうひとつは、モーターが付くと車両価格が急激に上がってコスパが激落ちするからだ。

確かに、同じディーゼルエンジンでもモーターが付くXDハイブリッドだとエンジンが高出力タイプ(XDのエンジンとは単に制御が異なるだけではなく冷却系なども違う)となり、最高出力だけでなく低中回転域のトルクもアップする。モーターが付くことで走行中(アクセル中立状態や減速時)のエンジン停止も頻繁に行われ燃費も明らかに良くなる。

だけど、乗ってみれば素のディーゼルでも十分だってことがよく分かる。最大トルクは500N・mもあるから発進加速が楽だし、6気筒らしい精密感やスムーズさも味わえる。燃費だって高速道路なら20km/リッターに届くほどで十分。単なる廉価パワートレインではないのだ。グイグイ走れる。

日本では2024年10月10日に発売された「マツダCX-80」。エンジン縦置きのFRプラットフォームを使った、マツダの新たなフラッグシップモデルだ。
日本では2024年10月10日に発売された「マツダCX-80」。エンジン縦置きのFRプラットフォームを使った、マツダの新たなフラッグシップモデルだ。拡大
パワーユニットは3.3リッター直6ディーゼルエンジンと、同じエンジンのマイルドハイブリッド版、そして2.5リッター4気筒を核としたプラグインハイブリッドの全3種類をラインナップする。
パワーユニットは3.3リッター直6ディーゼルエンジンと、同じエンジンのマイルドハイブリッド版、そして2.5リッター4気筒を核としたプラグインハイブリッドの全3種類をラインナップする。拡大
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モーターの有無による価格差が大きい

車両価格は、XDの最上級グレード「エクスクルーシブモード」が507万1000円で買えるのに対し、モーターが付くXDハイブリッドは「エクスクルーシブスポーツ」の582万4500円から。約75万円も違う。ハイブリッドは後輪駆動がなく全車4WDになってしまうという背景もあるけれど、4WD同士で比べても50万円以上の価格差があるのだ。

そこまで違うなら、モーター付きまでは欲張らず、モーターなしのディーゼルを買ったほうがいいと筆者は思う。いくら燃費が良くても、その価格差を燃料代で埋めるのは難しい。繰り返すが、ドライバビリティーだってそう大きく違わず乗り味に劇的な違いはない。だったらXDでいいじゃないか。ハイブリッドになるとタイヤの周囲や車体下部の樹脂部品がボディー同色になってより高級に見えるのはうらやましいけど。

いっぽうPHEVは、確かに高回転の盛り上がりとか、音の静かさとか、ディーゼルにはないメリットもある。速さだってある。それに、家に充電環境があれば日常域はガソリンをほぼ使わずに走れるというお財布と地球にやさしい面もある。だけど、価格は639万1000円から。なかなか高い。

ただしPHEVの場合は国からの補助金が55万円交付され、さらに東京都の45万円(国と合計で100万円!)など自治体ごとの補助金が用意されている地域もある。もしそんな地域に住んでいるラッキーな人でディーゼルよりもガソリンエンジン(マツダのラージプラットフォーム用PHEVはハイブリッドとはいえガソリン車に近いフィーリングが特徴)が好きという人は、PHEVを選んでもいいだろう。

ボディーの全長は4990mmで全幅は1890mm。前任の「CX-8」よりも90mm長く、50mmワイドになった。
ボディーの全長は4990mmで全幅は1890mm。前任の「CX-8」よりも90mm長く、50mmワイドになった。拡大
「PHEV」は容量17.8kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTCモード計測によるEV走行換算距離は67kmと公表されている。
「PHEV」は容量17.8kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTCモード計測によるEV走行換算距離は67kmと公表されている。拡大

飲み会を一度ガマンできるなら

じゃあ、グレードはどうするか。

パワートレインを素のディーゼルとするならば、イチオシは「Lパッケージ」だ。ひととおりの上級装備を備えたうえで、シートだってレザー。欲張らなければ、装備面はこれで十分だと思う。

ただ、財布に余裕があれば約30万円をプラスしてエクスクルーシブモードとするのもアリ。シート表皮がナッパレザーになるのに加えてベンチレーション機能が加わり、BOSEのオーディオシステムも標準装備になる。インテリアの仕立ても良くなるから満足度も高い。

もしローンで購入するのなら、Lパッケージとエクスクルーシブモードの両方の見積もりを取ることをオススメしたい。なぜなら、契約年数などの状況によっては両グレードの毎月の支払金額にそう大きな違いがないこともあるから。何を隠そう、筆者の愛車である「CX-60」のグレードはエクスクルーシブモードだが、そのワケは当初狙っていたLパッケージに対して毎月の支払額アップがわずか“一回の飲み代ほど”しかなかったから。それならエクスクルーシブモードを選ぶでしょ!

特に残価設定ローンだと、グレードによるリセールバリューの差から毎月の支払額の差は圧縮される傾向にある。

というわけでCX-80のイチオシグレードはXD Lパッケージ。状況によってはXDエクスクルーシブモードだ。

「CX-80」の価格帯は394万3500円から712万2500円までと非常にワイドだ。
「CX-80」の価格帯は394万3500円から712万2500円までと非常にワイドだ。拡大
これは「プレミアムモダン」のホワイトナッパレザーインテリア。もちろんグレードごとの差はあるものの、最新のマツダ車だけにどれを選んでもがっかりすることはないはずだ。
これは「プレミアムモダン」のホワイトナッパレザーインテリア。もちろんグレードごとの差はあるものの、最新のマツダ車だけにどれを選んでもがっかりすることはないはずだ。拡大

同じ6人乗りでも2タイプあり

実はCX-80の場合、グレード選びにはもうひとつのアプローチがある。それは乗車定員(2列目シートの形状により異なる)からのセレクトだ。CX-80には7人乗り(2列目が3人掛けのベンチシート)と6人乗り(2列目が左右独立した2人掛けのシート)があり、後者にはさらに「センターウォークスルー」と「キャプテンシート」の2タイプがある。

「どうしても7人乗りが必要」であれば選ぶ余地はないが、オススメはやっぱり6人乗り。「Lパッケージ」「エクスクルーシブモダン」「プレミアムモダン」そして「プレミアムスポーツ」が6人乗りだけの設定。「エクスクルーシブスポーツ」と「エクスクルーシブモード」が6人乗りと7人乗りを選択可能。そして「Sパッケージ」と「XD」は7人乗りのみとなっている。

そして6人乗りのなかでも、センターウォークスルータイプとなるのはLパッケージのみ。ほかは大型センターコンソールを備え、リクライニング調整が電動式で、ベンチレーション機能も備える上級タイプのキャプテンシートだ。後席の快適性でいえば断然このキャプテンシートがいい。いっぽう、3列目を使う頻度が高いのなら2列目シートを動かさずに3列目へアクセスできるセンターウォークスルータイプが便利だろう。

シートに関していえば好みと使い方に合わせて選べばいいが、グレードでいえばコスパ(単に安いという意味ではなくて価値とのバランスなのは言うまでもない)まで含めてオススメなのはセンターウォークスルーで6人乗りのXD Lパッケージ。より上級を求めるならば7人乗りに対して14万3000円アップとなるがキャプテンシートを装備するXDエクスクルーシブモードがいいだろう。それがCX-80のベストバイだ。

えっ? そもそも全長5m近いクルマを買って大丈夫かって?

確かに狭い駐車場などでは楽じゃない。けれど街にはさらに全長が長いトヨタの「アルファード/ヴェルファイア」(全幅はCX-80より狭いけど)がバンバン走っているのだから、ハードルは高いけど、自宅の駐車場が狭い人を除けば何とかなるだろう。

実は、以前に比べれば昨今のクルマは大きな車体が気になりにくくなった。理由はカメラだ。車両前後と周囲との間隔をカメラで確認できるから、それを勘に頼っていたころに比べればカメラ付き車は車体がひと回りどころかふた回りくらいは小さく感じられ、神経をすり減らさずに済む。もちろんCX-80も全車に360度ビューモニターが標準装備だから、駐車時の切り返し回数が増えるなど苦労はするけれど、意外に何とかなる。

ただ、スペースが狭くて乗り降りが大変な駐車場はどうにもならないから、そこは覚悟が必要だ(これは全幅の問題なのでCX-60も同じ)。

いずれにせよ、CX-80購入の際は実際に2列目シートの違いを確かめるとともに、できれば試乗車を自宅の駐車場に収めるまでチェックしておくのがいいと思う。

(文=工藤貴宏/写真=マツダ/編集=藤沢 勝)

「CX-80」は同じ6人乗り仕様でも2列目シートが2タイプ設定されている。これは立派なセンターコンソールが備わったキャプテンシート。
「CX-80」は同じ6人乗り仕様でも2列目シートが2タイプ設定されている。これは立派なセンターコンソールが備わったキャプテンシート。拡大
センターウォークスルータイプの2列目シートを後ろから見る。3列目を頻繁に使う人にはこれが便利だ。
センターウォークスルータイプの2列目シートを後ろから見る。3列目を頻繁に使う人にはこれが便利だ。拡大
工藤 貴宏

工藤 貴宏

物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。

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