コンセンサス
「コンセンサス」とは、「合意」「意見の一致」「総意(皆で一致した意思)」などの意味で用いられる表現である。「根回し」の意味合いを含むことも多い。主に「コンセンサスを取る」「コンセンサスを得る」といった言い回しで用いられる。
カタカナ語の「コンセンサス」は、「完全一致」「全員が納得しており異論が出ない状態」というニュアンスを込めて用いられることが多い。
「コンセンサス」は、英語の名詞 consensus に直接由来する語である。この英語の consensus は、ラテン語の consentire を語源とする。このラテン語の consentire は「con(共に)+sentire(感じる)」という構成の言葉である。
「コンセンサス」と「アグリーメント」の違い
コンセンサス(consensus)と同じく「同意・合意」を意味する英単語としてアグリーメント(agreement)が挙げられる。どちらも同意や賛成を表す言葉であり、ビジネスシーンでもよく用いられる。コンセンサスとアグリーメントの際立った違いは、「大勢の合意を得る」意味で使わやすいか否かである。「コンセンサス」は複数人の間での合意・意見の一致を指す意味で用いられることが多い。他方「アグリーメント」は、ひとりの相手との合意・意見の一致を指す場面で用いられることが多い。
「コンセンサス」を使った表現例
「コンセンサス」の語を含む言い回しや慣用表現の例としては、「コンセンサス配列」や「コンセンサス方式」「コンセンサスアルゴリズム」「フォールスコンセンサス」などが挙げられる。「コンセンサス配列」の意味
「コンセンサス配列(consensus sequence)」は生物学の用語であり、塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列を複数種の生物どうしで比較した場合に見出される「共通の配列」を指す語である。「コンセンサス方式」の意味
「コンセンサス方式(consensus system)は、会議・議会などにおける意思決定の方法のうち、「特に反対意見が表明されなければ、全員賛成したものとみなして採決する」という方法のことである。コンセンサス方式は、誰も異論を挟まなければ意思決定に手間をかけることなく議論が円滑に進む。ただし反対意見が出た場合には議論を戦わせる必要があって流れが停滞・膠着しやすい。反対意見がよく出るような議題の場合は票決(投票による決定)方式などの方が適切といえる場合も多い。
「コンセンサスアルゴリズム」の意味
「コンセンサスアルゴリズム(consensus algorithm)」は、ビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)の技術的中枢であるブロックチェーンにおいて、「互いのデータの正当性を担保し合う」ための仕組みである。ブロックチェーン技術は分散型システムであり、システムを管理・監視する「中央」の存在を設けない。ネットワーク上の取引で不正が行われないかどうかは、分散システムに参加する全てのノード(端末等)が整合性の確認などを通じて監視・検証している。この「ノード同士が互いのデータの正当性を担保し合う仕組み」が、コンセンサスアルゴリズムである。
「フォールスコンセンサス」の意味
「フォールスコンセンサス(false consensus)」は、いわゆる認知バイアスの一種で、「自分は基本的に多数派に属している」という前提に立ってしまうこと。ざっくり言うと「てっきり他の人も自分と同じだと思っていた」状況に陥りやすいという心理的傾向のことである。「偽の合意効果」ともいう。フォールスコンセンサスは、自分は基本的に多数派に属している
コンセンサス
コンセンサスとは、一般的に意見や決定事項について、関係者間での合意や一致を指す言葉である。この言葉は英語では「consensus」と表記される。コンセンサスは、多くの場合、意思決定や問題解決のプロセスにおいて重要な役割を果たす。特に、組織やグループ内での意思決定において、全員の意見が一致することが望ましいとされる。
コンセンサス形成のプロセスには、意見交換や議論、説得、妥協などが含まれる。これらのプロセスを通じて、関係者は互いの意見や立場を理解し、共通の目標に向かって協力することができる。コンセンサスは、多様な意見や価値観を尊重し、全員が納得できる解決策を見つけることを目指すため、対立や競争を避けることができる。
コンセンサス形成の方法には、様々な手法が存在する。例えば、デルファイ法やブレインストーミング、ノミナルグループテクニックなどがある。これらの手法は、参加者が自由に意見を出し合い、最終的に合意に達するまで議論を重ねることを特徴とする。また、コンセンサス形成の際には、リーダーやファシリテーターが中立的な立場で進行役を務めることが重要である。
consensus
「consensus」とは、意見の一致・合意・総意のことを意味する英語表現である。
「consensus」とは・「consensus」の意味
「consensus」とは、「意見の一致、総意、合意」といった意味を持っている名詞の英単語である。consensusはビジネスシーンにおいて、根回しのニュアンスを含んだビジネス用語として使われる事が多い。「全員の合意を取る事」、「全員の意見が一致している事」といった意味合いがconsensusには含まれている。一方、consensusの形容詞は「consensual」という英単語であり、「同意の上の、共感性の、合意に基づく」といった意味がある。尚、consensusの複数形は、「es」を付け加えた「consensuses」となる。「consensus」の発音・読み方
「consensus」の発音記号は「kənsénsəs」、音節は「con・sen・sus」であり、カタカナ読みは「コンセンサス」である。発音は最初の「k」の部分は舌の後ろを上げ、上あごの奥につけて息を止めた状態で舌を離しながら息を破裂させるように「クッ」と発音する。「ə」は口を少し開けたまま、弱く曖昧なイメージで「イ」と言う。「n」は舌先を前歯の裏の歯茎につけ、口からの息を止めた状態で鼻から「ン」という音を出す。「s」は舌先を前歯の裏の歯茎に近づけ、その隙間から息を出すように「ス」と発音する。「e」は唇を少し大きめに開けながら、「エ」と言う。次の「n」の部分は、先に述べた「n」と同じ方法で「ン」という音を出す。「s」は先に述べた「s」と同じ方法で「ス」と発音する。「ə」は先に述べた「ə」と同じやり方で「イ」と言う。最後の「s」の部分は先に述べた「s」と同じ方法で「ス」と発音する。
「consensus」の語源・由来
「consensus」の語源は、「一緒に感じる」という意味を持つラテン語の「consentio」や「consentire」であると言われている。「consensus」の覚え方
「consensus」の覚え方としては、カタカナ読みである「コンセンサス」と意味の一つである「意見の一致」を利用して文章を作り、それを暗記するという方法がある。例えば「コンセンサス」を「混戦、差す」に置き換えて「混戦、差す馬は倍率2.0という意見の一致」という文章を作成しておけば、暗記しやすいだろう。「consensus」と「consent」の違い
「consensus」は、重要な議題などに対する複数の人たちによる合意を意味する英単語である。事前の根回しなどによってお互いの意見が一致している状態を表す際に用いられる。またコンセンサス方式と呼ばれる会議の採択方式によって、大多数又は全員の合意を得るという場合にconsensusが使われる事もある。一方、「同意する、承諾する」などの意味を持つ「consent」は、単に意見が同じであるという状態で使われる英単語である。consensusとは必ずしも同じニュアンスではないため、その点は注意が必要である。「consensus」の類語
「consensus」の類語としては、「agreement(合意、同意、承諾)」「unanimity(全員の合意、満場一致、全員異議のない事)」「harmony(合致、一致、調和)」といった英単語が挙げられる。また、「assent(同意する、賛成する、承諾する)」「concord(合う、一致する、同意する)」「concurrence(一致、協力、同時発生)」などの英単語もconsensusの類語と言える。「consensus」を含む英熟語・英語表現
「reach a consensus」とは
「reach a consensus」とは、「全員の意見が一致する」という意味がある英熟語である。例えば「対話という手段によって全員の意見が一致する。」を英訳すると「Reach a consensus by means of dialogues.」となる。
「make consensus」とは
「make consensus」とは、「合意を作る」などの意味を持つ英熟語である。
「consensus」を含む用語の解説
「consensus sequence」とは
「consensus sequence」とは「コンセンサス配列」の事を意味しており、異なる複数の生物間において、遺伝子の塩基配列などを比較した時に見られる共通部分を指す用語である。
「consensus」の使い方・例文
「consensus」を用いた主な例文としては、「We can reach a consensus on this issue.(私たちはこの問題について合意に達する事ができた。)」、「I hope for both our sakes we can reach a good consensus.(私は双方にとって良い合意が得られる事を願っている。)」、「The people did not reach consensus on taxation.(国民は税制については意見が一致しなかった。)」などが挙げられる。コンセンサス
「コンセンサス」とは、人々がコミュニケーションを通して合意形成をするという意味の表現である。
「コンセンサス」の基本的な意味
「コンセンサス」は英語のconsensusが元となって生まれた、日本語表現である。主にビジネスの世界で使う人が多い用語だ。その基本的な意味には、集団の中で合意を得る・根回しをするの2つがある。「コンセンサス」は株取引を日常で行う人にとっても、身近な言葉だ。年末に出されるアナリストのコンセンサス予想は、金融市場の先行きを読む時によく利用されている。「コンセンサス」の語源・由来
コンセンサスはラテン語のconsentireが由来となっている言葉である。consentireは接頭辞のconと動詞のsentireから成り立っている言葉だ。動詞のsentireには感じるや悟るという意味がある。接頭辞のconはともに・完全になどの意味を持つが、ここではともにの方が使われている。2つの意味が合成され、ともに感じるという意味になり現在使われている「コンセンサス」に繋がっていった。「コンセンサス」と「アグリーメント」の違い
カタカナ語の「コンセンサス」と似た意味の言葉に、「アグリーメント」がある。「コンセンサス」と「アグリーメント」は、どちらも合意を得るという意味であるが合意を得る人数に違いがある。「コンセンサス」は複数の人間の合意を得るという意味があるが、「アグリーメント」は合意を得なければならない数が1人だ。「コンセンサス」の類語
「コンセンサス」には、話し合いの中で達することのできた合意という意味がある。その意味での「コンセンサス」の類語としては、同意・相違・一致・同心などがある。これらの類語は、「コンセンサス」が用いられている文章の中に代用することができる。「コンセンサス」を含む熟語・言い回し
「コンセンサス」を含む熟語・言い回しには、コンセンサスを得るというものがある。ここではコンセンサスを得るという言い回しについて解説してく。コンセンサスを得るとは
「コンセンサス」とは集団の合意という意味で使われる言葉だ。コンセンサスを得るとした場合、すでに複数人の中で合意が生まれているという意味になる。
「コンセンサスゲーム」とは
「コンセンサスゲーム」は、課題を用いてグループの意思決定を行っていくゲームのことを指す。企業の研修の場などでよく用いられ、ビジネスマンに必要となる合意を得る力やチームビルディング能力の獲得に役立つとされている。コンセンサスゲームで出される課題には正解のあるものとないものとがあり、どちらにも明確な狙いが設定されている。「コンセンサスゲーム」を行う上での注意点としては、否定しないこと・共同の目的を持っていること・最終的に皆が納得できることの3つがある。あくまでも育成することが目的のものなので、現実の人間関係が悪化しないように注意しなければならない。「コンセンサス」を含むその他の用語の解説
ここでは「コンセンサス」を含む用語の解説について、行っていく。コンセンサス法とは
コンセンサス法とは、会議の進め方の一種で最終的に投票を行わず話し合いで解決を得ていくことを意味する。国際会議などでよく用いられ、対立の顕在化を避けたい時に使用される。全会一致が原則となるので、物事が決まりづらいという欠点があるので利用する際は注意が必要だ。
コンセンサスアルゴリズムとは
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーンで合意形成をしていく際に用いられるルールのことである。
「コンセンサス」の使い方・例文
「コンセンサス」を実際に利用していく場合には、「コンセンサス」を取る場合と「コンセンサス」を醸成する場合の2つで使いわけていく。「コンセンサス」を取るは、「新しいプロジェクトを進めていく上で、会社レベルでコンセンサスを取っていく」のように使われる。「コンセンサス」の醸成は、「マンション内の問題を解決するために、コンセンサスを醸成していく必要がある」のように使っていくといい。「コンセンサス」の英訳
「コンセンサス」の英訳はconsensusとなる。カタカナ語としての「コンセンサス」と使われ方は同じである。ただ英語特有の言い回しもあるので、実際に利用する際にはその都度覚えていかなくてはならない。英語特有の言い回しの中には、consensus between(二者間の意見の一致)・consensus builder(意見のまとめ役)などがある。コンセンサス
「コンセンサス」とは・「コンセンサス」の意味
コンセンサスとは「全員の意見が一致する事」、「全員が納得して合意する事」といった意味合いがあり、医療業界や株やFXを扱う金融業界など様々なビジネスシーンで用いられている言葉である。類語としては、賛同や支持、共鳴などが挙げられる。複数人の意見が一致している状況を表現する際に用いられる事が多い言葉と言える。賛成意見が反対意見よりも多い事を示している意味合いもある事から、コンセンサスは、議会が満場一致で採決する際にもよく使われている言葉だ。医療業界では医学的に議論が行われる必要がある事案について、科学的根拠に基づいた医療の専門家による結論や総意の事を医学的コンセンサスと呼んでいる。また金融業界では、コンセンサスという言葉は重要なキーワードの一つだ。株やFXといった投資をする際、専門家たちの予想を参考にするケースもあるが、そこで頻繁に使われる事が多い言葉と言えるのが、コンセンサス予想である。コンセンサス予想とは、複数の専門家の予想値を平均した数値であり、予想した数値と実際の業績に大きなズレが生じている場合、株価が大きく変動する可能性が高くなるとも言われている。一方、コンセンサスには「根回し」や「段取り」といった意味合いも含まれている。一人一人には自分なりの意見を持っており、たとえ少人数の集まりであっても全会一致で合意を得る事は容易ではない。そこで、会議に出席する全員の賛成を得るために重要なポイントとなってくるのが、会議が始まるまでにいかに用意周到に準備し段取りしておくかという事だ。
あらかじめ出席者から不明点や不満などをヒアリングしておき、事前に解消させる事でコンセンサスが得られる可能性が高くなる。段取りや根回しを十分にしていれば、プロジェクトの進捗がスムーズになったり、チームの結束力が高まるなどのメリットがある。尚、コンセンサスと似た意味としてアグリーメントという言葉もある。コンセンサスが複数人の合意を得た状態を指す言葉であるのに対し、アグリーメントは特定の人物やチームなどからの同意や確認といった意味で使用されるケースが多い言葉である。そのため、合意を得る対象が複数人の場合はコンセンサス、合意を得る対象が一人である時はアグリーメントを使うと覚えておくと分かりやすいだろう。
「コンセンサス」の語源・由来
コンセンサスは英語の「consensus」が由来となっている言葉であり、元々は「お互い同じように感じる」という意味合いを持っているラテン語である。カタカナの「コンセンサス」は、英語の意味をそのまま継承した言葉でもある。コンセンサスは本来、政治用語として使われていた言葉であり、社会に大きな影響を与えるような重要課題に関する国民全体の同意を指している。国政選挙を実施して多数決で決めるという同意ではなく、少なくとも数年かけてじっくり議論を進めていく事で得られる合意を、政界ではコンセンサスと呼んでいるのだ。民主主義国家である日本において経済や外交などに関する重要政策や憲法の変更などを政治家が実行する際には、国民に対して内容や目的などを説明しながら国民全体のコンセンサスを得る必要がある。一方、コンセンサスは英語からビジネスの用語として派生した言葉でもあるのだ。英語の「consensus」には「合意する」や「一致する」といった意味がある事から英語表記が日本に渡り、コンセンサスという言葉がビジネスや政治の世界に広がっていったとも言われている。さらに日本に進出する欧米の企業が増えて、従来の会議や打ち合わせのあり方に変化が生じてきたのも、コンセンサスという言葉が良く使われるようになった要因になっているという見方もある。
「コンセンサス」の熟語・言い回し
コンセンサスを取るとは
「コンセンサスを取る」とは、対象となる人やグループについてある事案の合意を取り付ける場合などに用いられる表現である。「新製品のデザインについて設計部門のコンセンサスを取っておいて」といった使われ方がある。ビジネスシーンでこの言葉が用いられる場合は、根回しという意味合いが強いと言える。
社会的コンセンサスとは
社会的コンセンサスとは、社会的な幅広い人々に対して同意や合意を得るという意味を持つ言葉である。世の中に幅広く知られており、社会的に認められているような物事に対して使用されている。実際にハッキリとした同意や合意が得られていない場合でも黙認されている物事に使われる事もある。例えば日本では同一労働同一賃金が幅広く浸透しており、社会的コンセンサスを得ていると言えるだろう。
コンセンサス方式とは
コンセンサス方式とは、投票などを行わず全会一致によって一つの結論を導き出すという方法である。国連安保理や総会における様々な決議がこの方式で実施されている。多数決によって結論を出す場合、大多数の合意が得られていても、一部の人から反対意見が出たりするケースは少なくない。コンセンサス方式は、そのようなケースを回避したい時に使われる方式と言えるだろう。一人も反対する意思がない事を確認した上で、全会一致という形で結論を出す事ができるのがこの方式の利点である。ただ、コンセンサス方式という言葉は全会一致という意味だけでなく、大多数一致という意味合いも持っているため、読解には十分注意しておく必要があるだろう。
さらにコンセンサス方式は反対する人が一人でもいる場合、結論が出ずにさらなる議論が必要になるという性質も持ち合わせているので、その点も注意しておくべき点である。コンセンサス方式での会議を実施する際は、事前に意見の交換や調整を行い、ある程度集約させておく事が一般的となっている。そのため、コンセンサスには根回しというニュアンスも含まれているのだ。例えば上司から「この書類について営業部門のコンセンサスを取っておくように」と言われた場合、「事前に営業部門に根回しをして了解を得ておいて」と解釈するのが適切である。
国民的コンセンサスとは
国民的コンセンサスとは、国が提案した政策や法案などに対して、国民の大半が同意している状況を指している言葉である。例えばある政党が提案した政策の是非を問うために選挙を行い、提案した政党が勝利すればその提案した政策は国民的コンセンサスが取られたという事になる。また「環境問題への取り組み方に関する国民的コンセンサスは国によって異なっている」などといった使われ方もある。
「コンセンサス」の使い方・例文
コンセンサスの使い方・例文としては以下のようなものが挙げられる。・取引先のクライアントからコンセンサスを得る事ができた。
・会議に出席するメンバーを知って、コンセンサスが取れる可能性は低いと感じた。
・コンセンサス方式の会議を実施するには、事前に準備を入念に行う必要がある。
・新しいプロジェクトについて関連する他部門からコンセンサスを得た。
・プレゼンテーションでコンセンサスが取れるよう、上司や同僚に相談した。
・様々な課題に直面したものの、重要な案件はコンセンサスされた。
・上司から資料を作成する際、開発担当者から製品仕様に関するコンセンサスを得ておくようにと指示された。
・システムの納期について、関わっている会社や顧客からコンセンサスを得た。
・会議で議論される事案について全会一致で結論が出せるよう事前に出席者からコンセンサスを取っておく。
・顧客への提案内容について、営業部門にコンセンサスを得ておく必要がある。
・上層部のコンセンサスを得る事ができなかったため、新規事業の立ち上げを断念した。
コンセンサス
コンセンサスとは
コンセンサスとは、複数人における意見の一致という意味。転じて、根回しという意味で使われることもある。英語のconsensusは《ほぼ一致》と言うニュアンスを含むのに対し、カタカナのコンセンサスは「ほぼ一致」といった曖昧なニュアンスは含まず、《全会一致》という意味合いが強い。コンセンサスの「全会一致」と言う意味合いが強まったことで、「全会一致にするために行動すること」、すなわち「根回し」もコンセンサスの意味に含まれるようになった。主にビジネスや医療など、チームで動くことが多く全員の意見の一致が必要な際に用いられることが多い。ビジネスにおけるコンセンサス
ビジネスにおいてのコンセンサスは、「全会一致」と「根回し」の2つの意味で用いられる。前者の意味で使われる例として、「コンセンサス方式」の会議がある。これは全員の合意を取るために行われる会議で、反対意見を持つ人が1人でもいるならば意思決定を行わず、反対意見が無くなるまで引き続き議論を続ける、というものである。これにより決定した内容はその場にいた全員の合意が取られたこととなり、以後決定事項を遂行する上での意思のすれ違いによる滞りを未然に防ぐことができる。同じくコンセンサスを用いる会議方式として「ネガティブ・コンセンサス方式」も存在する。これは前例とは逆に全員の反対がない限り決定するというもので、多少の反対が出ることが予想できるが、大きな反対がない限り決定してしまいたいという場において用いられる。「根回し」としての意味で使われる例としては、「コンセンサスを取る」ということが挙げられる。これは最終的に全員の合意がスムーズに得られるようにするために1人ひとりの同意を得ておくことを意味し、「〇〇さんのコンセンサスを取っておいて」などと言う形で用いられる。ただし「コンセンサスを取る」という言い方が全てこの意味になるという訳ではなく、「〇〇部のコンセンサスを取る」などチームやグループを対象にした場合は、個人ではなくグループ全体の合意が必要となるため、前者の「全会一致」に近い意味になる。
医療におけるコンセンサス
医療においてのコンセンサスも似たような意味で用いられる。医療現場は数多くの医療従事者が関わり、経験もそれぞれであるため1人の人物の独断によって治療方針が決められてしまうことがあってはならない。また、医療従事者だけでなく患者自身の意見も尊重されるべきことである。したがって、数々の医療従事者と患者全員の合意は不可欠である。この合意を取ることこそが、医療業界におけるコンセンサスの1つとなる。認知症やアルツハイマーなど、本人の意思が確認できない場合コンセンサスが取れないということが問題になっている。コンセンサスという単語において、全員が一致させるものは必ずしも意思だけではない。全員共通の「認識」として使われることも多々ある。医療においてのもう1つのコンセンサスがこれにあたり、症例や治療方法などにおける医療従事者共通の認識を「医学的コンセンサス」と呼ぶ。これは診療ガイドラインとはまた性質の異なったものであり、実務上の実践方法やアルゴリズムが提示されるものではない。医学的な知識に従う医療従事者達によって構成され、研究の場と医療現場での認識の齟齬をなくすために必要とされている。
株式取引におけるコンセンサス
株式取引においてもコンセンサスが存在する。これは複数の証券アナリスト達の共通の認識という意味で用いられる。具体的には、複数の証券アナリスト達によるある会社の業績予想を平均化したものを「コンセンサス予想」と呼ぶ。1人のアナリストの予測とは違い複数のアナリストの共通の認識ということになるため、信用できるとする見方も多く株式取引の際の指標の1つとして活用されている。コンセンサス consensus
合意形成
合意形成(ごういけいせい、英: consensus building)とは、ステークホルダー(多様な利害関係者)の意見の一致を図ること。特に議論などを通じて、関係者の根底にある多様な価値を顕在化させ、意思決定において相互の意見の一致を図る過程のことをいう。コンセンサス[注 1]ともいう。特に国民全体の合意形成をはかることをナショナル・コンセンサス、合意形成を図る過程のことを合意形成過程ともいう。
概要
早い事例としては、1980年代にデンマークで発達したコンセンサス会議が挙げられる。
近年の日本では、組織内はもちろん、地方自治の分野では地域のまちづくりについて、市民の意見を市政やまちづくりに反映させる行政参加(市民参加)の取り組みとして行われることが多い。こうしたまちづくりにおける合意形成の事例が散見されるようになってきた中で、多くの市町村において地区別に行政や市民が議論するワークショップや市町村の公共政策の意思決定課程に市民を参加させるパブリックインボルブメント、インターネットなど情報通信技術を用いた合意形成手法のオルタナティブ、あるいは市町村が市政運営におい一定のテーマにつき市民の意見を募集するパブリックコメントなど様々な合意形成手法が用いられるようになってきた。さらにはワークショップを活用した合意形成手法において様々な科学技術を活用したプログラムを用いる合意形成支援システムなども開発されつつある。今後、こうした事例を踏まえながら行政と市民のパートナーシップをより前進させる合意形成システムの確立が望まれるところである。
また、主に原子力や環境問題などを中心に、一定のリスクについて行政、市民や企業が情報を共有し、意見の一致を図る取り組みとしてリスクコミュニケーションというものもあるが、これも合意形成のひとつといえる。また、合意形成自体を議論する学問がある。
合意形成システム
公共空間における議論の条件として「議論の場の設定、議論の公開、十分な情報提供」が公正に守られるシステム作りが必要だという指摘がある[1]。特定の協定が結ばれた共同体の介入を防ぐ前提が必要であるため、明確化を図り知識を共有化することで特定の協定を明示知にする。これにより直接関与しないステークホルダーに対しても判断材料を提供する。
またインタレスツ[注 2]による基づく意見の再構築やファシリテーターの介在[2]、ステークホルダー間の信頼構造、「運営方法、誹謗中傷の禁止、対案の提示、議事概要の承認方法」といった共通のルール作りなど、様々な合意形成のための工夫が議論され実践されている。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 土木学会 『合意形成論 - 総論賛成・各論反対のジレンマ』土木学会(土木學會誌叢書)、2004年。ISBN 9784810604696。
- 原科幸彦 『市民参加と合意形成 - 都市と環境の計画作り』学芸出版社、2005年。ISBN 9784761523701。
関連項目
- 合意
- 協働
- 意思決定
- 同調
- 同調圧力
- 全会一致
- 大枠合意
- 科学的コンセンサス
- ラフコンセンサス
- ブレインストーミング
- ナレッジマネジメント
- ワークショップ
- オルタナティブ
- ファシリテーション
- 公的活動企画 (英: public action program)
- パブリックインボルブメント
- マルチステークホルダー・プロセス
- 住民参加
- タウンミーティング (対話集会)
- 地域力
- まちづくり
- 防災まちづくり
- 減災
外部リンク
- 社会資本整備における市民合意形成コース - 研究人材のためのe-learning(科学技術振興機構)
コンセンサス (Consensus Adoption)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 15:24 UTC 版)
「模擬国連」の記事における「コンセンサス (Consensus Adoption)」の解説
無投票採択。積極的反対がない場合にのみ用いられる採択方法。法的拘束力はないが反対の立場を明確にしていないため、道義的拘束力が強い。
※この「コンセンサス (Consensus Adoption)」の解説は、「模擬国連」の解説の一部です。
「コンセンサス (Consensus Adoption)」を含む「模擬国連」の記事については、「模擬国連」の概要を参照ください。
「コンセンサス」の例文・使い方・用例・文例
コンセンサスと同じ種類の言葉
- コンセンサスのページへのリンク