ユーロコプター EC 725
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EC 725 カラカル
ユーロコプター EC 725 カラカル (Eurocopter EC 725 Caracal) は、ユーロコプター(現エアバス・ヘリコプターズ)社が開発した大型多用途ヘリコプター。シュペルクーガー(Super Cougar)とも呼ばれる。顧客であるフランス空軍の要求に従い、操縦士2名を含め最大で29名の兵員を輸送できる軍用長距離双発ヘリコプターである。AS 532を発展させる形で開発され、民間向けに同様の性能を持つEC 225もあるが、いずれもAS 332L2をベースにしている。主に兵員輸送、災害救助、捜索救難向けとしてマーケットに出されている。
来歴
フランス空軍から掲示があった戦闘捜索救難 (CSAR) ヘリコプターの要求仕様に応えるため、ユーロコプターは1996年から1999年にかけてAS 532A2(AS 332L2の軍用型)の広範な試験を行ったが、フランス空軍はこれを不合格にした。
ユーロコプターはより野心的に設計したEC 725を開発し、2000年11月27日に初飛行を成功させた。これは2001年1月15日に初公開され、フランス空軍の興味を引き、戦闘捜索救難ヘリコプターとして2005年2月にまで納入期限つきで6機を発注した。翌年の2002年にはフランス陸軍が8機を発注している。2008年にブラジルが海外で初めて採用したのを皮切りに、輸出も行われている。
ユーロコプターの社名変更に伴い、現在はH225M[1]と改称されている。
設計
本機の設計は、アエロスパシアル時代に設計されたAS 532 クーガー(AS 332 シュペルピューマの軍用型)を発展させたものとなっている。
主たる改良点は、主ローターを複合材料製の5枚ブレード式としたことである。エンジン制御にはFADEC、コクピットにはアクティブ・マトリクス駆動による液晶ディスプレイが採用された。また、戦闘捜索救難任務に対応するため、自衛用のFN MAG機関銃2丁、レーダー警戒受信機、チャフ・フレアディスペンサーを搭載するほか、兵装システム「HForce」の搭載により攻撃用兵装としてガンポッドやロケット弾ポッドを機体側面に装備できる。
空中給油プローブを装備して航続距離を伸ばすことも可能。さらに、捜索レーダーに加えてFLIRを搭載することで、夜間の救難任務にも対応できる。
-
ドアガンとして装備されたFN MAG軽機関銃
-
ガンポッドとロケット弾ポッドで武装した状態(メキシコ空軍機)
運用者
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フランス
- フランス空軍 - 戦闘捜索救難(CSAR)機として6機。
- フランス陸軍 - 特殊作戦機。2023年時点で8機[2]。
ブラジル
インドネシア
クウェート
マレーシア
メキシコ
タイ
シンガポール
ウズベキスタン
- ウズベキスタン空軍および防空軍 - 2023年時点で8機のH225Mを保有している[3]。
仕様 (EC 725)
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出典: Eurocopter.com
諸元
- 乗員: 1または2
- 定員: 28名
- 全長: 19.50 m (63.98 ft)
- 全高: 4.60 m (15.09 ft)
- ローター直径: 16.20 m (53.14 ft)
- 空虚重量: 5,330 kg (11,750 lb)
- 運用時重量: 5,670 kg (12,500 lb)
- 有効搭載量: 11,000 kg (24,250 lb)
- 最大離陸重量: 11,200 kg (24,700 lb)
- 動力: チュルボメカ マキラ 2A1 ターボシャフト、1,800 kW (2,413 shp) × 2
性能
- 超過禁止速度: 324 km/h=M0.26
- 最大速度: 324 km/h=M0.26 (175 kt)
- 巡航速度: 285 km/h=M0.23 (154 kt)
- 航続距離: 857 km (463 海里)
- 実用上昇限度: 6,095 m (20,000 ft)
- 上昇率: 3.6 m/s (710 ft/min)
参照
- ^ エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン株式会社 ニュース 製品名の変更について 2015年03月11日
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 91. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 206. ISBN 978-1-032-50895-5
外部リンク
「ユーロコプター EC 725」の例文・使い方・用例・文例
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- 例えばNECのブランドステートメント、「発明こそが推進力」は、この電子機器メーカーの最先端技術への絶え間ない探求姿勢を表している。
- OPEC加盟国はプライスバンド制により原油の生産量を調整している。
- EC 域内では 10 以上の通貨が流通している.
- OPECは、油の価格を上げた
- OPECは油を独占したがっている
- サウジアラビアの石油大臣で、OPECを設立した中心人物(1930年生まれ)
- 開発援助委員会という,OECDの下部機関
- ECU金貨という,ベルギーの金塊型金貨
- EC委員会という,欧州共同体の行政機関
- EC委員会という,欧州共同体の行政機関の会議
- OECD開発センターという,OECDの調査研究機関
- 欧州通貨基金という,EC内における金融機関
- 拡大ECという国際機関
- グリーンレートという,農産物についてのEC各国でのみ使用される通貨換算レート
- OECDという国際機関
- みどりのレートという,農産物についてEC各国で使用される通貨換算レート
- 情報電算機通信政策作業部会という,OECDの委員会
- OECD農業保護指数という,先進諸国の農業保護の度合いを示す指数
固有名詞の分類
ヘリコプター |
ユーロコプター EC 725 ユーロコプター EC 135 ウエストランド ウエストミンスター シコルスキー S-58 ベル 212 |
フランスの軍用機 |
ユーロコプター EC 725 ロワール 130 ブレゲー 27 フーガ・マジステール サルムソン 2 |
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