リモートマッチ
「無観客試合」が忌避され他の表現に言い換えようとされた背景には、「無観客」は後ろ向きな響きの言葉であるという認識がある。スポーツの試合においては無観客試合が懲罰的措置として実施される場合がある、という事情もある。
無観客試合の代替呼称の公募(そして「リモートマッチ」への決定)を主導した日本トップリーグ連携機構は、球技の競技団体12リーグが参加する業界団体である。サッカーのJリーグ、なでしこリーグ、バレーボールのVリーグ、バスケのBリーグやアメフトのXリーグ等々が加わっている。これらのリーグでは無観客試合が「リモートマッチ」と言い換えられる。なお競技によっては「リモートゲーム」と呼ぶこともあるという。
リモート‐マッチ
リモートマッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:11 UTC 版)
2020年6月15日、日本トップリーグ連携機構は、無観客試合に代わる名称をリモートマッチに決定した。なお、競技によって試合の呼び名が違うため、リモートゲームと呼ぶこともあるとしている。略称は「リモマ」、リモートで応援するファンを「リモーター」と呼ぶ。従来の「無観客試合」の呼称は不祥事などの制裁という後ろ向きなイメージとも結びつくため、川淵三郎会長が「コロナに打ち勝つような名前を考えてもらいたい」と変更を発案したもの。同日発表されたJリーグの再開日程の公表で、リモートマッチが初めて使用された。名称に関しては公募が行われたが、川淵が募集時に海外でも適切な用語がないなどとして「できれば英語で。世界にも広がるようにしたい」と発言していたにもかかわらず、和製英語が用いられることとなった(直訳すれば「遠隔試合」となるが、当然試合そのものは現地で行われるため意味が通らない)。最終候補に残った案も「Stay Home Game」「リモートステージ」「Social Distance Games(SDGs)」「キズナマッチ(絆マッチ)」「無限観客試合(∞観客試合)」など、いずれも英語圏で通用するとは言い難いものであった。また前述のように制裁によるものと区別するための呼称変更を目的としていたが、実際には採用当初からJリーグ等の主催団体およびクラブによる公式の発信においてもリモートマッチ(無観客試合)と併記される形となった。 なお名称公募の理由として「従来の無観客試合は懲罰の意味合いが強い」「感染対策による無観客試合を表す適切な用語がない」ことが挙げられていたが、日本国外においては制裁によるものとコロナ禍における感染対策として行われるものとで特に呼称が区別されることはなく、一例として当の英語圏であるイングランド・プレミアリーグではコロナ禍においても制裁時と同様に英語で「密室」「非公開」を意味する「Behind Closed Doors(BCD)」が用いられている。このように「リモートマッチ(Remote Match)」の名称が海外で用いられることはなく、日本野球機構などの日本トップリーグ連携機構に加盟していない団体でも使用していないため、事実上日本国内の一部競技限定の呼称となっている。
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