基礎的
基礎
基礎(きそ、英: foundation)とは、構造物からの力を地盤に伝え、構造物を安全に支える機能をもつ構造である。下部構造(かぶこうぞう)とも呼ばれ、それに対して建築物本体や主桁を上部構造と呼ぶ。
概要
基礎の役割は上部構造が受ける鉛直荷重(構造物の自重や上載荷重など)や水平荷重(地震力・土圧・水圧など)を支え、その荷重を支持地盤に伝達させる役割を持つ[1]。
構造物の基礎を作る工事を基礎工(基礎工事)と呼ぶ[1]。その施工方法を基礎工法と呼ぶ[1]。
基礎の形式
直接基礎
直接基礎とは比較的浅い場所にある支持地盤の上に基礎を設置したもの[2]。
杭基礎
杭基礎とは支持地盤が10 - 100 m(メートル)と深い場合に用いられる基礎[2]。
- 既製杭:工場で規格化された品質管理の下で製作され、価格も比較的安価になる傾向にある[2]。杭の先端を打込杭工法や埋込杭工法などによって支持層まで打ち込むことで設置[2]。
- 場所打ち杭:アースオーガや大口径ボーリングマシン、または人力によって地盤を削孔し、鉄筋かごを挿入したのちにコンクリートを打設することで基礎を設置[2]。騒音・振動防止が必要な場合に用いられる[2]。
ケーソン基礎
ケーソン基礎は接地面積を広くする必要がある場合や基礎の剛性を高める必要がある場合、地下水位が高い場合に用いられる[2]。施工時点の位置(現位置)で鉄筋コンクリート製の筒をロットに分けて順次構築していき、底面を掘削しながら支持地盤まで沈設することで設置[2]。断面形状は矩形、円形、小判型など自由度が高い[3]。
鋼管矢板基礎
鋼管矢板基礎とは鋼管矢板を円形などに連結して打設し、その内側を掘削することで本体構造物と一体化した基礎のこと[3]。施工時には止水壁や山留壁といった仮設構造物としての役割を果たし、完成後は剛性の高い基礎となる[3]。
地下連続壁基礎
地下連続壁基礎とは鉄筋コンクリートの壁を形成し、それを基礎とするものである[3]。
木構造に用いる基礎
木構造建築物、主に一般住宅には、布基礎と独立基礎が用いられる。地盤の補強と整地を兼ねた地業を行ない、その上に捨コンクリートをし、構造に適応する基礎が施工される。
- 布基礎
- 土台を乗せることが多い。この場合、予めアンカーボルトを付属させておく必要がある。幅は12cm以上ある必要がある。
- 独立基礎
- 特に大きな荷重がかかる柱や束などの下に用いられることが多い。柱や床束の乗せられる束石、くつ石もその一種である。
これらは、地盤条件、構造物の性質、施工条件などを考慮に入れて、選択される。
基礎をめぐるできごと
- 1925年(大正14年)9月18日、日本の国会議事堂(第二次仮議事堂)が火災により焼失。基礎部分は無傷で建物の図面も残されていたことから、既存の基礎の上に焼失前と同等の建物[4]が僅か3ヶ月で再建された。
脚注
参考文献
- 小林康昭、高崎英邦、小寺秀則、岡本正広、後藤茂『施工技術 土工事・コンクリート工事・基礎工事』経済調査会、2006年4月20日。ISBN 4-87437-851-X。
関連項目
「基礎的」の例文・使い方・用例・文例
- 普通科目の他に機械についての基礎的な事柄を学習し、 各種の機械の使用法や技術を身につける実習などを行います。
- 物理学は基礎的な自然科学である。
- 概して、真理が基礎的なものであればあるほど、その実用の可能性も大きくなる。
- 基礎的知識.
- 現代の科学はその過程の基礎的段階を明らかにした.
- 統計の基礎的な問題
- 彼らは算数の基礎的な演算を学んでいた
- 国か地域の機能のために必要とされる、基礎的な設備および資本的設備の資本金
- チェック模様を作るために、横糸とそり糸が交互に絡み会う基礎的な織り方
- レンズのように形成されて、外側のやや赤い被穀と内側の浅黄色pallidumを含む基礎的な神経節
- 真実であると受け入れられ、理論や行動の基本とすることができる、基礎的な概念
- 節において構成素が本動詞と持つ基礎的な関係
- 彼はその事柄に関しての基礎的参照物に対する記述に貢献した
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- 意味するものにシニフィアンをつなげる基礎的な言語単位
- 基礎的諸条件には、会社の成長、収入、収益、管理、および資本構成が含まれる
- 基礎的な酸化マンガンから成る黒い鉱物
- 基礎的な語彙
- 社会を社会たらしめている基礎的事実
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