扁平率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/12 14:43 UTC 版)
太陽は極めて球に近く、その扁平率はおよそ 9×10−6とされる。太陽系の惑星の扁平率は、水星が 0.0006 未満、金星が 0.0002 未満、地球が前述の通りおよそ 0.0033528、火星が 0.00589 ± 0.00015、木星が 0.06487 ± 0.00015、土星が 0.09796 ± 0.00018、天王星が 0.0229 ± 0.0008、海王星が 0.0171 ± 0.0013 である。自転時間が長く、密度の大きい岩石質の固体で構成されている地球型惑星で比較的小さく、自転時間が短く、密度が極めて小さいガス質の気体で構成されている木星型惑星で比較的大きい傾向にある。扁平率が大きい土星は、倍率がそれほど大きくない天体望遠鏡でも、扁平であることが視認できる。実際、土星の極半径が約 54,364km であるのに対し、赤道半径は約 60,268km である。
注釈
- ^ 地球の場合、表面に凹凸があって完全な回転楕円体ではないため、計測の仕方によってこの値は若干変わりうる。しかし測量の基準としては唯一の数値を定めておかなければならない。
- ^ 扁平率は、0.003 352 810 681 182 318 935 434(近似値)となる、 また、離心率の2乗 e^2 = f(2-f)であるから、e^2 = 0.006 694 380 022 900 788(近似値)、 離心率 e は、0.081 819 191 042 815 790(近似値)、アスペクト比(Aspect ratio)は、 0.996 647 189 318 817 705(近似値)となる。
- ^ WGS84もGRS80を基にしたものではあるが、数値の導出過程が異なっているために、扁平率が微妙に異なってしまった。すなわち、扁平率を決定するに当たって、正規化された2次の帯調和重力係数から計算により導出した際に、基となるGRS80の力学的形状係数J2の有効数字を8桁で打ち切ったために、9桁目以降から差が発生したのである。
- ^ 水路業務法施行令第2条による扁平率 f は、0.003 352 810 664 747 481(近似値)となる。なお、WGS84の扁平率の値(及びそこから派生する量の値)は有効数字の観点からはその9桁目以降は意味を持たないのであるが、法令によって(12桁の)数値が定義されている以上、有効数字の議論を超えて「法令上は」意味があることに留意しなければならない。
出典
- ^ 測量法施行令第3条(e-Gov法令検索)
- ^ “日本の測地系 測地系と準拠楕円体”. 国土地理院. 2022年8月28日閲覧。
- ^ 理科年表(2014年)、国立天文台、p.579、2013年11月30日発行
関連項目
参考文献
- 国家画像地図局(現 アメリカ国家地球空間情報局)技術報告8350.2, 7.3節
- König, R. and Weise, K. H. (1951): Mathematische Grundlagen der höheren Geodäsie und Kartographie, Band 1, Das Erdsphäroid und seine konformen Abbildungen, Springer-Verlag, Berlin/Göttingen/Heidelberg
- Ганьшин, В. Н. (1967): Геометрия земного эллипсоида, Издательство «Недра», Москва
- Bessel, F. W. (1837): Bestimmung der Axen des elliptischen Rotationssphäroids, welches den vorhandenen Messungen von Meridianbögen der Erde am meisten entspricht, Astronomische Nachrichten, 14, 333-346