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標準偏差とは? わかりやすく解説

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ひょうじゅん‐へんさ〔ヘウジユン‐〕【標準偏差】

読み方:ひょうじゅんへんさ

資料散らばり度合いを示す数値。各資料の値と平均値との差、すなわち偏差2乗平均し、その正の平方根をいう。変動に富む現象について、変動度合いを知るために用いる。SDstandard deviation)。


標準偏差


標準偏差(S.D.)


 分散 V あるいは不偏分散 U の平方根である。平均値と同じ次元を持つ。
標準偏差(S.D.)
標準偏差(S.D.)


 正規分布においては平均値と標準偏差は以下のような意味を持つ(正規分布の上確率計算正規分布パーセント点計算正規分布表参照のこと)。
標準偏差(S.D.)
1.正規分布における標準偏差の意味---1

 平均値 ± 1 標準偏差の範囲内には全データの 68.27% が含まれる
標準偏差(S.D.)
図 2.正規分布における標準偏差の意味---2

 平均値 ± 2 標準偏差の範囲内には全データの 95.45% が含まれる


標準偏差

一組観測値散らばり 1散布 1変動 1ばらつき 1はその要素間の差異 2ないし偏差 2によって定まる。ここでは、もっとも普通の散布度 3のみが論じられる範囲レンジ) 4一組要素最大値と最小値の差である。四分位範囲 5第一第三四分位数142-2)の差で、一組観測数の半分占める。四分位偏差 6とも呼ばれる半四分位範囲 6四分位範囲半分であるが、しばしば散布度として扱われている。平均偏差 7平均からの個別項目偏差正数算術平均(140-2)したものであり、分散 8はこれらの偏差2乗算術平均であり、標準偏差 9分散の平方根である。


標準偏差

定義

ばらつき程度数値化するためは、測定値平均値の差をとっていけばいいが、単純算術平均そのままとると、正負の符号で値がキャンセルされてしまう。そこで、測定値平均値の差の二乗(偏差平方和)をもとめ、その総和を得る。この総和データ数で割ることによって、分散得られる

分散 (m:平均値)

<m>sigma^2~=~sum{}{n}{(x_i-m)^2}/n</m>

この分の平方根をとることによって、数値単位元に戻したものが標準偏差

標準偏差 (m:平均値)

<m>sigma~=~sqrt{sum{}{n}{(x_i-m)^2}/n}</m>

A
1 109
2 98
3 140
4 192

<m 12>SD~=~sqrt{(109-134.75)^2+(98-134.75)^2+(140-134.75)^2+(192-134.75)^2}/4~=~36.46</m>

Excel計算するには、データ母集団とみなす場合STDEVPデータ確率標本とみなす場合STDEV関数使います

CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported
Bio Wikiの記事を複製・再配布した「分子生物学用語集」の内容は、特に明示されていない限り、次のライセンスに従います:
CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported


標準偏差

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 06:12 UTC 版)

平均は同じであるが標準偏差が大きく異なるデータヒストグラムの例。赤で示されたデータの方が青で示されたデータよりも標準偏差が小さい。
平均 0, 標準偏差 σ正規分布確率密度関数。この分布に従う確率変数が 0 ± σ の間に値をとる確率はおよそ 68% であることが読み取れる。

標準偏差ひょうじゅんへんさ: standard deviation, SD)とは、データ確率変数の、平均値からの散らばり具合(ばらつき)を表す指標の一つである。偏差ベクトルと、値が標準偏差のみであるベクトルは、ユークリッドノルムが等しくなる。

標準偏差を2乗したのが分散であり、従って、標準偏差は分散の非負の平方根である[1]。標準偏差が 0 であることは、データの値が全て等しいことと同値である。

母集団や確率変数の標準偏差を σ で、標本の標準偏差を s で表すことがある。

二乗平均平方根 (RMS) を用いると、標準偏差は偏差の二乗平均平方根に等しくなる。

概要

データ x1, x2, …, xn平均値からの散らばり具合を数値にした標準偏差は、次の式で定義される:

zp
pz
信頼区間 信頼度 不信頼度
百分率 百分率 分数
0.318639σ 25% 75% 3/4
0.674490σ 50% 50% 1/2
0.994458σ 68% 32% 1/3.125
1σ 68.2689492% 31.7310508% 1/3.1514872
1.281552σ 80% 20% 1/5
1.644854σ 90% 10% 1/10
1.959964σ 95% 5% 1/20
2σ 95.4499736% 4.5500264% 1/21.977895
2.575829σ 99% 1% 1/100
3σ 99.7300204% 0.2699796% 1/370.398
3.290527σ 99.9% 0.1% 1/1000
3.890592σ 99.99% 0.01% 1/10000
4σ 99.993666% 0.006334% 1/15787
4.417173σ 99.999% 0.001% 1/100000
4.5σ 99.9993204653751% 0.0006795346249% 1/147159.5358 = 3.4/1000000
4.891638σ 99.9999% 0.0001% 1/1000000
5σ 99.9999426697% 0.0000573303% 1/1744278
5.326724σ 99.99999% 0.00001% 1/10000000
5.730729σ 99.999999% 0.000001% 1/100000000
6σ 99.9999998027% 0.0000001973% 1/506797346
6.109410σ 99.9999999% 0.0000001% 1/1000000000
6.466951σ 99.99999999% 0.00000001% 1/10000000000
6.806502σ 99.999999999% 0.000000001% 1/100000000000
7σ 99.9999999997440% 0.000000000256% 1/390682215445

脚注

注釈

  1. ^ 極端な例として、標本の大きさが 1 の場合、ばらつきがないので標本の分散は必ず 0 となるが、母集団のばらつきは通常 0 ではない。

出典

  1. ^ JIS Z 8101-1:1999, 1.13 分散.
  2. ^ a b 高校からの統計・データサイエンス活用 総務省政策統括官(統計基準担当)p.34
  3. ^ 平均への回帰、相関係数―統計学史(2) ブログ 統計WEB
  4. ^ 農環研ウェブ高座 「農業環境のための統計学」 第10回 (農業と環境 No.158 2013.6)
  5. ^ 酒井弘憲「第5回 統計学の巨人:ゴルトンとピアソン」『ファルマシア』第52巻第2号、日本薬学会、2016年、164-165頁、doi:10.14894/faruawpsj.52.2_164ISSN 0014-8601NAID 130005127751 
  6. ^ カール ピアソンとは - コトバンク
  7. ^ 【科学史の肖像】Karl Pearson, 1857-1936
  8. ^ 標準偏差の名付け親は,相関係数で有名なピアソン,不偏標準偏差の話題と共に 生物科学研究所 井口研究室
  9. ^ 分散投資の意義② 投資のリスクとは|年金積立金管理運用独立行政法人
  10. ^ 標準偏差・分散|証券用語解説集|野村證券
  11. ^ a b 栗原 2011, p. 47
  12. ^ 稲垣 1990, p. 21.
  13. ^ 吉澤 1989, pp. 78–79.
  14. ^ Brugger 1969, p. 32.
  15. ^ 例:(東京大学教養学部統計学教室編 1991)。
  16. ^ 分散または標準偏差の図による解説と具体例は、(村瀬, 高田 & 廣瀬 2007, pp. 52–53)などを参照。
  17. ^ Earliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics (S)”. 2016年1月30日閲覧。
  18. ^ Estimating Parameters Web Page
  19. ^ 健康統計学-散布度
  20. ^ 高崎経済大学非常勤講義 第4回「記述統計(2):代表値」
  21. ^ 標準偏差の不偏性

参考文献

関連項目

外部リンク


標準偏差

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 05:46 UTC 版)

偏差」の記事における「標準偏差」の解説

詳細は「標準偏差」を参照 データの標準偏差とは、元のデータの値たちを、平均値変えず絶対偏差一定値 s に取り直したとき(データ大きさ奇数のときは同じデータ併せて偶数にする)、2つ偏差ベクトルのユークリッドノルムが等しくなるような s のこと。データ偏差自乗平均の平方根非負)に等しくなる。標準偏差は偏差一部ではない。値が全て有理数でも標準偏差は平均偏差違い無理数になることが多い。標準偏差は常に平均偏差以上になる。

※この「標準偏差」の解説は、「偏差」の解説の一部です。
「標準偏差」を含む「偏差」の記事については、「偏差」の概要を参照ください。

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標準偏差

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 11:20 UTC 版)

名詞

標準偏差ひょうじゅんへんさ

  1. 分散の正の平方根偏差値算出した閾値決定したりするのに用いられる

翻訳


「標準偏差」の例文・使い方・用例・文例

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