
苦手意識をガイドが解決!地図読みのキホンはそんなに難しくない【地図・磁北線・コンパス編】
登山装備のチェックリストに必ずと言っていいほど記載されている地図とコンパス。けれども、どの地図を見たら良いの?コンパスの使い方って?その答えが曖昧なまま、いつの間にかその存在にハードルを感じていませんか。シチュエーションに応じた地図の使い分けや、コンパスを使うために必要な知識を、わかりやすく解説します。
2024/03/18 更新
目次
アイキャッチ画像撮影:washio daisuke・地図の出典:YAMAP
どうしたらいい…?地図の使い分け&コンパスの使い方
山の地形を立体的に捉えてルートや現在地を認識したり、これから進むべき方向を把握したりと「安全で楽しい登山」に大切なのが地図とコンパス。しかし、大切だとはわかっていながらも苦手意識を感じている人が多いのも事実です。
この記事では、登山ガイドとして「地図読みとコンパスワーク」を教えてきた自称“等高線フェチ”の筆者が「登山地図と地形図の違い」「磁北線の引き方」「ベースプレートコンパス」について解説していきます。
■「地形」や「地名」に関する情報は前編をCHECK!

今回も登場人物は筆者の高校時代の後輩である登山者Aさん。地形についてはわかってきたようですが、まだまだ地図読みでわからないことが多いみたいです。
登山地図と地形図、何が違って何が便利?

登山中に使われる地図は25000分の1の縮尺。様々な縮尺の地図がある中で、GPSアプリにも採用されているのにはもちろん理由があります。他の地図と比べて、どんな特徴や利便性があるのかみていきましょう。
縮尺が違うと知れる情報が変わる

もちろん、これを併用するのは大アリ。でも細かい地形を把握するには、やっぱり地形図がいいんだ。
登山におすすめの地形図は25000分の1なんだけど、登山地図は多くの場合50000分の1なんだ。
わかりやすい違いが等高線なんだけど、25000分の1は10m間隔、50000分の1は20m間隔で描かれている。
だから同じ山でもそれぞれの地図で描かれ方が全然違うんだ。例えば、こんな感じ。

※地形図にも50000分の1があり、1枚で25000分の1地形図4枚分の面積が掲載されています。
あと登山地図の等高線は、そもそも印刷が薄いから読みにくいっていうのもある。
ルート全体を把握するなら50000分の1の登山地図、細かい地形の起伏を読み取るなら25000分の1地形図と、上手く使い分けて欲しいね。
大切なのは2つの地図の使い分け

八ヶ岳全山を縦走する場合でもなければ、数枚で網羅可能。例えば、美濃戸口〜硫黄岳〜横岳〜赤岳〜阿弥陀岳〜美濃戸口の周回であれば「八ヶ岳西部」1枚でカバーできるよ。
そう言われると思って、地形図も用意してきましたよ。
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