ソフトバンク、1兆6500億円上限につなぎ融資
スプリント買収資金に
ソフトバンクは17日、米携帯電話3位のスプリント・ネクステル買収に伴い、金融機関から総額1兆6500億円を上限につなぎ融資を受けると発表した。18日にみずほコーポレート銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、ドイツ銀行東京支店と借り入れ契約を締結する。ソフトバンクは10月にスプリント株の約7割を約201億ドル(約1兆6900億円)で取得すると発表していた。
つなぎ融資のうち2500億円は21日に借り入れを実行する。スプリントの転換社債購入で減少した手元資金を補う形となる。残りの1兆4000億円は2013年半ばを予定するスプリント買収時の資金に充当する。
13年3月期の連結決算に借り入れ契約の手数料など約170億円を営業外費用として計上する見通しだ。
つなぎ融資は1年以内に返済し、中長期の資金に借り換える予定。ソフトバンクは携帯電話事業で得た資金を借り入れなどの返済に回し、今年9月末の純有利子負債(有利子負債から手元資金を差し引いた額)をピーク時より7割強削減。財務改善で、英ボーダフォン日本法人買収時よりも低利で資金を調達できそうだ。
孫正義社長は既存株主に配慮して「増資はしない」と表明しており、借り入れなどで対応する可能性が高い。つなぎ融資を経ずに最初から1兆4000億円規模の融資を受ける可能性もある。
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