オスプレイが緊急着陸、米南部の市街地に
けが人なし
【ワシントン=共同】米海兵隊の新型輸送機オスプレイが、6日に南部ノースカロライナ州の市街地に緊急着陸していたことが7日、分かった。海兵隊が明らかにした。けが人や機体の損傷はなかった。機体から黒い煙が出ていたとの証言もあるという。同機は海兵隊の同州ニューリバー飛行場に所属し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定のものと同型機だった。
海兵隊は、現在岩国基地(山口県岩国市)に一時駐機中のオスプレイ12機を普天間へ移動させ、10月に本格運用を開始したい考え。沖縄県では9日に配備反対の県民大会が計画されており、さらに同県を含め全国で反発が広がりそうだ。
オスプレイは4月以降、モロッコや米フロリダ州で墜落事故を起こしているが、米側は原因調査でいずれも「人為ミス」であり、機体に不具合はないと結論付け、日本側に伝達したばかり。
海兵隊は当時の状況について「すぐに基地に戻る必要があることを示す警告が操縦席(の計器)から出た。操縦士は安全最優先で周辺に障害物のない場所に着陸した」と説明、原因調査を急いでいる。
米メディアによると、ノースカロライナ州東部にあるジャクソンビル市で6日午後5時すぎ、大きな音を立てながら住宅の上を飛行し、ニューリバー飛行場から約5キロ離れた教会そばの空き地に緊急着陸した。
同飛行場の報道担当官は地元紙に、煙が出たのは燃料など何らかの液体が漏れ、機体の熱を帯びた部分に触れたことが原因との見方を示した。
同飛行場所属のオスプレイは、7月にも訓練中に機体トラブルを起こし、同州のウィルミントン国際空港に緊急着陸している。