絶滅したペンギンモドキ、実はペンギンか
岐阜県博物館(岐阜県関市)は5日、約1700万年前に絶滅し、これまでペリカンの仲間と考えられてきた水鳥「ペンギンモドキ」が、脳の形態からペンギンの仲間である可能性が高いことが分かったと発表した。
ペンギンモドキは空を飛べず、海に潜って魚を捕食する生態がペンギンに近いが、骨格の形態などからペリカンの仲間と考えられてきた。
同博物館の河部壮一郎学芸員(28)らのチームが、北九州市立自然史・歴史博物館が所蔵するペンギンモドキの頭部化石3個をコンピューター断層撮影(CT)で解析し、脳を再現。小脳の幅や形を現生の水鳥と比較すると、ペリカンよりもペンギンに類似していた。
生物学では、種として近ければ近いほど脳の形が似るとされており、河部学芸員は「ペンギンモドキとペンギンは他人の空似という、これまでの見解を覆す可能性がある」と話している。
ペンギンモドキは北半球の太平洋岸で約3500万年前から生息し、気候変動などで絶滅したとされる。世界で最も多く化石が発見されているのは日本で、これまで北海道や福岡、佐賀などの5道県で見つかった。〔共同〕