「パパはいつも寝てる」だの「パパは全然面倒見てくれない」だの、例えば「子育て川柳」のお題なら全然聞き流せる程度で、ここまで炎上しなかっただろう。問題の本質は男女差別ではない。
あれが気色悪いのは、親を気持ち良くするための発言を子に強いている点だ(もっとも、「発言」というのは実際に声として発せられるものではなく、文字として子に着せているものであるが)。気持ち悪さとしては、動物に人間の言葉を好き勝手にアテレコする動物番組を観ている気分に近い。今回は対象が人間なだけあって、よりグロテスク。子どもはお前が気持ち良くなることを代弁してくれるお人形さんじゃないんだよ。子どもをコントロールしようとするモラハラ気質野郎がよ。
いや、たとえ「ママがいい」と「パパがいい」の両方あったとて普通にキツイだろ。「パパママいつもありがとう」でも十分キツイ。今回は女尊男卑で炎上が加熱した節はあるが、根っこのキモさはそこじゃない。「男親がかわいそう」などの批判はピントがズレている。