憲法学、もう少し広くとって法律学の世界では、内的か外的かが、いろいろな局面で問われる*1。H.L.A.ハートは、規範一般について、内的視点と外的視点とを区別した*2。 規範に則した行動には、内的側面と外的側面とがある。 毎週末に、新宿のデパートに出かける習慣のある人がいるとしよう。彼女の行動には一定の規則性──毎週末に新宿のデパートに出かけるという規則性──がある。しかし、ある週末、別の用事があって新宿のデパートに出かけなかったとしても、誰もそれを咎め立てはしないであろうし、彼女自身も、それを後悔することはないであろうか。 他方、彼女が前方の信号が赤であるにもかかわらず横断歩道を渡ったとすると、彼女はそんなことはすべきではなかったと批判する人が出てくるであろうし、彼女自身も、うっかりしていたと反省するのではなかろうか(道路交通法など自分とは関係ないという人もいるかも知れないが)。 赤信号で