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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

「景福宮の秘密コード」はおもしろかった、が、歴史としては疑問も・・・ [1]

2012-09-28 15:52:44 | 韓国の小説・詩・エッセイ
          

 イ・ジョンミョン作の時代劇ミステリー小説景福宮の秘密コード(上・下)をイッキに読了しました。
 昨年10~12月放映された韓国SBSのドラマ根の深い木(뿌리 깊은 나무)の原作本です。
 ドラマは日本でも今年(2012年)3月からKNTVで放映され、なかなかの好評だったようで、7月24日〜9月17日再放送されました。
 当然原作本の注目度も高まる中、私ヌルボも読んでみるかなと思ったものの、上下巻で約4千円! 吉野家の牛鍋丼14杯分にもなるではないかと考え、やむなく市立図書館で借りようと思っても予約件数が20件くらいという状況がずっと続き、最近になってようやく借りられるようになった次第です。

 さて、読み終えた感想は、「おもしろかった」。
 イッキに読めたのは、まず展開が早いから、です。
 連続殺人物でありながらも、被害者がいきなり登場の人ばかりなので、たとえばA.クリスティ「そして誰もいなくなった」横溝正史「獄門島」のような、次は誰が殺されるんだろ?というゾクゾク感がなく、ゲーム感覚で気楽に読める。
 また、たとえば歴史物でもU.エーコ「薔薇の名前」みたいに難しいことが書かれてなくて、軽く読める。
 まあ逆に言えば、これらの点が上に挙げた3作品に及ばない点ではあるんですけど・・・。いかにもドラマ化には適した読み物ですね。

 本書を読んだ方々のブログ記事を見てみると、ミステリーもさることながら「歴史の勉強になった」という感想が多くありました。

 それはたしかにそうで、けっこう史実にのっとって書かれています。
 物語の時代設定は1443年(世宗25年)と特定できます。この年12月に訓民正音が完成しました。
 主な登場人物にしても、世宗はもちろんとして、以下の人物は実在の人物で、日本(or韓国)ウィキ等にいろいろな記事があります。

チェ・マンリ[崔萬理.최만리](1388(?)~1445)・・・本書では職名が「大提学」となっていますが、「副提学」が正しいようです。「訓民正音」に反対したのは事実で、「訓民正音」(平凡社.東洋文庫)にはチェ・マンリ等が異議を唱えて提出した「崔万理等諺文反対上疏文」が併載されています。ドラマ「大王世宗」にも登場します。(←チェ・マルリと表記)

チョン・インジ[鄭麟趾.정인지](1396~1478)・・・本書では「副提学」となっていますが、ドラマの方ではコチラが「大提学」。野間秀樹「ハングルの誕生」等によると「副提学」が正しいようです。「大王世宗」「王と妃」「韓明澮」「死六臣」等のドラマにも登場してます。「訓民正音」末尾に「鄭麟趾序」を書いています。その中で、彼は共に解説・凡例を作った人物として以下の3人を含む7人の名を記しています。

シン・スクチュ[申叔舟.신숙주](1417~75)・・・韓国ウィキによると、彼も集賢殿の一員として、「吏読(りとう)はもちろん中国語・日本語・モンゴル語・女真語にあまねく通じていて、これらを比較・分析して「訓民正音」創製に重要な役割を果した」とのことです。
 しかし本書では、通信使の書状官として日本に行っていたため、名前が少し出てくるだけで、登場人物とするには無理がありますね。
 ところが、通信使一向が朝鮮から出発したのが2月21日、4月に日本に着いたものの、入京拒否の知らせを受け兵庫津で足止めされ、6月11日に誤解が解けて入京し、6月19日に新将軍足利義勝と会見して前将軍義教への弔意を伝えた、とのこと。
 でもねー、この本の連続殺人は10月だから、もう帰国してたんじゃないの? (・・・って、こんな重箱の隅をつついて何の意味があるんだ?)
 シン・スクチュはドラマ「王女の男」「死六臣」「韓明澮」にも登場します。

ソン・サンムン[成三問.성삼문](1418~56)パク・ペンニョン[朴彭年.박팽년](1417~56)・・・この2人は、後年の<死六臣>として有名。韓国版・忠臣蔵というふれ込みのドラマ「死六臣」にもちろん登場します。ソン・サンムンが主役。この時シン・スクチェは対立する首陽大君(世祖)の側。かつての仲間が敵同士になり、運命の明暗が分かれてしまいます。(<朝鮮新報>のサイト中の関係記事→コチラ。)

 しかし、「歴史の勉強」という観点でこの小説を読むとなると、留意しなければならないのが史実とフィクションの見きわめ。
 とくに作者のイ・ジョンミョン氏は、ドラマ「風の絵師」の原作本でも「絵師申潤福(シン・ユンボク)は実は女性だった!」というトンデモ設定で書いたりしてるので、「大胆な」歴史解釈がなされているのではないかということは本作を読む際にも念頭に置く必要はあります。

 とりあえず、役所・役職関係のいろいろは勉強になりましたということで、それ以外でいくつかつあげると、まず魔方陣のこと。これが古代中国の<河図洛書>にすでにあったことは私ヌルボ、知りませんでした。読みやすい記事→コチラ。(ただし「魔陣」は誤りで「魔陣」が正しい表記。)

 また、本作ではパスパ文字がハングル創製のモデルとなったように記されていますが、ウィキのハングルの項目には「起―成文図起源説、パスパ文字起源説など諸説がある」とのことです。

 勉強になったこともう1つは、原作のタイトル「根の深い木(뿌리 깊은 나무)」の意味
 この言葉で、最初私ヌルボが思い起こしたのは、以前出版社の社名&雑誌名でこの言葉を見たこと。根の深い木社では、後に「泉が深い水(샘이 깊은 물)」という雑誌を刊行しました。
 今調べたら、前者は1976年創刊で80年に新軍部により廃刊。後者は1984~2001年に発行されていました。
 私ヌルボ、韓国人青年に「「水が深い泉(물이 깊은 샘)」じゃなくて、なんで「泉が深い水(샘이 깊은 물)」なの?」と訊いたことがありました。(今もよくわからず。)
 ところがこれらの言葉はハングルで書かれた最初(1447年)の詩集龍飛御天歌(용비어천가)の一節だったんですね。

 現代韓国語にすると、
 뿌리 깊은 나무는 바람에 흔들리지 아니하고, 꽃이 화려하게 피고 열매가 많습니다.
 샘(泉)이 깊은 물은 가뭄에도 마르지 않고, 내(川)를 이루어 바다로 흘러갑니다.
 
  (根の深い木は風にも動かず、花を咲かせ、実がたわわになり
   深い所から湧く泉は日照りにも涸れないので溢れて川となり海へと流れる)


 ・・・ということで、タイトルの「龍」とは朝鮮の歴代の王を指し、朝鮮を讃えるという内容の詩とのことです。→コチラの記事によると、最初は「불휘 기픈 남간 바라매 아니 뮐쌔 곶 됴코 여름 하나니・・・」というように記されていたそうでか。

※参考:「中央日報」のコラム<噴水台>「龍飛御天歌」・・・「龍飛御天歌」を引き合いにして盧武鉉次期大統領(当時)を揶揄しています。

 次に金属活字のことについてもちょっと調べてみるかな、とも思ったのですが、これはウィキの「活字」の項目の関連部分をちょっとコピペするだけに止めます。
 高麗末の14世紀後半に印刷された直指心体要節が現存する世界最古の金属活字本であるといわれている。1403年には青銅製の活字が作られ(銅活字とよばれる)、実用化したといわれている。高麗に於いては発達を見せず、李氏朝鮮に至ってはじめて本格化した。永楽元年(1403年)に李成桂の命により活字鋳造がはじめられた。
 ・・・つまり、この本の記述は虚構ではないということですね、たぶん。

 はてさてところでそれよりも何よりも、このブログ記事の本論は、「景福宮の秘密コード」におけるかなり重大な史実の誤りと歴史認識の問題点だったのですが、例によって本論にたどりつくまでに延々とあれこれ細々と書いてしまいましたので、本論は続きで、というにします。ふー。

 続きは→コチラです。
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竹島問題についての雑感(2) -NHKスペシャル- 櫻井よしこ氏の陰で全然目立たなかった木村幹教授に注目

2012-09-26 13:14:24 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 9月23日(日)夜、実に久しぶりにテレビを見ました。NHKスペシャル「対立を克服できるか~領土で揺れる日中・日韓~」に木村幹神戸大教授がどんなことを言うか興味があったからです。

 本ブログ9月7日の記事で、古田博司・下條正男・重村智計等の韓国を専門とする大学の先生方が雑誌で最近の韓国に対して感情もあらわに政治的主張を展開していることに、私ヌルボ、少し驚きあきれるようなニュアンスの文章を書きました。感情に流れている部分を捨象すれば、相当程度(?)納得できる内容ではあるんですけどね・・・。

 その先生方と対照的な研究者が木村幹先生です。
 木村先生のtwitterは有用な知見だけでなく、軽いユーモアにもあふれていて、以前から愛読しています。
※木村先生、書店でKSJ先生の新書の上に自分の新書を置いたりしてるのを店員さんに見つかって注意されたりもしてます(笑)。→コチラ参照

 木村先生の持ち味は、領土問題や歴史認識問題等について、たとえば「~だから竹島は日本の領土だ」とか、「~だから日本は謝罪し補償すべきだ」等の意見を述べ立てないこと。
 日韓がそれぞれの主張を相手方にぶつけ合っても不毛な議論が続くばかりであり、それ以前に、なぜどんな背景の下にそれらの問題が問題化してきたのか、あるいはなぜ両国の認識が食い違うのかを探るというのが基本姿勢です。

 木村先生らしいtweetを8月以降の中から拾ってみると・・・

▶「8月15日 またぞろ、お前は日本と韓国のどちらの味方か、みたいなツイートがわらわらと。でもね、本来、研究者にはそんなのないんだよ。
だって、分析の前から結論が決まっている、というのは、あり得ないし、あっては駄目なんだよね。フラットな分析をしてこそ、統治エリートや世論が正確な判断ができるんだし、結果としてより実務にも役に立つ。少なくとも、自分はそう考えている。」


(「‏@takammmmm 木村幹氏という大学教員には失望した。学会では実績を重ねている人なのかもしれないが、韓国を研究している知識人として、従軍慰安婦問題について、いま「こう見るべき」と言う発言しないとダメだろう。言説研究の手順なんかを解説している場合ではないと思う」というtweetに対して・・・)
▶「9月1日 運動や啓蒙活動のために研究している訳じゃあないんだけどなぁ。」

 ・・・とまあこんな感じ。上掲の先生方と比べると、木村先生の方がナショナル・アイデンティティに浸りきってなくて、学問的にも信頼がおけるような気がします。(※「信頼がおけます」≠「信頼がおけるような気がします」) 

 さて、そのNHKスペシャルを見て、おそらく大多数の視聴者もそう思ったでしょうが、私ヌルボの感想も櫻井よしこの一人勝ち

※およその内容は、相当に詳しく書かれている他のブログを参照されたし。→コチラとか、コチラとか、コチラ等々。

 木村先生、事前のtweetでは、
▶「どうも役回りは交通整理らしい。が、問題は爆走する車に乗っている人よりも、その車を整理する為に、身一つで交差点の真ん中で交通整理をする人間の方が、遥かに死亡率が高そうだ、ということだ。」
 ・・・と呟いてましたが、結局は櫻井氏が経験にモノを言わせて巧みに突っ走った、というところでしょうか。

 番組終了後の木村先生も、
▶「終わった。桜井さんに、完全に食われた。」
 ・・・と率直な感想。 そして、
▶「ホテルの部屋に戻った所。いろいろと反省中。役回りもあったのだけど、下手に抑えちゃったかなぁ。日本国内の保守派の議論と、韓国側の議論との間で、割り込むのが難しかった。その点、議論に慣れている人は、割り込んで行くタイミングが絶妙。そこは素直に感心。」
 ・・・と振り返り、反省しつつも、翌朝からは番組内で言えなかったこと等のtweetが続きます。
 以下、いかにも木村先生らしいもの及び私ヌルボが共感を覚えたものを拾ってみます。(全体的に、ちょっと負け犬の遠吠えっぽい感じもしないではない?)

▶「9月24日 昨日のNスペ補逸。討論では、田中さんが日本政府の立場を、桜井さんが日本の保守派の意見を、韓国からの先生方が一致して韓国の公式見解を語った(ちょっと驚いた)のだけど、自分は過去の経験から、この手の「自らの意見の言いっ放し」が意味のある事だと思っていないので、引いた対応になりました。」

▶「ステレオタイプな見解の応酬で相手側を「論破」して、問題が解決するならいろいろな問題は既に解決している筈。また、日韓の大半の問題は資料や証言等々の「解釈」の問題なので、結局、平行線の議論にしかならない。という事で、「論破」は一見「痛快」だけど、余り意味がない。」
 ・・・櫻井よしこさんの鋭い弁舌に、大方の視聴者は溜飲を下げたでしょうけど、韓国の人たちにはほとんど通じないんだろうなー、きっと。

▶「補逸。更に続き。因みに見ていた人には、誤解した人もいるようだけど、桜井さんは中国との対立を念頭に「日韓関係は重要」と言う立場で議論をしていて、「にも拘らず韓国が反日的な姿勢を取っているのが良くない」というポジションでの議論。ある意味、自分よりも日韓関係重視論者だったりする。」

▶「Nスペこぼれ話。桜井さんは番組が終った後も、韓国からの先生方を捕まえて、彼等を「説得」しようとしていた。その意味では、確かに「熱い」人であり、また真剣に韓国側にメッセージを伝えようとしていた。どうしても分析者として、間をおいて日韓関係を見たい自分とは、全く違う。

▶「相手を「論破」した先に「日韓友好」がある、と考えていることにおいては、実は桜井さんと韓国の人々の考え方は大きな類似点があったりする(ある意味波長があっている)。で、「そんなことする必要ないじゃん」と思っている自分としては、その考え方こそが日韓関係を阻害している、と思ったり。」 

▶「「正しい」歴史がある、それを自分はわかる、だから他国に押しつけてもいい。そうやっておこる問題を歴史認識問題と呼ぶ。」

 ・・・「さりげなく」表される韓国に対する批判。日本側にもそういう傾向の人はいるが・・・。

※togetterでこの番組関連の木村教授のtweetをまとめて見ることができます。→コチラ。(慰安婦問題関係のtweetも多い。)

 ところで、最近の領土問題に関しての、主にマスコミを通じての学者先生の言説を見聞きしながら、私ヌルボが抱いた疑問があります。
 それは、「学者たるものは、自分が日本人(or韓国人)であれば日本(or韓国)のために研究すべきなのか? それとも、逆にそうした雑念(?)を排して学問的な正しさを求めるべきなのか?」ということ。大雑把に見ると、韓国人学者は前者が比較的多く、日本人学者は後者の人が多いように思えます。
 しかし、意識的に前者の道を択ぶとすると、それは<御用学者>に他ならないでしょう。敗戦後の学界はその否定からスタートしたのではないですか?
 おそらく、今日本の国益・国策に沿った線で意見を述べている学者・専門家諸氏は、「公正な研究・考察の結果である」と仰るかも・・・。しかし、日韓両国の学者・専門家の所論に接すると、自分の民族意識や思想性、政治理念等に研究の方向性や結論が左右されるのはむしろふつうのように見えます。

 かつて、朝鮮戦争で先に攻撃したのは、左翼の立場に立つ人たちはそのほとんどが韓国の側だと考え、反共の立場の人たちは北朝鮮の側だと考えていて、それは学者の場合もほぼ同じだったと言えるようです。

 野球でアウト・セーフの判定が微妙な場合、一方のファンは「アウト!」と叫び、他方のファンは「セーフだ!」と主張する。学者・専門家がそれとほとんど同レベルだとまずいでしょう。

 その点、先の引用のように「分析の前から結論が決まっている、というのは、あり得ないし、あっては駄目」という木村先生、9月10日のtwitterで次のように記しています。
▶「「研究者」が一般社会に発言する事に対して批判的な人は実際多い。自らの専門性を踏み外さずに、発言する事は容易ではない。でも、敢えて「踏み外している」ことを承知で、時に発言しなければならないと思う時もある思う。そのリスクを敢えて取ろうとするのは簡単ではない。率直に、自分には出来ない。」

 このように、一方の立場での発言については「控えめ」でありながら、論点の整理役・説明役としてはけっこうベラベラと(?)しゃべる。このあたりがマスメディアの側からは重宝がられるのでしょうか? (木村先生がtweetしているように、小此木政夫先生が慶應大を停年退任し、九州大学特任教授となったため需要が増したということもあるかも・・・。)

 あーあ、今回も自分の考えを述べる前の段階で終わってしまった・・・。(続く)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月21日(金)~23日(日)]

2012-09-25 22:25:50 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今年は秋分の日(22日)が土曜日だったので、残念に思った人は多いでしょう。韓国でも今年はチュソク(秋夕)が9月30日(日)なので、3連休といっても土日が重なってしまうとは運が悪いことで・・・。

 昨日ようやくプンサンケを観ました。韓国と北朝鮮の関係を扱った映画の中で、これは画期的な作品です。何が画期的かというと、「北」にも「南」にも足を置いていないこと。いや、どちらも峻拒している、と言った方がいいかも。「どちらの言葉も話さない」主人公のことだけではなく、作品の基軸がそういうこと。過去の南北統一志向映画は、「トンマッコルにようこそ」等のように80年代民主化運動に通底する民族主義的な理念に裏打ちされていたと思います。「JSA」のチョコパイなんかもその象徴でしょう。観てないけど「KOREA」もそうかな? 「南」と同じように「北」も認めようという姿勢です。イジワルな言い方をすれば「南から北への片思い映画」。しかし「プンサンケ」は「北」も「南」もひっくるめて、個々人の不幸のモトとなっている国家そのものを否定しています。その非情な国家の在りようを示すものがまさに軍事分界線です。私ヌルボ、かねてから南北分断を維持しているのは、口先では統一を唱えている南北両政権、そして日米中露の各国政府であると見てきました。そんな政治的構図に対して、南北工作員たちのように骨の髄まで染み込んだ「愛国心」からも、あるいは「民族意識」からも自由な主人公を創造して異を唱えた作品が登場したことに、ヌルボとしてはわが意を得た感じで、心強く思いました。南北に離散した肉親が、ビデオに映った相手を見て涙する・・・(あるいは後の方で、彼が大声で叫び続ける場面も・・・)、「プンサンケ」が立脚するのは、そんな人の心の基層部分です。
 そういえば、一昨日観た「壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び」もイスラエルがイスラエルが「テロリストの侵入を防ぐため」と称してヨルダン川西岸地区でパレスチナ人の土地を奪いながら建設中の分離壁(アパルトヘイト・ウォール)も住民に不幸をもたらす壁です。
 このような現実の鉄条網やコンクリート壁、あるいはそれと対応するような、心の中の壁のようなものは、最近の領土問題を考える時、日本の私たちにとっても決して他人事ではない、ということを強く感じます。

          ★★★ Daumの人気順位(9月25日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①地上の星のように  9.3(113)
②おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.2(112)
③ヤコブへの手紙  9.2(30)
④ホノカアボーイ(日本)  9.1(47)
⑤ピエタ(韓国)  9.0(1130)
⑥チャイニーズ・フェアリー・ストーリー  8.6(43)
⑦光海、王になった男(韓国)  8.5(1626)
⑧ピナ・バウシュ 夢の教室  8.5(33)
⑨あの頃、君を追いかけた  8.4(192)
⑩ベスト・エキゾチック・マリーゴールド・ホテル  8.4(163)

 新登場は⑥「チャイニーズ・フェアリー・ストーリー」だけです。蒲松齢の古典怪奇小説集「聊斎志異」を素材にしたゴードン・チャン(陳嘉上)監督の「画皮 あやかしの恋」は中国国内で興行収入2億元を超える大ヒットとなり、日本でも今年8月に公開されて今も上映中ですが、この作品も同監督がやはり「聊斎志異」の中の「画壁」という話を映画化したものです。ある書生が旅の途中で立ち寄った古寺で、壁に描かれた仙女の絵に心を奪われます。すると絵の中から仙女が現れ、彼を仙女だけが暮らす異世界へと導いて・・・。この後は、突然現れたイケメン書生に恋のバトルを繰り広げる仙女たち。それがその世界の戦争へと繋がっていって・・・とい話に。カンフーアクションがすごい、という感想がありました。
 主演女優スン・リー(孫儷)は「画皮」にも出演していました。→コチラのブログ記事によると、現在「中国の実力No.1女優」なんだそうです。(人気ではチャン・ツィイーの次らしい。)実は彼女、2004年に放映されたサントリーウーロン茶のCMで美しく舞っていました。YouTube(→コチラ)の動画を見て思い出す人も多いのでは? で、そのスン・リー、この作品の主演男優ドン・チャオ(超)と2010年に結婚していたことが11年4月報じられました。(→コチラ。) その後に作られたこの映画も2人で主題歌デュエット。11年末には女の子を出産したとか。はいはい、けっこうなことでございます。さてこの映画、原題は原作と同じ「画壁」で、韓国題も「화벽(画壁)」ですが、日本では今年11月に「チャイニーズ・フェアリー・ストーリー」というタイトルでDVDが発売されるとか。ということは一般劇場公開はナシのようです。あの「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」と紛らわしいですが、あれも「聊斎志異」の中の「聶小倩」という話が原作なので、関係がないことはないのですね。
 なお、⑩「ベスト・エキゾチック・マリーゴールド・ホテル」は久々の再登場。7月17日の記事で紹介しました。

【専門家による順位】

①おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.0(5)
②Bonsai~盆栽  8.0(1)
③ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
④少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
⑤二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑥メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑦光海、王になった男(韓国)  7.2(8)
⑧ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑨ぼくの孫悟空(日本)  7.0(1)
⑩泥棒たち(韓国)  6.8(6)

 ほー、「おおかみこどもの雨と雪」が①位になりました。アニメとしてはめずらしく、専門家からも高い評価を得ています。
新登場は⑥「メゾン ある娼館の記憶」だけです。20世紀初頭パリを舞台に、過酷な運命を生きる高級娼婦たちをが見せる様々な表情を芸術的映像で描いた群像劇。日本では6月に公開されました。韓国題は「라폴로니드:관용의 집(ラポロニード:寛容の家)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月21日(金)~23日(日)] ★★★

         時代劇「光海、王になった男」が今週も他を圧倒

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・1,192,663 ・・・・・・・・3,227,914 ・・・・・・・・23,631・・・・・・・922
2(35)・・間諜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・341,694 ・・・・・・・・・・415,420 ・・・・・・・・・2,953・・・・・・・576
3(2)・・バイオハザードV・・・・・・・・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・101,266 ・・・・・・・・・・501,386 ・・・・・・・・・4,328・・・・・・・331
        リトリビューション
4(12)・・テッド:黄金都市 ・・・・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・・81,308 ・・・・・・・・・・100,925 ・・・・・・・・・・・723・・・・・・・301
        パイティティを探して
5(3)・・ピエタ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・・69,518 ・・・・・・・・・・505,744・・・・・・・・・・3,653・・・・・・・292
6(8)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・61,269 ・・・・・・・・・・169,760 ・・・・・・・・・1,158・・・・・・・220
7(4)・・ボーン・レガシー ・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・・39,771 ・・・・・・・・・・998,209 ・・・・・・・・・7,291・・・・・・・262
8(5)・・共謀者たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・・・36,518 ・・・・・・・・1,618,529 ・・・・・・・・12,406・・・・・・・192
9(9)・・泥棒たち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・・・・6,969・・・・・・・・12,944,834 ・・・・・・・・93,396・・・・・・・・86
10(新)・・ロンドン・ブルバード・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・・・6,735 ・・・・・・・・・・・11,617 ・・・・・・・・・・・・83・・・・・・・131
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は2・4・10位の3作品です。
 2位「間諜」は、北朝鮮のスパイを描いたアクション・コメディ。これまでにも北朝鮮のスパイを描いた作品といえば「シュリ」「二重スパイ」「義兄弟」等が思い浮かびますが、本作はそれらとは全然違う新タイプ。宣伝文句では<本格生活型間諜の誕生>と謳ってます。つまり、長く韓国内で一般市民として生活しながら北からの指令を受けるスパイで、そんな固定間諜が、あの(故)黄長氏によれば韓国内になんと5万人(!)もいるそうです。さて、この映画の中身は・・・。主人公のコードネーム「キム課長」(キム・ミョンミン)は南に定住して22年にもなる「北」の間諜。しかし本国からの送金は途絶え、バイアグラの販売で食いつないでいる状況。そんな彼が工作資金を要求したら、送られてきたのは金ではなく、韓国に亡命した北の政府高官暗殺せよとの命令。「北」からは冷徹なリーダー工作員「チェ部長」もやってくる。そして「キム課長」は、彼同様の定住スパイの不動産業の中年女性、40年公務員を生業として退職した独居老人、FTA反対デモの先頭に立つ帰農青年の3人と共に「チェ部長」の下で作戦を進めますが失敗し、「キム課長」の正体も韓国の情報当局に知られてしまって・・・という複雑な展開に・・・。そういえば、以前読んだ金英夏の小説「光の帝国」も、長年韓国で家庭を持ち生活する北朝鮮のスパイが主人公という純文学でした。しかし、実際にそんな生活をしているスパイが5万人もいるのかなー? 原題は「간첩」。で、最近の若者、間諜の意味はわかってるか、ちょっと疑問。
 4位「テッド:黄金都市パイティティを探して」はスペイン製のファミリー向けCGアニメ。つい先頃の8月31日、スペインの興行ランクで初登場1位とか。幼い頃考古学者を夢見たテッドは、現実はシカゴの平凡な煉瓦工。ところが偶然の事故で教授に誤解され、古代インカ帝国の黄金が埋まっているというパイティティの秘密のカギとなる半分の石板を持ってペルーへ。そしてお約束の美女とか虎視眈々と石板をねらう連中等々が登場して、さて隠された黄金を見つけ出せるか? ・・・というおなじみみたいな物語。原題は「Las aventuras de Tadeo Jones(タデオ・ジョーンズの冒険)」、韓国題は「테드:황금도시 파이티티를 찾아서」です。
 10位「ロンドン・ブルバード」は日本では昨年(2011年)12月公開。韓国題は「런던 블러바드」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・地上の星のように ・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・1,798 ・・・・・・・・・・・・・14,467・・・・・・・・・95・・・・・・・・・・17
2(再)・・あなたを愛しています(韓国)・・2011/2/17 ・・・・・・・・・・・1,196 ・・・・・・・・・・1,646,794・・・・・12,044・・・・・・・・・・・1
3(2)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・1,157 ・・・・・・・・・・・・・14,231・・・・・・・・264・・・・・・・・・・・8
4(4)・・少年は残酷な弓を射る・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・・・・・・・・478 ・・・・・・・・・・・・・44,593・・・・・・・・352・・・・・・・・・・・3
5(新)・・メゾン ある娼館の記憶 ・・・・・・・・9/20 ・・・・・・・・・・・・・・・・・399・・・・・・・・・・・・・・・・491・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・・・8

 新登場は5位「メゾン ある娼館の記憶」だけ。上述しました。
 2位「あなたを愛しています」は、「隣人」と同じくカンプルの漫画が原作で、昨年ヒットした作品の再上映。日本での公開を期待しているんですけどねー・・・。
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[韓国語の新語]トルシンナムとトルシンニョ、何の略語か考えてもわかるわけないよ~

2012-09-23 23:49:21 | 韓国語あれこれ
 先日、宮部みゆき原作の韓国映画「凍える牙」(韓国題は「하울링(ハウリング))を観ました。主演のソン・ガンホとイ・ナヨンは、「シークレット・サンシャイン」や「私たちの幸せな時間」と比べると今ひとつ(以上) 魅力が生かされていない感じで、むしろ犬(?)の表情演技(??)の方が目立っていたような・・・。

 ・・・という感想はさておいて、なんとなく字幕を見ていて目に留まった言葉がバツイチ」。あれ、韓国語では何というんだろう?と聞き耳を立てましたが、私ヌルボの情けないリスニング能力では「トルシ・・・」程度しかわからずじまい。

 帰宅後電子辞書を見ても、そもそもバツイチなんて見出し語にもありません。そこで「バツイチ」&「韓国語」でググると、ありましたねー、たった1つ。
 2010年3月の<K-PLAZA>のサイト中の「今日の一言」に、流行語・新造語として「돌싱남」という言葉が紹介されていました。バッチリです。
 バツイチの男性の場合は돌싱남(トルシンナム)、女性の場合は돌싱녀(トルシンニョ)とのこと。
 しかし、なぜ돌싱남なのかは書かれていません。
 そこでNAVER辞典で「돌싱」を見てみると、「오픈사전(オープン辞典)」に次のような説明がありました。
 「아온(トラオン.帰ってきた) 글(シングル)の略語で、離婚した女性や男性を指す言葉。」

 なるほどねー。<戻りシングル>って感じですねー。しかし、「強推(강추.カンチュ)」=強力推薦のように漢字熟語を組み合わせた略語はぐっとにらむと見当がつくこともありますが(←ホンマカイナ?)、固有語用言の一部+英語の一部なんて、わかるわけないです。

 さて、この돌싱という語でgoogle検索すると、なんと167万件もヒット! いろいろ興味深い記事がある中で1つだけ紹介するとコ・ヒョンジョン、ハハの「トルシン」発言にカッと」という芸能記事がありました。
 今年4月27日放映SBSの公開シチュエーショントークショー番組<GO SHO>の中で、ゲストのハハコ・ヒョンジョンに、「SBSがペアの돌싱を特集するようですよ」と発言したら、コ・ヒョンジョンが「あなた、こっち来なさいよ!」とつかみかかろうとしたので観客は爆笑した、というもの。ハハは、彼女のことではなくて自分を話題にしたものと言い訳をし、MCのユン・ジョンシン「<GO SHOW>の禁止語中の1つが「トルシン」です」(笑)と応じた、とのことです。
KNTVで7月27日に放映されたので、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

 関連の韓国サイトをいろいろ見ていたら、2008年頃から골드미스(ゴールドミス)という言葉も広まっているんですね。晩婚化に伴って目立ってきた女性で、NAVER辞典中のオープン辞典には「30~40代の未婚女性中、学歴が高く社会的経済的余裕を持っている階層」とあります。もちろんオールドミスのもじりです。
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韓国の菓子パン [2]ソボロパン? コンボパン?? メロンパン!

2012-09-21 22:26:06 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 韓国にも日本オタクのような人が運営しているブログがあって、読んでみると彼らが日本のどんなことに興味を持っているかがうかがわれ、なかなかおもしろいです。
 <韓国人が見た日本>という韓国ブログもそのひとつですが、メロンパンのことについて書こうと思ったのも、そこの「日本の国民パンはメロンパン!」(→日本語自動翻訳という記事を読んだのがキッカケです。
 記事冒頭が「わが国のソボロ)(소보로に似ている日本のメロンパンをご存知ですか?」。そして「日本を代表するパンは何かと問われれば、私はためらわずメロンパンと答えるでしょう」とあります。

 つまり、この記事が書かれた2010年6月の時点ではメロンパンという言葉&モノは韓国ではあまり一般的ではなかったということのようです。
 そしてソボロって、あの鶏そぼろとかのそぼろ? 調べてみると、そぼろパンというパンが日本にあるんですね。知らなかった~! 韓国にはソボロパン、もしくはソボル(소보루)パンというパンがあるのですね。画像検索してみると、必ずしも一様ではないですが、メロンパンと見分けがつきにくいです。メロンパン自体もウィキの説明をみると、形や中のクリームの有無等さまざまで、そこらへんが明治末~大正以来という歴史があるにもかかわらず私ヌルボが前の記事でランクの「別ワク」にした理由です。

 ソボロパンについてですが、思うに、今韓国のソボロパンの認知度は日本のそぼろパン認知度よりずっと高いのではないでしょうか?
 また、韓国の関係サイトやブログ等をいくつか見てみると、このソボロ(소보로)という言葉が日本語由来ということは必ずしも知られているとはいえないようです。
 過日ネイティブの先生とソボロパンの話をしたところ、昔からコンボパン(곰보빵)ともいう、と教えてくれました。곰보すなわちアバタ。表面がざらざらしているところからつけられた名称です。しかし、あばたパンなんてねー、韓国の人たちは抵抗感がないのかな? 語感が日本と違う?

 さて、前回の記事の最後の方で「近年、韓国の菓子パン事情は、大型チェーン店の発展で状況が急速に変わってきたようです」と書きました。その大型チェーン店の代表がパリバゲットトゥレジュールです。
 それぞれの公式サイト(→コチラコチラ)でパンの製品紹介(제품소개)中の「間食用パン(간식용빵)」=菓子パンを見てみると、<パリバゲット>が75種類、<トゥレジュール>が73種類ものパンの写真が並んでいます。うーむ、この数は半端ではありません。(今朝の新聞によると、「半端ない」という言い方をする人は20.1%だそうです。) で、その中に、前者にはメロンパンとソボルパン、後者にもメロンパンとソボロパンが別の物として載っています。
 その写真は下の通りですが、説明なしでこの中からメロンパンを選べと言われて自信を持って答えられる人はいるのでしょうか?

       
       

  【パリ・バゲットのメロンパン(上左)、トゥレジュールのメロンパン(上右)、パリ・バゲットのソボルパン(下左)、トゥレジュールのソボロパン(下右)。】

仁川にお住まいの日本人お母さんの去年8月のブログ記事に、トゥレジュールに行って「韓国でわたしは初めて見た~ まともっぽいメロンパン♡」と書いてました。(そーか、メロンパンはドラミちゃんの大好物だったのですね。)

 結局、日本でのメロンパンに対する疑問の数々は、韓国にもそのまま持ち越されているように思われます。

 ・・・ということで、次回(最終回)は上述のパンの2大チェーン店についてです。(しかし、これからドラマ「製パン王キム・タック」全30話を観るとなるといつになることやら・・・。)

※果物のメロン(melon)の韓国語表記は멜론。Lの場合はㄹが重なってメロンとなります。ところが、メロンパンの場合はウィキの項目名は멜론빵ですが、上記の2店では메론빵(メロnパン)です。またそれ以上に메롱빵(メロngパン)という表記が広く使われているようです。
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韓国の菓子パン [1]あんパン=タンパッパンなんだけど・・・

2012-09-20 15:31:04 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 日本の代表的な菓子パンといえば、私ヌルボの場合①あんパン②ジャムパン③クリームパンで、ちょいと離れてチョココロネ(この頃見ないような・・・)、そしてメロンパンとか揚げパン等はなんとなく別物という感じがします。たぶん世代によってかなり違うのではないでしょうか? 1970年頃、つまりコンビニが広がる以前はパンの種類は上にあげたくらいしかなかったとおもいます。(甘食なんてのもあったが・・・。) 

 <kotobank>の「菓子パン」の説明では、「あんパン・ジャムパン・クリームパン・メロンパンなど、代表的な菓子パンは、いずれも日本で考案されたものとされる」とあるのは意外の感は全然なく、またこの順序もおのずとこのようなものになるということでしょう。

※北海道では代表的なパンといえばようかんパンなんですか?

 あんパンといえば、以前は銀座文化(現シネスイッチ銀座)で映画を観る前には、まず木村屋で酒種桜あんぱん等を3個ばかり買い込んでから行ったものです。和光の前できょろきょろしてた旅行中とおぼしき韓国青年2人に話しかけて、あんパンを数個買ってあげたこともあったなー。

 あんパンは、韓国語では단팥빵(タンパッパン.甘小豆パン)といいます。
 ちなみにそれいけ! アンパンマンは韓国でも放映されていますが、韓国語タイトルは날아라! 호빵맨(ナララ! ホッパンメン)」「飛べ! あんまんマン」
 タンパッパンではなくホッパン(あんまん)にしたのは語感がいいからでしょうか?

 YouTubeに韓国のアンパンマン(ホッパンメン)の主題歌(アンパンマンマーチ)がupされていました。(→コチラ。) 「下ネタに聞こえます」とのふれ込みですが、期待して聴くと肩すかし(笑)。しかし「怒りの万年ほっぱんめん」とか「食べるラー油ほっぱんめん」等々の空耳歌詞は笑えます。

 同じく韓国でも人気の日本アニメ「ドラえもん」は韓国でも「도라에몽(ドラえもん)」です。しかし、ドラえもんの大好物ドラ焼きは단팥빵(タンパッパン)と言われています「도라야끼(ドラ焼き)」とハングル入力して検索すると約20万件ヒットしますが、そんな一般的なモノ&言葉でもなさそうです。。→コチラのブログ記事(2008年)によると、セブン-イレブンで「도라야끼」を売っていたそうですが、今もあるかどうか?

         
    【製パン大手のシャニ(샤니)のどら焼き。本体にもドラえもんの絵が・・・。】

 そういえば、私ヌルボが観た数少ない韓国ドラマで、その名も「あんぱん」というのがありました。全州を舞台にしたラブコメで、チェ・ガンヒの幼なじみの青年のあだ名があんぱん。子どもの頃のエピソードに基づいたあだ名です。

 ・・・というわけで、やっぱりあんパンは韓国でも菓子パンの代表格ですね。
 韓国の菓子パン文化も元来は日本と同根なので、それも当然といえば当然。
 韓国ウィキのパンの項目中の菓子パン(단과자빵)の説明をみるとあんパン、ジャムパン、クリームパン等々、日本とほぼ同様の品目があげられています。
※あんパンでも、완두앙금빵(豌豆アングムパン)=うぐいすパン、흰앙금빵(白アングムパン)、고구마앙금빵(さつまいもアングムパン)などのあんパン類には앙금빵(アングムパン)という言葉が使われています。

 ところが近年、韓国の菓子パン事情は、大型チェーン店の発展で状況が急速に変わってきたようです。

 その中で、とくにメロンパンに注目して・・・と、あれれ、この記事は実はあんパンではなくてメロンパンについて書くつもりだったのですが、すでにあんパンについて書きすぎてしまったので、以下は続くということにします。(毎度のこと。)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月14日(金)~16日(日)]

2012-09-18 21:01:55 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 この1週間は絶不調。暑い上に、晩酌の習慣のない私ヌルボとしては非常にめずらしく4日連続飲酒。昼夜逆転の日々で、映画も全然観ず、ブログ更新も6日間怠ってしまいました。本だけは試験前の逃避のように、李恢成「地上生活者」既刊4巻読了、「景福宮の秘密コード」読了等々はかどりましたが・・・。。
 やっと今日はふつうの時間に起きたので、再起を期して「鍵泥棒のメソット」を観に行きました。内田けんじ監督、期待通りおもしろい。よくこんな設定&展開を考えつくものです。最初に観た「運命じゃない人」がやっぱりベストですが、「アフタースクール」より上かも。「るろうに剣心」「夢売るふたり」「ひみつのアッコちゃん」と出づっぱりの香川照之、今回はめずらしく予告編での登場はありませんでしたが、堺雅人の方が「大奥」と「その夜の侍」の予告編に連続で出てきました。「その夜の侍」は11月公開、期待してよさそう、かな?

 <Korean Time>というサイトは韓国映画(&ドラマ)ファンにどれだけ知られているのでしょうか? いろんな映画が367円で観られるようですよ。また「韓国映画,最新ランキング」が上位5位まで紹介されていて、予告編映像が視られるになってます。(ランキングの更新は金曜日のようなので、当ブログの方が3日早いですけど、えへ。)

 10月20日(土)~23日(火)、東京国際映画祭提携企画「コリアン・シネマ・ウィーク2012」が韓国文化院で開かれます。今年前半の韓国でのヒット作「建築学概論」等5作品を上映。チケットぴあのプレリザーブは9月21日(金)まで。21日(金)には韓日の映画関係者によるシンポジウム「韓国映画の魅力と韓国映画産業の現況」も開かれます。参加費無料ですが、事前申込制。詳細は→コチラ

          ★★★ Daumの人気順位(9月18日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①地上の星のように  9.3(103)
②おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.2(65)
③ヤコブへの手紙  9.2(30)
④The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛  9.1(43)
⑤ホノカアボーイ(日本)  9.0(42)
⑥サミーの冒険 2  9.0(151)
⑦ピエタ(韓国)  9.0(957)
⑧シスター  8.9(26)
⑨アイス・エイジ 4:大陸移動説  8.8(142)
⑩ステップアップ・レヴォリューション  8.7(275)

 ②⑤の日本の2作品が新登場です。
 ②「おおかみこどもの雨と雪」の韓国題は「늑대아이(おおかみこども)」。
 ⑤「ホノカアボーイ」、2008年の作品が今上映された経緯はよくわかりません。しかし、韓国では「かもめ食堂」もなかなか評価高かったし、この作品がうけるのもわかるような・・・。と思って韓国ブログ等を少しのぞいてみると、やっぱり「「かもめ食堂」のハワイ版」とか、「「かもめ食堂」の亜流」とか書かれてましたね。あと「"第2の木村拓哉"岡田将生の発見!」というのも。そうなんですか?! 韓国題は「하와이언 레시피(ハワイアン・レシピ)」。
 ・・・と書いたものの、私ヌルボ、②も⑤も観てませ~ん。

【専門家による順位】

①Bonsai~盆栽  8.0(1)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④嵐が丘  7.7(4)
⑤おおかみこどもの雨と雪(日本)  7.5(4)
⑥ダークナイト ライジング  7.4(7)
⑦シスター  7.2(5)
⑧ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑨ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド  7.0(2)
⑩ぼくの孫悟空(日本)  7.0(1)

 ⑤と⑩が新登場。
 ⑤「おおかみこどもの雨と雪」は上述しました。
 ⑩「ぼくの孫悟空」は2003年の作品でした。韓国の映画専門誌「シネ21」でも「年齢を問わず楽しめる」との評価も高く、専門家の評点も7.0の高得点。(これより高いのが「冷たい熱帯魚」の8.0。) 韓国題は「손오공:돌원숭이의 탄생(孫悟空:石猿の誕生)」。原作の手塚治虫「ぼくのそんごくう」は1952~59年「漫画王」連載だったのか。いくつかのコマの図柄を覚えてるゾ。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月14日(金)~16日(日)] ★★★

         イ・ビョンホン主演の時代劇「光海、王になった男」が100万人を超えトップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(32)・・光海、王になった男(韓国)・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・1,098,968 ・・・・・・・・1,279,378 ・・・・・・・・・9,503・・・・・・・811
2(45)・・バイオハザードV・・・・・・・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・246,595 ・・・・・・・・・・304,827 ・・・・・・・・・2,719・・・・・・・368
        リトリビューション
3(7)・・ピエタ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・148,379 ・・・・・・・・・・353,598・・・・・・・・・・2,571・・・・・・・326
4(1)・・ボーン・レガシー ・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・135,867 ・・・・・・・・・・913,872 ・・・・・・・・・6,683・・・・・・・345
5(2)・・共謀者たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・・・92,711 ・・・・・・・・1,534,892 ・・・・・・・・11,433・・・・・・・305
6(81)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13・・・・・・・・・・・・・・77,813 ・・・・・・・・・・・85,943 ・・・・・・・・・・・582・・・・・・・226
7(3)・・エクスペンダブルズ 2・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・・53,578 ・・・・・・・・・・416,333 ・・・・・・・・・3,010・・・・・・・253
8(4)・・隣人(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・・・40,396・・・・・・・・・2,416,137 ・・・・・・・・17,959・・・・・・・222
9(6)・・泥棒たち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・・・32,055・・・・・・・・12,923,518 ・・・・・・・・93,245・・・・・・・194
10(新)・・インシディアス ・・・・・・・・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・・27,646 ・・・・・・・・・・・35,188 ・・・・・・・・・・・252・・・・・・・178
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 韓国映画が今週も作品がベスト10入り。
 新登場は1・2・6・10位の4作品です。
 1位「光海、王になった男」はイ・ビョンホン初の時代劇出演。17世紀初めの朝鮮国王光海君(クァンヘグン)を演じています。光海君の在位は1608~23年。江戸時代の初めに、日本との間の和議(己酉約条)を結んだ王です。朝鮮歴代の王の中で、「○祖」や「△宗」でなく「君」がつくのは稀代の暴君燕山君と彼の2人だけ。といっても彼は暴君ではなく、激しい党争の末クーデター(仁祖反正)によって廃位されてしまったというものです。この作品は、そんな史実をふまえて、権力争い・党派争いの中で混乱に陥った光海君が、身の危険を感じて自分の身代わりを探すように指示し、その結果ひとりのがわけもわからないまま宮廷に連れてこられる・・・、という展開で、イ・ビョンホンが2役を演じています。ハラハラドキドキのサスペンスの要素も備えているそうで、最後にはどんでん返しがある、のかな? 原題は「광해, 왕이 된 남자」。
 2位「バイオハザードV リトリビューション」は、日本でも9月14日から公開されています。韓国題は「레지던트 이블 5 : 최후의 심판(レジデント イーヴル 5:最後の審判)」。
 6位「おおかみこどもの雨と雪」は上述しました。
 10位「インシディアス」も、日本では昨年(2011年)8月公開されています。韓国題は「인시디어스」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・地上の星のように ・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・2,591 ・・・・・・・・・・・・・11,503・・・・・・・・・74・・・・・・・・・・17
2(2)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・1,653 ・・・・・・・・・・・・・12,107・・・・・・・・223・・・・・・・・・・・5
3(3)・・あの頃、君を追いかけた・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・・・・798・・・・・・・・・・・・・・33,670 ・・・・・・・237・・・・・・・・・・・8
4(4)・・少年は残酷な弓を射る・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・・・・・・・・660 ・・・・・・・・・・・・・43,748・・・・・・・・346・・・・・・・・・・・6
5(5)・・おとなのけんか・・・・・・・・・・・・・・・・8/16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・465 ・・・・・・・・・・・・・18,188・・・・・・・・135・・・・・・・・・・・5

 新登場は5位「おとなのけんか」だけ。日本では今年2月に公開されました。韓国題はなぜか「대학살의 신(大虐殺の神)」。なんでこうなるの?
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月7日(金)~9日(日)]

2012-09-11 19:45:23 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 最近話題の「最強のふたり」を観てきました。すごい悪い奴も登場しないし、後味の良い映画で、感動した!という人が多いのもうなずけます。だがしかし、私ヌルボあえて質問しますが、アナタはバッハの側? or クール&ザ・ギャングの側?
 この映画の原題は「INTOUCHABLES」。(韓国題は「언터처블:1%의 우정(アンタッチャブル:1%の友情)」でした。) 日本題を「アンタッチャブル」にしなかったのは、例のアル・カポネ等が登場する1960年代初めのTVドラマやそのリメイク映画のイメージが強すぎるからでしょう。(それに漫画とかお笑いとかも。) その昔、中学の英語の先生からは注意を要する単語と教わりました。この映画に即していえば社会的な被差別階層。また逆に、中産階級もおいそれとは近づけないようなものすごい大富豪という意味も含んでいるのでしょう。私ヌルボ、この映画を観ていてふと思ったのは、自分は全然金持ちではないが、障碍者の富豪の側(バッハの側)の視点から観ているな、という軽い「居心地の悪さ」でした。もしかしたら、ヌルボが3年ぶりくらいに入ったシネマズシャンテといういつも品のいい映画をやってる映画館の観客の多くも、やはりバッハの側なのではないでしょうか? 少なくとも、「破格の」介護者ドリスのように腕力に物を言わせることはないだろうし、ヤバいジョークを飛ばすことはないだろうし、劇場で周囲の迷惑を気にかけず大きな声で自分の無教養をさらけ出したりはしないでしょう。(←別に彼を嫌悪するとか非難しているわけではありません。) そんなドリスが大富豪フィリップと波長が合った幸運を「お眼鏡にかなった」なんて言葉を遣っちゃったらいけないんだろーなー・・・。しかし、どっぷり「クール&ザ・ギャングの側」で、趣味のいい映画を楽しむ習慣のない人はこの映画をどう観るのかな? ずーっと以前「究極の選択」なんてのが流行ったことがありましたが、「健康だが極貧で家庭的な問題を抱えている黒人青年」と対置するなら「すごい大富豪だが首から下は動かない老人」、これで対等になるということかな・・・(われながらイヤな対置だ)。★×4をつけたにしてはひねくれた書き方だなー。いや、皆さんにオススメの映画なんですけどね。(って、今さら何を有楽町。)

          ★★★ Daumの人気順位(9月11日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①地上の星のように  9.3(89)
②The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛  9.3(32)
③ピエタ(韓国)  9.2(391)
④ヤコブへの手紙  9.2(30)
⑤サミーの冒険 2  9.0(151)
⑥みにくいアヒルの子(韓国)  9.0(216)
⑦アイス・エイジ 4:大陸移動説  8.8(142)
⑧ステップアップ・レヴォリューション  8.7(273)
⑨どうぶつ会議 3D  8.7(42)
⑩シスター  8.7(21)

 ①②③の3作品が新登場です。
 ①「地上の星のように」は2007年のインド映画。このところ、韓国ではレベルの高いインド映画の公開が多いみたい。(日本はトホホだ・・・。) この作品も、<インド映画夜話>というサイトの記事(→コチラ)を読むと実に残念というか口惜しいというか아쉽다というか・・・。主人公は小学生の男の子。兄は優秀なのに彼は全然ダメで、廊下に立たされたり、授業をさぼったり・・・。え、インドでは小学校でも留年があるの!? ・・・で周囲の大人たちも学校側も匙を投げて彼を特別寄宿学校へ入れてしまう。その寄宿学校に臨時の美術教師がやって来て、・・・というと「どっかで観たような・・・」と思う人もいるでしょうが、他の子どもたちには大ウケする美術の授業にも全く反応しない彼。しかしその教師は彼のようすに疑問を感じて状況を調べ始めるんですね・・・。上記のサイトの記事には「現代インドの過渡に画一的な教育・受験勉強的な並列的で没個性的な教育環境への問題提起が中心命題」とありますが、その点は韓国でも共通でしょう。DAUMのネチズンの寸評を見てみると、「정말 감동 팡팡입니다(ホントに感動がざあざあ(←ヘンな訳))」という最大級の賛辞がいっぱい。「父母たちに강추~~(強(力)推(薦))」とかも。韓国題「지상의 별처럼」は英題「Like Stars on Earth」そのまま。
 ②「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」は日本では7月に公開されています。韓国題は「더 레이디」だけ。
 ③「ピエタ」は、ちょうど8日に開かれたヴェネチア国際映画祭授賞式で金獅子賞を獲得したばかりのキム・ギトク監督の作品。ベルリン、カンヌを含めた3大映画祭で韓国映画が最高賞に輝いたのも初めて。オメデトーございます。いやー、いろいろ振幅の大きい(?)監督だなー。結果的にはあの「アリラン」が助走だったという感じですかねー。この作品の内容は、借金を払えない債権者には大怪我を負わせて保険金で支払わせるという非情な借金取り立て屋の男の前に、彼を捨てた母親だと名乗る謎の女が現れて、彼の人生を狂わせていく、というものだそうで、相変わらずあまりおもしろくはなさそう。ニュースによると、今回の受賞効果で観客動員数が受賞前の3倍以上に跳ね上がって、10日には全国で計2万8607人を動員してその日の興行順位3位に上ったとのこと。しかし「朝鮮日報」の記事によると映画関係者は「より大衆性の強い作品を作らなければ投資状況は変化しないだろう」ということで、これまたさもありなん、ですね。原題は「피에타」です。あー、ヌルボも早く観てみたいなー。(って、今さら何を由比ヶ浜。)

【専門家による順位】

①Bonsai~盆栽  8.0(1)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④嵐が丘  7.7(4)
⑤二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑥プロジェクト・ニム  7.5(2)
⑦ダークナイト ライジング  7.4(7)
⑧シスター  7.2(5)
⑨ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑩ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド  7.0(2)

 順位・評点とも、全く変わらず。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月7日(金)~9日(日)] ★★★

         久しぶりに外国映画「ボーン・レガシー」が新登場トップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ボーン・レガシー ・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・523,774 ・・・・・・・・・・620,189 ・・・・・・・・・4,583・・・・・・・588
2(1)・・共謀者たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・・303,535 ・・・・・・・・1,316,625 ・・・・・・・・・9,834・・・・・・・385
3(29)・・エクスペンダブルズ 2・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・241,413 ・・・・・・・・・・279,232 ・・・・・・・・・2,042・・・・・・・394
4(2)・・隣人(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・・206,880・・・・・・・・・2,299,083 ・・・・・・・・17,110・・・・・・・346
5(3)・・風と共に去りぬ(韓国)・・・・・・・・・8/08・・・・・・・・・・・・・・・144,205・・・・・・・・・4,834,070 ・・・・・・・・34,111・・・・・・・312
6(4)・・泥棒たち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・・129,208・・・・・・・・12,837,002 ・・・・・・・・92,643・・・・・・・323
7(新)・・ピエタ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・・58,468 ・・・・・・・・・・・68,497・・・・・・・・・・・・514・・・・・・・171
8(6)・・ステップアップ・レヴォリューション・・8/15 ・・・・・・・・・・・・45,473 ・・・・・・・・・・931,841 ・・・・・・・・・7,002・・・・・・・149
9(5)・・リンカーン 秘密の書 ・・・・・・・・・・8/30・・・・・・・・・・・・・・・・31,866 ・・・・・・・・・・333,389 ・・・・・・・・・2,669・・・・・・・230
10(10)・・サミーの冒険 2・・・・・・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・・・14,750 ・・・・・・・・1,454,390 ・・・・・・・・10,844・・・・・・・107
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 韓国映画が依然5作品と好調ですが、トップは「ボーン・レガシー」に。
 「泥棒たち」は再来週あたりに歴代1位の「グエムル 漢江の怪物」(1,302万人)にカツカツとどくかな?
 新登場は1・3・7位の3作品です。
 1位「ボーン・レガシー」は、日本では9月28日公開ということで、すでに関係サイトで紹介されています。韓国題は「본 레거시」。
 3位「エクスペンダブルズ 2」も10月20日日本公開。これも関係サイトですでに紹介されています。韓国題は「익스펜더블 2」。この紹介文の素っ気なさは、私ヌルボ、この手のアメリカ映画はキライだから(!)。「自らを“消耗品”と名乗る最強の傭兵軍団エクスペンダブルズの活躍」なんてねー、傭兵軍団なんて「活躍」どころか、丸ごと消えてなくなってほしいです。
 7位「ピエタ」は前述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(7)・・地上の星のように ・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・3,655 ・・・・・・・・・・・・・・6,334・・・・・・・・・40・・・・・・・・・・20
2(1)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・2,209 ・・・・・・・・・・・・・・8,772・・・・・・・・158・・・・・・・・・・・4
3(3)・・あの頃、君を追いかけた・・・・・・・・8/22 ・・・・・・・・・・・・・・・1,398 ・・・・・・・・・・・・・32,383 ・・・・・・・228・・・・・・・・・・・7
4(2)・・少年は残酷な弓を射る・・・・・・・・・7/26・・・・・・・・・・・・・・・・1,220 ・・・・・・・・・・・・・42,333 ・・・・・・・335・・・・・・・・・・10
5(新)・・青ぶどうキャンディー・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・・・463 ・・・・・・・・・・・・・・・・545・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・・19
       17年前の約束(韓国)

 新登場は1位と5位の2作品。
 1位「地上の星のように」は上述。
 5位「青ぶどうキャンディー 17年前の約束」は、韓国のミステリー映画。
婚約者である彼ジフン(チェ・ウォニョン)の事故の知らせを聞いてかけつけた病院で、ソンジュ(パク•チニ)は中学で同窓のソラ(パク•チユン)と思いがけなく再会する。ジフンの出版社で準備中の新刊の作家がソラであることを知ったソンジュはわけもなく不安に包まれる。ジフンとソラが一緒に行くことになった出張にジフンをのけ者にして合流したソンジュは、そこで子どもの頃友人だったヨウンの姉のジョンウン(キム・ジョンナン)に会うことになる。帰りに起きた突然の事故で仕方なくジョンウンの家に泊まったその日の夜、彼女たちは忘れられた記憶と向き合うことになるが・・・って、これではわからんぞ。まさにミステリアス。なんかありそう? 原題は「청포도 사탕: 17년 전의 약속」。
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韓国映画「神弓 -KAMIYUMI-」と、満州語と、東北工程

2012-09-08 23:45:01 | 韓国映画(&その他の映画)
 最近観た韓国映画最終兵器 弓について、9月4日の記事で次のように書きました。

 物語の背景の<丙子胡乱>(1636~37年)を予備知識として仕入れておくと理解が深まりますが、知らなくてもOKではあります。知識欲旺盛な向きは物語冒頭の争い=<仁祖反正>(1623年)とか、さらに<丁卯胡乱>(1623年)についても見ておくといいでしょう。

 ・・・と、ここまではいいとして、続けて次のように書きました。

 さらにさらに、この作品も「朱蒙」以来の高句麗や渤海等々を舞台にしたドラマ同様、中国の東北工程>を意識して作られたとみてよさそうです、きっと。

※「東北工程」については→ウィキペディアを参照のこと。

 ところが、これだけでは全然説明不足でしたね。いや、説明ナシでした。

 この映画の中で、朝鮮の敵国は成立して間もない清です。
 それまでの漢民族の王朝だった明にとってかわった清は満州族(女真族)が支配民族で、現代の中国とは連続性はありません。
 したがって、清との戦いを描いたこの映画がなんで東北工程と関係があるのか、疑問が起こるのも当然かもしれません。

 その後、私ヌルボが愛読しているブログの1つにこの映画についての記事があり、次のような記述があることに気づきました。

 明と清に連続性はないし清と中国にも連続性はない。不連続性、断絶しかない。そこを混同して短絡して単純化し「反中映画」と易きに走るのはどうだろうか。映画は映画だ、として映画そのものを観なくては。
 (中略)『最終兵器 弓』では清の戦士たちは全て満州語を話し、彼らが中国語(北京語や広東語等)を話していない、ということからも、現代の中国との、あるいは清の前の明国との不連続性を言語的に区別し峻別しながら本作が反中映画ではないと示しているようで興味深い。
 清軍が満州語で話していれば今作が反中映画と事実誤認される可能性もより抑えられるだろうから。


 この映画について私ヌルボが気づかなかったこともいろいろ記されていて、いつもながら得るところの多い記事としてうなずきつつ読んだのですが、ただ上に引用した部分については首を傾げざるをえませんでした。
 「反中映画」とレッテルを貼るのは適当ではないにしても、やはり「東北工程」との関連は否定できないと思うのですが・・・。

 私ヌルボが「中国の東北工程を意識して作られたとみてよさそう」と書いたのは、まったくの当て推量というものではないのです。
 映画の原題の「最終兵器 弓(최종병기 활)」と「東北工程(동북공정)」の2語をハングルで入力して検索すると、約1万3千件ヒットします。(この数字を多いとみるか少ないとみるかはビミョーですが・・・。)

 その中で、例えば→コチラの記事に注目しました。
 この映画の満州語の指導は、エンドクレジットを見ると高麗大民族文化研究院という文字が読み取れましたが、そこの満州語講師という人が書いた文章です。
 これによると、満州語と韓国語の共通点の多さをあげながら「満州語と満州族の文化はわれわれと切り離せない関係」とし、さらに「東北工程といわれる中国の歴史歪曲問題に対応するためにも、満州族と満州語の研究は必須だ」、「われわれは、これまで集中してきた中国と日本中心の東アジア学に目を向け、今は東北アジア、中央アジアにも関心を広げていかなければならない」と論を進めています。
 まさに中国語ではなく、満州語であることに、歴史的だけでなく現代的意味が込められているのでは、と思います。
 つまり、「反中」というよりも、歴史的に「満州」すなわち中国東北地方は、昔から朝鮮民族と非常に深い因縁のあった地であるということで、それがすなわち東北工程に対抗する主張という意味があるということです。

 また、この映画を観た人の中にも「東北工程(さらには独島問題)に対抗していかなければならない」との感想を持った人は相当数いるのも事実です。2例だけあげておきます。→コチラコチラ。(ともに韓国語)

 映画を通じての政治的なプロパガンダはふつうに見られることで、とくに私ヌルボ、アメリカ映画の露骨なアメリカ的正義の押しつけ等にはいつもながら辟易としています。あるいは、製作者が意識していなくても、その国あるいは監督等の特定の政治・社会観が表出することもよくあることで、それをもって映画の価値を測るべきものでもありません。
 その点この作品は、上述のような歴史上の、あるいは現代の国際政治上の問題とは関係なく鑑賞して十分に楽しめる映画だと思います。

※[付記]
 ウィキペディアの「東北工程」の説明文中に、次のような記述があります。
 YouTubeでは、韓国人が満州族の高句麗の歴史を盗作しているとする動画が出回り、韓国メディアが反発している。「Korean are stealing Manchu's Koguri history(韓国人が満州族の高句麗の歴史を盗んでいる)」という動画(→コチラ)は、「現代の韓国人は高句麗と血縁的関連が弱くて、高句麗の血統を受け継いだのは満州族」として「歴史泥棒もうやめろ」とし、「韓国人は、過去の高句麗の血統を受け継ぎ非常に長い時間満州を支配したと言って歴史の盗難をしようとしている」としている。この動画に対して、「韓国人は嘘つき」「韓国をよく表現している」など嘲笑するコメントが何百も投稿されている。
 ・・・映画に即して言えば、韓国側としては、満州族、満州の文化や言語、満州の地は、漢民族よりも朝鮮民族に密接な関係がある、と言いたいのかな?
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竹島問題についての雑感(1) 西原理恵子サンのぶち切れ方に共感!

2012-09-07 21:01:15 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 8月10日の李明博大統領の竹島/独島上陸とそれに続く日韓両国政府間の応酬。
 あるいはロンドン五輪サッカー3位決定戦後の朴種佑(パク・ジョンウ)選手による(韓国でいうところの)「独島セレモニー」。
 そして8月22日には、KARAがミニアルバム発売記念ショーケースの場で、独島問題について質問され返事しなかったことで非難された。
・・・等々。

 その間竹島/独島問題についていろいろと情報を集め、本を読み、ない知恵を絞って考えてきた自他ともに認めるヒヨリミストの私ヌルボが、意を決して竹島/独島問題について書きます!

 さしあたって、専門家の皆さんが最近の竹島問題についてどんなことを書いてるのかと思って書店の雑誌コーナーを眺めると、「正論」10月号には古田博司筑波大学教授の「韓国よ、いいかげんにせんか! 韓国が滅ぶまで私は彼の地を踏まない」と題した記事が・・・。アーラ古田先生、ついにぶち切れてしまわれたのですか・・・。
 次に「WiLL」10月号に目を移すと、<総力特集>のタイトルが「ツケ上げるな韓国!」。そして渡部昇一の後に「韓国こそ過去を猛省せよ」という一文を寄せている人が「竹島は日韓どちらのものか」(文春新書)の著者の下條正男拓殖大学教授。コチラもかなりヒートアップしてるような書きぶり。「WiLL」には重村智計早大教授の「李明博「逮捕」へのカウントダウン」という記事も載っています。
 下條先生といい重村先生といい、こんな感じになっちゃってるんですねー。焦げてる部分をそぎ落としてみると、それなりにベンキョーになるところもあるんですけど・・・。タイトルは編集者がつけてるのかなー。とはいってもねー、やれやれ。
 ネットでの情報によると、「暴走する韓国」という特集を組んだ「Newsweek 日本版」9月5日号はAmazonでは完売とか。ちょっと読んでみたかったなー。
 ・・・と言いつつ私ヌルボ、「正論」も「WiLL」も立ち読み止まりで、結局買ったのは(韓国と関係ないけど)「創」9・10月号なんですけどね。

 さて、いつもの通り長~い前書きはこのあたりでおいといて、何から書くかなと思案しつつ、至福の風呂場読書は「週刊新潮」9月13日号。例によって裏表紙から開いたら「週刊鳥頭ニュース」の<今週の御題>が「竹島問題提訴」、とうことで、目に飛び込んできたのがコレ。

            
           【この指先は本誌=「週刊新潮」に向けられてんですよ。】

 おおーっ、さすが西原理恵子サン、よー言うてくれました! ぶち切れるんなら、こうでなくっちゃ。

 あ、本論に入る前に字数がいっぱいになっちゃった。(続く)
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今、パソコンで無料で観られるオススメ韓国映画6本(+α)  ★「ささやきの夏」「バンドゥビ」等

2012-09-05 23:54:35 | 韓国映画(&その他の映画)
 “映画検定1級”の放送作家・松崎まことさんのtwitterを見ていたら、9月2日に次のようなtweetがありました。

 うお!韓国のインディペンデント映画『バンドゥビ』(「ソウルのバングラデシュ人」という邦題もあり)が、GyaO!で「僕たちはバンドゥビ」ってタイトルで無料配信されとる ⇒ http://gyao.yahoo.co.jp/player/00005/v12248/v1000000000000004123/?list_id=1672711
⇒良い映画だから、皆さん観て下さい!!


 あら、ホンマカイナとリンクを開いてみると、たしかに。
 その僕たちはバンドゥビは、<女性におすすめ映画 セレクション>と銘打って18作品あげられているうちの1つ。
 私ヌルボ、これは昨年の<真!韓国映画祭2011>で観ました。(タイトルは「ソウルのバングラデシュ人」でした。)
 過去記事の「★2011年 ヌルボの個人的映画ベスト10」では、「「ソウルのバングラデシュ人」は多文化社会の一側面を知る。女子高生(ペク・チニ)が「息もできない」のキム・コッピ的雰囲気」と書いてましたね。ベスト10には迷いつつ結局入れませんでしたが、十分にオススメに値します! 

 さて、上記の18作品の他のものを見てみると、韓国映画が他にもいろいろ入っているではありませんか!
 ささやきの夏」、「八月のクリスマス」、「シングルス」、「最強☆彼女」、「春夏秋冬そして春の5本。

 ささやきの夏も、やはり<真!韓国映画祭2011>で観ました。これも「好感がもてる佳品」で、たしかに<女性におすすめ映画 セレクション>ですね。

 うれしいのは、以前から観ようと思いつつレンタルでも観ていなかったシングルス」(←なんで「シングルズ」じゃないんだ?)もリストアップされていること。菊花の香りで演じたヒロインと同じように、2009年若くして(35歳)胃がんで亡くなったチャン・ジニョンが主演して2003年青龍映画賞主演女優賞を受賞した作品です。
 ・・・ということで、これからさっそく観てみようかな。

 韓国映画以外にも、これまた見逃していた「すべては海になる」もあるし、<アジア映画 セレクション>というのを見てみると、上記6作品と、それ以外にもキムチを売る女」「公共の敵2 あらたなる闘い等々の韓国映画があるでないの。GyaO!さん、こんな椀飯振舞していいの? ・・・とウレシイ一方で、ただでさえキュークツな時間をどうやりくりするかが大きな問題。
 あー、1日が30時間くらいあったらなー・・・・。
コメント (2)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[8月31日(金)~9月2日(日)]

2012-09-04 22:44:17 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週発売の「週刊文春」(9月6日号)、小林信彦「本音を申せば」は「「桐島、部活やめるってよ」という佳作」という見出しをつけて誉めてました。本ブログ2週間前の記事で「「日本映画史に残る圧巻のフィナーレ」なんて宣伝文句以外は期待を裏切りませんでした」と書いた作品です。キャリー・マリガンの評価に続き、意見が合ってうれしいです。

 昨日ヒューマントラストシネマ有楽町に初めて行きました。そもそもイトシアに入ったのが初めて。できたのが2007年ということだから、もう5年も経っているのか。実は以前シネ・ラ・セットがあった線路沿いのごちゃごちゃした所にあるものと錯覚していました。え、シネ・ラ・セットの閉館は2004年だったの!? 年を取ると、ポケッとしてる間にいつの間にか何年も過ぎていることにふと気づきます。

 さて、そこで観た神弓 -KAMIYUMI-、感動というのではないのですが、娯楽作として見応えがあります。きっちり作ってるな、と思った点は、清の人間が韓国語でも中国語でもなく、満州語を話していたこと。エンドクレジットを見ると高麗大の先生が指導したようです。
 ウィキペディアによると、「満州語の話者は満州族の間でも現在では極めて少なく、消滅の危機に瀕する言語の1つである」とのことです。
 物語の背景の<丙子胡乱>(1636~37年)を予備知識として仕入れておくと理解が深まりますが、知らなくてもOKではあります。知識欲旺盛な向きは物語冒頭の争い=<仁祖反正>(1623年)とか、さらに<丁卯胡乱>(1623年)についても見ておくといいでしょう。
 さらにさらに、この作品も「朱蒙」以来の高句麗や渤海等々を舞台にしたドラマ同様、中国の東北工程を意識して作られたとみてよさそうです、きっと。
 しかし、昨年韓国で747万人を動員したというNo.1ヒット作にしては上映館数がいかんせん(←死語?)少ないんだよなー。どうもこの頃弱気になってるんじゃないの? 韓流スター人気にばかりとらわれてないで、作品性で勝負できる映画はいくつもあるのに・・・。

 今年2~4月上映されていた韓国映画「ポエトリー アグネスの詩」と「素晴らしい一日」、今飯田橋ギンレイホールで2本立て(1)でやっています。見逃した方はどうぞ。

          ★★★ Daumの人気順位(8月28日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ヤコブへの手紙  9.1(29)
②サミーの冒険 2  9.1(150)
③みにくいアヒルの子(韓国)  9.0(174)
④アイス・エイジ 4:大陸移動説  8.8(141)
⑤ステップアップ・レヴォリューション  8.8(261)
⑥どうぶつ会議 3D  8.7(42)
⑦名探偵コナン 11人目のストライカー(日本)  8.7(103)
⑧シスター  8.6(20)
⑨あの頃、君を追いかけた  8.5(166)
⑩ヒステリア  8.5(37)

 ③「みにくいアヒルの子」だけがが初登場です。「友へ チング」、最近では「痛み」のクァク・キョンテク監督の作品。時代背景は1987年、あの民主化闘争の最盛期です。家庭事情のために「6ヵ月の防衛=“六防(육방)”に入隊した23歳の青年(キム・ジュング)。散髪兵として入隊した彼がすることは写真を撮ったり碁を打ったり、そして、便所掃除等々。その間にいろんな監房収監者に出会ったり、当然先任兵たちの横暴もあったり・・・。そんな彼=“みにくいアヒルの子”が6ヵ月の波瀾万丈な兵営生活の中で成長していく姿をコメディタッチで描きつつ、また1987年当時のエピソードも盛り込まれている作品、のようです。関連動画「六防の伝説」(→コチラ)を見ると、弁当箱を高く掲げて振ってレーダーを攪乱させてます。(←マジすか?) 原題は「미운 오리새끼」です。

【専門家による順位】

①Bonsai~盆栽  8.0(1)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④嵐が丘  7.7(4)
⑤二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑥プロジェクト・ニム  7.5(2)
⑦ダークナイト ライジング  7.4(7)
⑧シスター  7.2(5)
⑨ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑩ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド  7.0(2)

 新登場は①「Bonsai~盆栽」だけです。昨年(2011年)東京国際映画祭でも上映されたチリのクリスチャン・ヒメネス監督の作品。最新小説の原稿をタイプしてくれる人を探している大御所作家と会ったものの、原稿をタイプする仕事を貰えなかった青年。そのことを恋人には打ち明けられず、作家の原稿を打ち込んでいるふりをして実はそれは彼自身が書いたもので、中身は彼自身の8年前の恋・・・。モチーフに盆栽が使われていたり、プルーストの「失われた時を求めて」がキーとなっていたり、ということで、文学の香り漂う作品、なのかな? 日本での一般公開はなさそう(?)。韓国題は「훌리오와 에밀리아(フリオとエミリア)」。

※別件ですが、この4月末~7月初めまでこのランクに入っていた問題作レッドマリアについて<レイバーネット>のサイトに「娼婦ではなく性労働者です」と題した記事がありました。フツーの人が読んだら怒るか絶句するか、かな? 共感する人はどれくらいいるでしょうか?

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月31日(金)~9月2日(日)] ★★★

         中国での臓器狩りを描いた韓国映画「共謀者たち」がトップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(36)・・共謀者たち(韓国) ・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・・533,236 ・・・・・・・・・・749,671 ・・・・・・・・・5,613・・・・・・・497
2(1)・・隣人(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・・425,593・・・・・・・・・1,914,941 ・・・・・・・・14,255・・・・・・・494
3(2)・・風と共に去りぬ(韓国)・・・・・・・・・8/08・・・・・・・・・・・・・・・289,124・・・・・・・・・4,595,768 ・・・・・・・・32,462・・・・・・・361
4(3)・・泥棒たち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・・265,433・・・・・・・・12,591,527 ・・・・・・・・90,898・・・・・・・365
5(38)・・リンカーン 秘密の書 ・・・・・・・・・8/30・・・・・・・・・・・・・・・188,955・・・・・・・・・・237,799 ・・・・・・・・・1,934・・・・・・・337
6(6)・・ステップアップ・レヴォリューション・・8/15 ・・・・・・・・・・・・94,188・・・・・・・・・・849,179 ・・・・・・・・・6,406・・・・・・・194
7(4)・・R2B:リターン・トゥ・ベース(韓国)・・8/15 ・・・・・・・・・・・・・・51,492 ・・・・・・・・1,172,894・・・・・・・・・・8,406・・・・・・・141
8(19)・・577プロジェクト(韓国) ・・・・・・・・8/30・・・・・・・・・・・・・・・48,395 ・・・・・・・・・・・62,534・・・・・・・・・・・・459・・・・・・・191
9(5)・・トータル・リコール・・・・・・・・・・・・・8/15・・・・・・・・・・・・・・・・34,037・・・・・・・・・1,206,497・・・・・・・・・・8,865・・・・・・・153
10(7)・・サミーの冒険 2・・・・・・・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・・・29,265 ・・・・・・・・1,438,474 ・・・・・・・・10,737・・・・・・・188
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「泥棒たち」が「王の男」(1,230万人)に代わって韓国映画歴代2位に。今後歴代1位の「グエムル 漢江の怪物」(1,302万人)にとどくかどうか?
 今回も1~4位がすべて韓国映画ですが、1位が交代しました。
 新登場は1・5・8位の3作品です。
 1位「共謀者たち」は、韓国~中国間の旅客船で旅行者から臓器を摘出し、組織的に売買する犯罪集団の衝撃的な真実を描いた犯罪スリラー、ということですが、中国で誘拐された韓国人女性が生きたまま臓器を摘出され死亡したという2009年に報じられた実話に基づいているとのことです。闇組織と税関・病院・公安当局が組織ぐるみで関わっているのか・・・。<大紀元>というサイトの記事(→コチラ)によると、この作品中の事件は「氷山の一角」だそうで、2006年には獄中の大勢の法輪功学習者からの臓器摘出が証言されたとか、例の重慶市元トップから失脚した薄煕来と殺人罪で死刑(執行猶予付き)が確定した妻も「法輪功学習者を対象とする臓器と死体の密売に関与したとされる実態も浮かび上がって来ている」とか・・・。臓器売買関係の映画といえばブラジル映画の佳作「セントラル・ステーション」や、一部で論議をよんだ坂本順冶監督の「闇の子供たち」が思い出されますが、そんなおぞましいことが、どれだけ現実の裏側で進行しているのか、よくわからない・・・。原題は「공모자들」、一瞬「公募者」かと思った(?)。
 5位「リンカーン 秘密の書」、あの16代アメリカ大統領リンカーンには、裏で密かにヴァンパイア退治をしていたんですと。・・・という驚きの小説を映画化したアクション・ホラー。ティム・バートンが製作を担当してるのか。日本公開は11月1日。韓国題は「링컨:뱀파이어 헌터(リンカーン:パンパイア・ハンター)」。
 8位「577プロジェクト」は、「国家代表」で主演して2010年百想芸術大賞で主演男優賞を受賞したハ・ジョンウが、2011年の同賞授賞式で「連続受賞したら国土縦断の旅をする」と発言し、それが実際に「哀しき獣」で受賞してしまったことから実現したリアルバラエティー映画。577というのはスタート地点のソウルからゴールの全羅南道の南端・海南(ヘナム)までの㎞数です。その長距離ウォーキングに挑んだのは、彼の他コン・ヒョジンや「隣人」にも重要な役回りで出てるキム・ソンギュン等々。皆本人役(?)で登場してます。原題は「577 프로젝트」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・2,702 ・・・・・・・・・・・・・・4,584・・・・・・・・・77・・・・・・・・・・・4
2(2)・・少年は残酷な弓を射る・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・・・・・・2,254 ・・・・・・・・・・・・・39,522 ・・・・・・・314・・・・・・・・・・14
3(1)・・あの頃、君を追いかけた・・・・・・・・・8/22 ・・・・・・・・・・・・・・・2,182 ・・・・・・・・・・・・・29,177 ・・・・・・・204・・・・・・・・・・10
4(5)・・二つの扉(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・6/21・・・・・・・・・・・・・・・・・455 ・・・・・・・・・・・・・70,879・・・・・・・・487・・・・・・・・・・・8
5(新)・・ヨンゴン探偵事務所(日・韓)・・・・・8/30・・・・・・・・・・・・・・・・・366 ・・・・・・・・・・・・・・・・626 ・・・・・・・・・・4・・・・・・・・・・17

 新登場は1位と5位の2作品。
 1位「ピナ・バウシュ 夢の教室」は日本ではすでにこの3月公開されています。韓国題は「피나」です。
 5位「クォーター」は、日韓合作のSFアクション、といっても監督・俳優は韓国人。今年の第14回富川国際ファンタスティック映画祭での上映作品です。原題が「영건 탐정사무소」で英題が「Young Gun in the Time」だから、「영건(ヨンゴン)」の部分は当然ヤング・ガンの意味だな、と思ったら主人公の探偵の名前。紛らわしいなー。俳優(ホン・ヨングン)の名前にも引っかけてるの? ややこしーなー。物語はというと、小さな仕事専門の探偵の所にある日美しい女性が来て、1人の男を殺してくれと言うんですね。もちろん彼はその依頼を断るのですが、何か引かれるものを感じて彼女の後を追うと、まさに追いつこうという瞬間彼女は交通事故で死んでしまいます。その後罪悪感に囚われた彼が彼女の周辺を調査していると、驚くべきことにソンヒョンと同じ女性が現れて・・・、ってこの辺からSFになるんだな。何、3日後の未来から来たんだって? その後はさらにアクションも展開されるのか・・・。
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[韓国語]空に向かって咲くノウゼンカズラ 漢字ではどう書く? 韓国語では?

2012-09-02 23:58:38 | 植物の韓国語
 8月半ば以来、ブログの更新についてはスランプ状態が続いています。

 その間、例の領土問題についていろいろネット情報を集めたり本を読んだり、別件では李恢成の自伝的大長編「地上生活者」の精読にはまってしまったり、といった日々を過ごしていましたが、やっぱり難しい問題は当然ながら考えをまとめて記事にするのがタイヘンなんですよねー・・・。
 ってことで、今回もその関係のネタは見送り。

 思えばこの夏、神奈川・東京の外に一歩も出ていないのも精神衛生上よくなかったな、と思いつつ、外に出て深呼吸したところで目についたのがこの花。

      

 今の時期、街で目につく花といえばサルスベリと、このノウゼンカズラ

 サルスベリは、韓国語では백일홍(ペギルホン)百日紅の音読みで、これは私ヌルボの頭の中に入っていました。

 ところがノウゼンカズラの方は忘れちゃってましたね。
 実は2010年8月の[ハングル&漢検]一挙両得学習だっ! -難読植物名-と題した記事(→、→)で植物名の難読漢字と、それを韓国式に音読すればそのまま韓国語として通じる、ということを書きました。
 その中にノウゼンカズラも含まれていたのですが、自分自身の頭に定着してなかった、というわけです。とほほ。

 凌霄花←これがノウゼンカズラです。韓国語では능소화(ヌンソファ)。「霄」という見慣れない漢字は、ウィキペディアによると「空・雲の意味があり、空に向かって高く咲く花の姿を表している」とのこと、写真に撮った花の姿を見てもうなづけます。
 また説明には「古くはノウセウカズラと読まれ、これがなまってノウゼンカズラとなった」とあります。つまり、「凌霄」の音読みのリョウショウがノウゼンに変化したということのようですね。なんてことはない、日本語名と韓国語名と、元来は同じなのか。

 たまには、こういうふうに花の写真を入れると心が和んでいいかも、と自己満足。
コメント (4)
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