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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月26日(金)~5月28日(日)]

2017-05-30 20:01:20 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 欧米や日本等の先進諸国がポストモダンだの脱国民国家だのと言ったりしているこの今、韓国等の愛国心の発露といった<独島愛>やスポーツの場でのパフォーマンス等を見るとなんだか<周回遅れ>といった感じがします。また中国は場所によって<明治>から<平成>までが混在しているそうです。北朝鮮はというと、金日成が日本の残滓を一掃した際近代的な仕組み・考え方等も排除した(=「タライの水と一緒に赤子も捨てた」)ため封建時代に逆戻りし、近年市場経済の発展でようやく近代資本主義の緒に就いたところかな? 世界規模で見てみると、(日本基準では)数十年どころか1世紀以上先進諸国の後追いをしている所もあります。
 世界各国の映画を観ると、時にそんな国々の昔ながらの自然や集落の風景だけでなく、遅れた社会制度や意識までもが映画という近現代的道具により撮影され、物語が展開します。私ヌルボ、それを先進国に属する1人として映画館で観ていて、ふと不思議な感覚に囚われることがあります。
 昨日観たパキスタン映画「娘よ」がまさにそうでした。カラコルム山脈を臨む一帯で、部族同士の抗争の和解手段として父親が敵対部族の長に10歳になる娘ゼナブを嫁がせることに。しかしゼナブの母は娘の未来を案じて部族の掟に逆らい、娘を連れて逃亡を図る・・・。って、これが現実をふまえた作品とは・・・。単に娯楽映画としての出来を云々する以前に、そんなことをいろいろ考えさせられました。
 同じシネマ・ジャック&ベティで続けて観たのが「台北ストーリー」。「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」と同様に、それぞれに問題を抱えた登場人物がその時代(1980年代)の雰囲気の中で絡み合い、そして悲劇がむしろ淡々と描かれて行きます。ただ10代の若者たちがメインの「牯嶺街・・・」とは違って、コチラは最初から職場や家族等の問題を抱えた大人たちの物語なので、その分すすけた印象が最初からつきまとっているのが見ててシンドイところ。

 「ウルボ ~泣き虫ボクシング部」<は東京朝鮮高級学校の拳闘部に焦点を当てたドキュメンタリー。日本の高校(←いろいろあるけど)と比べると、たぶん生徒間、また顧問の先生と部員間の関係はずっと緊密ではないかと思いました。そしてボクシングに熱心に取り組んでいるからこそ→「ウルボ(泣き虫)」になる。
 部員たちだけでなく、彼らの親も何人も登場。国籍は朝鮮籍・韓国籍・日本籍といろいろ、ということは知っていましたが、ある生徒は父母が朝鮮籍・韓国籍と異なっているとか。しかし「同じ朝鮮人じゃないですか」と(少なくとも表では)問題視していません。私ヌルボ、今年2月に<在日コリアンの8割は韓国語(朝鮮語)ができない。民族意識が強くない人も多数(推定)>という記事を書きました(→コチラ)が、アイデンティティで分類すると<同胞志向型>となるのでしょうね。この映画だけで「在日とはこういう人たち」と思い込まないことです。
 なお2014年に「60万回のトライ」という感動的なドキュメンタリーを観ましたが、それは大阪朝鮮高級学校のラグビー部の話。ソチラは、部員たちが屈託のなさそうなようすで、笑う場面がたくさんあったように思います。両朝高の校風あるいは部活の雰囲気の違いというよりも、東京人と大阪人の違いといったものかもしれません。

 すでにシネマート新宿で公開されている「トンネル 闇に鎖された男」。韓国で大ヒットし、評価も高いのに上映館数も少なく、認知度も低そうなのは残念。横浜のシネマ・ジャック&ベティでは6月3〜10日上映。ヌルボはソチラで観る予定。なお、「崩落したトンネル内に閉じ込められて・・・」云々という設定は、あのセウォル号沈没事件が念頭に置かれている、ということです。

 先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月30日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(2) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.51(76)
②(3) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.43(211)
③(-) 高麗アリラン ディーバ(韓国)  9.40(10)
④(4) ヒドゥン・フィギュアズ  9.36(2,899)
⑤(5) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.29(467)
⑥(6) 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(日本)  9.26(362)
⑦(-) ウィークエンド  9.25(169)
⑧(-) 風に濡れた女(日本)  9.25(12)
⑨(-) 影の島(韓国)  9.23(99)
⑩(10) 再び、桜(韓国)  9.22(193)

 ③と⑧の2作品が今回の新登場です。
 ③「高麗アリラン 天山のディーバ」は韓国のドキュメンタリー。カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギス共和国等の各地に暮らす朝鮮民族の血を引く人々にとって<高麗劇場>がやって来る日はお祭りのような日です。家族に久しぶりに再会したように涙を流して喜んだり・・・。ロシア人の母と高麗人の父から受け継いだ美しい声で愛されたバン・タマラと、100余りの役を演じた舞台の女王イ・ハムドクは、シベリアの原野を舞台に慰労のステージを披露しました。その2人のDIVA(歌姫)の生き様を綴ります・・・。原題は「고려 아리랑: 천산의 디바」です。
 ⑧「風に濡れた女」は、製作開始から45周年を迎えたロマンポルノのリブート・プロジェクトの1作。昨年12月公開され、国内での評価も高かったようですが、私ヌルボ、観てません。観るべきだったかな? うーむ・・・。韓国題は「바람에 젖은 여자」です。
 なお、「廬武鉉です」は9,04の高ポイントですが、その採点者数が6,077人にも達しているのはオドロキ。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
②(2) セールスマン  8.20(5)
③(3) 夜の海岸で独り(韓国)  7.83(6)
④(6) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑤(-) 私たち(韓国)  7.66(14)
⑥(7) 聲の形(日本)  7.50(4)
⑦(-) ゲット・アウト  7.17(6)
⑧(-) 影の島(韓国)  7.14(7)
⑨(10) エイリアン:コヴェナント  7.13(8)
⑩(-) 午後8時の訪問者  7,00(6)

 今回新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月26日(金)~5月28日(日) ★★★

         ドキュメンタリー「廬武鉉です」がオドロキの2位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・パイレーツ・オブ・カリビアン・・5/24 ・・・・・・・・1,155,358・・・・・・・・・・1,526,548・・・・・・・・12,902 ・・・・・・・1,328
        /最後の海賊
2(30)・・盧武鉉です(韓国)・・・・・・・・・・5/25・・・・・・・・・・・510,149 ・・・・・・・・・・・596,212・・・・・・・・・4,901 ・・・・・・・・・774
3(1)・・ゲット・アウト・・・・・・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・402,607・・・・・・・・・・1,722,815・・・・・・・・14,176 ・・・・・・・・・616
4(2)・・ごろつき集団 ・・・・・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・111,133 ・・・・・・・・・・・846,259・・・・・・・・・6,869 ・・・・・・・・・485
        :悪い奴らの世界(韓国)
5(4)・・ザ・ボス・ベイビー・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・・99,715・・・・・・・・・・2,340,538・・・・・・・・18,119 ・・・・・・・・・500
6(新)・・君と100回目の恋(日本) ・・・・5/25・・・・・・・・・・・・23,630 ・・・・・・・・・・・・30,132・・・・・・・・・・・244 ・・・・・・・・・140
7(7)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・5/03・・・・・・22,264・・・・・・・・・・2,722,334・・・・・・・・23,351 ・・・・・・・・・168
        :リミックス
8(6)・・保安官(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・・20,770・・・・・・・・・・2,575,554・・・・・・・・20,759 ・・・・・・・・・239
9(3)・・キング・アーサー ・・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・・20,035 ・・・・・・・・・・・408,198・・・・・・・・・3,321 ・・・・・・・・・313
10(5)・・エイリアン:コヴェナント ・・・・・5/09・・・・・・・・・・・・15,804 ・・・・・・・・・1,296,445・・・・・・・・10,662 ・・・・・・・・・156
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1位はこのところどんどん入れ替わるものの、ほとんどアメリカ映画。それもシリーズ物がなんと多いことか。それでも観客はそこそこ集まるのでいいということか? 日本では大高宏雄さんがしばしば指摘しているように翳りが感じられるのになー。韓国でも1位にはなっても長続きしないし・・・。
 今回の新登場は1・2・6位の3作品です。
 1位「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」は、ジョニー・デップ主演の人気シリーズ第5弾。伝説的なカリブの海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)の前に、かつてジャックにはめられ、海の死神として“魔の三角海域“に幽閉されたサラザール(ハビエル・バルデム)が復讐のために現れます。両者の間に隠された巨大な秘密・・・。ジャックはこの<最恐の敵>に勝ち抜くべく、死闘を開始します・・・。韓国題は「캐리비안의 해적: 죽은 자는 말이 없다」。日本公開は7月1日です。
 2位「盧武鉉です」は韓国のドキュメンタリー。盧武鉉は、国会議員、市長選挙など出馬する選挙ごとに何度も落選した万年最下位の候補でした。その彼が2002年の大統領選挙にも参戦し、新千年民主党の国民参加の予備選挙に臨みます。済州を皮切りに、全国16都市で行われた予備選挙では熾烈な争いが展開され、二転三転する状況の中、済州3位、蔚山で1位、そして光州をも席巻します。支持率2%の最下位候補盧武鉉が全国を揺るがし始め。ついには大統領の座に上ります。盧武鉉元大統領の映像や、彼を支えた人々へのインタビュー等々で構成され、まさに大統領選挙という状況下で、当然後継者というべき文在寅候補陣営の政治宣伝っぽい映画。ソウルで観たSARUさんのツイート(→コチラ)によると、「後半、大統領となってのパレードが、突然、暗転して、同じ路上ながら葬列のシーンへ」となり、「このあたりから周囲の韓国人が何人も泣き出して、劇場が明るくなるまで止まらない」とか。また「盧武鉉が大統領として国政に当たった時期について、ほとんど触れられていない」とのこと。ふーむ・・・。原題は「노무현입니다」です。
 6位「君と100回目の恋」は、今年2月の公開だったのか。ラブ・ストーリーである上に、設定自体に「??」の念を抱いたのでヌルボはためらうことなくスルーしたのでコメントする資格ナシです。韓国題は「너와 100번째 사랑」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・君と100回目の恋(日本) ・・・・・・・・5/25 ・・・・・・・・・・・23,630 ・・・・・・・・・・・30,132・・・・・・・・・・・・・244・・・・・・・・・140
2(1)・・ロスト・イン・パリ・・・・・・・・・・・・・・・・・5/18 ・・・・・・・・・・・・3,078 ・・・・・・・・・・・16,317・・・・・・・・・・・・・131・・・・・・・・・・39
3(51)・・ネルーダ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/25 ・・・・・・・・・・・・2,215 ・・・・・・・・・・・・3,611・・・・・・・・・・・・・・28・・・・・・・・・・36
4(新)・・牛バエ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/25 ・・・・・・・・・・・・1,930 ・・・・・・・・・・・・3,913・・・・・・・・・・・・・・29・・・・・・・・・・49
5(5)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・1,868 ・・・・・・・・・・・98,236・・・・・・・・・・・・・727・・・・・・・・・・19
        ゆっくり平穏に(韓国)

 1・3・4位の3作品が今回の新登場です。
 1位「君と100回目の恋」については上述しました。
 3位「ネルーダ」は、チリの伝説的な詩人パブロ・ネルーダを主人公にしたチリ映画です。権力に抵抗した政治家であり、民衆の声を代弁するネルーダ'。公然と政府を非難した彼を捕まえて来いという大統領の令を受けた秘密警察のオスカーは、妻のデリアと共に隠れ住むネルーダの痕跡を昼夜を問わず追います。ところが皮肉なことに、隠遁生活が長くなるほどネルーダは世界的英雄になって行き、彼を捕まえなければならないオスカーさえ彼が残した本の中の文章に魅了されてしまいます・・・。韓国題は「네루다」。日本公開は年内とのことです。
 4位「牛バエ」は韓国の犯罪・ドラマ。区庁に勤めるヘウク(キム・ジヌ)はスギョン(イ・ヨンドゥ)との結婚を控えていました。素朴ながらも幸せだった彼の日常は、父と姉がある不法金融会社にだまされ、大きな損害を受けてから徐々に壊れていきます。ヘウクは被害者の集まりに参加し、事件解決のために努力するものの、未解決のまま事件の容疑者であるチュ会長(イ・ギョンヨン)の死亡が伝えられます。このまま事件は一段落してしまうように見えましたが、ヘウクは死亡したと伝えられた会長を探し出すために飛行機に乗ってベトナムに向かいます・・・。原題は「쇠파리」です。
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往年の人気コメディアン李朱一(イ・ジュイル)が肺がんの苦しみの中で訴えた禁煙(2002年)

2017-05-30 16:49:22 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 →1つ前の記事<笑っちゃったけど、笑いごとじゃない? この韓国のタバコの警告文&写真>の最後で「東京オリンピックを前にして禁煙・喫煙の場所が問題になっていますが、その件もこの警告写真についても日本が世界の趨勢から遅れているということなんですかねー?」と書きました。
 それに対し、「本当に日本はタバコ規制の世界的潮流から遅れています。韓国も議会はオジサン支配でタバコぷかぷかの印象だったのですが、どうやって屋内禁煙やタバコパッケージ警告表示を実現できたのか、興味があります。」とのコメントをいただきました。
 思いつくままにレスを書いていたら少し長くなりそうなので記事にまとめることにしました。
 
 たしかに、以前は韓国の方が日本より多くの人がスパスパ吸っていたという印象があります。ところが、今世紀に入って以降、韓国は禁煙については日本を追い越したようですね。
 あ、健康志向とか自然志向、環境保護等々も急速に進んだ感があります。

 禁煙運動については、とくに往年の人気コメディアン李朱一(イ・ジュイル.1940~2002)が肺がんで入院した時に禁煙を呼びかけたのが大きな契機となったと思います。(※李朱一は80年代のTVで大きな人気を博した伝説的なコメディアン。当時の全斗煥に似た顔で、「못생겨서 죄송합니다(ブサイクですみません)」等の流行語を生んだ。90年代には国会議員に当選し4年間在任したこともある。)
 2001年10月に肺がんの判定を受けた彼は国立がんセンターに入院します。そしてマスコミの取材に対し「私のように苦しまないために喫煙を止めましょう」と呼びかけた言葉と、その痛々しい姿は大きな反響を呼びました。
 私ヌルボがそのことを知ったのは、当時(2002年?)発行の月刊誌「말(言葉)」に彼の写真が表紙に用いられ、記事でも大きく取り上げられていたのを読んだからです。(今その現物はどこかな??)
 結局彼は2002年8月満61歳で亡くなりました。
 YouTubeにその間撮った彼の禁煙公共広告の動画(日本語字幕)があったので貼っておきます。

 なお、李朱一には死後、コメディアンとしてではなく禁煙運動への貢献によって国民勲章牡丹章が贈られました。

 今の話。韓国で街中の禁煙区域の拡大や喫煙場所の設置等が進んでいる等のことについては→コチラ<何だ? この<女性専用>というエリアは・・・・ ★韓国の禁煙事情>と題した記事で少し書きました。

 公共施設や、食堂等の一般店舗についての禁煙の基準は国によって内容が異なります。
 <e-ヘルスネット>の「進んでいる世界の受動喫煙対策」と題した記事(→コチラ)にWHOによる2012年の国別の調査結果の表があったので貼っておきます。

 日本が遅れをとっていることが一目瞭然でわかります。
 5年前の資料ですが、その後どれほど変わってきているのでしょうか?
 
 韓国では、博物館等の大型建築物・大型ショッピングセンター・居酒屋・バーを含む飲食店の屋内、ホテルのロビー等・自治体が管理する20以上の公園・中央バスレーン停留所が喫煙禁止になっています。
 2015年1月1日からすべての飲食店(カフェ・居酒屋・レストラン・食堂)で喫煙不可となりました。摘発されると罰金が科せられます。外国人旅行者については「厳重指導」されます。

 私ヌルボ、韓国の喫煙規制の推進には上述のような近年の韓国社会の趨勢に加えて、2018平昌冬季オリンピックとの関連もあるのではと思います。昨年5月の連合ニュース(→コチラ.韓国語)によると、平昌オリンピック組織委員会は世界保健機関(WHO)が推進するスポーツ禁煙キャンペーンに参加することを明らかにしました。そのキャンペーンは、スポーツでの喫煙行為の禁止、競技場受動喫煙禁止、たばこ関連総合広告、タバコ会社の後援の禁止等などを主な内容とするものとのことです。

 日本でも2020年東京オリンピックを前に論議が進められていますが、はたしてどんな形でまとめられるのか、各々の支持団体の要求をまず第1に考えるような政治家の主張が通るとなるとなんだかなーという結果になっちゃいそうです。

 ただ、いろいろな規制策が整えられていっても、それがちゃんと守られるかどうかといった問題があります。これも前の記事のコメントで教えていただいた→コチラのMBN(毎日放送)TVニュースでは、小・中学校の門から50m以内は禁煙区域に指定されているにもかかわらず、タバコを吸っている大人が多いことを報じています。記事中の動画を見ると、学校の柵には「門から50m以内禁煙区域」「喫煙した時は10万ウォン・・・」と大きく書かれた横断幕が掲げられているのに、無視して吸っている人のなんと多いことか! また吸い殻のポイ捨てもあきれるほど。つい5日前(5月25日)のニュースですが、これが現実ということでしょうか。
 結局は行政の施策や法的規制だけでなく、教育やメディア等を通じた長期的な働きかけが必要という(なんとも当たり障りのない)結論になってしまいます。
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笑っちゃったけど、笑いごとじゃない? この韓国のタバコの警告文&写真

2017-05-27 22:56:12 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
          


 昨晩はサークル仲間の飲み会。その場で、隣席のお酒の好きなT兄(ヒョン)が「ちょっとコレ見てよ」とニコニコ(ニヤニヤ?)笑いながら差し出したのが韓国のダンヒル。(上左)

 この頃都市のせいだかパソコン画面の見過ぎだかで小さい字は読みづらいヌルボ。よ~く見ると次のようなことが記されています。

  발기부전의 원인 흡연! 그래도 피우시겠습니까?
 (발기부전の原因 吸煙(喫煙)! それでも吸われますか?)

 私ヌルボ、最初の漢字語(4字)つまり">발기부전は瞬間的にはわかりませんでしたが(とくに最初の2字)、韓国語中級レベルの学習者の皆さんはいかがでしょうか? ヒントは、まさに右の写真です。

 で、正解は勃起不全です。
 
 あらためて写真を見ると、タバコの吸い殻の曲がりぐあいなど「いかにも」といった感じで笑っちゃいます。あらかじめ火を消す前にタバコを曲げて、灰の部分が曲がった状態で写真を撮るという細かな工夫も読み取れます。とくに韓国の男性喫煙者にはインパクトの強い警告文&写真だと思いました。

 T兄の話によると、同じ職場の女性に「こんなのがあるよ」と見せて説明したら、彼女は「私には関係ないわ、ハハハ」と笑ってたそうです。(そりゃ関係ないわなー(笑)。)

 ところで私ヌルボ、初めて見たこのような警告付きタバコがいつから出回っているのかちょっと調べてみました。
 すると、昨年12月の<連合ニュース>(日本版)に「たばこ箱に警告写真義務化 あすから導入=韓国」と題した記事(→コチラ)がありました。「あす」つまり2017年12月23日に導入されたということです。
 で、その記事を見て驚いたのは、上掲の写真以外に9つの警告写真が載っていて、その多くがオゾマシイというか、目をそむけたくなるようなショッキングなものなのですよ!(下画像)


 説明文を読むと、上段の5枚は[病変]で、左から肺癌・喉頭癌・口腔癌・心臓疾患・脳卒中、そして下段は[非病変]で、間接喫煙・妊産婦喫煙・性機能障害・皮膚の老化・早期死亡

 女性に関わる写真も、刺激が強い妊産婦喫煙以外に次の2つがあります。
          
 「間接喫煙」(左)と「皮膚の老化」。・・・となると、女性も「私には関係ないわ、ハハハ」と笑ってるバヤイじゃないですね。

 ところで、こうしたキョーレツなタバコの警告写真が韓国独自のものかというとそうでもなさそうです。
 ちょっと画像検索で拾った例を挙げると・・・。

       
 左はタイで、右はオーストラリアです。
 東京オリンピックを前にして禁煙・喫煙の場所が問題になっていますが、その件もこの警告写真についても日本が世界の趨勢から遅れているということなんですかねー?
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月19日(金)~5月21日(日)]

2017-05-23 23:52:52 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 神は神に似せて人間を造り、人間は人間に似せて神を造りました。神だけでなく悪魔も同様で、また異星人についても同じことが言えそうです。・・・あ、言いたいことは異星人が地球にやってくる映画の話だったんですけど。以前からよくある地球を侵略すべく来襲する凶悪な異星人ではない異星人が<ばかうけ形宇宙船>でやって来る「メッセージ」は、最近のホントに見てよかった外国映画その1でした。「難解でよくわからなかった」という人もわりといるようですが、そういう人は「町山智浩 メッセージ」でググってみてください。(この映画、原題は「Arrival」で、韓国題は「컨택트(コンテンツ)」。この違いはなぜ?)
 そしてホントに見てよかった外国映画その2「人生タクシー」。ドキュフィクションというのだそうですが、こんなしたたかな方法で内容のある映画を作っちゃったパナヒ監督はなんとしたたかなことか。そして実の姪のハナちゃんがキャノンの小型カメラを手にいろいろ撮影していて、「学校の課題の短編映画作りのため」というのは事実なのかどうか? またハナちゃんがその映画作成用の「べからず集」を読みながら「見せたくないことをしてるのは自分たちなのに・・・」などとつぶやいたりしてるのは、演技でなければしっかりした子供だし、演技だとすればなかなかの俳優。ベルリン国際映画祭で、出国を禁じられているパナヒ監督の代理として金熊賞のトロフィーを涙を流しながら受け取った彼女の将来に期待。(行く手を阻む者がないように・・・。)

 5月18日はフィルムセンターで1953年ヴェネツィア映画祭出品作品という記録映画「世界の動き第一集 朝鮮」(日本映画新社.1953)を観る。わずか18分の映画とはいえ、貴重な場面が一杯! これはいずれ単独記事にするしかなさそう。(当時は「ソウル」ではなく「京城(けいじょう)」と言っていた。)

 2010年の設立以来韓国映画を多数配給してきたCJエンタテイメントジャパンが5月1日業務の終了を発表しました。
 それに関連して、キネカ大森<韓国映画“夏祭り”~さよならCJEJ~>と銘打って6月17日(土)~30日(金) CJエンタの配給の全18作品を上映します。作品名は次の通り。
 ①彼と私の漂流日記 ②ハーモニー 心をつなぐ歌 ③生き残るための3つの取引 ④サニー 永遠の仲間たち ⑤トガニ 幼き瞳の告発 ⑥王になった男 ⑦私のオオカミ少年 ⑧ベルリンファイル ⑨ダンシング・クイーン ⑩怪しい彼女 ⑪今日の恋愛 ⑫国際市場で逢いましょう ⑬ベテラン ⑭探偵ホン・ギルドン ⑮花、香る歌 ⑯荊棘の秘密 ⑰アシュラ ⑱あの日、兄貴が灯した光
 この中で私ヌルボが観たのは・・・12作品か。残りはあまり気が進まないけど、この際観ておくかな。個人的に「強くオススメ」は①④⑥⑩、そして⑯あたりか。(あ、シム・ウンギョン出演作が3つだ。)

 先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(3) 謝罪  9.52(120)
②(1) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.51(74)
③(4) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.43(211)
④(5) ヒドゥン・フィギュアズ  9.36(2,843)
⑤(8) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.28(449)
⑥(2) 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(日本)  9.27(342)
⑦(-) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.26(1,346)
⑧(7) 黒執事 Book of the Atlantic(日本)  9.26(488)
⑨(6) 劇場版 トボット ロボット軍団の襲撃(韓国)  9.24(147)
⑩(9) 再び、桜(韓国)  9.22(191)

 今回の新登場はありません。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
②(3) セールスマン  8.20(5)
③(4) ムーンライト  7.83(6)
③(4) 夜の海岸で独り(韓国)  7.83(6)
⑤(6) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑥(7) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑦(8) 聲の形(日本)  7.50(4)
⑧(9) 謝罪  7.33(3)
⑨(10) 怒り(日本)  7.25(4)
⑩(-) エイリアン:コヴェナント  7.13(8)

 コチラも新登場の作品はありません。どちらのランキングでもドキュメンタリー以外の韓国映画の不振が見てとれます。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月19日(金)~5月21日(日) ★★★

         ハリウッドのホラー映画「ゲット・アウト」(日本公開未定)が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ゲット・アウト・・・・・・・・・・・・・・・5/17 ・・・・・・・・・・・802,978・・・・・・・・・・1,004,005・・・・・・・・・8,350 ・・・・・・・・・945
2(11)・・ごろつき集団 ・・・・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・376,709 ・・・・・・・・・・・589,912・・・・・・・・・4,842 ・・・・・・・・・860
        :悪い奴らの世界(韓国)
3(7)・・キング・アーサー ・・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・209,577 ・・・・・・・・・・・329,894 ・・・・・・・・2,731 ・・・・・・・・・588
4(3)・・ザ・ボス・ベイビー・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・193,752・・・・・・・・・・2,210,215・・・・・・・・17,117 ・・・・・・・・・645
5(1)・・エイリアン:コヴェナント ・・・・・・5/09・・・・・・・・・・・133,721 ・・・・・・・・・1,244,930・・・・・・・・10,262 ・・・・・・・・・538
6(2)・・保安官(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・133,586・・・・・・・・・・2,509,457・・・・・・・・20,265 ・・・・・・・・・604
7(4)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・5/03・・・・・129,652・・・・・・・・・・2,663,833・・・・・・・・22,885 ・・・・・・・・・498
        :リミックス
8(6)・・聲の形(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・5/09・・・・・・・・・・・・30,746 ・・・・・・・・・・・258,845・・・・・・・・・2,038 ・・・・・・・・・221
9(5)・・石造邸宅殺人事件(韓国)・・・・5/09・・・・・・・・・・・・10,665 ・・・・・・・・・・・346,086・・・・・・・・・2,772 ・・・・・・・・・243
10(45)・・ロスト・イン・パリ ・・・・・・・・・・5/18・・・・・・・・・・・・・6,287・・・・・・・・・・・・・・9,146・・・・・・・・・・・・76 ・・・・・・・・・・84
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 依然としてアメリカ映画強し。というよりも、韓国映画がパッとしないという方が当たっていそう。先週少し期待を込めて書いたソル・ギョングとイム・シワン共演の「ごろつき集団:悪いやつらの世界」は<NAVER映画>のネチズン評点が5.12(専門家は5.60)と全然ダメ。やはり6月末公開のポン・ジュノ監督「オクジャ」までこの状態が続くのかな?
 今回の新登場は1・2・10位の3作品です。
 1位「ゲット・アウト」(仮)はアメリカのホラー。主人公クリス(ダニエル・カルーヤ)はアフリカ系黒人の若いカメラマン。ローズ(アリソン・ウィリアムズ)という白人の恋人がいて、結婚を前提として彼女の実家に行って両親と会うことになります。不安がるクリスに対しローズは「2人ともレイシストじゃないから大丈夫」と言います。行ってみるとすごい大邸宅。彼女の両親は温かく迎えてくれます。・・・が、その家の使用人たちは皆黒人で、クリスは居心地に悪さを感じます。その翌日、(父いわく)「君を歓迎するために」町の人たち(全員白人)が家に集まってきます。そこでビンゴゲームが始まりますが、なんだかヘン。すると突然使用人の黒人だかがクリスに叫びます。「ゲット・アウト!(逃げろ)」・・・。・・・何だって? ホラーじゃなくて実はコメディ? なかなか面白そうな展開の作品のようです。韓国題は「겟 아웃」。日本公開は未定です。
 2位「ごろつき集団:悪い奴らの世界」は韓国の犯罪・アクション。犯罪組織のトップを狙うハン・ジェホ(ソル・キョング)と血気盛んな新米チョ・ヒョンス(イム・シワン)は刑務所で出会い、共に惹かれるものを感じて堅い義理を結びます。出所し共に権力を手に入れるために意気投合していきますが、やがて互いの隠された野望と新たな真実を知り、2人の関係は揺れ始めます。信じる者に気をつけろ、信じた瞬間もう裏切りは始まっている・・・。原題は「불한당:나쁜 놈들의 세상」です。
 10位「ロスト・イン・パリ/Lost in paris」は、仏・米合作のコメディ、そしてパリで繰り広げられるロマンティックアドベンチャーです。カナダの図書館員フィオナ(フィオナ・ゴードン)のところに、ある日パリに長年住んでいる叔母のマーサ(エマニュエル・リヴァ)から自分を救ってくれというメールが届きます。マーサは80歳になるダンサーで、最近親方が亡くなって老人ホームに送られそうだとのこと。フィオナは赤いリュック一つを担いでパリに向かいますが、マーサは行方不明。そしてフィオナはセーヌ川に落ちてお金や身分証明書を失くし、ホームレスの怪しい男ドーム(ドミニク・アベル)がどんどんついてきます。そして近所のカフェで得た情報によると、「今日老ダンサーの葬儀がある」って、まさか? この展開、それからどうなるの? (※フィオナ・ゴードンとドミニク・アベルは30年来の夫婦。) 韓国題は「로스트 인 파리」。日本公開は8月です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(18)・・ロスト・イン・パリ・・・・・・・・・・・・・・・・5/18 ・・・・・・・・・・・・6,287 ・・・・・・・・・・・・9,146・・・・・・・・・・・・・・76・・・・・・・・・・84
2(新)・・ジャングル・ブック ・・・・・・・・・・・・・・5/18 ・・・・・・・・・・・・5,817 ・・・・・・・・・・・・7,139・・・・・・・・・・・・・・55・・・・・・・・・120
3(新)・・熊出没2 雪の峰、熊の風・・・・・・・・5/18 ・・・・・・・・・・・・5,530 ・・・・・・・・・・・・6,361・・・・・・・・・・・・・・44・・・・・・・・・170
4(15)・・馬車に乗って大声で叫んで(韓国)・・5/18・・・・・・・・・・3,128 ・・・・・・・・・・・・6,771・・・・・・・・・・・・・・57・・・・・・・・・・83
5(1)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・・2,559 ・・・・・・・・・・・93,607 ・・・・・・・・・・・・697・・・・・・・・・・28
        ゆっくり平穏に(韓国)

 1~4位の4作品が今回の新登場です。
 1位「ロスト・イン・パリ」については上述しました。
 2位「ジャングル・ブック」は、インドのアニメ。昨年ディズニーの実写が公開されましたが、この物語の舞台は実はインドなんですね。狼に育てられた人間の少年モーグリは熊のバルーや黒ヒョウのバギーラにジャングルで生きることを学びます。ところがモーグリを目の敵のように憎む虎のシーア・カーンは毎日のようにモーグリを取って食おうと陰謀を企み・・・、って原作に忠実な展開、かな? 韓国題は「정글북」。日本公開はたぶんなさそう。
 3位「熊出没2 雪の峰、熊の風」は、中国のアニメシリーズで、韓国では第1作の「熊出沒之奪寶熊兵」(原題)が「ブーニー・ベアー:ローラ救出大冒険」というタイトルで公開されています。元は大人気のTVアニメで、映画版は今まで第5作まであるとのこと。本作のストーリーは・・・。森の友人たちと幸せな日々を送っていたクマの兄弟ブライとブランブルは、ある日安全と平和を守護する魔法の精霊ネバと出出会います。ブランブルは子供の頃を思い出し、ネバと友情を築いていきます。ところが、ネバを狙う悪党の大将一行の危険な企てによって森は危機に陥ります。熊の兄弟や友人たちは、はたしてネバを守り、森や町の平和を守れるでしょうか? 韓国題は「부니베어:브램블의 신비한 모험」です。日本公開はなさそうですが、どこかで徳辺上映でもやってくれないかな? (なお、ヒミツですが、このアニメ、パソコンで観られる・・・。ただし日本語字幕ナシ。)
 4位「馬車に乗って大声で叫んで」は韓国のドラマ。高校時代のバンド<1番国道>のメンバーで、親友同士のホビン(チョ・ハンソン)、ミヌ(ハン・チサン)、ビョンテ(キム・ジェボム)、ヨンミン(キム・シニ)は、純粋に音楽だけを夢見ていた10代の頃とは違い、大人になった現実の生活はただ疲れるばかり。結局音楽をあきらめることにしたミヌは、最後に幼い頃夢見ていたミュージックフェスティバルの舞台に立とうと決意します。10年間無名俳優として生活をしているホビン、初恋の痛手で失語症を患うヨンミン、バンドをやりたいビョンテ、そしてロバのチャンアも、<1番国道>の最後のバスキング(路上パォーマンス)旅行に出発します。全羅南道の木浦からフェスティバルが開かれる京畿道の加平まで、1ヵ月かけて歩いて行くというのですが、はたしてどんなことが彼らを待ち受けているのか・・・。原題は「마차 타고 고래고래」です。
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[韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ③「乙巳年(ウルサニョン)」(=1905年)説以外の説がやっぱりあった!

2017-05-20 07:31:39 | 韓国語あれこれ
 [3] 「乙巳年(ウルサニョン)」=1905年が語源という<民間語源説>の真偽は?

<「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は?>
 → ①朴婉緒の自伝的小説の漫画版
 → ②乙巳年(ウルサニョン)にあったことの続きです。

 <②乙巳年(ウルサニョン)にあったこと>では、「(天気や雰囲気などが)もの寂しい」「非常に貧しい」「みじめだ」といった意味を持つ「을씨년스럽다」(ウルシニョンスロプタ)」という形容詞は1905年すなわち乙巳年(을사년.ウルサニョン)に由来するという語源説が有力視されていると書きました。
 ただ、その記事の末尾に記したように、私ヌルボ個人としては今の韓国人の歴史認識がそのまま投影されているように思われ、疑問を抱きました。
 戦後の韓国の教育やメディア等の中で育った人たちの多くは、日清戦争頃から日本の統治期の朝鮮の人々のほとんどは日本の侵略に対して強い抵抗意識を持ち、一部の親日派に憤りを感じていたという歴史認識を持っているのでは、と思われますが、それがどこまで当時の実像といえるのか? まだ封建的な制度や意識が色濃く残存していた社会で、両班から最下層の被差別民まで同じような愛国心を持っていたとは思えない、ということです。

 その後韓国サイトをいろいろネットサーフィンして関連記事を探してみました。まず見つけたのが上記の乙巳年説を唱えた忠北大チョ・ハンボム教授自身によるこの語についての記事(2009年9月)。(→コチラ。韓国語)
 「‘을사년(乙巳年)’은 얼마나 비통한 한 해였을까(‘乙巳年’はどんなに悲痛な1年だったか)」という副題が付いています。読んでみると、「ウルシニョン」が「乙巳年(ウルサニョン)」に由来するという説がかなり広く広がっている」とあり、チョ教授がこの語源説を最初に唱えたものではなく、いわゆる民間語源説で、文献の裏付けがないためチョ教授自身疑念を持っていたそうですが、その後(先の記事でも書いたように)李海朝(イ・ヘジョ)が1908年発表した小説「鬢上雪」(빈상셜.ピンサンショル)中に<을사년시럽다>という言葉が「ひっそりと寂しい」と意味で用いられているのを見つけ、<을사년>が<을씨년>の語源であることを確信したそうです。

 しかし、私ヌルボは依然としてナットクできず。「(3年前の)乙巳年のように寂しい」と明記されているわけじゃないし・・・。

 次に、<영화낙서판(映画落書板)>という掲示板になぜか載っていた文学トンネ発行の夏目漱石「한눈팔기」を読んだ人の記事(→コチラ.韓国語)に、注目すべきコメントがありました。「한눈팔기」は直訳すると「よそ見」ですが、→1つ前の記事に書いたように「道草」の韓国版書名です。
 その掲示板の文章の趣旨は、作品の中に「을씨년스럽다」という訳語が出てくるが、他の国ならともかく、日本文学でこの「乙巳年」由来の言葉を用いるのはいかがなものか?というもの。(※「道草」の「朝日新聞」連載は1915年6~9月で、まさに「乙巳年」の、「乙巳条約」締結の直前。)
 この民間語源説が正しいとすれば「なるほど、たしかに」という意見ではあります。
 ところが、これに対するコメントの中で興味深いリンクが2つ貼られていました。
 1つ目は→<NEVER open百科>の어원생각(語源の考え)という人による2008年6月の記事。(→コチラ.韓国語)。
 これによると、つまり(鳥肌が立つように)「ぞくぞく(する)」を意味する「으슬으슬(하다)」が語源で、これが
  [으슬+년스럽다] → [을스년스럽다] → [을시년스럽다] → [을씨년스럽다]
のように変化したものだと説明しています。なかなか説得力ありそう、かな?
 2つ目は<週刊東亜>の2009年2月の記事。(→コチラ.韓国語)。
 19世紀の在野の文人・趙在三(チョ・ジェサム.1808~66)の著書「松南雑識(송남잡지)」は宇宙発生から隠語・俗語までを網羅した百科事典で、これがハングルに完訳(全13巻)されたという記事なのですが、そこで趙在三による語源説をいろいろ紹介しています。その中に을씨년스럽다もあって次のように説明されているということです。
 「世間で乙巳年は<不吉だ、忌まわしい>と恐れられていて、到底楽しみがないことを을씨년스럽다という。」
 ・・・なあんだ、1905年よりず~っと以前にこの言葉があったということ!? とすると乙巳年に由来するといっても、それは1905年の乙巳年とは関係ないということか。

 なお、これらとは別に、→(コチラ.韓国語)の2002年4月の記事でも、「乙巳年=1905年語源説」とともに、次のようなもう1つの乙巳年説を紹介しています。
 いつの乙巳年なのかはわかりませんが、ある乙巳年に大洪水が起こったことがあったそうです。この大洪水で国は大きな被害を受け、人々が苦しんだといいます。

 乙巳年(1905年)説以外の上記3つの記事は、どれもチョ・ハンボム教授の記事よりも前に書かれたものですが、教授はそれらを承知の上で自身の所説を書いたのかな?

 을씨년스럽다という言葉の語源探索もさることながら、私ヌルボとしては「乙巳年(1905年)説」という民間語源説がいつ頃から広まったのか?という点についてもぜひ調べてほしいと思います。
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[韓国語クイズ] 夏目漱石の小説(全14編)の韓国語書名から原題(日本語)を当ててください

2017-05-18 11:36:37 | 韓国語あれこれ

 昨年(2016年)は夏目漱石の没後100年ということで朝日新聞では「夏目漱石「吾輩は猫である」を連載したり、12月21日には漱石自身が・・・じゃなくて漱石アンドロイドが100年ぶりに出社したりしました。(→コチラ参照。)。

 夏目漱石(ハングル表記は나쓰메 소세키)の作品は韓国でも当然翻訳され読まれていて、やはり昨年には玄岩社(ヒョンアムサ)が<没後100周年記念>と銘打って韓国最初の長編小説全集(全14巻)を翻訳出版しました。(上画像)

 →ウィキペディアによると夏目漱石の中・長編小説は計15編あります。
 玄岩社の全集の内訳を見ると、その15編中の「二百十日」以外のすべてが収められています。

 本ブログはこのところ長すぎる記事が続いているという反省もあり、今回は単純にこの玄岩社の全集にある漱石の小説作品の「韓国語書名から原題を当てる!」というクイズをやります。

 最初はノーヒントです。 ※1~14の小説は発行年は関係ナシ。アットランダムに並べたものです。

   1. 그 후
   2. 마음
   3. 우미인초
   4. 풀베개
   5. 나는 고양이로소이다
   6. 산시로
   7. 명암
   8. 도련님
   9. 문
  10. 갱부
  11. 한눈팔기
  12. 행인
  13. 태풍
  14. 춘분 지나고까지


 韓国語初級レベル、そして漱石文学にあまり詳しくない人でもたぶんすぐわかるのは2・6・9の3つでしょうか? 5も고양이でわかりますね。


 では、次にヒント。14編の日本語書名をこれも順不同で並べます。
 薄い黄色の字なので、はっきりと見たい方は範囲指定をしてください。

 三四郎・坑夫・吾輩は猫である・野分・こゝろ・明暗・坊っちゃん・行人・草枕・それから・門・道草・虞美人草・彼岸過迄

 漢字語の音を考えるとそのままわかるのが3・7・10・12。それからは漢字語でなくてもわかりそう。4は初級レベルの固有語を漢字語に直すとわかります。

 すると残る難物が8・11・13・14の4つ。
 まあ、残った書名を照らし合わせると韓国語中級レベルの皆さんも正解に行き着くと思います。
 11のヒント(??)は右画像。日本語で「世の中に片付くなんてものは殆ほとんどありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。」と書かれています。(・・・って、全然ヒントになってないですね。)
 この4つや、4などは翻訳者も思案投げ首したことでしょう。

 正解は次の通りです。

 1. それから 2. こゝろ 3. 虞美人草 4. 草枕 5. 吾輩は猫である
 6. 三四郎 7. 明暗 8. 坊っちゃん 9. 門 10. 坑夫
 11. 道草 12. 行人 13. 野分 14. 彼岸過迄


《付け足し》
「~로소이다」という語法はNAVER辞典等によると「~ㅂ니다」の옛말(昔の言葉)」。これについては→コチラの過去記事で書きました。
・それにしても、「野分」は「台風」と訳すしかないのか・・・。語感まで伝えるというのはその外国語の語彙の問題があるのでしかたないんだろうなー。「彼岸過迄」は「春分過ぎまで」となるのもやむをえないところ、かな? 「坊っちゃん」なんかはむしろ意味が明確になっているかも・・・。「道草」についてはヌルボお手上げ。しかしこの韓国語は<道草>じゃなくて<よそ見>でしょ? そもそも韓国語には<道草>に相当する適当な名詞がなさそうだから意味的に近い言葉にしたのか? いや、「気持ちが脇道に逸れる」という意味があるので内容に即してそう訳したのかな? ヌルボは読んでないのでわかりません。
・上記14編中、私ヌルボが読んだ作品を数えてみると9編。まあ標準以上ってとこ?
 一番心を打たれたのは最後の未完作品「明暗」です。(水村美苗の「續明暗」も続けて読むといいです。)
 「草枕」は例の「山路を登りながら、こう考えた。知に働けば角が立つ。・・・」という冒頭部分がよく知られていますが、ヌルボとしては最後の場面の「余」が那美さんに言った言葉を読んで唸ったというかなんというか、とにかくすごく印象に残ってます。(・・・ボキャ貧だなー。)
 小説以外で覚えているのは、1911年の講演「現代日本の開化」中の一節。
 「現代日本の開化は皮相上滑りの開化であると云う事に帰着するのである。・・・しかしそれが悪いからお止しなさいと云うのではない。事実やむをえない、涙を呑んで上滑りに滑って行かなければならないと云うのです。」
 ああ、ここまで時代状況を見通してしまうのもインテリの悲劇だなー。これでは胃を患うのも当然というものか・・・。
 講演の記録では「私の個人主義」にも注目。「国家的道徳というものは個人的道徳に比べると、ずっと段の低いもののように見える」といった時代を超えるようなことを述べています。今に通ずる内容で、とくに政治家の皆さんに読んでほしいものです。

 あ、タラタラ書き足していたら、また長ったらしくなってきたゾ・・・ということでオシマイにします。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月12日(金)~5月14日(日)]

2017-05-17 14:51:18 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 再上映のドキュメンタリー「≒草間彌生~わたし大好き~」は<ぴあ面と向かって映画生活>等のサイトの評価は★0~1と★4~5の両極端に評価が分かれています。簡単に言えば監督は低評価で草間彌生さんは高評価。これは実際に観てみてナットク。たとえば草間さんが絵の題として書いた「生老病死」について「どういう意味ですか?」には内心で「えっ、知らないの!?」。これはまだ相当マシな部類で、「晩年にこんな作品を描けるなんてすごいですね」と面と向かって訊くとはなんと・・・(絶句)。しかし監督自身は→コチラの記事によると「気に入っているシーン」(!)とのこと(2度目の絶句)。

 横浜シネマリンで5月20日から朝鮮学校ボクシング部についてのドキュメンタリー「ウルボ ~泣き虫ボクシング部」を上映。ところが日を間違えて行って観たのが「まるでいつもの夜みたいに~高田渡 東京ラストライブ」。2005年3月27日のこぢんまりとした居酒屋でのライブなのですが、彼はなんとその20日後の4月16日56歳で急逝したのですね。私ヌルボと同世代で他人事とは思えません。(ハングルサークル仲間のお酒の好きなT兄(ヒョン)、アナタと誕生日同じですよ!) 高田渡については「自衛隊に入ろう」等の歌を通じて知っているだけでしたが、彼らフォーク歌手だけでなく、当時から知られていた人・知っている人たちのその後の人生もさまざまです。(・・・と、しばし感懐に耽るヌルボ。)
 ドキュメンタリー以外で観たのは「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。味わいはまさに純文学。観ていていろいろツラい映画でした。
    
「朝鮮日報」4月28日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「セールスマン」
  米文学包摂イラン映画 ★★★☆
 「エイリアン:コヴェナント」
  ウェルメイド? ハッタリ? ★★★
 「聲の形」
  少しのキズ、少しの成長 ★★★
 「道」
  両親に電話しましょう ★★☆
 「道」は韓国のドラマ。誠意に満ちた女性スネ(キム・ヘジャ)と恥ずかしがり屋の男性サンボム(ソン・ジェホ)。絶望の果てから人生を取り戻そうとするスミ(ホ・ジン)。たまたま1つの縁で結びついた彼らの人生の物語です。他の3作品は下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.58(69)
②(2) 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(日本)  9.52(299)
③(3) 謝罪  9.52(119)
④(4) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.43(211)
⑤(6) ヒドゥン・フィギュアズ  9.36(2,804)
⑥(10) 劇場版 トボット ロボット軍団の襲撃(韓国)  9.31(134)
⑦(7) 黒執事 Book of the Atlantic(日本)  9.29(474)
⑧(5) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.29(429)
⑨(9) 再び、桜(韓国)  9.26(186)
⑩(-) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.25(1,538)

 今回の新登場はありません。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(-) セールスマン  8.20(5)
④(3) ムーンライト  7.83(6)
④(3) 夜に海岸で独り(韓国)  7.83(6)
⑥(5) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑦(7) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑧(-) 聲の形(日本)  7.50(4)
⑨(9) 謝罪  7.33(3)
⑩(10) 怒り(日本)  7.25(4)

 今週の新登場は③と⑧の2作品です。
 ③「セールスマン」はアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「別離」等で知られるイランのアスガー・ファルハディ監督の最新作で、昨年のカンヌ映画祭で脚本賞と主演男優賞を受賞した作品です。教師のエマッドと妻のラナは小さな劇団に所属している若夫婦で、演劇「セールスマンの死」を準備中。しかし思いがけないことで住む家を失ってしまい、劇団仲間が紹介してくれたアパートに移り住むことになります。ところが演劇の初日を迎えた夜、ひと足早く劇場から帰宅したラナが侵入者に襲われるという事件が起こり、夫婦の生活は一変します。精神的にもダメージを負ったラナは、「警察に行こう」というエマッドの説得を頑なに拒み続け、夫婦仲は険悪になっていきます。エマッドは、犯人は前の住人だった女性と関係がある人物だという確証をつかみ、自力で捜し出すことを決意するのですが・・・。韓国題は「세일즈맨」。日本公開は6月10日です。
 ⑧「聲の形」は日本でも評価の高かったアニメで、これは私ヌルボも観ました。韓国でもなかなか好評のようでけっこうなことです。韓国題「목소리의 형태(声の形態)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月12日(金)~5月14日(日) ★★★

         日本より5ヵ月早い公開 「エイリアン:コヴェナント」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・エイリアン:コヴェナント ・・・・・5/09・・・・・・・・・・・524,612 ・・・・・・・・・・・959,961・・・・・・・・・7,980 ・・・・・・・・・836
2(2)・・保安官(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・425,641・・・・・・・・・・2,206,578・・・・・・・・17,934 ・・・・・・・・・758
3(3)・・ザ・ボス・ベイビー・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・348,294・・・・・・・・・・1,922,034・・・・・・・・14,877 ・・・・・・・・・723
4(1)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・5/03・・・・・325,792・・・・・・・・・・2,425,711・・・・・・・・20,944 ・・・・・・・・・734
        :リミックス
5(92)・・石造邸宅殺人事件(韓国)・・・5/09・・・・・・・・・・・150,323 ・・・・・・・・・・・291,929・・・・・・・・・2,370 ・・・・・・・・・539
6(15)・・聲の形(日本) ・・・・・・・・・・・・・・5/09・・・・・・・・・・・・94,592 ・・・・・・・・・・・202,626・・・・・・・・・1,606 ・・・・・・・・・466
7(新)・・キング・アーサー ・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・・46,918 ・・・・・・・・・・・・50,754 ・・・・・・・・・・447 ・・・・・・・・・256
8(4)・・王様の事件手帳(韓国) ・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・35,061・・・・・・・・・・1,612,723・・・・・・・・12,511・・・・・・・・・429
9(5)・・ワイルド・スピード ICE BREAK・・4/12 ・・・・・・・・・17,368・・・・・・・・・・3,645,788・・・・・・・・29,925・・・・・・・・・178
10(7)・・スマーフ:失われた村・・・・・・・4/28・・・・・・・・・・・・13,628・・・・・・・・・・・・420,615・・・・・・・・・3,077 ・・・・・・・・・201
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先々週の1位「特別市民」は早々とベスト10外に消えました。「哭声」や「お嬢さん」レベルの韓国映画が待ち遠しいです。さしあたり5月17日正式公開のソル・ギョングとイム・シワン共演「不汗党:悪いやつらの世界」はどうかな? もっと先だとポン・ジュノ監督の新作の怪獣映画「オクジャ」が6月29日公開なのですが、この作品は6月28日から動画配信サービスNetflixで全世界同時配信されるそうで、日本もその中に入っています。韓国では劇場公開もありますが、日本ではないということで、問題にもなっているようです。私ヌルボはDVD化されてる作品でも映画館で観たいという旧世代人間なので「なんだかなー」です。
 今回の新登場は1・5・6・7位の4作品です。
 1位「エイリアン:コヴェナント」はリドリー・スコット監督自身があの1979年公開のSFスリラー「エイリアン」の原点を描いた作品。史上最大規模の植民地開拓義務を持って目的地に向かっていたカバーナント号は未知の惑星から来た信号を検出し、そこを探査することを決定します。ところがそこは希望が持てる新世界ではなく危険な世界でした。想像を超える脅威が明らかになり、クルーは命がけで脱出をはかるのですが・・・。韓国題は「에이리언: 커버넌트」。日本公開は9月15日です。なんで韓国より5ヵ月も遅いの? もう→公式サイトはあって予告編も見られるんですけどね。
 5位「石造邸宅殺人事件は韓国のスリラー。光復(解放)から間もない頃のソウル。巨大な石造邸宅で2人の男が向き合い、そして起こった6発の銃声・・・。発砲事件の通報を受けて警察が出動し、運転手チェ・スンマン(コ・ス)を殺害した容疑で資産家のナム・トジン(キム・ジュヒョク)を逮捕します。しかし現場に残されているは、死体を焼いた跡と血痕、そして切り落とされた指だけ。この謎に満ちた石造邸宅での殺人事件の審判が行われるのですが、事件のもみ消しをはかるユン・ヨンファン弁護士(ムン・ソングン)と有罪を立証しようとするソン・テソク検事(パク・ソンウン)の対決はいかに? え、これは緻密に計画され実行された事件だと!? 原題は「석조저택 살인사건」です。
 6位「聲の形」については上述しました。
 7位「キング・アーサー」は、よく知られた中世の騎士道物語のアーサー王伝説の最初の部分、つまり青年アーサーがキング・アーサーへと成長する過程を描いた米・英・豪合作のアクション。スラム街の青年アーサー(チャーリー・ハナム)は、王の息子でありながら両親を殺され、貧しく生きることを強いられてきました。ある時無双の力を持つ聖剣エクカリバーを手に入れた彼は、両親を殺したヴォーティガン(ジュード・ロウ)を倒し、イングランドの王になるため、仲間と共に立ち上がります。韓国題は「킹 아서:제왕의 검」。日本公開は6月17日です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・・6,216 ・・・・・・・・・・・86,174 ・・・・・・・・・・・・644・・・・・・・・・・79
        ゆっくり平穏に(韓国)
2(新)・・セールスマン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/11 ・・・・・・・・・・・・2,999 ・・・・・・・・・・・・5,394・・・・・・・・・・・・・・46・・・・・・・・・・53
3(17)・・Cafe Waiting Love・・・・・・・・・・・・・5/11 ・・・・・・・・・・・・2,941・・・・・・・・・・・・・4,632・・・・・・・・・・・・・・39・・・・・・・・・107
4(7)・・ザ・シャック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・2,878・・・・・・・・・・・・62,311 ・・・・・・・・・・・・476・・・・・・・・・・15
5(3)・・午後8時の訪問者 ・・・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・・・2,530・・・・・・・・・・・・18,803・・・・・・・・・・・・・153・・・・・・・・・・41

 今回新登場の作品は2・3・5位の3作品です。
 2位「セールスマン」については上述しました。
 3位「Cafe Waiting Love」(仮)は2004年の台湾の青春映画。佳作「あの頃、君を追いかけた」の原作者&監督の九把刀(ギデンズ・コー)の<恋愛小説3部作>の2作目「等一個人咖啡」の映画化作品で原題も同じ。ただ今回は自身の監督ではなく江金霜監督です。等一個人咖啡という店名のカフェを舞台に、アルバイトの女子学生、常連客の青年、女性店主等々の恋愛模様が描かれます。詳細は観た方によるブログ記事(→コチラ)参照ということにしますが、「あの頃、君を追いかけた」の好評にもかかわらずこの作品の日本公開がないのは残念。なお撮影場所として造られた等一個人咖啡は台北市木柵の景美にあって同じ店名で実際に営業をしているそうです。韓国題は「카페, 한 사람을 기다리다(カフェ、ひとりを待つ)」です。
 5位「午後8時の訪問者」は、日本ではすでに4月8日公開されています。韓国題は「언노운 걸(アンノウン・ガール)」です。
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[韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ②乙巳年(ウルサニョン)にあったこと

2017-05-15 18:27:05 | 韓国語あれこれ
 [2] 「乙巳年(ウルサニョン)=1905年が{ウルシニョンスロプタの語源」という有力な説がある。

 →2つ前の記事の続きです。
 その最後に書きましたが、「을씨년스럽다」(ウルシニョンスロプタ)」という言葉は「(天気や雰囲気などが)もの寂しい」「非常に貧しい」「みじめだ」といった意味の形容詞です。
 この言葉を私ヌルボが知ったのは、5週間前ほど前に韓国統監の官邸跡についての記事(→コチラ)の冒頭で書いた第2次日韓協約について韓国記事をいくつか見た中に出てきたからです。
 1905年11月に締結された第2次日韓協約は、日本が大韓帝国の外交権を接収することを内容としたもので、これにより統監が置かれ(初代統監=伊藤博文)、大韓帝国は事実上日本の保護国となりました。
 3週間前の外交史料館の記事(→コチラ)でも書きましたが、韓国ではふつうこの第2次日韓協約のことを乙巳条約(을사조약)または乙巳勒約(을사늑약)と呼んでいます。
 「乙巳」(을사.ウルサ)というのは、この1905年が干支の組み合わせで「乙巳」の年だからです。※干支による年の表記については→1つ前の記事参照。
 この乙巳条約関連の言葉で、韓国には「乙巳五賊」という言葉があります。この協約に賛同した李完用をはじめとする5人の閣僚のことで、彼らに対する非難は当時だけではなく、むしろ今世紀に入ってから、廬武鉉政権時代に制定された日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法(2004)・親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法(2005)に象徴されるように一段と厳しくなっている感があります。

 本論に戻ります。「을씨년스럽다」(ウルシニョンスロプタ)」という言葉が出てきた乙巳条約関係の韓国記事というのは2014年12月の<こども東亜>(어린이동아)の記事。(→コチラで、その骨子は次の通りです。
 
 「을씨년스럽다」という言葉は「을씨년」という名詞に「そのような性質がある」という接尾辞の「~스럽다」が付いたものだが、その「을씨년」とは1905年の「을사년(乙巳年)」が変形したものという説がかなり有力」である。

 この説は、記事によるとチョ・ハンボム忠北大教授によるもので、チョ教授は、当時(20世紀初頭)の新小説作家・李海朝(イ・ヘジョ.1869~1927)が1908年発表した小説「鬢上雪」(빈상셜.ピンサンショル)中に<을사년시럽다>という言葉を見つけ、<을씨년>が<을사년>に由来する十分な根拠となると唱えていると説明しています。
 ただ、この記事では「明快ではあるが、できてから100年にしかならないこの言葉が変化した過程が他の記録には残っていない点が疑問だ」とも書いていて、「乙巳年」説を100%正しいとみているわけでもありません。
 しかし、下のようなイラストまで載せているし、かなりの思い入れが込められた記事ではあります。
       「われわれは乙巳五賊!!」
 「こんな痛嘆きわまりない・・・」

        [乙巳条約文書」

           「<乙巳年スロプタ>
           →<ウルシニョンスロプタ>」

 あいかわらず日本人は出っ歯に描かれていますね。(いつからなんだろ??)
 この記事が読まれたためかどうかはわかりませんが、この「을씨년스럽다」は日本の保護国とされてしまった「乙巳年(1905年)」に対する朝鮮の人々の「もの寂し」く「みじめ」な心情に基づくという語源説はそれなりに広まっているようにも思えます。

 語源説の例は「無数に」と言っていいほど数多くあり、私ヌルボの好きな落語「やかん」にある茶碗の語源(「見てごらん。ちゃわんとそこにあるだろう」)のような笑っちゃうようなレベルのものだけでもいくつもあります。最近知ったのは、日本語の「ありがとう」はポルトガル語の「obrigado」(オブリガード)に由来する、というトンデモ語源説ですが、それでも信じやすい人は信じるのですねー。(笑) 以前韓国語の「바다(パダ)」は日本語の(ワタツミ等の)「ワタ」に相通じるという話をしたら、「英語のwaterもそうやないか!?」と言った友人がいましたㅋㅋㅋ。
 こんな即座に「ありえねー!」というレベルからマユツバのレベル、そしてほとんど信じてよさそうなレベルまでいろいろあるのが語源説で、言語学N先生の話では「専門家も非専門家と大きな差はない」のだそうです。ヌルボの理解では、明確な反証が出てこなければどこまでも<仮説>のまま、ということなのかな?

 で、この「乙巳年」語源説はわりと信じてよさそうなレベルと言えそうです。上記の李海朝の小説も乙巳年の3年後と「ほどよい」時期だし・・・。
 しかし、私ヌルボは直感的に「これは違うのでは?」と思いました。理由はというと、今の韓国人の歴史認識がそのまま投影されていると思ったから。
 その時代の大韓帝国で、どれほどの人が乙巳条約のことを知り、憤りを感じていたのか? たしかにその後各地で義兵運動は各地で展開されはしましたが・・・。
 そこで、もしかして、「乙巳年」語源説以外の説があるのでは?と韓国記事を探してみたら、案の定ありました。

 あと1回続きます。

 → [韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ③「乙巳年(ウルサニョン)」(=1905年)説以外の説がやっぱりあった!
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[韓国語]なぜ「八字(パルチャ)」が「運命」を意味するのか?

2017-05-12 23:55:50 | 韓国語あれこれ
【1】 팔자の意味と用例

 韓国語で「팔자」(パルチャ.八字)という言葉をしばしば見かけます。
 意味は、「運命、運、運勢、星回り」等が辞書にあります。
 <Kpedia>(→コチラ)や、<ミリネ韓国語教室>(→コチラ)の記事にたくさん用例が載っています。
 主なものを拾ってみると・・・。

・팔자가 좋다. 
 星回りがいい。楽な人生を送っている。

 ・・・この反対は팔자가 나쁘다.

・팔자가 피다.
 生活が豊かになる、楽になる。(直訳は「八字が花開く。」).


・팔자가 세다.
 苦労をする。星回りが悪い。(直訳は「八字が強い。」)


・팔자타령
 身の不幸を全て運命のせいにして嘆く。(漢字表記は「八字打令」。直訳すると「八字節(ぶし)」。)


・아이고~ 내 팔자야~.
 ああ、なんと酷い運命なんだ!


・걱정도 팔자다.
 大きなお世話だ。心配しすぎだ。(直訳すると「心配も星回りだ。」)


・개팔자가 상팔자.
 犬の人生が羨ましい。(直訳すると「犬の人生が上八字。」)

 
【2】 なぜ「八字」が運命を意味するのか?

 次に、ではなぜ「八字」が「運命」を意味するのか、というと・・・。
 四柱推命では、生まれた年・月・日・時刻をそれぞれ十干(甲乙丙丁~)と十二支(子丑寅~)を組み合わせた干支(えと・カンシ)を漢字2文字ずつで表します。
 これを「年柱・月柱・日柱・時柱」といい、これによりその時刻に生まれた人の運命が決定づけられる、というのが四柱推命の基本です。
 4つの柱それぞれが2文字ずつなので合計8文字になり、これが運命を規定するというわけです。
 以上が「八字」が「運命」を意味する理由です。

 と、ここで記事をオシマイにしてもいいのですが、上記の十干と十二支の組み合わせについてもう少し詳しく書いておきます。

【3】 干支順位表と、干支にちなんだ歴史用語・習俗などについて

 干支は日本でも古くからさまざまに用いられてきました。
 歴史用語では、庚午年籍(670)、壬申の乱(672)、戊辰戦争(1868)等。これらは、その年を干支の組み合わせで表記したものです。
 しかし、日本では歴史上の大きな出来事は干支よりも元号の方がより多く用いられています。
 一方韓国では、その年の干支に依ってよばれる歴史上の出来事が数多くあります。これについては、<干支にちなむ朝鮮・韓国の歴史上の出来事>と題した過去記事(→コチラ)を参照のこと。53の例を挙げてあります。壬辰倭乱(1592)(=日本では文禄の役)はしばしば見かけますね。その他、日本の高校歴史教科書にある用語では壬午軍乱(1882)・甲申事変(1884)・甲午農民戦争(1894)、それから乙未事変(1895)は今は閔妃殺害(虐殺?)事件ですか? あ、中国史では何といっても辛亥革命(1911)がありましたね。その前の戊戌の政変(1898)も世界史の教科書に載っています。
 日を表す干支にちなんだ用語の中で、日本で用いられている・・・いや用いられていたのは庚申塚(庚申信仰)しか思い浮かびません。十二支だけなら初午、初巳、土用の丑の日、酉の市などいくつもあるのですが・・・。

 年・月・日・時刻のうち、わかりやすいのは上記の年と日の干支のしくみです。古典や日本史の教科書・教材に載っている干支順位表を見れば一目瞭然です。(ホント?) 昔教わった(?)ことをちゃんと憶えている人は何%くらいいるものか、ヌルボは全然見当がつきません。以下、(たぶん)高校等で教えている(?)ことを書きます。

 組み合わせの総数は10と12の最小公倍数で60通りになります。その一番初めは、十干の最初の甲(かのえ・コウ)と十二支の最初の子(ね・シ)を組み合わせた甲子。次は十干と十二支の2番目の字を組み合わせて乙丑ですね。11番目は十干は最初に戻って甲、これと十二支の11番目・戌をくっつけます。
 したがって年の場合、たとえば甲子年生まれの人だと生まれてから60年目に再び甲子年が廻って来て「ふりだしに戻る」わけです。だから還暦(韓国だと還甲(환갑.ファンガプ))というのですね。正確には、満60歳の誕生日ではなく、数え年61歳となった元日が還暦を迎えた日になります。

 音訓2つの読み方入りの干支順位表は次の通り。また、韓国語の読み方はその下の表でわかります。


 韓国では、干支のことをそのまま音読みして<간지>(カンジ)といいますが、<육십갑자>(六十甲子(ユクシプカプチャ)という言葉も用いられます。<육십갑자>で画像検索すると、上のような干支順位表がヒットします。また年の干支を<세차>(歲次.セチャ)、月の干支を<월건>(月建.ウォルゴン)、日の干支を<일진>(日辰.イルチン)といいます。

 時刻の場合も、十干抜きの十二支のみ用いられてきました。たぶん高校の古典や日本史でも子の刻(午前0時)から始まって2時間おきに丑・寅・・・と続く図表しか乗っていません。時刻を十二支であらわすと昼の12時は午(うま)の刻つまり正午で、それより前が午前、後が午後・・・ということは知らないでふうに使っている人が多いのでは? なお、韓国のラジオを聞いていると、夜の12時に「자정(子正)をお知らせします」と言っています。昼の12時は오정(午正)ともいいますが、정오(正午)の方が一般的なようです。
 ※十二支のほかに、「九つ」(午前0時)から2時間おきに八つ・七つ・・・(最後は四つ)と減じていく呼び方もあります。だから「お八つ」(午後2時)というのだとか・・・。
 私ヌルボも、そもそも時刻の干支では十干と十二支がどのように組み合わされているのか?からして最近まで知りませんでした。月の干支も同様です。ウィキペディア等々から情報を得て、月と時刻の干支の組み合わせがどうなっているのか表にしてみました。



 干支はすでに殷代(紀元前17~前11世紀)からあったとのことです。以後3千年以上、よくこんな精緻(というか複雑というか)体系が作り上げられ伝えられ、そして今も用いられているとは驚くべきものです。
 (※素朴な疑問。同じ日時に生まれた人は皆同じ八字=運命になるとは思えないんですけどねー。)
 日本と韓国も干支について同じような伝統・文化・慣習等を共有しているのも当然ですが、異なる点も比較すれば見えてくると思います。(そこまでは踏み込みません。)

 じつはこの記事は2つ前の記事→<「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は?>の続きの記事のつもりで書き始めたのですが、干支について知っていることをほとんどありったけ書いてしまい、(例によって)前書きのつもりが長くなりすぎてしまいました。(笑)
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月5日(金)~5月7日(日)]

2017-05-09 22:05:27 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 5月3~8日の6日間で映画7本鑑賞。内訳は神保町のチェッコリで「あの空にも悲しみが」(1965)・「星たちの故郷」(1974)・「帰路」(1967)の韓国映画の旧作3作品。キネカ大森では昨年の日本映画の注目作「怒り」「永い言い訳」の2本立て。そしてシネマ・ジャック&ベティで観たのが「タレンタイム~優しい歌」「私は、ダニエル・ブレイク」です。

 「怒り」と「永い言い訳」は、<ぴあ映画生活>のサイトの平均評点80点がうなずけます。しかし、私ヌルボとしては「この手の日本映画はどんなにがんばっても80点止まりだな」という否定的評価としての80点です。両作品の大きなウイークポイントは「物語の構図が透けて見える」ということ。「怒り」の場合は、3つの別の場所それぞれで「素性の知れない青年と彼を取り巻く人々」が設定されます。観るうちに、「実際の犯人は誰なのか?」よりも、「あなたはどこまで愛する人を信じることができますか?」と問いかける点がこの映画のキモなんだなということがわかってきます。問題は、そういう問いかけ自体が作者(吉田修一? 李相日?)自身にとってどれほど切実なものなのかがよくわからない、ということ。「永い言い訳」の場合は、事故で妻に先立たれた2人の男の亡妻への思いが両極端といっていいほど対照的。そこにご都合主義っぽさを感じてしまいました。どちらの作品も、作者の頭の中で構想した<思考実験>のような印象を受けた、ということです。
 一方、最近観たエドワード・ヤン監督「牯嶺街少年殺人事件」や、引退宣言を破ってケン・ローチ監督が作った「私は、ダニエル・ブレイク」は、監督がこれらの作品を制作した<内的必然性>といったものがひしひしと感じられます。 「豊作」と言われた昨年の日本映画の多くをヌルボは観ていませんが、もしかしたら今回観た2作品と同様のことが今の日本映画(や小説)に共通するのでは、とも思われます。

 未見だった韓国映画3作は、作品内容とともに公開当時の韓国社会の一端を視覚的にも知ることができ、有意義なものでした。とくに半世紀前のベストセラー「ユンボギの日記」を映画化した「あの空にも悲しみが」は、ユンボギの住むあばら家のひどさといい、子供たちがガムを売ったりして家計をかつかつ支えている中、少しでもまとまった金を手にすると博打に手を出す父親の極度の無責任さといい、浮浪児たちを食い物にする街のチンピラたちといい、60年代韓国社会で貧しい家の子供たちの生活環境が極度に劣悪だったことに今さらながら驚きました。
 なお、チェッコリには今回上映した5作品の他にも15枚ほど(?)の日本語字幕付DVD・ブルーレイディスクがあり、またいずれ同じような韓国映画上映会をやる(かな)というような話を聞きました。期待しています。

 以下は近日(今月内)公開の個人的注目作品のメモ。主に参考にしたのは、すでに公開されている作品の韓国での評判、そして「キネ旬」の評点です。韓国映画では昨夏の大ヒット作の1つの「トンネル 闇に鎖された男」。ハ・ジョンウが主演で、ペ・ドゥナもその妻を演じています。キム・ギドク作品の「STOP」は、なんだかなー・・・です。韓国で福島の原発事故がどう受け止められているか?はわかるかもしれませんが・・・。「あの日、兄貴が灯した光」(原題は「형(兄貴)」)の方がまだよさそうかも・・・。チョ・ジョンソクと、EXOのメンバーのD.O.が兄弟役を演じるヒューマン・コメディです。
 韓国映画以外では「マンチェスター・バイ・ザ・シー」、それから「メッセージ」くらいか。あ、「台北ストーリー」はもうユーロスペースでやってますね。私ヌルボは5月27日から上映予定のシネマ・ジャック&ベティに行くつもりですが・・・。その日からはまだ観てない「ムーンライト」の上映も始まります。毎度のことながらありがたい映画館です。

 先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.62(64)
②(2) 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(日本)  9.60(235)
③(4) 謝罪  9.53(118)
④(5) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.40(367)
⑤(3) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.57(235)
⑥(6) ヒドゥン・フィギュアズ  9.36(2,727)
⑦(-) 黒執事 Book of the Atlantic(日本)  9.29(435)
⑧(8) ミス・スローン  9.27(466)
⑨(7) 再び、桜(韓国)  9.27(182)
⑩(-) 劇場版 トボット ロボット軍団の襲撃(韓国)  9.27(126)

 今回の新登場はありません。それにしても、オーソドックスな劇映画は⑥と⑧のアメリカ映画2作品だけ。あとはすべてアニメとドキュメンタリーと④の公演。今回がたまたまこうなっただけ?

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(4) ムーンライト  7.83(6)
③(4) 夜に海岸で独り(韓国)  7.83(6)
⑤(6) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑥(-) お嬢さん(韓国)  7.68(18)
⑦(7) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑧(8) 私たち(韓国)  7.66(14)
⑨(9) 謝罪  7.33(3)
⑩(-) 怒り(日本)  7.25(4)

 今週も新登場はありません。昨年6月公開の「お嬢さん」と「私たち」は公開日が過去1年以内という独自基準で新作扱いにしています。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月12日(金)~5月14日(日) ★★★

         韓国映画「特別市民」は1週で首位陥落

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(158)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・5/03・・・883,844・・・・・・・・・・1,723,862・・・・・・・・14,894 ・・・・・・・1,218
        :リミックス
2(11)・・保安官(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・837,435・・・・・・・・・・1,260,163・・・・・・・・10,307 ・・・・・・・1,091
3(新)・・ザ・ボス・ベイビー・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・764,654・・・・・・・・・・1,207,284・・・・・・・・・9,300 ・・・・・・・1,116
4(2)・・王様の事件手帳(韓国) ・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・294,976・・・・・・・・・・1,493,073・・・・・・・・11,600・・・・・・・・・678
5(3)・・ワイルド・スピード ICE BREAK・・4/12 ・・・・・・・・125,666 ・・・・・・・・・・3,591,596 ・・・・・・・29,493・・・・・・・・・451
6(1)・・特別市民(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・89,956 ・・・・・・・・・・1,334,247・・・・・・・・10,294・・・・・・・・・510
7(4)・・スマーフ:失われた村・・・・・・・・4/28・・・・・・・・・・・・88,182 ・・・・・・・・・・・・386,164・・・・・・・・・2,826 ・・・・・・・・・488
8(76)・・スーパー・ベッコム・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・・39,459 ・・・・・・・・・・・・・77,071 ・・・・・・・・・・557 ・・・・・・・・・358
        :スパイ大作戦(韓国)
9(5)・・劇場版 トボット ・・・・・・・・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・30,801 ・・・・・・・・・・・・128,100 ・・・・・・・・・・985 ・・・・・・・・・182
        ロボット軍団の襲撃(韓国)
10(8)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・10,532 ・・・・・・・・・・・・・69,553 ・・・・・・・・・・519 ・・・・・・・・・102
        ゆっくり平穏に(韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週の1位「特別市民」はその後伸びず、もう5位に後退してしまいました。
 今回の新登場は1・2・3・8位の4作品です。
 1位「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」はアメリカのSFアクションシリーズの第2作。日本でも5月12日公開で諸情報が出ています。韓国題は「가디언즈 오브 갤럭시 VOL.2」です。
 2位「保安官」は韓国の犯罪・コメディ。過剰捜査が理由でクビになり都落ちした元刑事のテホ(イ・ソンミン)。おおらかな厚かましさで保安官を自称しながら釜山近郊の機張(キジャン)の平和を守っています。ある日その町に事業家のチョンジン(チョ・ジヌン)がビーチタウン建設のためソウルからやって来ます。その後釜山の海雲台で麻薬が出回り始めると、チョンジンの全ての行動に疑念を抱いているるテホはチョンジンが犯人だと直感します。義弟のトンマン(キム・ソンギュン)を助手に捜査に乗り出すテホでしたが、人々の気持ちは金持ちで洗練されたチョンジンの方になびいていきます・・・。原題は「보안관」です。
 3位「ザ・ボス・ベビー」(仮)はアメリカ・ドリームワークス製作の家族コメディ・アニメ。7歳の男の子ティムの家に、ある日やってきたのはシックな眼差しにパリッとしたスーツ姿の、ブリーフケースを抱えた社長・・・じゃなくて赤ちゃんです。ティムはその赤ちゃんに両親の愛をすべて奪われてしまいます。一見かわいらしい赤ちゃんですが、実はなんとベビー株式会社のカリスマボスの<ボス・ベビー>でした。<ボスベビー>は秘密の任務を遂行するために派遣勤務中なのです。ティムは両親の愛を取り戻すために、そして<ボスベビー>はライバルのパピー株式会社を倒すために不本意ながらも、パピーのCEOが企てた卑劣な計画を止めようと手を組むことになります。7歳のビッグ・ブラザーvs7ヵ月のベビー・ブラザーの殺伐としたチームプレーが始まります・・・。韓国題は「보스 베이비」。日本公開はありそうですが期日は未定のようです。
 8位「スーパー・ペッコム:スパイ大作戦」は韓国のコメディ・アニメ。主人公のペッコムは国家情報局の清掃夫として働いてはいるものの、<最高のスパイ>を夢見ているハッタリ屋のクマ。ある日正体不明の悪党たちが現れ、氷爆弾で地球を脅かします。しかし、悪党たちの基地である<ポーラースター>に潜入することができるのはペッコムだけ! 予想もできなかった不可能なミッションに関わることになったペコムは<スーパーブレインチップ>を装着し、高度な訓練を受けて潜在していた能力を徐々に発揮し始めましたが、はたしてペッコムは悪党のリーダーのホワイトに対抗して凍りつく危機に瀕した地球を救うことができるのでしょうか? 最強スパイとして生まれ変わったペッコムのドタバタミッションが始まります・・・。原題は「슈퍼 빼꼼: 스파이 대작전」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・10,532 ・・・・・・・・・・・69,553 ・・・・・・・・・・・・519・・・・・・・・・102
        ゆっくり平穏に(韓国)
2(4)・・ダンサー、セルゲイ・ポルーニン・・4/13 ・・・・・・・・・・・・4,198・・・・・・・・・・・・31,888・・・・・・・・・・・・・256・・・・・・・・・・32
3(2)・・ディナイアル(Denial)・・・・・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・3,827・・・・・・・・・・・・22,168・・・・・・・・・・・・・117・・・・・・・・・・44
4(8)・・別の世界 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・2,831・・・・・・・・・・・・23,067・・・・・・・・・・・・・182・・・・・・・・・・19
5(3)・・ザ・シャック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・2,625・・・・・・・・・・・・56,971・・・・・・・・・・・・・433・・・・・・・・・・13
        世界一優雅な野獣

 今回新登場の作品はありません。
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[韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ①朴婉緒の自伝的小説の漫画版

2017-05-08 22:39:49 | 韓国の漫画
[1] 朴婉緒「たくさんあったあのイワタデは誰が食べたのか」の漫画本はすばらしい!

             
 朴婉緒(パク・ワンソ.1931~2011)の自伝的小説「그 많던 싱아는 누가 다 먹었을까(たくさんあったあのシンア[イワタデ]は誰が食べたのか)」の漫画本(上・下)を読みました。
 いやあ、これはいい本です。
 この小説の日本語訳は「新女性を生きよ」(梨の木舎.1999)というタイトルで刊行されました。韓国では高名なこの作家の代表作の1つですが、全然小説らしくない雑誌風の体裁ということもあって(?)、(たぶん)ほとんど注目されてこなかったと思います。しかし、生まれ故郷である開城近郊の村で過ごした少女時代から、母に連れられてソウルに移り住んで小学校・女学校に通った頃、そして光復を経て朝鮮戦争の初期までの朴婉緒の少女時代が実に生き生きと描かれていて感銘を受けました。
 この翻訳書を読んだのが10年以上前。そして4年あまり前にソウルの書店でこの漫画の表紙を見て上下2巻を買ってきたのですが、そのままツンドクになっていたのを、最近の大掃除の時に発掘なんとなく読み始めたところ、このキム・グァンソンという漫画家の絵に魅入りました。絵自体が魅力的であるばかりか、元の文章の多くをそのまま用いる等原作に密着し、1930年代以降の村や街、自然の景物等も(おそらく)ずいぶん緻密な時代考証をふまえていて、きちんと描写されています。

 ・・・と、この漫画本の内容をこれ以上紹介するとさらに何倍もの字数を要するので、とりあえずはおいといて、ここから本論の、序文です。(ここまでは本論どころか、序文でさえなかったってか!?(笑))

 小学校に入るため母に連れられて初めてソウルに来た少女ワンソが暮らすことになったのは峴底洞(ヒョンジョドン)でした。西大門の近くといっても、下の絵のような山の上のタルトンネ(月の町=低所得者層の集住地域)で、水道もない所でした。
      

 こんな小さな家が密集する丘を登って行って・・・。
      
 さらに上へずーっと登って行って・・・。翻訳書では「苦労しててっぺんまでたどりついたのに町はまだつづいている。」 やっと母が歩みを止めたのがこの近辺でもまれな藁ぶき家。(上左) それも「わが家」ではなく間借りです。
 ここで上右のコマのハングルを読んでみます。
 
 작은 쪽마루가 달린 문간방은 옹색하고 을씨년스러웠다.
 小さな縁側がついた門間房(玄関部屋)は窮屈で陰気くさかった


 とくに을씨년스러웠다(ウルシニョンスロウォッタ)という言葉を強調したのは、これがこの記事のテーマだからです。(やっと・・・。) 辞書で辞書形の)「을씨년스럽다」(ウルシニョンスロプタを引くと、「(天気や雰囲気などが)もの寂しい」「非常に貧しい」「みじめだ」といった訳語が載っています。(上の「陰気くさかった」は翻訳書の訳語。)

 辞書に*印がついている単語でもないので、中級レベルの韓国語学習者の皆さんの多くは知らなかったのではないでしょうか?
 実は私ヌルボも2、3ヵ月前に初めて知った単語です。その知ったキッカケというのがその語源をめぐる記事を読んだこと。
 さらにあれこれ関係情報を集めたりして・・・、で今回はとりあえずここまで。以下続きます。

 → [韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ②乙巳年(ウルサニョン)にあったこと
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [4月28日(金)~4月30日(日)]

2017-05-03 07:49:19 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 この1週間はちょっと大掃除(のごく一部)をしたり、飲み会が続いたり等で映画館には1度も行けず。6月に予定している初の台湾旅行の予約というのもあったな。
 それにしても、いろんな関係の知り合いと飲んだり食べたりしながら歓談する機会がしばしばあるというのはいいものです。そして今日は北海道在住の高校時代の友人から「元気かー」という電話。わが身のシアワセが感じられたこの数日でした。

 GW中の韓国映画情報を1つ。新作ではないのですが、明日(2日)から神保町のブックカフェ・チェッコリで<GW特別企画「CHEKCCORIシネマウィーク」>と銘打って1960~80年代の名作5編が上映されます。2日=「下女」(キム・ギヨン.1960)、3日=「あの空にも悲しみが」(キム・スヨン.1965)、4日=「チルスとマンス」(パク・クァンス.1988)、5日=「星たちの故郷」(イ・ジャンホ.1974)、6日=「帰路(イ・マニ.1967)。11:30~の1回のみ上映。詳細は→コチラ
 なお、チェッコリでは今年3月に刊行された『韓国映画100年史』(明石書店)の著者・鄭琮樺(チョン・ジョンファ)さんのトークイベントが6月10日(18時)に予定されています。

 上記以外の鑑賞予定を立てようと各映画館の今後のラインナップを見ると、これは観なくてはという作品がゾロゾロ。
 シネマ・ジャック&ベティでは「わたしは、ダニエル・ブレイク」「タレンタイム~優しい歌」「人生タクシー」は必見だな。ブルク13の「ムーンライト」も。昨晩桜木町に行った時混み具合を見てみたら10分前で満席。基本的に上映館数が少な過ぎ? 横浜シネマリンの「すべての政府は嘘をつく」はどうかな? キネカ大森では「怒り」「永い言い訳」の2本立て。ヌルボはどちらも見逃しているだけにすごくウレシイ! これも行かなくちゃ。5日までか。ル・シネマの「Don't Blink ロバート・フランクの写した時代」とか、東京都写真美術館で公開中の「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>」も気になるし・・・と思ったら、どちらもいずれシネマ・ジャック&ベティで公開されるのか! しめしめ。ユーロスペースで6日公開の「台北ストーリー」も3週間遅れながら上映してくれるし、ホントにありがたいありがたい!
 しかし、これから10日間くらいで何本観られるのだろう?

 今韓国では<全州国際映画祭>(4月27日~5月6日)の真っ最中。<Kstyle>内の関係記事だけでもいろいろあります。(→コチラ。) ヌルボとしては、情報チェックは終わってからだな。
    
「朝鮮日報」4月28日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
  マック王国誕生の秘史 ★★★☆
 「王様の事件手帳」
  韓服姿のホームズたち ★★★
 「パワーレンジャー」
  CG効果 少年期の追憶 ★★☆
 「ディナイアル(Denial)」
  歴史歪曲 日本政治家に ★★★☆
 「特別市民」
  韓国政治映画の新一歩 ★★★
 「ザ・シャック」
  ‘苦痛の意味’を問う人に ★★☆
 「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」「パワーレンジャー」「ザ・シャック」については→先週の記事で書きました。他の3作品は下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.70(47)
②(-) 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(日本)  9.60(124)
③(-) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.57(235)
④(2) 謝罪  9.54(114)
⑤(4) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.44(210)
⑥(6) ヒドゥン・フィギュアズ  9.38(2,569)
⑦(5) 再び、桜(韓国)  9.35(176)
⑧(7) ミス・スローン  9.26(418)
⑨(8) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.25(1,514)
⑩(9) ミミズ(韓国)  9.25(28)

 今回の新登場は②と③の2作品です。
 ②「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」は日本では3月18日公開で、今も全国でやってます。韓国での公開、実に早い。最初からその予定で翻訳、宣伝等進めているのでしょうね。原作コミックも、韓国では第1巻が日本の約1年半遅れで道場して以来全巻が刊行され、漫画原作作品では「ONE PIECE」に続く高い人気を得ています。日本同様の쿠로바스(黒バス)という略称の他に、韓国では「쿠농(クノン)ともいわれているそうです。韓国題は「극장판 쿠로코의 농구 라스트 게임」です。
 ③「徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに」は韓国のドキュメンタリー。徐舒平とは約1世紀前朝鮮に派遣されて来た看護宣教師(1880~1934)の名前(本名はElisabeth Johanna Shepping)です。ドイツ生まれですが子供時代にアメリカに渡り、国籍もアメリカです。ミッション系の中学校、看護専門学校を卒業しニューヨークの病院で働いていた彼女は、朝鮮の深刻な医療状況を聞き、1912年アメリカ南長老海外伝道部の募集に応じて介護宣教師として朝鮮に来ました。彼女は光州の病院で看護師として働きながら日曜学校を助ける一方で韓国語を学び、チマチョゴリを着て人々の間に入っていきました。そして全羅道一帯のハンセン病患者に対し本格的な看護を開始し、また乞食や無力な女性たちのためにも献身的な活動を続けました。朝鮮初の女性神学校であるイイル学校(韓一長神大学校の前身)、朝鮮看護婦会(大韓看護協会の前身)、女伝道会連合会等を創設する等、女性運動と看護の分野に力を尽くしました。彼女は14人の孤児を養子とし、よるべのない寡婦38人と一つの家で暮らしました。また女性の自立等の目的で湖南地域に4千本の桑を植え、養蚕を指導したりもしています。このように22年間幅広く活動してきた彼女はこの地で亡くなりました。光州で初めて市民社会葬として行われた葬儀には、ハンセン病患者をはじめとする多くの市民が参列したとのことです。そんな彼女の一生をたどった作品です。なお語りはハ・ジョンウが担当しています。先週紹介した「マリアンヌとマーガレット」と重なる部分がけっこうありますね。原題は「서서평, 천천히 평온하게」です。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) ヒグマの英雄バムセ:泥棒たちの町  8.00(1)
④(4) ムーンライト  7.83(6)
④(4) 夜に海岸で独り(韓国)  7.83(6)
⑥(6) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑦(7) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑧(-) 私たち(韓国)  7.66(14)
⑨(9) 謝罪  7.33(3)
⑩(-) ズッキーニと呼ばれて  7.25(4)

 今週も新登場はありません。昨年6月公開の「私たち」は新作に入れるのは疑問もありますが、本記事では公開日が過去1年以内であれば新作扱いにしています。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月28日(金)~4月30日(日) ★★★

         「特別市民」 10週ぶりの韓国映画首位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(25)・・特別市民(韓国) ・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・598,737・・・・・・・・・・・・904,408・・・・・・・・・6,991・・・・・・・1,150
2(21)・・王様の事件手帳(韓国) ・・・・・4/26・・・・・・・・・・・517,705・・・・・・・・・・・・722,374・・・・・・・・・5,602・・・・・・・1,064
3(1)・・ワイルド・スピード ICE BREAK・・4/12 ・・・・・・・・353,170 ・・・・・・・・・・3,199,366 ・・・・・・・26,394・・・・・・・・・715
4(27)・・スマーフ:失われた村・・・・・・・4/28・・・・・・・・・・・158,298 ・・・・・・・・・・・・159,854 ・・・・・・・・1,201 ・・・・・・・・607
5(28)・・劇場版 トボット ・・・・・・・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・51,848 ・・・・・・・・・・・・・57,193 ・・・・・・・・・・451 ・・・・・・・・231
        ロボット軍団の襲撃(韓国)
6(3)・・美女と野獣・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/16・・・・・・・・・・・・38,280 ・・・・・・・・・・5,094,137 ・・・・・・・41,794 ・・・・・・・・239
7(2)・・パパは娘(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・・33,734・・・・・・・・・・・・629,655・・・・・・・・・4,932 ・・・・・・・・331
8(54)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・28,119 ・・・・・・・・・・・・40,346 ・・・・・・・・・・300 ・・・・・・・・234
        ゆっくり平穏に(韓国)
9(新)・・劇場版 黒子のバスケ・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・・9,336・・・・・・・・・・・・・14,752 ・・・・・・・・・・112 ・・・・・・・・・93
        LAST GAME(日本)
10(85)・・ディナイアル(Denial)・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・・7,762・・・・・・・・・・・・・11,383 ・・・・・・・・・・・90 ・・・・・・・・104
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 チェ・ミンシク主演「特別市民」は2月17~19日のランキングで「再審」が1位になって以来10週ぶりの韓国映画の首位。続く2位も韓国時代劇。韓国映画界の関係者はほっとしてるかも。
 今回の新登場は1・2・4・5・7・8・9・10位の8作品。こんなに多いのは初めてかな?
 1位「特別市民」は韓国のドラマ。ただソウルだけを愛する、足で走るソウル市長のピョン・ジョング(チェ・ミンシク)。しかし、実はどんな政治家よりも最高権力を志向し徹底的にイメージ管理をする政治家です。その彼が次期大統領選挙を狙って史上初の3選目のソウル市長に挑戦し、選挙に臨みます。彼は選挙工作の第一人者であるシム・ヒョクス(クァク・ドウォン)を選挙対策本部の部長に据え、果敢に選挙の場に飛び込んだ若い広告専門家のパク・キョン(シム・ウンギョン)をスカウトし、いよいよ選挙戦のただ中に・・・。しかし、他の候補者たちの熾烈な攻勢に思いも寄らない事件まで重なって、ジョングは何度も危機に見舞われます・・・。5月9日の大統領選を計算に入れた作品なのかな? 原題は「특별시민」です。
 2位「王様の事件手帳」は韓国のエンタメ時代劇。全ての事件を直接解明しなければ気がすまないという聡明な王の睿宗[イェジョン](イ・ソンギュン)。その王の補佐役に任命されたのが学識・家柄・外見ともに優れ、並外れた記憶力まで兼ね備えた新米士官のユン・イソ(アン・ジェホン)です。しかし、意欲はあるものの頼りない行動の多いイソは睿宗の冷たい視線を浴びたりもしています。そんな時、漢陽の都に怪異な噂が流れ始めます。怪しい噂の真相を明らかにしようと王様と王様に従う新入士官。宮殿を越え塀を越え、愉快な科学捜査が始まります。原題は「임금님의 사건수첩」です。ところで、睿宗って15世紀後半に実在した睿宗を想定しているのかな? それとも全くの架空の人物?
 4位「スマーフ:失われた村」(仮)は、アメリカのアニメシリーズの第3作。スマーフは本来はベルギー生まれの漫画キャラで、アメリカでも人気の青色の小人たちです。今回の物語は、スマーフェッテが失われた秘密の森の地図を発見するところから始まります。そこはパパスマーフが絶対入るなと言っていた場所。しかし彼と仲間たち4人はパパスマーフをまんまとだまし、その秘密の森に冒険に出ます。そこで彼らは偶然丸い目、青い体の正体不明の人(?)を発見します。一体誰なのかすごく気になった彼らですが、その人はすぐ消えてしまいます。秘密の森は彼らが生まれて初めて見る生物がいっぱいの神秘の空間でした。ところが感嘆もつかの間、彼らは魔法使いガーガメルに追いかけられ、驚いて逃げます。するとその途中、なんとあれほど気になっていた正体不明の連中とばったり出くわします・・・。韓国題は「스머프: 비밀의 숲」。日本公開は未定のようです。
 5位「劇場版 トボット ロボット軍団の襲撃」は韓国のアニメ。トボットとは、2009年の発売以来子供たちに爆発的な人気を得てきた変身ロボットで、TVアニメも放映されてきました。つまり、以前紹介したミニカーがロボットに自動変身するターニングメカード(TURNING MECARD)と同系統の玩具です。本作品はその劇場版。済州島に旅行に来たお父さんのドウンと双子の息子のハナとドゥリ。しかし楽しい時間もつかの間、ドウンは用事が入って先に帰ってしまい、ハナとドゥリは淋しく思います。一方、済州島は正体不明のロボット軍団から襲撃を受けます。これを救うためやってきたのがトボット。ロボット軍団の中にはなんと悪党ロボットにされてしまったドウンの姿も! トボットとハナとトゥリたちははたしてお父さんを救い出せるか・・・。原題は「극장판 또봇:로봇군단의 습격」です。
 8位「徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり平穏に」と9位「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」については上述しました。
 10位「ディナイアル(Denial)」(仮)は米英合作のドラマ。ホロコーストを否定するイギリス人の歴史学者ビッド・アービングと、それを批判するアメリカ人の歴史学者デボラ・リップシュタットとの間の実際の法廷での攻防を映画化した作品です。
1994年のアトランタ。ある日デボラ(レイチェル・ワイズ)教授の講演の場に デビッド(ティモシー・スポール)がやってきて、「ホロコーストの証拠を持って来られるか?」とデボラを攻撃し、むしろ自分を侮辱したと彼女を名誉毀損罪で告訴します。イギリスはアメリカとは異なり、無罪推定の原則が適用されないため、デボラはホロコーストが存在していたという事実を証明しなければなりません。真実を守ろうとする彼女に、弁護士アンソニー・ジュリアス(アンドリュー・スコット)等が合流して勝訴戦略を展開するのですが・・・。原題「DENIAL」は「否定」の意味です。前掲の「朝鮮日報 ぴったり10字評」にもあるように、日韓間の歴史認識問題にも関わるテーマです。韓国題は「나는 부정한다」。日本公開は未定のようです。私ヌルボ、個人的にはすごく観てみたいんだけどなー。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(27)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・28,119 ・・・・・・・・・・・40,346 ・・・・・・・・・・・・300 ・・・・・・・・・234
        ゆっくり平穏に(韓国)
2(42)・・ディナイアル(Denial)・・・・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・7,762・・・・・・・・・・・・11,383・・・・・・・・・・・・・・90・・・・・・・・・104
3(1)・・ザ・シャック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・4,872・・・・・・・・・・・・49,328 ・・・・・・・・・・・・375・・・・・・・・・・30
4(6)・・ダンサー、セルゲイ・ポルーニン・・4/13 ・・・・・・・・・・・・4,537・・・・・・・・・・・・21,748・・・・・・・・・・・・・174 ・・・・・・・・・34
        世界一優雅な野獣
5(5)・・マリアンヌとマーガレット・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・3,967・・・・・・・・・・・・18,375・・・・・・・・・・・・・131・・・・・・・・・・31

 今回は1位「徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり平穏に」と2位「ディナイアル(Denial)」が新登場ですが、いずれについても上述しました。
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