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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月26日(金)~8月28日(日)]

2016-08-31 15:22:24 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 29日夜は台風接近が報じられ、桜木町あたりでも風が強まってきて不安が増す中、ブルク13では「シン・ゴジラ」を観に来た人が約30人。いくら話題の映画だと言ってもなんでこんな時に・・・。みんな何を考えてるんだろ?・・・って何も考えてません、と私ヌルボもその1人なもんで・・・。
 これは観終わった後、ゴジラに襲われた辺りの皆さんの間ではとくに話が盛り上がるでしょう。蒲田とか、それから鎌倉とか。テアトル蒲田で観てる人は浮き足立つでしょう。あ、「御成町2」という住居表示が目に入ったゾ! 鎌倉の西口の方でないの!(たらば書房さんダイジョブ?)
 まあどんなすごい怪獣でも、世界どころか日本どころか、東京も滅ぼさないのは<お約束>のようなもの? だから安心して(!)観ていられるのが逆に興奮度を損なってしまいます。その点東京大空襲とか広島・長崎の方が想像を絶するほど怖い。そういえば「ゴジラより怖いのは私たち人間ね」というセリフがあったな。もう1つそういえば「釜山行き」にも「ゾンビより人間がもっと怖い」というセリフが出てくるそうです。(なんのかんの言っても「シン・ゴジラ」はオススメなんですけどね。)

 1週間前の記事で現在韓国で上映中の「徳恵翁主」‘歴史歪曲’について書きました。そもそもこの映画の原作は2009年韓国で刊行されて100万部を超えるベストセラーになった権丕暎(クォン・ビヨン)の小説「徳恵翁主」(日本語訳あり)で、その種本は1998年刊行の本馬 恭子「徳恵姫」(葦書房)。この本(右画像)は現在amazonで¥9,500という高値がついていますが、さいわい市立図書館にあったので借りて読んでいます。数少ない資料を精査し、たがいに矛盾する内容(とても多い)を突き合わせて史実の解明に取り組んだ先駆的な本です。(いろんな興味深い記述がありますが一切省略。) これが韓国で小説になり映画化され、という2段階を経て相当以上にフィクションが盛り込まれてしまったということのようです。しかし、よく言われる韓国の「ファンタジー史観」にも批判的な意見が出てきたのは画期的かもしれません。
    
「朝鮮日報」8月26日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」
  視覚満足。3時間もOK ★★★★
 「ゴーストバスターズ」
  賢く「強い」エリンが素敵 ★★★☆
 「犯罪の女王」
  こんな力、しばしば必要 ★★★
 「最悪の1日」
  この女、よく見た顔だぞ ★★★
 「ヒッチコック/トリュフォー」
  映画通なら目がキラリ ★★★★
 「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」
  夢見る馬鹿たちに贈る ★★★☆
 「ニュースの真相」
  特種と誤報の間の真実 ★★★
 「オルレ」
  オジン向けオジン映画 ★★☆
 「ニュースの真相」は日本ではすでに8月5日公開され現在も上映中。他の7作品はすべて下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月30日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-)影たちの島(韓国)  9.50(10)
②(1) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.39(373)
③(-) ヒッチコック/トリュフォー  9.33(18)
④(2) 私たち(韓国)  9.24(862)
⑤(-) 河童のクゥと夏休み(日本)  9.22(2,604)
⑥(3) 一死覚悟(韓国)  9.16(238)
⑦(4) オーヴェという男  9.14(1,197)
⑧(6) 名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)(日本)  9.05(2,539)
⑨(-) 喊山(山が泣く)  9.02(203)
⑩(-) ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!(日本)  9.00(18)

 ①③⑤⑩の4作品が新登場です。
 ①「影たちの島」は、2014年の第40回ソウル独立映画祭大賞を受賞した韓国のドキュメンタリー。「影たちの島(그림자들의 섬)」というタイトルは影島(ヨンド.영도)という島の名を固有語に置き換えたものです。その影島という島は釜山港と橋で繋がるよく知られた島。そこに韓国の代表的な造船会社・韓進重工業があります。この作品は、キム・ジョングン監督が2010年から足かけ5年にわたってそこの労働者たちから話を聞き、撮影して完成した記録です。30年間働いてきた労働者の就職当初の期待や誇り、労働環境の劣悪さ、死んで行った仲間の思い出等が語られます。とくに注目すべきは「仲間が死んで行っても何も言えず、酒を飲めば世界をひっくり返すように騒いでも、翌日出勤するとおとなしい羊のようになっってしまう」という彼らが変わっていく過程をじっくり追っていること。ソウル独立映画祭でも「ふつうの労働者をどのよう変わるか(or挫折するか等)を過不足なく構成した秀作」という評価を得ています。
 ③「ヒッチコック/トリュフォー」は、映画術について語るヒッチコックの話を中心にしたドキュメンタリー。1962年、トリュフォーはヒッチコックにインタビューを熱望したことから2人の長時間のインタビューが実現しました。そして「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」(山田宏一・蓮實重彦訳)が刊行され、映画関係者はじめとして広く読み継がれています。
この作品は当時の両監督の貴重なインタビューの音声テープと、ヒッチコックを慕うマーティン・スコセッシ、黒沢清、デビッド・フィンチャー等々10人の監督たちへのインタビューで構成したドキュメンタリーで、昨2015年のカンヌ国際映画祭クラシック部門で上映され、注目されました。韓国題は「히치콕 트뤼포」。日本公開は12月10日です。
 ⑤「河童のクゥと夏休み」は、日本でも好評だったアニメ、といっても例によってヌルボは未見です。しかしこの採点者数はオドロキ。韓国題は「갓파 쿠와 여름방학을」。河童はそのまま音読です。
 ⑩「ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!」も日本アニメですが、これまたヌルボに語る資格ナシ。「戦車を使った武芸“戦車道“の第63回戦車道全国高校生大会の優勝を目指す女子高生たちの活躍と奮闘」とはなんと奇抜な発想! 今度DVD借りて観てみるかな? 韓国題は「걸즈 앤 판처 이것이 진정한 안치오전입니다!」です。
 なお、⑨「喊山(山が泣く)」については、6月1日の記事(→コチラ)で紹介しました。昨年の第20回釜山国際映画祭でクロージングで上映された中国映画で英題は「Mountain Cry」です。1984年の中国の山奥の村を舞台にした「息詰まる緊張感の中に描かれる愛の物語」( ?)で、日本公開は未定と書きましたが→コチラの記事(英語)によると「2016年 第3四半期に日本で公開」とあります。が、ホント?? 他に情報はないんだけど・・・。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(2) アガシ(韓国)  7.68(18)
②(3) 私たち(韓国)  7.66(14)
③(-) ナショナル・ギャラリー 英国の至宝  7.50(4)
④(5) BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント  7.45(5)
⑤(6) トンネル(韓国)  7.21(14)
⑥(-) 河童のクゥと夏休み(日本)  7.17(7)
⑦(-) ヒッチコック/トリュフォー  7.17(6)
⑧(-) 影たちの島(韓国)  7.14(7)
⑨(7) ボーン・トゥ・ビー・ブルー  7.13(6)
⑩(8) 釜山行き(韓国)  7.10(17)

 新登場は③⑥⑦⑧の4作品です。
 ③「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」は、日本では2014年に公開されているので内容等は省略します。韓国題は「내셔널 갤러리」です。
 ⑥「河童のクゥと夏休み」、⑦「ヒッチコック/トリュフォー」、⑧「影たちの島」については上述しました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月26日(金)~8月28日(日)] ★★★

         「トンネル」が3週連続トップ
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・トンネル(韓国)・・・・・・・・・・・8/10・・・・・・・・・・・665,348・・・・・・・・・6,280,573 ・・・・・・・・51,033・・・・・・・・818
2(12)・・ライト/オフ・・・・・・・・・・・・8/24・・・・・・・・・・・397,458 ・・・・・・・・・・534,423・・・・・・・・・・4,361・・・・・・・・659
3(2)・・徳恵翁主(韓国)・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・230,525・・・・・・・・・5,306,506・・・・・・・・・42,222・・・・・・・・551
4(48)・・ゴーストバスターズ・・・・・8/25 ・・・・・・・・・・・215,511 ・・・・・・・・・・248,876・・・・・・・・・・2,052・・・・・・・・511
5(3)・・-スター・トレック BEYOND・・8/17 ・・・・・・・・・167,946・・・・・・・・・1,013,612・・・・・・・・・・9,041・・・・・・・・489
6(4)・・ペット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・107,949・・・・・・・・・2,437,346・・・・・・・・・18,763・・・・・・・・473
7(6)・・釜山行き(韓国) ・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・102,903・・・・・・・・11,423,237・・・・・・・・・92,062・・・・・・・・397
8(5)・・仁川上陸作戦(韓国) ・・・・・7/27・・・・・・・・・・・・87,415 ・・・・・・・・・6,953,995・・・・・・・・・54,403・・・・・・・・396
9(142)・・マダム・フローレンス!・・8/24 ・・・・・・・・・・・54,887・・・・・・・・・・・・89,967 ・・・・・・・・・・・710・・・・・・・・378
       夢見るふたり
10(新)・・オルレ(韓国) ・・・・・・・・・・8/25・・・・・・・・・・・・35,287・・・・・・・・・・・・50,358 ・・・・・・・・・・・405・・・・・・・・337
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
 「トンネル」が600万人を超えトップを維持。勢いは鈍ってきましたが700万人は超えそう。韓国映画の歴代12位まで来ている「釜山行き」は、これまでの10位「ブラザーフッド」(1174万人)はなんとか超えそう。その上の「王の男」(1230万人)を抜くのはむずかしいかな ?
 今回の新登場は2・4・9・10位の4作品です。
 2位「ライト/オフ」は、日本では3日遅れの8月27日にスタート。説明等は略します。原題は「Lights Out」なのに、この邦題はなんで? 韓国題は「라이트 아웃(ライトゥ・アウッ)」なんですけどね。
 4位「ゴーストバスターズ」は、日本の方がめずらしく早くて8月19日から始まっています。韓国題は「고스트버스터즈」です。
 9位「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」は、
実在したソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンス(1868~1944)の物語。歌手といっても音程もリズムも合っていなくて、ウイキペディアには「歌唱能力が完全に欠落していたことで有名」とまで書かれています。しかし夫をはじめ周囲の人たちがとても善い人ばかりで「アンタは実は音痴だ!」などとは言わないので彼女は自分の音楽的才能を疑わずカーネギーホールの舞台を目指して奮闘します・・・。メリル・ストリープがフローレンスを、そしてヒュー・グラントが夫を演じています。韓国題は「플로렌스」。日本公開は12月1日。あれ、そんな先? もう予告編観ましたよ。
 10位「オルレ」は、済州島を舞台にした39歳の男性3人のコメディ。大企業の課長(?)のジュンピル(シン・ハギュン)、売れっ子弁護士(?)を夢見るスタク(パク・ヒスン)、放送局の看板アナウンサー(?)のウンドン(オ・マンソク)はそれぞれに問題を抱えていて、何もかもぶっ叩きたくなった折も折、済州島から連絡が入ります。 赤いスポーツカーに天然のアラ1皿に、そして高級ホテル、・・・ではなくてアレレのゲストハウス? しかし、ここらで仕事に健康に恋愛等、すべてに休止符が必要な39歳の3人。済州島に行って青春を取り戻すためのプロジェクトを繰り広げる、のかな? 「オルレ」というタイトルは、済州島の周遊コースのオルレと、かけ声の「オーレ」をかけているようです。原題は「올레」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(62)・・マダム・フローレンス! ・・・・・・・・8/24・・・・・・・・・・・・・・54,887 ・・・・・・・・・・・89,967・・・・・・・・・・・・・710 ・・・・・・・・378
       夢見るふたり
2(6)・・最悪の1日(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・8/25 ・・・・・・・・・・・・・・20,991 ・・・・・・・・・・・29,949・・・・・・・・・・・・・252 ・・・・・・・・198
3(62)・・犯罪の女王(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/25 ・・・・・・・・・・・・・・20,329 ・・・・・・・・・・・28,892・・・・・・・・・・・・・233 ・・・・・・・・270
4(1)・・ソウル駅(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/17 ・・・・・・・・・・・・・・・5,591 ・・・・・・・・・・144,563・・・・・・・・・・・1,144・・・・・・・・・・72
5(15)・・愛人/ラマン ・・・・・・・・・・・1992/6/20 ・・・・・・・・・・・・・・・3,456・・・・・・・・・・・・・8,108・・・・・・・・・・・・・・63・・・・・・・・・・46

 4位以外はすべて新登場です。
 1位「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」については上述しました。
 2位「最悪の1日」は、韓国のロマンス、かな? 夏の終わりのある日、俳優志望のウニ(ハン・イェリ)は、演技の授業を終えて外に出ると、道を探している日本人の小説家・良平(岩瀬亮)に会います。 言葉はよく通じなくてもなぜか会話が続く良平と別れた後、彼女はドラマに出演しているボーイフレンドのヒョノ(クォン・ユル)と会って撮影地の南山に向かいます。 そして同じ時間、以前ウニとちょっとつき合ったことがある男性ウンチョル(イ・ヒジュン)は、ウニが南山でアップしたツイートを見て、彼女を探して南山に来ます。今日初めて会った人、今会っている人、そして前に会った人まで、1日に3人の男に会うことになったウニ。はたしてこの1日はハッピーエンドで終わるのでしょうか? 原題は「최악의 하루」です。
 3位「犯罪の女王」は、韓国のスリラー、かな? ヤミで不法なヤミ施術をやっている美容院のアジュマ・ミギョン(パク・ジヨン)は、ソウルの考試院(受験生用の安宿)で受験生生活をしている息子のイクス(キム・デヒョン)から水道料金が120万ウォンになってるとの知らせを受け、ソウルにかけつけます。おせっかい屋の彼女は持前のずうずうしさを発揮して事実の解明に乗り出します。この考試院というのがなんとも個性的なキャラの巣窟といった所。そこの職員でB101号室居住者のゲーテ(개태)(チョ・ポンネ)は野獣のような姿で「犬(개)」のような「態(태)」だからゲーテと自称してますが、実は繊細な感受性と正義感を持った人物で、事件解決のためミギョンをアシストします。403号に居住するハジュン(ホ・チョンド)は15年間司法試験に挑戦し、その2次試験に10回も落ちている長期受験生で、十匙(シプシ)と呼ばれるキャラクター。301号に居住するオタク受験生トック(ペク・スジャン)は1日中考試院の建物の前に座って、人々を観察する通称「人間ビンゴ」。考試について知らないことない専門家です。イクスの部屋の隣室402号に居住するジンスクは24時間部屋の中でゲームに没頭している人物。閉鎖的な性格で、いつも服で顔を隠しています。404号の住人がミギョンの息子イクスは、なぜかミギョンに対してだけは冷たくふるまう受験生。ミギョンに助けを求めたものの、あちこち引っ掻き回して他人に口出しするママのおせっかいにストレスを受けます。・・・そんなこんなで水道料金事件解決に乗り出したミギョンですが、その中でさらに大きい事件が関与していることに気づきます・・・。原題は「범죄의 여왕」です。
 5位「愛人/ラマン」は、1992年のジャン・ジャック・アノー監督作品の再上映。韓国題は「연인」です。
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おもしろくてためになる<歴史共和国 韓国史法廷>シリーズ 6月抗争・禁乱廛権等(その1)

2016-08-29 23:47:56 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
      

 2015年6月の記事(→コチラ)で「なぜ4.19革命が起こったのか?」という本を紹介しました。자음과모음(子音と母音)という出版社から発行されている全60巻の<歴史共和国 韓国史法廷(역사공화국 한극사법정)>というシリーズ中の1冊です。
 小学校高学年~中学生程度の生徒を対象とした歴史教養書シリーズで、読んでみると私ヌルボとしては知っていることもあり、知らないことはもっとたくさんありで、何よりも平易に書かれていて内容的にも文章のレベルもちょうどよく、気に入りました。

 それで今年3月韓国に行った時に同シリーズの本を2冊買ってきました。
 上の画像の左は「왜 6월항쟁이 일어났을까?」で、右は「왜 금난전권이 폐지되었을까?」。値段は定価1万1千ウォンですが、右の方はアラディン中古書店で半額以下の古本を購入しました。
 で、左の方の書名は「なぜ6月抗争は起こったか?」はすぐにわかりましたが、右は「なぜ금난전권が廃止されたか?」の、肝心の<금난전권(クムナンジョンクォン)>がわからず。数ページ読むと、日本史で言えば<楽市楽座>に相当する朝鮮王朝時代の施策らしい、と見当はつきますが・・・。帰ってからネット検索してそれが<禁乱廛権(きんらんてんけん)>という歴史用語であることがわかりました。

 案の定、どちらの本も期待通りのおもしろくてためになる本でした。以下、その内容と、私ヌルボが仕入れた知識等をかいつまんで紹介します。このところ1つの記事が長くなりすぎる傾向があるので、今回は1冊ずつに分けることにします。まず「なぜ6月抗争は起こったか?」の方から。

 <6月抗争>とは、全斗煥大統領の軍事政権下の1987年、6月10日から「6・29宣言」が発表されるまでの約20日間にわたって繰り広げられた学生を主体とする民主化運動のことです。
 ※今<6月抗争>で検索すると、ウィキペディア(→コチラ)の次、つまり2番目<60年安保闘争、韓国の6月民主抗争等、6月はデモの季節?>と題した本ブログの過去記事(→コチラ)がヒットしたのでちょっと驚きました。

 さて、この<歴史共和国 韓国史法廷>はどんな構成になっているかというと、舞台は>。登場人物も皆故人です。歴史上の出来事について、対立する2つの側の人物の一方が他の側の人物を訴え、韓国史法廷で原告と被告の主張とそれぞれの側の証人たちの証言等を経て、最後に裁判官が判決を下すというものになっています。なお、傍聴席の雰囲気も描写され、そこに重要人物が現れたりすることもあります。
 ※「過去のことを現代の価値観で裁く」というのは、まさに韓国らしいところですね(笑)。
 主役というべき原告・被告をみると、「なぜ4.19革命が起こったのか?」では原告は張勉(チャン・ミョン)、被告は李承晩(イ・スンマン)でしたが、必ずしもこのような実在の人物と限ったわけではありません。この本も、原告は元軍人の최애국(チェ・エグク)、被告はデモに参加していた元女子学生の나뮌주(ナ・ミンジュ)という架空の人物になっています。ふつうの名前らしい漢字をだと崔愛国と羅民珠あたりでしょうが、<最愛国>、<わたし民主>とも読めるのがミソ。
 ところで、ふつうに考えるとひどい弾圧を被ったデモ学生の方が原告で、権力側の軍人や警察の方が被告になるのでは?と思うところですが、逆に軍人が原告、学生が被告に設定されている点が構成の巧みなところ。では、原告の軍人が何に対して訴訟を起こしたか、その請求内容を簡単に言えば次のようなことです。

 歴史は公明正大でなければならず、またすべての時代や人物についても明るい面と暗い面がある。したがって全斗煥の時代(第5共和国)の評価に対する現今のような全否定的な評価は一方的で不公平だ。その歴史的不可避性と、業績を後世に正しく伝えることを請求する

 いよいよ開廷です。いや、その前に傍聴席方面がただならぬ雰囲気。というのは、傍聴席が軍人グループと学生グループに二分され、それぞれ原告と被告を支援して気勢を上げているのです。
 なんと、軍人グループは軍歌を歌い始めます。
 「전선을 간다(前線を行く)」という歌。(→動画。) 代表的な軍歌の1つで、「최후의 5분(最後の5分)」とともにとくに人気があるとのことですが、ヌルボは初めて知りました。歌う前に原告自身が반동 준비!(反動準備!)」、「반동 시작!(反動始め!)」と号令をかけていますが、반동(反動)というのは上画像のように腰の横に手を置いて体を左右に揺らす動作のことだそうで、別に彼らが反動的な連中だという意味でしありません。
 これに対抗して被告ナ・ミンジュのリードで傍聴席の学生たちも「임을 위한 행진곡(イムのための行進曲)」 (→動画)を歌います。この歌は知っていました。アン・チファン等が歌っている代表的な運動圏歌謡の1つです。(上のリンク先は<労働歌手>チェ・ドウンの歌。)

 原告・被告双方の証人には、日本人にもよく知られている人もいれば、それほどでもない人も・・・、って自分を基準にするのもよくないですが・・・。ヌルボが知らなかったのが下画像の人。原告側の証人です。
 
 全斗煥大統領の経済首席秘書官だった金在益(キム・ジェイク)。世界の主要国と比較した歴代政権の経済成長率をグラフで説明しています。それによると朴正煕政権=3.3%、全斗煥政権=5.7%、金大中政権=4.8%で、全斗煥政権の時が最も高いというわけです。
 この金在益は第5共和国の主要人物中の中で例外的によく知られているそうで、その理由①=経済について全く知らない全斗煥を補助して80年代に経済成長と物価安定を達成したということ、そして理由②=1983年10月のアウンサン廟爆破事件(ラングーン事件)つまり北朝鮮による爆破テロ事件の犠牲となって44歳で世を去ったこと。(ふーむ、そうだったのか。ドラマ「第5共和国」は未見。やっぱり見なくちゃ・・・。)
 ※金在益については「中央日報」のコラム(→コチラ)と→コチラのブログ記事参照。「韓国の隠れたる英雄」と賞揚しています。
 本書では、金在益の他に、「大学の本考査廃止・内申成績重視・課外禁止・大学の卒業定員制」を内容とする<7.30教育改革>を発表した李奎浩(イ・ギュホ)文教部長官も原告側証人として登場しています。
 彼等以外の証人は次のような人たちです。
            
 左から金日成・金大中・李韓烈(イ・ハニョル)・金槿泰(キム・グンテ)
 金日成と金大中については説明するまでもないですね。李韓烈は、1987年6月9日の集会で戦闘警察による催涙弾を後頭部に受け、翌月5日死亡したた延世大の学生です。金槿泰のことはたまたま→1つ前の記事でも書いたように、2013年暮れ大統領選挙前に朴槿恵候補だけが観なかった映画「南営洞1985」の元となった体験記で、1985年治安警察に連行されて南営洞の治安本部対共分室で受けた残酷な拷問のことを書いた人です。
 ところで、この4人が皆被告つまり学生側の証人かというとそうではなく、1人は原告側の証人として出廷・証言しています。それはなんと金日成! 北朝鮮人らしく「안녕하십까? 반갑습다.」と挨拶しながら登場します。
 原告側が彼を呼んだのは、「北朝鮮の脅威があったから」という軍部独裁政権による国民の自由や権利等の制限の1つの理由が根拠のない言い逃れではないことを明らかにするためでした。原告側弁護士が光州民主化運動について金日成に「この闘争が南朝鮮全域に拡散すれば<対南事業>の決定的な機会にできる」と党幹部たちに強調しなかったか問うと、彼はそれを肯定しています。また金日成が「誤解を受けるかもしれないが、南朝鮮の人民は軍部独裁に堪えられないと思ったよ。4.19革命を凌ぐ大きな抵抗が起こるかと・・・。で政府がなくなったらわが共和国が秩序を回復して民族統一を達成しなければならないだろう? われわれが裏で工作しているなどという誤解はやめなさいよ」と言うと、弁護士はすかさず「裏で工作はしない? ではアウンサン事件は?」と追及。金日成は「何山(サン)だって?」と問い返し、説明されると「うーむ、そうだったっけなー」などとシラを切ったりします。弁護士はさらに1982年の学生たちによる釜山のアメリカ文化院放火事件(→ウィキペディア)についても金日成に訊こうとしますがこれは無理筋。

 裁判の後半は、逆に被告(学生側)の証言が続きます。
 上記の金槿泰と、李韓烈です。長くなるので彼等の証言は略しますが、李韓烈が7月9日行われた<李韓烈烈士民主国民葬>(下画像)について語っています。そして「皆が私の死に涙を流し、民主主義を望む歌を歌いました」と言いながら・・・
 ・・・彼が低い声で歌い始めると、ナ・ミンジュと傍聴席のあちこちからも歌声が上がり、悲愴ながらも勇壮な合唱が法廷に響き渡ります・・・。
 「타는 목마름으로  민주주의여, 만세!」という歌詞が絵の中に書かれています。金芝河の詩による「타는 목마름으로(灼けつく喉の渇きに)」ではないですか。この歌については→コチラの過去記事に歌詞&訳詞、そして金光石(キム・グァンソク)の動画付きで紹介しました。ご存知なかった方はぜひ聴いてみてください。

 いよいよ裁判は終幕を迎えます。勝訴はどちらか? 私ヌルボ、ふつうに考えて軍人側の勝訴はどうみてもないだろうとは思いました。では学生側の全面勝訴は?・・・等々考えながら読み進んでいくと、思わぬところでいきなり裁判が終わってしまいました
 歌の後、李韓烈が心に沁みる話で証言を終えると、傍聴席から拍手が起こります。その時原告チェ・エグクは叫びます。「もう止め! この裁判はこれでおしまいにしてください!」。皆が驚いて彼の方に目をやります。
 ・・・ほとんどの方はこの本を読まないでしょうからネタバレOKですね。一応黄色にしておきます。「私はこの訴訟を取り下げます」。
 おー、こういう持っていき方があったのか。「知りませんでした。それほどまで若者たちがつらい日々を送っていたことを・・・。非民主もクーデターも国のためと思っていましたが、間違っていました」というのが彼が語ったその理由。
 裁判はこれで終わり。後日談が5、6ページ分ありますが・・・。

 さらにその後、<出かけよう、体験探訪>という記事が2ページ分付いています。見出しは「6月民主抗争の歴史が息づいている警察庁人権センター」。下画像はそこに掲載されている写真です。 
     
 警察庁人権センターは6月抗争当時(1987年)は南営洞対共分室と呼ばれていました。上述の金槿泰等が拷問を受けた所です。説明文によると「○○海洋研究所」という看板がかかっていたそうです。今、そこの別館(写真左)は児童・女性・障碍者警察支援センターになっており、本館1階は(人権センターの)歴史館、2~3階は人権相談室等、4階は対共分室で拷問により死亡したソウル大学生・朴鐘哲(パク・ジョンチョル)関係の展示室(写真中)、5階は朴鐘哲を死に追いやった調査室(写真右)が原型のまま保存されています。
 ※新村には李韓烈博物館があります。これらについては、青さんのブログに3つ関連記事があります。→コチラと→コチラと→コチラ。毎度のことながら、ヌルボが1度行ってみようかな?と思った所はとっくにほとんど(全部?)行っている、なんとも大した方です。

 忘れてしまいそうなことをタラタラ書いていったらまたまた長くなってしまいました。考えてみれば読んだ内容や調べたことの大半は「忘れてしまいそう」なことなので、必然的に長くなってしまうということのようです。
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「仁川上陸作戦」等々、朴槿恵大統領の映画鑑賞記録  趣味というより、明確な‘政治パフォーマンス’

2016-08-26 19:22:00 | 韓国映画(&その他の映画)
 打ち続くパソコンの不調にもめげずに続けてブログ記事をアップするぞと思ったら保存したはずの数時間分の文章が丸ごと消えている!(涙) まあ「フランス革命史」の原稿を不注意で燃やされてしまったカーライルのことを思えば取るに足りないことでございます、とほほ。・・・というわけで、予定の記事が大幅に遅れてしまいました。

 2015年韓国では1人当たり平均して年間4.22回映画館に行って映画を観たそうで、この数字は世界で最高レベルとのことです。日本は映画文化最盛期の1958年には年間平均12.3回という信じられないような数字でしたが、TV時代の到来とともに激減し、今はその10分の1に届くかどうかという程度。つまり韓国の4分の1といったところです。
 しかし韓国人の皆が皆映画好きというわけでもありません。私ヌルボの知り合いのYさんは韓国映像資料院(&映画館)と同じ建物内にオフィスがあるのに「映画は観ません」と言うので、「せっかく宝の山の中にいるのに・・・」と「今昔物語集」の貪欲な受領のような感想を口にしたことがありました。(・・・って、たとえが意味不明か?)

 では朴槿恵大統領の場合は?と思ってちょっと調べてみました。直近では8月20日に今夏の韓国の大ヒット作中の1つ「仁川上陸作戦」を観覧したことが報じられました。・・・というか、それがこの記事のキッカケ。
 テニスをやったりピアノを弾いたり(←自宅にハンブルク製のスタインウェイがある)、また国仙道(ククソンド=韓国独自の道教系の武術)は素人のレベルを超えるという趣味を持つ朴槿恵ですが、映画はその中にはないようです。しかしたまに映画を観に行くと今回のように報道されるので、少なくとも大統領就任後の映画鑑賞記録はわかります。
 以下、就任直前も含めて時系列でまとめてみました。

[前史その1]
○2008年5月27日「クロッシング」 ※参照→<輝国山人のHP>
 李明博大統領の就任3ヵ月後、ハンナラ党の陣永(チン・ヨン)議員の主催により国会議員会館で開かれた試写会で上映。朴槿恵ハンナラ党元代表等与党ハンナラ党の主要メンバーだけでなく、野党の統合民主党議員も参加した。またホン・ヤンホ統一部次官や、北朝鮮関係の人権団体関係者、そしてキム・テギュン監督、300人の脱北者も共に観覧した。
[作品概要] 北朝鮮の元サッカー選手で、炭鉱労働者のキム・ヨンス(チャ・インピョ)は、妻ヨンと11歳の息子ジュニとの3人家族。ところが妊娠中のヨンハが肺結核で倒れてしまい、薬を入手するためヨンスは国境を越えて中国へ。薬の費用を稼ごうと森林伐採の仕事に就くが不法労働が発覚し公安に追われる身となった時に、北朝鮮の実情を話せばお金を得られるという話を聞いてインタビューに応じ、それを契機に脱北して韓国に入国することになる。その間妻は息を引き取り、孤児になった息子は国境の川を目指すが失敗、強制収容所で過酷な日々を過ごすことになる。韓国に到着したヨンスはすぐに息子捜しを依頼し、仲介者によって息子はモンゴル方面への脱出を果たしたとの情報がもたらされるが・・・。
[ヌルボの一言] 脱北者と北朝鮮人権活動家たちは泣きながら映画を観ていたそうで、朴槿恵元代表もヨンス父子が電話でお互いを確認する場面からハンカチで涙を拭い始め、最後まで涙を流していたとのこと。(ヌルボもよーくわかります(涙)。なお、試写会の運営委員長は脱北者で朝鮮日報記者の姜哲煥(カン・チョルハン)氏で、「今まで北朝鮮を素材で作られた韓国映画の中で最も北の実状に近い作品で、あえて勧めるまでもないほどよく作られている」との感想を述べています。
 韓国では北朝鮮の人権問題に関心を示すのは保守陣営側です。2012年2~3月脱北者24人が中国公安当局に逮捕されるということがあり、彼らの北朝鮮への強制送還反対運動が韓国で高まったことがありました。その時この映画で主演したチャ・インピョも抗議デモに参加しましたが、インタビュアーに「なぜ進歩系人士のはずのあなたがこういうデモに?」と問われたとか。彼は「このような人権問題に、進歩だ保守だというような政治的・思想的な違いはない」としごままっとうに答えたそうです。※本ブログの関連記事→コチラや→コチラ等。

[前史その2]
○2012年11月12日「南営洞1985」  ※邦題は「南営洞1985~国家暴力、22日間の記録~」。 参照→<輝国山人のHP>
 大統領選挙の1ヵ月前に江南メガボックスCOEXで開かれたVIP試写会で上映。民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)、無所属の安哲秀(アン・チョルス)、統合進歩党の李正姫(イ・ジョンヒ)、進歩正義党の沈相奵(シム・サンジョン)といった野党の大統領選挙候補がこぞって参加したが、セヌリ党の朴槿恵候補は参加しなかった。
[作品概要] 全斗煥の軍事独裁政権下の1985年9月。民主化運動家キム・ジョンテは、彼をかねてからマークしていた公安警察に逮捕され、南営洞にある治安本部対共分室に連行される。そこで22日間にわたり想像を絶するほどの残酷な拷問を受ける・・・。
 2011年12月死去した金槿泰(キム・グンテ)民主統合党常任顧問の自伝的手記「南営洞」を原作にした作品。彼は1985年民主化運動青年連合(民青連)事件で拘束され、この映画に描かれたような過酷な拷問を受けた。後に国会議員になり、盧武鉉政権では保健福祉部長官を務めたが、拷問の後遺症によりパーキンソン氏病を病み、64歳で世を去った。
[ヌルボの一言] 2014年5月に渋谷のアップリンクで鑑賞。歴然たる反朴正煕・反全斗煥・反保守政権の映画なので、反朴槿恵候補が来るわけはないですね。ケン・ローチ監督「ルート・アイリッシュ」等でも見た濡れタオルで顔を覆い、その上から水をかける拷問がこの映画でも出てきました。<ウォーターボーディング>という歴史ある拷問方法だそうです。拷問専門技術者を演じた準主役のイ・ギョンヨンの存在感が印象に残りました。

①2014年1月29日「ナッツ・ジョブ(The Nut Job:ピーナツどろぼうたち)」 ※日本公開ナシ
 制定後初の<文化がある日(문화가 있는 날)>に、ソウルの大韓劇場で招待された児童・青少年160人余りと一緒に観覧。会場には、キム・ドンホ文化隆盛委員長、ユ・ジンニョン文化体育観光部長官の他、青少年歌手の楽童ミュージシャン、俳優のイ・グァンス等も姿を見せた。
 ※<文化がある日>は、毎月最後の水曜日に全国の映画館・劇場・美術館等の文化施設や野球・サッカー等の競技場の入場料を無料or割引にして、子供をはじめとする多くの国民が文化生活を享受できるように文化隆盛委員会と文化体育観光部が施行された制度。
[作品概要] 韓国産3Dアニメ(コメディ?)。主人公はリスのサーリー。ずる賢こくて仲間たちから迷惑がられて公園から追放され都心部へ。ついて来たのは親友のネズミのバーディ。空腹に堪えられず2人はピーナツ店に忍び込むが、実はそこは銀行強盗たちの隠れ家で・・・、というお話。「中央日報」の記事(→コチラ)によると、この少し前に北米全域で公開され、韓国映画としては過去最高の興行記録を更新しているとか・・・。
[ヌルボの一言] 前年に朴槿恵が主宰した貿易投資振興会の場で、この映画の製作会社から「良い作品を作ったが、マーケティングの資金が足りなくて・・・」という話を聞いて政府と金融機関が積極的に支援することになった、という経緯があったとのこと。大統領は「私にも格別な愛情が行くような作品」とそんな縁を紹介するとともに、「今後も良い作品やアイデアがあれば、このように輸出されて世界の人々に愛され、韓国の文化芸術の力量を発揮できるので、積極的に支援していきます」と強調しています。・・・ということで、子供のことよりも<輸出コンテンツ>として・・・という意図が明明白白。

②2014年8月6日「鳴梁」 ※邦題は「バトル・オーシャン 海上決戦」で、劇場公開はなくDVDのみ。参照→<輝国山人のHP>
 とくに事前の予告もなく汝矣島(ヨイド)の映画館で秘書室長等の側近の他、キム・ドンホ文化隆盛委員長、国民的俳優アン・ソンギ等と共に鑑賞。朴槿恵大統領の本作品について、大統領府報道官は「国が危機を迎えたときに官民軍が合同して危機を克服し、国論を結集した精神を鼓吹し、経済の活性化と国家革新を一斉に推進しようという意味がある」と語り、「セウォル号沈没事故の後、低迷の沼に陥った韓国社会を再起させるリーダーシップを見せる」と説明した。
[作品概要] 壬辰倭乱(文禄・慶長の役)で水軍を率いて日本軍と戦った韓国の英雄・李舜臣を主人公とした時代劇。年齢層を問わずに受け入れられ、観客動員数1761万人は外国映画も含めて韓国で上映された作品中1位という大ヒット作。新聞各紙の社説にも取り上げられたが、キーワードは‘リーダーシップ’。「東亜日報(日本語版)」(→コチラ)は「セウォル号惨事で各界の指導者の無責任さと無能力さを目の当たりにした後なので、一層感動的だったのかも知れない」と記している。「鳴梁」ブームは政界にも及び、与野党の政治家たちも多数鑑賞した。(参考→「聯合ニュース(日本語版)」)
[ヌルボの一言] 2014年8月鍾路3街のロッテシネマピカデリーで鑑賞。といっても聴き取り能力不足でセリフの半分以上はわからず。日本語版DVDは観ていません。韓国人と日本人で善悪を分けているような描き方はしていないし、日本で小規模でも一般公開してほしかったですね。

③2015年1月28日「国際市場」  ※邦題は「国際市場で逢いましょう」。 参照→<輝国山人のHP>
 この年最初の<文化がある日>にキム・ジョンドク文化観光部長官、キム・セフン韓国映画振興院長、そしてユン・ジェグン監督と出演俳優ファン・ジョンミンキム・ユンジンオ・ダルス等と鑑賞。
[作品概要] 朝鮮戦争から現代まで家族のために働き続けたドクス(ファン・ジョンミン)の人生を韓国の現代史を背景に描いた作品で、これも1425万人と「鳴梁」に続いて歴代2位の観客動員数を記録している。
 冒頭、朝鮮戦争中の1951年1月北朝鮮の興南(フンナム)埠頭から撤収する人混みの中でドクスは父と妹を見失う。(→参考過去記事。)
その後、貧しい暮らしの中で父に代わって母や弟妹の面倒を見ながら、60年代以降はドイツに炭鉱労働者として出稼ぎに行き(そこで看護婦だった韓国人女性と結婚)、次にはベトナム戦争に従軍し・・・というドクスの人生は同世代の韓国人を象徴するような人物。とくに彼が妻に送った手紙の中の「苦労したのが自分でよかった、子どもたちじゃなくてよかった」というくだりは多くの人の共感と涙をよび起した。
 ※会場には、ドイツに派遣された鉱夫と看護師、離散家族等も招待を受け参席していた。
[ヌルボの一言] 2015年5月シネマート新宿で鑑賞。いろいろ韓国現代史の知識を得たのは収穫。一方、主に進歩陣営の側から出されたこの作品の‘歴史認識’に対する厳しい批判もよくわかります。李承晩政権を倒した4.19学生革命も朴正煕による5.16クーデターも、1980年の5.18光州民主化運動やそれに続く民主化闘争等々も全然描かれず。ちょっと政治的シーン(?)といえば、夫婦喧嘩を中止して定時の国旗下降式に拝礼する場面(右画像)くらい(朴正煕時代)。監督は「<意識して>政治性を排除した」とのことですが、いくら庶民目線とは言ってもこのような歴史的に大きな出来事まですっぽり抜けているのはやっぱ不自然。
【ファン・ジョンミンが朴大統領、ユン・ジェギュン監督とスマホで自撮りしている。「韓国日報」の記事より。】

④2016年5月5日「太陽の下」  ※日本では「太陽の下で -真実の北朝鮮-」という邦題で2017年新春公開される予定。
 子供の日(日本と同日)にソウル市内の劇場で、国家有功者や脱北者家族たちと観覧。朴大統領は、映画を鑑賞した後、「子供の日を迎え、夢を失い困難な中を生きていく北朝鮮の子供たちを私たちが抱いて守らなければならないということを重ねて痛感しました。それとともに、北朝鮮が核開発を放棄して、住民や子供たちの生活を守るようにするきっかけになればいい。国民の皆さんにも観覧をお勧めしまします」と語った。
[作品概要] 北朝鮮の8歳の女の子ジンミとその家族の日常についてのドキュメンタリー映画を撮るはずだったロシア人監督が、北朝鮮当局の露骨な<演出>に気づき、方針を変更して密かにカメラの録画スイッチを入れたまま放置し、その<ヤラセ>の実態を暴露する内容に作り替えた作品。
 ※この作品については、本ブログの記事<北朝鮮の女の子の日常ではなく、北朝鮮当局の「ヤラセ」を暴露してしまったドキュメンタリー「太陽の下」>(→コチラ)でも紹介。またNHKでも5月12日この作品の内容と、朴大統領が観覧したこと等をかなり詳しく報じている。(参照→<NHKBS1ワールドウォッチング>の記事。)
[ヌルボの一言] 国内の大事故や、自国にとって都合の悪い海外記事などは一切報道しない等々、真実を隠して外面だけは美しく取り繕うという北朝鮮の姿勢はよく知られていることなので、内容的にはとくに驚くようなことはなさそう。平壌からして外向けのショーウィンドーのような都市だし・・・。「実際の」人々の生活のようすはもちろん、撮影場所のアパートとか諸施設も地方に行けばどんなものか、ということまで知りたいものです。もちろん、来年の日本上映には行きますが・・・。

⑤2016年8月20日「仁川上陸作戦」
 ソウル市内龍山区の映画館で、首席秘書官や大統領官邸スタッフ等とCJグループのソン・ギョンシク会長の案内により鑑賞。大統領府は「朴大統領がこの作品を鑑賞したのは、累卵の危機にあって祖国のために献身した護国の英雄たちの精神を今一度振り返り、最近の北朝鮮の核の脅威など安全保障上の問題をめぐって韓国国民が分裂せず、団結して危機を克服すべきだという確固たる信念を反映したもの」と説明した。
[作品概要] 1950年6月25日北朝鮮の突然の南侵で始まった朝鮮戦争の局面を一変させた仁川上陸作戦を、その計画段階から描いたドラマ。開戦後1ヵ月で釜山方面を除くほぼ全域を奪われ、韓国存亡の危機に直面した状況下、国連軍最高司令官マッカーサー(リーアム・ニーソン)は至難な作戦を周囲の反対を押し切って推進する。彼の指示で対北朝鮮諜報作戦に投入された海軍諜報部隊大尉チャン・ハクス(イ・ジョンジェ)は北朝鮮軍に偽装し仁川に入って情報を収集し始めるが、北朝鮮軍の仁川防御司令官リム・ギェジン(イ・ボムス)によって正体がばれそうになる危機の中で、ハクスとその部隊員たちは仁川上陸艦隊を誘導する危険な任務にあたる・・・。
[ヌルボの一言]
 「釜山行き」「徳恵翁主」「トンネル」とともに今夏韓国で観客動員500万人以上を突破した大ヒット4作品中の1つ。その中で「朴槿恵大統領が観た映画は?」と問われれば少し韓国事情を知っている人であればニュースを知らなくてもこの作品と即答できるでしょう。
 「聯合ニュース」の記事(→コチラ)によると朴大統領は映画観覧前々日の18日には本作品の舞台になった仁川・月尾公園を訪れ、マッカーサー将軍が最初に降り立ったグリーンビーチ、当時の砲火に耐えた平和の木、韓国海軍諜報部隊の英霊を慰める忠魂党等を回り、公園の展望台からは仁川港、八尾島灯台、松島新都市などを眺めたそうです。(右画像。) そして「<護国報勲の精神>と<国内観光の活性化>を強調」というのが非常にわかりやすい政治的メッセージ。
 なお、「中央日報(日本語版)」(→コチラ)によれば、8月20日青瓦台(大統領府)の公式ツイッターに「猛暑がピークを迎える今週末、皆さんも「仁川上陸作戦」を観覧してみてはいかがですか?」という書き込みが掲載されたが、これに対して「青瓦台が公式チャネルを通じて特定の商業映画をおおっぴらに広報してもかまわないのか」等の批判の声が出ているとか。たしかに、これはいかにもあからさまでしたね。
 ※ことのついで。青瓦台のツイッターは→コチラユーザー名はbluehousekoreaなんですね。
【青瓦台のツイッターにある大統領の「仁川上陸作戦」鑑賞と、‘問題の’カキコミ。】

《総括》
 記事冒頭で朴槿恵大統領の趣味のことなど書いてしまいましたが、考えるまでもなくぜ~んぜん関係なかったですね。大統領が映画を観るとなるとニュースになるし、当然政治的文脈で受けとめられます。したがって、大統領も政治的にいろいろ考えた上で映画を選定し、そこに招待する人たちを決め、自身のコメントの内容等々を練るわけで、趣味とは別次元の政治パフォーマンスなのです。
 そして朴槿恵大統領の場合、その政治的ねらいがとてもわかりやすいです。
 つまり①国防意識の醸成 ②「国民的一体感」の高揚 ③北朝鮮の否定的状況の周知 ・・・といったこと。
 とくに深く考察するまでもなくわかることなので、こんなにくだくだしく長々と書くような記事でもなかったですね。(すみません。)

 長くなりついでに、安倍晋三首相の映画鑑賞についてもちょっと調べてみました。
・2013年5月11日 東京・六本木でスピルバーグ監督「リンカーン」を鑑賞。
・2015年11月13日 トルコ共和国のエルドアン大統領とイスタンブールで「海難1890」鑑賞。
・2015年12月29日 東京・六本木の映画館で昭恵夫人と「杉原千畝 スギハラチウネ」を鑑賞。
・2015年12月31日 この日も六本木で昭恵夫人らと「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を鑑賞。
 日本のメディアがあまりこうしたネタを取り上げないのは、首相といってもプライベートな部分にはあまり立ち入らないという意識が韓国に比べると強いからかな?
 なお、<国民が知らない安倍総理の真実>というまとめ記事(→コチラ)には次のようなことが書かれています。(一部省略)
 「政権の行き詰まりで体調もすぐれないと見られていた時期、総理大臣には密かな楽しみがあった。 それは、深夜や休日に自宅リビングに家族を集め、 なんとスプラッター映画 を鑑賞することだったのである。秘書に命じて次から次へと過激な作品を買い集め、嫌がる家族を座らせて大音量で上映し、目をらんらんと輝かせていた姿は、その家族にも「もう限界だ」と思わせるものだった。」
 これは政治ではなく趣味の領域。いかにも安倍首相らしいですね(笑)・・・ってホンマかいな?
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月19日(金)~8月21日(日)]

2016-08-24 17:04:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 バッテリーパックは交換したものの、今度はルーターが不調でインターネット接続が不安定。どこまでも続くパソコンの不具合、あーあ。しかし気持ちだけはなぜかやる気が出てきたので、映画興行成績以外の記事も続けてアップします。(5時間後くらい?)

 アイルランドの伝説を素材にしたアニメ「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」は期待通り! 絵が美しい。芸術的。→公式サイトで見てみて! アメリカ等の3Dアニメとはラベルが違う。<ぴあ映画生活>の初日満足度ランキング1位もナットク。字幕版は首都圏では恵比寿ガーデンシネマだけ?

 21日未見だった松江哲明監督「あんにょんキムチ」を観てきました。李相日監督「青・chong」同様1999年日本映画学校の卒業制作で(つまり同期)、両監督とも在日3世。その時期(90年代)はもしかして在日3世のアイデンティティをめぐるひとつの画期だったかも・・・。

 現在韓国で観客動員500万人を超えた「徳恵翁主」‘歴史歪曲’について、韓国紙の記事に注目しています。徳恵翁主(トッケオンジュ. 1912~89)は高宗と側室・梁氏との間に生まれ、1930年旧対馬藩主・宗家の当主である宗武志伯爵の夫人となった王女で、光復後離婚して韓国に戻りましたが、長く病に苦しむ等悲運の人生を送った女性です。ところがこの映画では架空の独立運動家を登場させたり、徳恵翁主等の朝鮮の王族も独立の意思を明確に持っていたように描かれています。これに関して「中央日報(日本語版)」では<映画『徳恵翁主』の歪曲議論、韓国史研究の新たな踏み台に>と題した記事(→コチラ)で「決定的なミスは徳恵翁主を独立闘士型のキャラクターとして描いたという点だ」等々と批判的に記しています。また図書館で19日付の「朝鮮日報」を見たら文化面の上半分に<日本人のように育った徳恵翁主・・・李鍝(義親王の息子)は広島原爆の犠牲者>という見出しの大きな記事がありました。(右画像) 副見出しは<映画「徳恵翁主」と異なる朝鮮王朝最後の後裔たちの実際の生>です。被爆死した李鍝(イ・ウ)については→コチラの過去記事でも少し書きました。「朝鮮日報」の記事(→コチラ)によると、彼を知る日本人の証言のように李鍝が民族意識が高かったのは確かだとしても、映画に描かれたように具体的な行動をしたわけではない」ということです。
 私ヌルボ、「暗殺」等々日本の統治期を背景にした韓国映画に独立運動家が登場するのは<お約束>として受けとめるしかないという感じで観ていましたが、韓国メディアの中で<史実>にこだわる主張が出てきたことは「ほほーっ」と思いました。それが保守紙から、という点もそれなりに意味がありそうです。(韓国内の左右両派の歴史認識問題がらみで。)
   
「朝鮮日報」8月19日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ソウル駅」
   監督が語りたかった話 ★★★☆


 「スター・トレック BEYOND」

   BEASTIE BOYSが甦った ★★★

 「クリーピー 偽りの隣人」

   恐怖は一番身近な所に ★★★

 「クリーピー 偽りの隣人」は、日本では6月公開された黒沢清作品。他の2作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.40(164)
②(5) 私たち(韓国)  9.24(841)
③(-) 一死覚悟(韓国)  9.19(234)
④(-) オーヴェという男  9.14(1,158)
⑤(-) シーモアさんと、大人のための人生入門  9.13(446)
⑥(-) 名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)(日本)  9.07(2,417)
⑦(-) Twinsters ~双子物語~  9.07(253)
⑧(-) 太陽の下  8.98(709)
⑨(-) ルーム  8.97(780)
⑩(-) 横道世之介(日本)  8.97(36)

 今回から下の【記者・評論家による順位】と同様に再上映の旧作は除外することにしました。原則として韓国で初めて劇場公開され、現在も上映されている作品の中から選びました。
 本ブログ初登場は①と⑩の日本映画2作品です。③と⑦については再度説明。
 ①「KING OF PRISM by PrettyRhythm」は、日本では今年1月に公開された菱田正和監督によるアニメですが、認知度はどのくらいなのでしょうか? 私ヌルボは知りませんでした。現在も一部映画館で上映中ですが・・・。韓国題は「킹 오브 프리즘」です。
 ⑩「横道世之介」は、高良健吾と吉高由里子主演の2013年の作品。これは観たゾ、なぜか大阪で。なかなか好感が持てる映画。韓国題は「요노스케 이야기」。
 ③「一死覚悟」は、日本の統治期に神社参拝が偶像崇拝にあたるとして神社参拝強要を拒否し、拷問の末に殉教した牧師・朱基徹(チュ・ギチョル.1897~1944)の一生を描いたドキュメンタリー映画。原題は「일사각오」です。詳細は→コチラのブログ記事参照。
 ⑥「Twinsters ~双子物語~」は、英・仏・米・韓合作のキュメンタリー。フランス国籍でロンドン在住のデザイナーの勉強をしているアネイさんが「そっくりな女性が動画に出てる」と教えられたのがそもそもの始まり。相手も自分も誕生日は同じ1987年11月9日。アネイさんはアメリカ在住のその女性俳優サマンサさんに連絡を取ると生まれてすぐ養子の斡旋業者によって別々に引き取られていった双子だったことが判明。2013年5月、26年ぶりの再会後、2人はこの物語の映画化のためクラウドファンディングで資金を調達し、サマンサさん自身が監督となって完成した作品です。韓国題は「트윈스터즈」。日本での劇場公開はありませんが、Netflixで「双子物語」のタイトルで配信されています。(→コチラ。)

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(2) アガシ(韓国)  7.68(18)
③(3) 私たち(韓国)  7.66(14)
④(5) ルーム  7.53(9)
⑤(6) BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント  7.45(5)
⑥(8) トンネル(韓国)  7.21(14)
⑦(9) ボーン・トゥ・ビー・ブルー  7.13(6)
⑧(10) 釜山行き(韓国)  7.10(17)
⑨(-) スター・トレック BEYOND  7.10(5)
⑩(-) 海よりもまだ深く(日本)  7.07(11)

 新登場は⑨「スター・トレック BEYOND」だけです。これについては後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月19日(金)~8月21日(日)] ★★★

         「トンネル」が500万人を超えてトップを維持
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・トンネル(韓国)・・・・・・・・・・・8/10・・・・・・・・・・1,119,702・・・・・・・・・5,085,535・・・・・・・・41,422 ・・・・・・・・904
2(2)・・徳恵翁主(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・501,870・・・・・・・・・4,832,903・・・・・・・・・38,568・・・・・・・・722
3(新)・・-スター・トレック BEYOND・・8/17 ・・・・・・・・493,400 ・・・・・・・・・・678,407・・・・・・・・・・6,115・・・・・・・・703
4(4)・・ペット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・223,584・・・・・・・・・2,246,049・・・・・・・・・17,294・・・・・・・・523
5(3)・・仁川上陸作戦(韓国) ・・・・・7/27・・・・・・・・・・・193,642・・・・・・・・・6,762,044・・・・・・・・・52,944・・・・・・・・511
6(5)・・釜山行き(韓国) ・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・180,580・・・・・・・・11,223,030・・・・・・・・・90,456・・・・・・・・459
7(6)・・-国家代表 2(韓国) ・・・・・・・8/10・・・・・・・・・・・・68,140 ・・・・・・・・・・645,584・・・・・・・・・・5,027・・・・・・・・330
8(72)・・ソウル駅(韓国) ・・・・・・・・・8/17・・・・・・・・・・・・67,572・・・・・・・・・・・121,556 ・・・・・・・・・・・966・・・・・・・・440
9(7)・・スーサイド・スクワッド・・・・・8/03・・・・・・・・・・・・22,769・・・・・・・・・・1,882,718 ・・・・・・・・15,750・・・・・・・・125
10(新)・・ラチェット&クランクTHE MOVIE・・8/17 ・・・22,259・・・・・・・・・・・・34,489 ・・・・・・・・・・・254・・・・・・・・237
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「トンネル」が500万人を超えて前週に続いてトップ。2位の「徳恵翁主」も23日500万人を超えました。なお「釜山行き」の数字は現在のところ「シルミド」を抜いて歴代韓国映画中の第13位です。
 今回の新登場は3・8・10位の韓国映画3作品です。
 3位「スター・トレック BEYOND」は、人気SFアクションシリーズの第3弾。未知の領域を探索したエンタープライズ号のクルーがまた新たな敵と遭遇するようですよ。何を隠そう私ヌルボ、2009年の「スター・トレック」を観た後、<ぴあ映画生活>に100人中1人の「腹立たしかった」というコメントを載せたことがありました。今確認したらいつの間にか消されてるゾ!(怒) 韓国題は「스타트렉 비욘드」。日本公開は10月21日です。
 8位「ソウル駅」は、「釜山行き」のヨン・サンホ監督が「釜山行き」の前日の夜をアニメで描き出した作品。ある日、不治の病に冒された浮浪者がふらふらと歩く中、家出少女(声:シム・ウンギョン)とボーイフレンド(声:イ・ジュン)、娘を探している父(声:リュ・スンニョン)がその場所にいました。やがてソウル駅を起点に異常なウィルスが拡散し始め、瞬く間にソウル駅は制御不能の状態になってしまいます・・・。この映画、記者・評論家の平均評価が6.92と悪くないのに、ネチズンはなぜか4.34。理由はよくわからず。原題は「서울역」です。
 10位「ラチェット&クランクTHE MOVIE」は、アメリカのSFアクション・3Dアニメ。主人公の少年ラチェットと相棒のロボット・クランクは元来はプレステのゲームソフトの人気キャラ。本作ではクランクと出会う前、ラチェットが働いていた宇宙船の修理ガレージに修理を頼んだお客さんがやってくるのですが・・・、というところから銀河の危機を救う壮大な物語になっていく? 韓国題は「갤럭시 히어로즈: 라쳇 앤 클랭크」。日本では劇場公開はなくブルーレイディスク、DVDを発売。詳細は→コチラ

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(30)・・ソウル駅(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・8/17 ・・・・・・・・・・・・・・67,572 ・・・・・・・・・・121,556・・・・・・・・・・・・・966 ・・・・・・・・440
2(11)・・カイ:湖の伝説(韓国)・・・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・・・11,734 ・・・・・・・・・・・18,576・・・・・・・・・・・・・141 ・・・・・・・・172
3(2)・・海よりもまだ深く(日本)・・・・・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・・・・・3,801・・・・・・・・・・・・80,233・・・・・・・・・・・・・665・・・・・・・・・24
4(1)・・スーパー・フレンズ(韓国)・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・・・・3,510 ・・・・・・・・・・・84,304・・・・・・・・・・・・・633・・・・・・・・・28
5(3)・・僕のサンティアゴ巡礼の道・・・・・・7/14 ・・・・・・・・・・・・・・・2,381・・・・・・・・・・・・86,885・・・・・・・・・・・・・667・・・・・・・・・15

 新登場は1・2位の2作品です。
 1位「ソウル駅」については上述しました。
 2位「カイ:鏡の湖の伝説」は、韓国アニメ。少年カイが住んでいた平和な村が、ある日雪の女王ハタンの魔法にかかり氷で覆われてしまいます。村の守護神の川の精霊は、カイにハタンに立ち向かえる唯一の鍵である霊魂の玉を渡し、危機に陥った村を救うように告げます。カイにあたえられた時間は3日間。村を守るためのカイと森の仲間たちとの冒険が始まります・・・。原題は「카이: 거울 호수의 전설」です。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月12日(金)~8月14日(日)]

2016-08-18 01:02:58 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 いやー、マイッタマイッタ。最近1ヵ月、この韓国映画興行成績以外の記事をアップしていない理由の半分くらいは長く愛用してきたパソコンの不具合。バッテリーの急激な劣化等のため突然電源が切れたり、反応が遅くなったり・・・。昨日は一度シャットダウンしたところ、更新プログラム6個をインストールするので「電源を切らないでください」とのメッセージ。5個分だけでも約4時間かかった上、6個目はその後さらに10時間(!)くらいかかっても終わらず、結局指示に逆らって強制終了させてしまいました。というわけで予定より1日と数時間遅れになってしまいました。1週間以内には何とかしなければ・・・。

 先週観た「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」は期待通り。1970年前後だったか、日本でも彼の名が取り沙汰され始めた頃、私ヌルボもたまたまクラシックギターにかなり熱中していたこともあって、「フラメンコギターになんだかすごい演奏家が現れたゾ」と目を瞠ったものでした。すでに幕を閉じた彼の音楽人生のもろもろと、何よりもその超絶技巧の早弾きだけではない演奏の魅力だけで十分鑑賞に値するドキュメンタリーでした。

 13日夜は久しぶりにコリアキネマ倶楽部。今回から2017年12月までは全17回ずっと北朝鮮映画です。でその初回は1975年制作のコメディ「遊園地の一日」と、1987年朝鮮総連映画製作所制作の「平壌の素顔」。後者は文字通り平壌市内の名所案内に工場のようすや春の野遊び風景等々市民生活の一端を撮ったもの。しかし平壌自体がショーウィンドー都市だし、はたしてホントに<素顔>と言えるかはなはだ疑問ではありますが・・・。今後のスケジュール等については<コリアキネマ倶楽部>のサイト(→コチラ)参照。
   
「朝鮮日報」8月12日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「トンネル」
   生き抜くぞという意志 ★★★☆


 「国家代表 2」

   どこかで見た物を調合 ★★☆


 「マイルス」

   彼の音楽と主役の演技! ★★★☆

 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

   この監督にしては退屈 ★★★


 「リオ2096」

   五輪だけではないのだ! ★★★

 「リオ2096」は、2013年のブラジルのSFアニメ。16世紀半ばのポルトガル人の南米侵攻で愛する妻ジャナイーナを殺されてしまった先住民族の戦士は、鳥に姿を変えて時を超えてジャナイーナを追い求め、600年転生を繰り返しながら戦い続けます。そして水をめぐる戦争が起きた後の2096年リオ・デ・ジャネイロへとたどり着きます・・・。日本では2013年のラテンビート映画祭で上映されました。他の4作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①(1) レオン  9.38
②(2) ライフ・イズ・ビューティフル  9.38
③(-) サウンド・オブ・ミュージック  9.35
④(4)オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン  9.33
⑤(-) 言えない秘密  9.27
⑥(5) 私たち(韓国)  9.25
⑦(6) ベン・ハー  9.23
⑧(-) 風と共に去りぬ  9.23
⑨(-) ラスト・エンペラー  9.21
⑩(10) サイコ  9.18

 4作品が入れ替わりました。といってもすべて旧作の再上映。これで新作は「私たち」だけになってしまいました。このランキングもやっぱり旧作抜きにするかなー・・・。さてこの韓国映画「私たち」については今年11月の<東京フィルメックス>で上映されることがすでに決まっています。→コチラの中央日報」の記事参照。同じく「中央日報」のコチラの記事では「自信を持って言うが、子供の話だといって素通りしてしまうと今年上半期の韓国映画の輝く成就を見逃すことになる」と絶賛しつつ内容を紹介しています。韓流人気スターの出演作以外は日本公開作品が少ない中、3ヵ月先のこととはいえ要チェックです。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(3) キャロル  8.96(13)
②(-) アガシ(韓国)  7.68(18)
③(2) 私たち(韓国)  7.66(14)
④(-) さざなみ  7.57(7)
⑤(-) ルーム  7.53(9)
⑥(-) BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント  7.45(5)
⑦(-) エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に  7.41(8)
⑧(-) トンネル(韓国)  7.21(14)
⑨(-) ボーン・トゥ・ビー・ブルー  7.13(6)
⑩(-) 釜山行き(韓国)  7.10(17)

 今回から再上映の旧作は除外することにしました。原則として韓国で初めて劇場公開され、現在も上映されている作品の中から選びました。したがって比較的新しい韓国映画の「似而非(サイビ)」[2013]=7.38や、「ソーシャルフォビア」[2015]=7.18は対象外です。この結果ずいぶん「見映え」が良くなった、というか、より現在の状況がわかるようになったと思います。ベスト10の中で本ブログ新登場は⑥と⑧の2作品です。
 ⑥「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」は、スピルバーグ監督の新作。あのロアルト・ダールの児童小説「オ・ヤサシ巨人BFG」(評論社)が原作の実写映画版ファンタジーです。ロンドンの児童養護施設に暮らす好奇心旺盛な10歳の少女ソフィーは、ある真夜中、窓から侵入した “巨大な手”によってベッドから持ち上げられて“巨人の国”に連れ去られてしまいます。彼女をさらって行ったのは身長8mの巨人BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)でした。原作では人間マメを好物にしていたとかR.ダールらしいブキミな要素もあるのですが、つまりはフレンドリーな巨人。ひとりぼっちだったソフィーは、優しく孤独なBFGと心を通わせるようになりますが、次に登場するのがBFGとは正反対の凶暴な巨人たち、ということで危機に直面することになるわけです。韓国題は「마이 리틀 자이언트」。日本公開は9月17日です。
 ⑧「トンネル」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月12日(金)~8月14日(日)] ★★★

         好調の韓国映画、今度はハ・ジョンウ主演の「トンネル」がトップ
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(27)・・トンネル(韓国)・・・・・・・・・・8/10・・・・・・・・・・1,821,882・・・・・・・・・2,582,035・・・・・・・・・21,011 ・・・・・・1,095
2(1)・・徳恵翁主(韓国)・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・967,952・・・・・・・・・3,550,365・・・・・・・・・28,347・・・・・・・・827
3(2)・・仁川上陸作戦(韓国) ・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・465,975・・・・・・・・・6,229,941・・・・・・・・・48,750・・・・・・・・588
4(4)・・ペット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・368,796 ・・・・・・・・・1,721,103・・・・・・・・・13,227・・・・・・・・617
5(5)・・釜山行き(韓国)・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・346,302・・・・・・・・10,791,782・・・・・・・・・86,938・・・・・・・・562
6(12)・・-国家代表 2(韓国) ・・・・・・8/10・・・・・・・・・・・263,182 ・・・・・・・・・・407,298・・・・・・・・・・3,188・・・・・・・・541
7(3)・・スーサイド・スクワッド ・・・・・8/03・・・・・・・・・・・116,402・・・・・・・・・1,793,941・・・・・・・・・15,020・・・・・・・・414
8(6)・・ジェイソン・ボーン・・・・・・・・・7/27・・・・・・・・・・・・58,922 ・・・・・・・・・2,539,281・・・・・・・・・20,657・・・・・・・・176
9(7)・・名探偵コナン・・・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・・50,088 ・・・・・・・・・・・459,210・・・・・・・・・・3,393・・・・・・・・207
       純黒の悪夢(ナイトメア)(日本)
10(21)・・スーパー・フレンズ(韓国)・・8/10・・・・・・・・・・32,255 ・・・・・・・・・・・・56,103 ・・・・・・・・・・・429 ・・・・・・・・255
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 前回の予測通り「トンネル」がトップ。「釜山行き」→「仁川上陸作戦」→「徳恵翁主」に続く連続の韓国映画大ヒットで、他の2作品と合わせて6作品がベスト10入りとは、韓国映画業界はうれしい夏でしょうね。
 今回の新登場は1・6・10位の韓国映画3作品です。
 1位「トンネル」は、帰宅途中事故で崩落したトンネルに閉じ込められた男と彼の救助を巡るトンネルの外の人々を描いた災害ドラマ。自動車販売代理店の課長イ・ジョンス(ハ・ジョンウ)は、大きな契約件を控えて陽気な気分で家に向かう途中、 突然崩れ落ちたトンネルの中に1人閉じ込められてしまいます。コンクリートの残骸と鉄筋構造物に取り囲まれて自由に動くこともできない状態で、持っている物はバッテリー残量78%の携帯電話とミネラルウォーター2本、そして娘に贈るはずだったバースデーケーキだけ。事故のニュースが流され政府は緊急に事故対策班を設置しますが、その救助隊長テギョン(オ・ダルス)は、塞がれたトンネルへの進入を試みるものの救助作業は遅れるばかり。 一方、ジョンスの妻セヒョン(ペ・ドゥナ)はジョンスが唯一聞くことができるラジオを介して夫を励まします。
救助作業は遅々として進まず、最終的には近くの第2のトンネル完成に大きな支障を与えることにもなり、ジョンスの救助に対して世論も分裂してゆきます・・・。「その日崩れたのは、トンネルだけではなかった」というコピーの意味が徐々に露わになってきます・・・。原題は「터널」です。
 6位「国家代表 2」は、大ヒットした「国家代表」(2009)同様冬季オリンピックをめざす選手たちの話。前作は男子のスキー・ジャンプチームでしたが、この第2作は女子アイスホッケーチーム。やはり冬季オリンピックの誘致のための急造チームが「皆が不可能だと考えていた胸熱い挑戦を描く」というもの。どうも既視感はぬぐえずか。また監督役がオ・メンバーで、中心メンバーがスエとかの顔ぶれでダイジョブなんでしょうか? 原題は「국가대표 2」です。
 10位「スーパー・フレンズ」は、韓国の3Dアニメ。未来都市のロボット天才サムが発明した変わり種ロボットの孫悟空と沙悟浄と猪八戒。 毎日事故を追っていた彼らは、ある日街を破壊しようとしている悪役オスカーの陰謀に巻き込まれ、否応なく都市救出作戦に飛び込むことに。よりによって心もとない彼らに都市の運命が託されてしまいます・・・。原題は「슈퍼 프렌즈」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(8)・・スーパー・フレンズ(韓国)・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・・・32,255 ・・・・・・・・・・・56,103・・・・・・・・・・・・・429 ・・・・・・・・255
2(1)・・海よりもまだ深く(日本)・・・・・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・・・・・9,272・・・・・・・・・・・・69,318・・・・・・・・・・・・・574 ・・・・・・・・・43
3(2)・・僕のサンティアゴ巡礼の道・・・・・・7/14 ・・・・・・・・・・・・・・・4,964・・・・・・・・・・・・80,385・・・・・・・・・・・・・619 ・・・・・・・・・33
4(新)・・マイルス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・・・・4,194・・・・・・・・・・・・・6,696・・・・・・・・・・・・・・55・・・・・・・・・・49
5(3)・・胸騒ぎのシチリア・・・・・・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・・・・・2,514・・・・・・・・・・・・12,133・・・・・・・・・・・・・・97 ・・・・・・・・・30

 またまた前回と順位に食い違いが生じてます。それで本ブログの新登場は1・4・5位の3作品ということになります。
 1位「スーパー・フレンズ」については上述しました。
 4位「MILES AHEADマイルス・デイヴィス 空白の5年間」は、もちろんあのモダン・ジャズの巨人の伝記映画。タイトル中の「空白の5年間」とは、1975年「アガルタ」と「パンゲア」を出した後、突如として姿を消した5年間のこと。慢性の腰痛を抱え、ドラッグ等で荒んだ生活を送っているマイルスの元に押しかけたローリング・ストーンズ誌の記者デイヴ・ブレイデン(ユアン・マクレガー)の目を通して、マイルスの復活までのストーリーを描きだします。邦題の初めの「Miles ahead」は原題で、これはマイルズ1957年にリリースしたアルバム名ですが韓国題はたんに「마일스(マイルス)」。日本公開は12月23日とのことです。
 5位「胸騒ぎのシチリア」は、イタリア・フランス合作のシチリアを舞台にした男女4人の恋愛模様を描いたドラマ。人気ロック歌手のマリアン(ティルダ・スウィントン)とその年下の恋人ポール(マティアス・スーナールツ)のバカンスに、マリアの元カレの音楽プロデューサーのハリー(レイフ・ファインズ)がセクシーな娘ペン(ダコタ・ジョンソン)を連れてが押しかけてきて、そりゃマリアもポールも胸騒ぎ、どころか思いがけない事件まで繰り転げられていきます・・・。韓国題は「비거 스플래쉬 」。日本公開は11月です。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月5日(金)~8月7日(日)]

2016-08-09 23:56:13 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先々週の「ヒメアノ~ル」以来、私ヌルボがけっこう参考にしている<ぴあ映画生活>での評価とのズレが続いています。
 「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」は、カキコミの多くは「感動的」と書かれています。また「韓国人らしいメンタリティ云々」もまさにその通り。ただ私ヌルボが今ひとつ乗りきれなかったのはほぼ予測範囲内の展開だったためかも。しかしいろんな知識は得られました。なお説明はありませんでしたが、訓練場所の岩山は山の雑誌「岳人」の<韓国の山特集>についての記事(→コチラ)でも紹介したソウルの北漢山等。はるか下方に街並みが見えます。北漢山の山小屋・白雲山荘もチラッと映ってました。

 阪本順治監督の「団地」も平均評点80点で、実際観客席のあちらこちらで笑い声も上がったりしてたんですけどねー、私ヌルボは笑えず。ストーリー展開も首を傾げる点がいくつかあったりして・・・。なお同じ時間帯にシネマ・ベティで上映していた「あなた、その川を渡らないで」は開映5分前くらいで満席に。その直後に来られた横須賀の方、ホントに残念でした。

 先週ちょっと書いたシネマカリテで6日の1度だけ上映の「弁護人」はやっぱり行けず。あーあ。
 今後の韓国関係映画では8月20日公開(@ポレポレ東中野)の「海峡を越えた野球少年」は観に行く予定。1956~97年韓国で開催された全国鳳凰大旗学生野球大会に招かれた在日韓国人の選手たちのドキュメンタリーです。

 今韓国では、先日観客動員1000万人を超えた「釜山行き」に続き「仁川上陸作戦」「徳恵翁主(トッケオンジュ)」と話題の大作が次々に公開されています。コン・ユ主演の「釜山行き」はソウル→釜山のKTXを舞台にしたゾンビ物で、季節は全然違いますが「スノーピアサー」を思い起こさせます。「仁川上陸作戦」はもちろん朝鮮戦争で戦局を大きく転換させた仁川上陸作戦を、その計画段階から描いたドラマ。周囲の反対を押し切って作戦を推進した国連軍最高司令官マッカーサー(リーアム・ニーソン)の指示で対北朝鮮諜報作戦<X-RAY>に投入された海軍諜報部隊大尉チャン・ハクス(イ・ジョンジェ)が活躍します。なお、<NAVER映画>ではこの作品に対するネチズンの平均評点が8.11なのに記者・評論家のそれはわずか3.41。→コチラの過去記事で書いたように、この数字を見るとまさに<保守系>色の濃厚な作品といえるでしょう。代表的保守紙の「朝鮮日報」が推奨している(→コチラ)のもむべなるかな、です。
さて、上記の韓国映画1~3弾に続き今週(8月10日)にはハ・ジョンウ主演の「トンネル」も始まります。これもおもしろそう。(→コチラ参照。)

 徳恵翁主(トッケオンジュ)という人物は、高宗と側室・梁氏との間に生まれ、1930年旧対馬藩主・宗家の当主である宗武志伯爵の夫人となった王女で、映画ではソン・イェジンが扮しています。→ウィキペディアにあるように李王家とはいっても韓国併合後(1912年)に生まれたため悲運の人生を辿ることを余儀なくされた女性で、同情はされても映画の主人公とするにはいかがなものかと思いますが、ここにキム・ジャンハン(パク・ヘイル)という架空の人物を配したのが本作のミソ。徳恵翁主の幼友達で、成人後高宗の息子の英親王李垠の副官となりますが「実は日本軍人を偽装した独立運動家」( !)で、彼等を臨時政府のある上海に亡命させようと・・・、という設定になっているようです。昨年のヒット作「暗殺」同様史実とフィクションが接ぎ木された作品ですが、<独立運動>や<上海臨時政府>はこの時代を描いた作品の「お約束」になっているような感じですが、観客はどこまでわかって観るかはかなり疑問が・・・。やはり1987年の憲法改正で初めて「大韓民国臨時政府の法統を継承する」と規定されて以来(上海の)臨時政府のイメージは膨らみ続けて今に至ったように思えます。
 ※参考:「仁川上陸作戦」以外の<NAVER映画>でのネチズン記者・評論家の平均評点
   「釜山行き」=8.04 7.10     「徳恵翁主」=8.68 5.49
   なお、是枝裕和監督の最新作「海よりもまだ深く」=8.58 7.07
   韓国で今上映中で私ヌルボが観てもたい「少女たち」=9.24 7.66

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①(2) レオン  9.38
②(3) ライフ・イズ・ビューティフル  9.38
③(-) アマデウス  9.34
④(-)オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン  9.33
⑤(5) 私たち(韓国)  9.26
⑥(6) ベン・ハー  9.22
⑦(6) サイコ  9.19
⑧(-)名探偵コナン 純黒の悪夢 (ナイトメア)(日本)  9.16
⑨(7) オーヴェという男  9.15
⑩(8) シーモアさんと、大人のための人生入門  9.14

 新登場は⑧「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)です。<ぴあ映画生活>の評点もけつこう高いし、1度どんなものかレンタル店で借りて観てみるかな。韓国題は「명탐정 코난: 순흑의 악몽」です。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-) アマデウス  9.25(1)
②(1) トリコロール 青の愛  9.00(1)
③(2) キャロル  8.96(13)
④(3) ピアニスト  8.75(1)
⑤(4) ベン・ハー  8.75(1)
⑥(7) ライフ・イズ・ビューティフル  8.34(8)
⑦(9) ビフォア・サンライズ 恋人までの距離〈ディスタンス〉  8.25(2)
⑧(-) 歩いても歩いても(日本)  8.17(12)
⑨(10) 幻の光(日本)  7.84(8)
⑩(-)シュガーマン 奇跡に愛された男  7.83(6)

 あいかわらず。今年2月公開の③「キャロル」以外は過去の作品ばかり。次週からは新作限定にしようと思います。
 一応新登場は⑧「歩いても歩いても」の1作品。是枝裕和監督のブームが続いています。韓国題は「걸어도 걸어」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月5日(金)~8月7日(日)] ★★★

         今夏韓国映画の大作第3弾「徳恵翁主」がトップに
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(14)・・徳恵翁主(韓国)・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・1,170,391・・・・・・・・・1,706,491・・・・・・・・・13,787・・・・・・・・964
2(1)・・仁川上陸作戦(韓国) ・・・・・7/27 ・・・・・・・・・1,078,499・・・・・・・・・5,245,392・・・・・・・・・41,077・・・・・・・・831
3(新)・・スーサイド・スクワッド・・・・8/03・・・・・・・・・・・761,978・・・・・・・・・1,416,971・・・・・・・・・11,981・・・・・・・・817
4(17)・・ペット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・639,635・・・・・・・・・・・986,752・・・・・・・・・・7,642・・・・・・・・726
5(2)・・釜山行き(韓国)・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・622,828・・・・・・・・10,042,303・・・・・・・・・81,062・・・・・・・・636
6(3)・・ジェイソン・ボーン・・・・・・・・・7/27・・・・・・・・・・・270,329・・・・・・・・・2,360,920・・・・・・・・・19,231・・・・・・・・477
7(新)・・-名探偵コナン・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・190,370 ・・・・・・・・・・336,466・・・・・・・・・・2,494・・・・・・・・442
       純黒の悪夢(ナイトメア)(日本)
8(4)・・ファインディング・ドリー・・・・7/06 ・・・・・・・・・・・・46,240・・・・・・・・・2,564,890・・・・・・・・・20,438・・・・・・・・179
9(9)・・海よりもままだ深く(日本)・・・7/27 ・・・・・・・・・・・13,179・・・・・・・・・・・・51,411 ・・・・・・・・・・・425・・・・・・・・・49
10(6)・・アイスエイジ5:地球大衝突・・7/20 ・・・・・・・・・10,189・・・・・・・・・・・547,398・・・・・・・・・・4,049・・・・・・・・・83
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「釜山行き」が1000万人を超え、「検事外伝」の970万人を抜いて今年の興行成績1位になりました。先週トップの「仁川上陸作戦」のトップは1週だけで終わり、今度は今夏の韓国映画の期待作第3弾「徳恵翁主」がとってかわりました。しかし後にすぐハ・ジョンウとペ・ドゥナ共演「トンネル」という第4弾が8月10日公開されるので、たぶん来週はすぐ交代ということになりそうです。
 今回の新登場は1・3・4・7位の4作品です。
 1位「徳恵翁主(トッケオンジュ)」は、記事冒頭に記したように、高宗と側室・梁氏との間に生まれた王女の人生に、フィクションを交えた歴史物。原題は「덕혜옹주」です。
 3位「スーサイド・スクワッド」は、アメリカのアクション大作。死刑や終身刑を言い渡された極悪人たちが、減刑と引き替えに政府の危険な任務を遂行にあたります。韓国題は「수어사이드 스쿼드」。日本公開は9月10日です。
 4位「ペット」は、アメリカの3Dアニメ。日本公開も8月11日で、すでに諸情報が流されているので説明は略します。韓国題は「마이펫의 이중생활」です。
 7位「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」については上述しました。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・海よりもままだ深く(日本) ・・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・・・・13,179・・・・・・・・・・・・51,411 ・・・・・・・・・・・・・425 ・・・・・・・・・49
2(35)・・歩いても歩いても(日本)・・2009/6/18 ・・・・・・・・・・・・・・・2,255・・・・・・・・・・・・21,374 ・・・・・・・・・・・・・155 ・・・・・・・・・15
3(3)・・デモリション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/13 ・・・・・・・・・・・・・・・2,184 ・・・・・・・・・・・・60,461・・・・・・・・・・・・・493 ・・・・・・・・・18
4(1)・・ビッグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・・・・・1,995・・・・・・・・・・・157,516 ・・・・・・・・・・・1,153 ・・・・・・・・・21
5(新)・・ショーシャンクの空に ・・・・1999/3/06 ・・・・・・・・・・・・・・・1,986・・・・・・・・・・・・11,188 ・・・・・・・・・・・・・・72・・・・・・・・・・・1

 2位「歩いても歩いても」が新登場。上述の通りです。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [7月29日(金)~7月31日(日)]

2016-08-02 23:53:30 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 7月27日に観た「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」は、とても良かった! 個人的には今年のベスト5位以内確実。1947年<ブラックリスト>に名前が載せられて以降他の脚本家の名前で脚本を書いていたトランボが公式に実名で業界に復帰したのが「スパルタカス」と「栄光への脱出」だったのか。私ヌルボが初めて彼の名を知ったのは「ジョニーは戦場に行った」(1971)の公開に合わせて刊行された角川文庫を買って読んだ時、というと40年以上も前か、うーむ・・・。

 その翌日は「ヒメアノ~ル」は、<映画生活>等でけっこう高評価のようなので観てみました。が、たとえば「チェイサー」のような韓国の連続殺人モノと比べると凄みが全然感じられず。逆説的ですが、むしろその点がプキミで怖いような・・・。前半のヘンに滑稽な片想いの話も、他の観客の笑うツボがよくわからず。原作漫画はチラッと見ただけですが、やっぱりブキミな絵柄。もしかして<近頃の若いモン>との間の感性のギャップ?

 週末のぴあ映画初日満足度ランキングを見ると、韓国映画「あなた、その川を渡らないで」「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」が1・2位。10年ほど前と違ってこの頃は韓国での大ヒット作もあまり宣伝しないし話題にもならないうちに終わってしまうのが残念。ぜひ多くの人に観てもらいたいものです。横浜でもシネマ・ジャック&ベティと横浜シネマリンで上映中。

 新宿シネマカリテで7月16日から上映中(~8/16)の<カリコレ2016>でいろいろおもしろそうな映画をやってるのですが、上映回数が限定されているのがなんとも残念。台湾映画「私の少女時代 ―Our Times―」は観られなかったし、韓国では1100万人を越えたヒット作「弁護人」も8月6日の1度だけとは、ちょっと行けそうにないかな? 「京城学校:消えた少女たち」は4日・10日・13日の3回か。どういう組み方してるんだろう?(スケジュールは→コチラ。)
   
「朝鮮日報」7月29日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「海よりもまだ深く」
   喪失と失敗、共に大丈夫 ★★★☆


 「ジェイソン・ボーン」

   身体を少し使ったかな ? ★★★


 「ノーマ、世界を変える料理」

   誰もがやるものに非ず ! ★★★


 「仁川上陸作戦」

   意図と結果がズレてる ★★☆


 「ビッグ」

   親と観るにはちょっと ★★☆

 「ノーマ、世界を変える料理」は、日本ではすでに4月から公開。他の4作品はすべて下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①(-) ショーシャンクの空に  9.39
②(-) レオン  9.38
③(1) ライフ・イズ・ビューティフル  9.38
④(4) 私たち(韓国)  9.23
⑤(3) ベン・ハー  9.23
⑥(-) サイコ  9.19
⑦(7) オーヴェという男  9.17
⑧(5) シーモアさんと、大人のための人生入門  9.15
⑨(10) 太陽の下  9.04
⑩(9) バグダッド・カフェ(ディレクターズ・カット)  9.04

 今回も過半が旧作の再上映。新作のみのランキングにしてほしいな。って、韓国ではそれだけ昔の名作がよく上映されているということか?

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) トリコロール 青の愛  9.00(1)
②(2) キャロル  8.96(13)
③(-) ピアニスト  8.75(1)
④(3) ふたりのベロニカ  8.75(1)
④(3) ベン・ハー  8.75(1)
⑥(-) ショーシャンクの空に  8.50(1)
⑦(5) ライフ・イズ・ビューティフル  8.34(8)
⑧(6) グランブルー  8.25(4)
⑨(7) ビフォア・サンライズ 恋人までの距離〈ディスタンス〉  8.25(2)
⑩(10) 幻の光(日本)  7.84(8)

 今回新登場の作品はありません。②以外は過去の作品ばかり。このランキングについても再考しなければ。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月29日(金)~7月31日(日)] ★★★

         「釜山行き」を抑えて「仁川上陸作戦」が1位
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(18)・・仁川上陸作戦(韓国) ・・・・・7/27 ・・・・・・・・・1,794,116・・・・・・・・・2,625,585・・・・・・・・・20,609・・・・・・1,048
2(1)・・釜山行き(韓国) ・・・・・・・・・・・7/20 ・・・・・・・・・1,453,635・・・・・・・・・8,409,447・・・・・・・・・68,135・・・・・・1,020
3(新)・・ジェイソン・ボーン・・・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・1,017,744・・・・・・・・・1,543,250・・・・・・・・・12,694・・・・・・・・826
4(3)・・ファインディング・ドリー・・・・7/06 ・・・・・・・・・・・172,903・・・・・・・・・2,362,733・・・・・・・・・18,965・・・・・・・・422
5(2)・・グランド・イリュージョン・・・・7/13 ・・・・・・・・・・・104,270・・・・・・・・・3,032,478・・・・・・・・・24,598・・・・・・・・298
       見破られたトリック
6(3)・・アイスエイジ5:地球大衝突・・7/20 ・・・・・・・・・・98,742・・・・・・・・・・・464,757・・・・・・・・・・3,483・・・・・・・・353
7(50)・・-ビッグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・・67,265・・・・・・・・・・・115,088 ・・・・・・・・・・・858・・・・・・・・321
8(5)・・劇場版妖怪ウォッチ ・・・・・・7/20 ・・・・・・・・・・・・61,130 ・・・・・・・・・・265,066・・・・・・・・・・2,001・・・・・・・・234
       エンマ大王と5つの物語だニャン!(日本)
9(34)・・海よりもままだ深く(日本)・・7/27 ・・・・・・・・・・・16,936・・・・・・・・・・・・22,925 ・・・・・・・・・・・192・・・・・・・・・71
10(9)・・-僕のサンティアゴ巡礼の道・・7/14 ・・・・・・・・・9,237・・・・・・・・・・・・55,419 ・・・・・・・・・・・428・・・・・・・・・42
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「釜山行き」は早くも800万人突破。そのあおりが多いだろうと思われた「仁川上陸作戦」が週末ランキングでは首位に。3位「ジェイソン・ボーン」まで含めて上位3作が100万人越えというのは過去なかったのでは?
 今回の新登場は1・3・7・9位の4作品です。
 1位「仁川上陸作戦」は、1950年6月25日北朝鮮の突然の南侵で始まった朝鮮戦争の戦局を一変させた仁川上陸作戦を、その計画段階から描いたドラマ。開戦後1ヵ月で釜山方面を除くほぼ全域を奪われた韓国。そんな中で国連軍最高司令官マッカーサー(リーアム・ニーソン)は、自身が「成功率0.02%%」というほどの至難な作戦を周囲の反対を押し切って推進します。彼の指示で対北朝鮮諜報作戦<X-RAY>に投入された海軍諜報部隊大尉チャン・ハクス(イ・ジョンジェ)は、北朝鮮軍に偽装し仁川に入って情報を収集し始めます。しかし北朝鮮軍の仁川防御司令官リム・ギェジン(イ・ボムス)によって正体がばれそうになる危機の中で、チャン・ハクスとその部隊員たちは仁川上陸艦隊を誘導する危険な任務に出るのですが・・・。原題は「인천상륙작전」。
 3位「ジェイソン・ボーン」は、マット・デイモン主演のアクションシリーズの新作。第3作「ボーン・アルティメイタム」では、記憶を失くし、愛する者を奪われたジェイソン・ボーンが最終的に全ての記憶を取り戻したところで映画は終了します。本作では、その彼が「自分を取り戻した。失った記憶は全部取り戻した」と語るところから始まります。そして彼は取り戻した記憶の他に、 過去をめぐるもうひとつの陰謀があることを知り、ついにCIAの前に自分の姿を現わします・・・。韓国題は「제이슨 본」。日本公開は10月7日です。
 7位「北のノーム」は、アメリカの3Dアニメ。主人公はホッキョクグマのノーム。仲間の3匹のレミングとニューヨークにやって来た目的は、北極への人間の移住を阻止するため。ところがノームたちは北極にコンドミニアム建設をもくろむ会社のマスコットになり、人気者になってしまいます・・・。原題は「Norm of the North」で韓国題は「빅(ビッグ)」。日本公開は未定です。
 9位「海よりもままだ深く」は、今韓国ではちょっとしたブームの是枝裕和監督の最新作。私ヌルボも観ようと思いつつ未見のまま。東京での上映館は下高井戸シネマだけか。韓国題は「태풍이 지나가고(台風が過ぎて)」なので何かと思いましたよ。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(17)・・ビッグ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/27・・・・・・・・・・・・・・・67,265・・・・・・・・・・・115,088 ・・・・・・・・・・・・・858 ・・・・・・・・321
2(15)・・海よりもままだ深く(日本) ・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・・・・16,936・・・・・・・・・・・・22,925 ・・・・・・・・・・・・・192 ・・・・・・・・・71
3(1)・・デモリション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/13 ・・・・・・・・・・・・・・・4,889・・・・・・・・・・・・・54,169・・・・・・・・・・・・・442 ・・・・・・・・・33
4(新)・・好きだよ、マギー・・・・・・・・・・・・・・7/27・・・・・・・・・・・・・・・・2,397・・・・・・・・・・・・・・7,635・・・・・・・・・・・・・・57 ・・・・・・・・・58
5(58)・・ライフ・イズ・ビューティフル・・1999/3/06・・・・・・・・・・・・・1,906 ・・・・・・・・・・・126,342・・・・・・・・・・・・・841・・・・・・・・・・・1

 1・2・4位の3作品が今回の新登場。
 1位「ビッグ」と2位「海よりもままだ深く」については上述しました。
 4位「好きだよ、マギー」(仮)は、2013年のメキシコで大ヒットしたコメディ。アカプルコに住む遊び人のバレンティン(エウゲニオ・デルベス=監督・主演)が海辺の部屋で寝ていると、赤ちゃんを連れた女がやって来て、「アナタの子供よ」とその子を手渡し、そのままいなくなってしまいます。彼はその女を探しにメキシコからロサンゼルスへ向かうものの結局見つからず、赤ちゃんの世話をすることに。そして6年が過ぎ、彼はハリウッドでスタントマンとして働き、その女の子マギー(ジェシカ・リンジー)は小学校に通うようになります。しかし、ある日マギーの母親が訪ねてきます・・・。韓国題は「사랑해, 매기」。日本公開は未定です。
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